ワシントンDC

 9月16日〜19日はアメリカのワシントンDC。17日は朝食から夕食までいろいろな人たちに会って話をうかがった。朝食の席では知人の年齢を聞いてのけぞり、昼食の席で聞いたブリーフィングにため息をつき、夕食の席では600本のワインを持っているというアメリカの外交官に目を丸くする。合間の午前と午後のヒアリングでもそれぞれサイバーセキュリティについて意見交換。

18日は、日米のサイバーセキュリティ協力について講演を2回。大使館の皆さんの手厚いサポートで充実した時間を過ごせた。

夜は大学時代の同級生たちがチケットをとってくれたので、メジャーリーグのワシントン・ナショナルズの試合へ。しかし、ここで失態。すっかりRFKスタジアムだと思い込んでスタジアムに着くものの、ここでやっていたのはサッカーのDC Unitedの試合。慌ててNavy YardのNats Stadiumへ。45分遅れで到着。相手チームはフロリダ・マーリンズ。つまり、イチローのチームである。

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イチローは内野安打で出塁。周りはナショナルズのファンばかりだが、我々はイチローにだけは拍手。

メジャーリーグの試合は、ボストンでレッドソックス岡島を見て以来ではないか。そうだとすると7年ぶりだ。その間に何度もアメリカには来ているはずだけど、観る時間がなかった。結局、友人たちと話していてあまり試合は観ていなかったけど、球場の雰囲気を味わえたのはとても良い気分転換だった。

第8回日中危機管理交流会

 日本危機管理学会の皆さんに誘われ、中国四川省の成都へ。2008年に四川大地震があったため、四川大学には香港理工大学と共同で災後重建与管理学院という大学院が設置されており、そこで2015年9月8日と9日、第8回日中危機管理交流会が開かれた。「重建」は日本語で言う「再建」のことらしい。

 実は、この災後重建与管理学院がどこにあるのか、日本側一行は把握していなかった。四川大学にはいくつかキャンパスがあり、到着日の空港出迎えでは、ホテルから10分と言われていた。ところが、翌日の朝になってタクシーに乗ったところ、大雨のために大渋滞。しかし、それにしてもなかなか着かない。至る所で交通事故が起きている。どの車も我先にと頭を突っ込んでくるので、進まないし、事故も起きる。

 タクシーの中でいったいどうなっているのかとネット地図で場所を確認すると、どうやら郊外の空港に近い江安校区(キャンパス)らしい。いっこうにタクシーも進まないし、そもそも30分の移動時間しか確保していなかったので、完全に遅刻してしまう。9時開始予定のところ、着いた時には10時を過ぎていた。

 香港の財界からの支援で建てられた建物はかなり立派で、後で見学させてもらうと、さまざまな演習・実習ができる部屋が充実していた。日本は震災の後、こういう研究・教育施設はどれぐらいできているのだろう。

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 1.5日にわたって行われた研究発表のうち、比較的多かったのが中国の社会秩序維持に関するもの。特に、大勢の人が一カ所に集まる場合にどうやって秩序を維持するかという研究を中国側が熱心にやっているのに驚いた。デモが暴徒化することを恐れているのだろうか。

 腐敗防止キャンペーンの時節柄、昼ご飯はなんと弁当。中国で弁当を食べるのは初めての経験だ。分量が多くて食べきれないが、味は悪くない。

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 6月の北京での経験があったので、夜の宴会もないのかと思ったら、さすがにあった。グラグラと煮立つ四角い鍋を使ったしゃぶしゃぶ、いわゆる四川名物の火鍋だ。ビールは雪花というちょっと薄めの味のもの。おいしくて良かったが、着ていたスーツに強烈なにおいがしみこんだのはいただけない。

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 2日目のセッションを昼で終えて、また弁当を食べた後、雨の中を観光(後で知ったが、この頃、日本では大雨で大変なことになっていた)。

 夜は、卒業生と再会。レストランがイトーヨーカドーの近くだった。少し早めに着いたので、イトーヨーカドーの中を見学。売られている肉の切り方が中国風。上海蟹もずらりと並んでいる。いけすに入っている魚もずいぶん違う。多宝魚や烏魚と書いてある。小さめのナマズも大量に泳いでいる。巻き寿司もきれいに並んでいる。なんだか日本企業が中国の皆さんの生活に貢献しているかと思うとうれしい。

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 成都の後は北京へ。北京に到着したときはやはり大雨だったが、翌日は晴れた。いつもの薄暗いスモッグではなく、少し青空も見えた。直前にあった軍事パレードの時の青空は「パレード・ブルー」と呼ばれたのも記憶に新しい。

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サイバー攻撃で、ドイツの製鋼所が甚大な被害を被っていた

土屋大洋「サイバー攻撃で、ドイツの製鋼所が甚大な被害を被っていた」『Newsweek日本版』2015年9月1日。

 日本語でもニュースで流れた事例なので、新しいわけではありませんが、それなりにびっくりした事例なので、取り上げました。

 文中で取り上げたBSIの報告書は以下にあります。

https://www.bsi.bund.de/SharedDocs/Downloads/DE/BSI/Publikationen/Lageberichte/Lagebericht2014.pdf?__blob=publicationFile

 また、引用しているドラゴス・セキュリティのブログ・エントリーは以下にあります。BSIの報告書はドイツ語ですが、このブログ・エントリーに英訳があります。

https://dragossecurity.com/blog/9-ics-cyber-attack-on-german-steelworks-facility-and-lessons-learned