秘密の終焉

土屋大洋「秘密の終焉」『治安フォーラム』2014年1月号、45〜48ページ。

 『治安フォーラム』側の都合で2013年12月号は休載になりました(私はちゃんと原稿を出していましたよ)。1ヶ月遅れで載った原稿です。

 NSAの問題が議論されていますが、英国のGCHQ(政府通信本部)の動きについて書いています。

ビッグデータの威力

土屋大洋「ビッグデータの威力」『治安フォーラム』2013年10月号、30〜33ページ。

 連載の第4回。NHKのクローズアップ現代に出演させてもらったことで刺激を受け、書きました。プリズムについての続きです。

プリズム問題が明らかにした米外国情報監視法(FISA)の課題

土屋大洋「プリズム問題が明らかにした米外国情報監視法(FISA)の課題」『治安フォーラム』2013年9月号、49〜52ページ。

 連載の第3回。すでに第4回(10月号)、第5回(11月号)の原稿を提出済みなので、なんだか時差を感じてしまう。そして、今は第6回(12月号)の原稿を書いている。

The Digital Divide

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Mito Akiyoshi, Motohiro Tsuchiya and Takako Sano, “Missing in the Midst of Abundance: The Case of Broadband Adoption in Japan,” Massimo Ragnedda and Glenn W. Mushert, eds., The Digital Divide: The Internet and Social Inequality in International Perspective, London: Routledge, 2013, pp. 85-103.

専修大学の秋吉美都先生と総務省の佐野貴子さんと行った共同研究が英語の本に収録された。良かった、良かった。もっと英語の成果は増やしていきたい。国際会議で話す機会はずいぶん増えたけど、それだけでは業績にはならない。こうして活字にならないとね。この英語版は、もともとワシントンDCのTPRCでの報告が元になっている。同じ共同研究の日本語の成果はこちら

作戦領域の拡大と日本の対応

土屋大洋「序論 作戦領域の拡大と日本の対応—第四と第五の作戦領域の登場—」『国際安全保障』第41巻1号、2013年6月、1〜11頁。

 国際安全保障学会の学会誌で「作戦領域の拡大と日本の対応」という特集が組まれ、その編集主任をさせていただいた。そのうち学会のウェブにも目次が載ると思うが(7月2日現在、載っていない)、加藤朗、橋本靖明、鈴木一人、永岩俊道の各氏にご寄稿をいただいた。私のところは序論だが、他の4本は読み応えがある。

  • 序論 作戦領域の拡大と日本の対応—第四と第五の作戦領域の登場— 土屋大洋
  • 新たな安全保障領域「サイバー空間」の理論的分析 加藤朗
  • サイバー・セキュリティの現状と日本の対応 橋本靖明
  • 宇宙空間の軍事的重要性の高まりと宇宙安全保障 鈴木一人
  • 米国の対中軍事戦略と日本の対応—日本版「接近阻止・領域拒否戦略」体制の構築— 永岩俊道

非伝統的安全保障としてのサイバーセキュリティの課題

土屋大洋「非伝統的安全保障としてのサイバーセキュリティの課題―サイバースペースにおける領域侵犯の検討―」渡邉昭夫編『防衛戦略研究会議論文集 2010年代の国際政治環境と日本の安全保障―パワー・シフト下における日本』防衛研究所、2013年。

 防衛省防衛研究所の研究会で11月に報告したものを、1月末に原稿に書き直したもので、半年以上経ち、古くなってしまった感がある。その間に、マンディアント報告書、韓国への攻撃、米中首脳会談、プリズム問題などがあった。ただ、これを書いていたときも、忙しくなり始めのときで、けっこうつらかった。

 ここで書いて領域侵犯の問題は、一昨日(6月28日)、ソウルで行われた会議でも報告した。ところが、やや過激な意見だったらしく、中国からの参加者には受けが良かったが、他の国の人たちは困惑し、司会のハンガリー人は完全に誤解してしまった。「自由なインターネットを守ろう」という意見とは必ずしもそぐわないのだが、防衛省や自衛隊のサイバーセキュリティを考えるときには、どこまでが日本の主権が及ぶ範囲なのかを考えないとどうにもならない。データやトラフィックに基づく境界設定を考えるとぐちゃぐちゃになるが、設備ベースの境界を設定すれば簡単なはずだ。しかし、それはサイバースペースの分断化にもつながりかねない。この最後の点は、必ずしも外交的な方針とはそぐわない。

 一つの問題提起としての原稿である。

プリズム問題で露呈した、オバマ政権下で拡大する通信傍受とクラウドサービスの危うさ

土屋大洋「プリズム問題で露呈した、オバマ政権下で拡大する通信傍受とクラウドサービスの危うさ」DIAMOND ONLINE(2013年6月17日)。

 プリズム問題について歴史的な経緯を書かせていただきました。(いろいろ追われていた時にすぐ書けとのお話だったので、タイトルも小見出しも付けない原稿を出したのですが、うまくまとめてくださいました。)

米国におけるサイバーサイバーセキュリティ政策

土屋大洋「米国におけるサイバーサイバーセキュリティ政策」日本国際問題研究所編『米国内政と外交における新展開』(2013年3月)

 昨年度の研究会の報告書が公開されています。前半は新しいことは書いていませんが(その点は大変申し訳なく思っています)、後半で議会の対応について書いたのはここが初出です(この原稿にはそこしか見るべきところがありません)。その後、いろいろなところでネタにしています。(これを書いている頃は苦しかった。その後、もっと苦しくなった。とにかく、編集担当の方にご迷惑をおかけしました。すみませんでした。)

太平洋島嶼地域における情報通信政策と国際協力

 サイバーセキュリティ関係のニュースが続き、対応に追われているが、それとはあまり関係ない成果が出た。

土屋大洋「海底ケーブルとデジタル・デバイド――パラオを事例に」菅谷実編著『太平洋島嶼地域における情報通信政策と国際協力』慶應義塾大学出版会、2013年、第9章。

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 数年続けてきた菅谷先生のプロジェクトの成果。このプロジェクトでパラオに行かせてもらったのは、良いきっかけだった。