ヴィント・サーフがグーグルに移籍

Yuki Noguchi, “Google Grabs Internet Founder From MCI: Vinton Cerf Helped Develop Protocol for Web Communication in the 1970s,” Washington Post, September 9, 2005; D05.

グーグルは最近マイクロソフトからの人材引き抜きで話題を振りまいているが、今度はMCIからヴィント・サーフまで引き抜いた。アプリケーションもどんどん拡大中だし、何を考えているんだろう。

合宿

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研究会の合宿で御嶽山に行く。宿にたどり着くにはケーブルカーに乗らなくてはならない。

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山頂には御嶽神社がある。

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朝5時から滝行に参加した勇者7人(私は遠慮した)。右端は駒鳥山荘のご主人(ブログでも紹介されている! 御世話になりました)。駒鳥山荘は安永5年(1776年)創業で、現在のご主人は17代目。今年5月に青梅で初めて光ファイバーを入れたとのこと。山の上で軽快なネット接続が可能。

音楽著作権

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今週で授業がおわり、妻が旅行に出ているので独身生活を満喫できるはずだったが、やたらと用事が入っていて、朝から晩まで出かけている。おかげで外食続きだ。

今日は、朝の用事を済ませ、午後はJASRAC(日本音楽著作権協会)を学生と訪問。JASRACはなにかと悪者扱いされることが多いが、アーティストたちの権利を守るための非営利組織だ。ビデオを見せていただいたり、データベース構築の手順を教えていただいたり、議論の時間をとっていただいたりしていろいろ学んだ。

夜は著作権関係の研究会。明日は朝9時から大学で用事だ。

コンテンツ政策

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授業の最終回で中村伊知哉さんに来ていただいた。コンテンツ政策の再構築と題して熱く語っていただく。京都の話、絵文字の話、各国の政策の分類の話などどれも興味深い。少年ナイフの話はここ(pdf)にある。

工場見学

昨日、市ヶ谷にあるDNP(大日本印刷)の工場見学をさせてもらった。市ヶ谷という東京のど真ん中に大きな工場がある(それも防衛庁の隣だ)。原稿の入稿からハンコと呼ばれる版下の作成までは電子化がだいぶ進んでいる(あれだけマックが並んでいる場所は初めて見た)。しかし、印刷から製本までは轟音鳴り響く工場の中で行われる。25年前の機械が現役で動いている。それよりいい機械が出てこないそうだ。電子化がいくら進んだとしても、印刷業は設備産業であることがよくわかった。

かつて印刷工場は政治的パワーを握っていた。ビラや政治パンフレットを印刷し、大衆を動かすことができたからだ(レッシグ著『FREE CULTURE』ではイギリスの印刷屋がコピーライトを独占していた様子が書かれている)。印刷業は創発的な現象が起きるきっかけを作っていたとも考えられる。今はそれが電子媒体へ移ってきているのだろうが、10万枚、20万枚と一気に紙をすることができるのはやはりパワーだという気がした。

しかし、DNPは従来型の印刷に加えて、RFIDなどのハイテク化を進めている。ちなみにこういうイベントも(SFC生向け)。

http://www.kri.sfc.keio.ac.jp/collaboration/seminar050726.html

B食倶楽部

今日はB食倶楽部(びしょくくらぶ)へ取材に行った。かなりおもしろい。ブログとSNSを組み合わせている。招待された人しかブログを書けない(閲覧は自由)。

いくつかのブレークスルーがあったということだが、それにもまして、おいしいものにしぼりこみ、毎日の話題を盛り込めるようにした点がすぐれている。ブログやSNSは、しばらくやると飽きてしまう。話題が枯れてしまうからだ。しかし、毎日食べるものやレシピを載っけていくと、友人たちと情報を共有し続けることができる。「お前、そんなうまそうなもの食っているのか」といってつながりが保てるから話題はつきない(その点、祖父江君のブログ「レシピ」は先見性があったのかもしれない。最近料理エントリーが少ないけど)。いろいろ他にもおもしろい点を教えてもらったが、それはレポートに書くことにしよう(出し惜しみ)。

ところで、編集長は旧知の古瀬さんだった! びっくり。会った瞬間、「この前の学会来なかったな」と怒られてしまった。日本公共政策学会の理事もされている。もうすぐB食倶楽部には新機能が加わるとのこと。

Real ID法

『暗号の秘密とウソ』などで知られるBruce Schneierが、Real ID Actを強く批判している。データ保護法が整っていないアメリカでこんな法律を通してしまったら大変なプライバシー侵害につながるという。議会ではまったく審議されないまま、イラク関連法案と抱き合わせで可決されてしまった。巻き返せるのだろうか。

音楽共有

最近、SFCのキャンパスにいるときの楽しみの一つが、iTunesを介した音楽共有だ。キャンパスでiTunesを起動すると、共有されている音楽のリストが出てくる。今はちょうど10人が自分の音楽を共有している。懐かしいなあと思う曲があったり、へえと思うような曲があったり。アメリカの大学では「プレイリスティズム」という差別も生まれているそうだ。確かに自分のプレイリストを公開するのはけっこう恥ずかしいかも知れない。fk先生は人のプレイリストを見たいとおっしゃっていたけど、公開しているのかなあ。

ようやくアップルは日本でもiTunesミュージック・ストアを8月から始めるという。楽しみだ。

Real ID Act

アメリカで「Real ID法」が成立しそうだ。下院を通過して、上院に送られている。これは昨年12月に成立したインテリジェンス法の一部を書き換えることになる。各州で運転免許を取得する際に、厳しいチェックが行われる。

Matthewe L. Wald, “Congress May Require Closer Scrutiny to Get a Driver’s License,” New York Times, May 3, 2005.

運転免許証と社会保険番号(SSN)がないと銀行口座も開けないし、アパートも借りられない。外国人にはつらい仕打ちだ(それがねらいなのだが)。アメリカの行政機関の非効率さにはあきれさせられた経験(pdf)があるだけに、これから行く人は大変だろうなと思う。

Down to the Wire

Down to the Wire

友人のトム・ブレハさんの論文が外交誌『Foreign Affairs』に載った。友人といっても年齢は彼が30歳位上だろう。私がワシントンDCに滞在しているときに別の友人を介して友達になり(私もトムさんも安倍フェローだった)、アパート探しを手伝ってもらったり、夫婦同士でよく食事に行ったりした。

彼が日本のインターネット政策の研究のために来日したときは、私が当時勤めていた国際大学GLOCOMで客員研究員になった。

彼の『Foreign Affairs』の論文はニューヨーク・タイムズのコラムニストであるトーマス・フリードマンの目にもとまり、彼のコラムで引用されている。

いやあ、うれしいなあ。

複雑系適合性物質

マーク・ブキャナン(阪本芳久訳)『複雑な世界、単純な法則』(草思社、2005年)。

べき法則について書かれた本。『歴史の方程式』と同じ著者。バラバシの『新ネットワーク思考』とよく似ていて、ネタもほとんど同じなのだが、こちらのほうが分かりやすいかもしれない。もちろん、ワッツやバラバシの研究もカバーされている。

最後の章では創発との関係も少しだけ書いてある。ある物理学者は「この来るべき世紀の物理学を『複雑系適合性物質』[創発的な振舞いをするすべての『もの』]の研究と呼ぶことにする」と言っているそうだ。

ためしにアクセス

昔、北京でトライしてつながらなかったCNN、NYタイムズ、ワシントン・ポスト。いずれもつながるようになっている。だいぶネット規制は緩んできているのだろうか。

しかし、さすがに法輪功の日本語サイトはダメだった。グーグルで出てくる法輪功関連サイトは軒並みダメだ。あまりやって怒られるといけないからやめておこう。

複雑な世界、単純な法則

またまた創発関連本。

マーク・ブキャナン(阪本芳久訳)『複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線』(草思社、2005年)。

たくさんの他の本と一緒に注文したらちっとも届かない。同じ著者の下記の本のほうがおもしろいという声もある。どちらもまだ読んでない。

マーク・ブキャナン(水谷淳訳)『歴史の方程式—科学は大事件を予知できるか』(草思社、2003年)。

東京ユビキタス会議

こんなのもあるらしい。

世界情報社会サミット(WSIS)東京ユビキタス会議

http://www.wsis-japan.jp/index_j.html

ユビキタスネット社会の実現に向けた具体的方策や

想定される課題への取組みについての提言をまとめる。

開催日時:5月16日(月)、17日(火)

開催場所:東京(京王プラザホテル)

参加申し込み開始は3月上旬(予定)。詳細HP参照。

※WSIS本会合は11月16-18日チュニジアにて。

ブロードバンド・ゼロ地域脱出計画

使えそうなのでメモ。

全国均衡のあるブロードバンド基盤の整備に関する研究会

中間報告 「ブロードバンド・ゼロ地域脱出計画」の公表

http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050201_1.html

ブロードバンドサービスが利用できる地域とできない地域の

間で生じている格差を是正することを目的。

国や地方公共団体との連携が重要と考え、

民間の活力を十分に発揮するための環境整備や支援措置

を挙げている。

特に以下の二つは興味深い。

参考2 市町村別ブロードバンドサービス普及状況

参考6 都道府県別ブロードバンドサービス普及状況

スカイプとNTT

昨日、今日と、日経の世界情報通信サミットを見てきた。今回は周到にスケジューリングをしたので全部見ることができた。

いろいろおもしろかったけど、やはり一つの見せ場はスカイプとNTTの幹部がそろい踏みしたセッションだったのかなあ。スカイプの幹部は「スカイプはアプリケーション・ソフトの一つに過ぎない。インフラがなければ意味がない」と言っていて、NTTの幹部は「スカイプのようなP2Pは、光ファイバの有望な使い道です」と示し合わせたかのようなやりとりだった。電話の基本料金と通話料金は確かになくなるが、インフラの利用料が入ってくる限りNTTは生きていける。今までの巨大会社ではいられないかもしれないが、何とかなるのかもしれない。あるいは、NTT法の縛りが解ければ、同じパネルに出ていたFastWeb(イタリアでトリプル・プレーを展開中)のようにインフラ以外のところで稼げるようにもなるかもしれない。

國領先生のデジタルホーム、加藤幹之さんのセキュリティ、中村伊知哉さんのコンテンツのパネルもそれぞれ含蓄があった。