Motohiro Tsuchiya, ”Systematic Government Access to Private-Sector Data in Japan”

Motohiro Tsuchiya, “Systematic Government Access to Private-Sector Data in Japan,” International Data Privacy Law (2012) doi: 10.1093/idpl/ips019, first published online: August 21, 2012.

 各国の政府が民間のデータにどうアクセスしているかについて比較研究する国際プロジェクトに参加し、レポートを送ったら、それぞれのレポートを雑誌に掲載しようということになった。紙版の前にオンライン版が出た。

 プロジェクトのリーダーのアメリカの研究者たちは、アメリカ政府がパトリオット法などで民間のデータにアクセスしていることを問題にしているが、日本だとあまりそういう事例はない。私の日本版だけ読むと日本の読者にはおもしろくないと思うが、各国のレポートがこれから出て来るので、並べて読むとおもしろくなると思う。

猿谷要『ハワイ王朝最後の女王』

猿谷要『ハワイ王朝最後の女王』文春新書、2003年。

 途切れ途切れに続けているハワイの研究。

 ハワイ王朝の最後の女王となったリリウオカラーニの生涯について書かれている。アメリカはハワイを「強奪」するためにひどいことをしたものだ。

 日本にもいくばくかの責任がある。日本が先の見通しを持ってアメリカの動きを牽制していれば王朝の行く末は違ったかもしれない。少なくとも日本がハワイを奪ってしまうかもしれないという脅威論がハワイ併合の根拠とされたのだから。

 表面的に見るハワイのイメージとはずいぶん違う歴史を読み取ることができる。

来月新著

 来月、新著が出る見込み。

 テーマはサイバーセキュリティで、初めての新書。タイトル付けは苦手なので出版社にお任せしたところ、私としては気恥ずかしいものになった。それで多くの人が手に取ってくれるなら良いかもしれないと思い直している。

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-16-660878-2&Sza_id=MM

 手元の記録によると、書き始めたのは昨年の12月26日、第一稿を編集者に送ったのがゴールデンウィークの終わりの5月6日、書き直しの第二稿を送ったのが7月10日。発売予定が9月20日。ずいぶん速いなあという感じ。