本の表紙の著作権

自分の本の表紙をホームページに載せることがある。しかし、自分の本といっても厳密に著作権を持っているのは文章の部分だけであって、表紙の部分は装幀家が作ったものだから彼らが著作権を持っている。だから、自分のホームページで本の表紙の画像を付けて、自分でマルCマークを付けると厳密にはアウト。

しかし、出版社の編集者に聞いてみると、「そんなの構わないからどんどん載せてよ」とのことだった。まあ、載せるのはいいけど、マルCマークやCCのライセンスを付けるのは難しいということかな。

コモンズ=共有地?

公文俊平『転換期の世界』(講談社学術文庫、1978年)を読んでいたら、コモンズの話が出てきた。

コモンズ(commons)ということばのもともとの意味は、中世の大学などのような共同生活者の集団において、共同の食卓に提供される食事のことである。各人は、それを好きなだけ食べることができる。だから”コモンズ”にはもともととくに”土地”という意味合いはなく、むしろ私が定義した意味での「共用財」に最も近い。ただし、[ガレット・]ハーディンは、共同放牧場や公道を、その典型例とみなしている。つまり、実質的には、「共用財」は”資本(個物)”よりは”土地(場所)”にあたるものの方が多いと思われる。なお、ハーディンは、全体としての”国土”あるいは”地球”をもコモンズの一例としてあげている。

なるほど。そういうことだったのか。

宣伝媒体としてのWinny

作者逮捕で話題になっているWinny。実は使ったことがないのでコメントできない。

昨日、あるベンチャー企業の社長に会ったら、Winnyは宣伝媒体として非常に優れていると力説していた。実際、大規模な宣伝を打てなかった音楽や動画をWinnyを使って流したことで、はっきりと宣伝効果が現われたそうだ(社長自ら流したらしい)。

Winnyで流れるコンテンツにクリエイティブ・コモンズのライセンスがついたものがたくさん出回ればいいのに。

サン・マルコス大学

ペルーの東大にあたるサン・マルコス大学を訪問する機会があった。ここは国立大学で、授業料は完全無料だそうだ。入学はとても大変らしい。

ここのサイバーローの講義に招かれた。一緒に出張しているHさんが簡単に日本の情報通信政策を説明して、私は質疑応答に参加した。その中でクリエイティブ・コモンズについても説明したのだが、「何の話をしているの?」という顔をしていた。

パラパラと教室を出て行く学生もいたからつまらなかったのかと思ったが、終わった後に数十人に囲まれて質問攻めにされた。「ウェブからとった写真を使って訴えられるのはおかしいじゃないか」と講義する学生もいたけど、議論できておもしろかった。途上国(ペルーは途上国脱出中だけど)の学生は真摯だなと感動した。

ヨーロッパのクリエイティブ・コモンズ

ベルリンでクリエイティブ・コモンズのドイツ版を担当しているRoland HonekampとGerd Hansenに会った。彼らの話によると、今日(5月24日)フィンランドがライセンスをリリースし、来月にはイギリスとドイツがライセンスをリリースするそうだ。iコモンズの動きが加速してくる。

ドイツの話を聞いていると、隣接権や人格権、パブリック・ドメインなど共通の問題が浮かび上がってきている。日本法はドイツ法を参考にしたのだから当然か。

Internet Archive

Internet Archive、こいつはすごいプロジェクトだ。人類のすべての知識にユニバーサルにアクセスできるようにするという。(今のところアメリカ中心だけど)全世界の出版・公表された本、音楽、映像、ソフトウェア、ウェブページを収集して公開している。

クリエイティブ・コモンズのライセンスは使ってないけど、思想は知っているらしい。CFPのとりで講演したBrewster Kahle氏は、レッシグ教授に言及していた。

設計図の著作権

知人から聞いたのだが、家を建てる時の設計図は著作権を無視して使われることがあるらしい。例えば、大手の住宅メーカーに行って相談に乗ってもらう。その過程で設計図を書いてもらう。しかし、そのメーカーに建築は依頼せず、別の工務店に設計図を持ち込んで家を建ててもらうということがよくあるらしい。

下記のリンクにもあるように、著作権上は明記されていないが、設計図にも、建築物にも著作権がある。

http://www.jia.or.jp/activity/s_committee/kensetu_jia/2003/05_cals.htm

建築業界では著作権に関してルーズな慣行があるのだろうか。

いい建築物や家具などいろいろなものの設計図にクリエイティブ・コモンズのライセンスを付けてくれればいいのにと思う。文章や絵の複製というのも重要だが、設計図に基づいて何か作ってみるということもまた、クリエイティビティを刺激する営みだと思う。

Linux-magazine

http://www.linux-magazine.com/issue/42/Linux_World_News.pdf(pdfファイル)

Linux-magazineにクリエイティブ・コモンズの日本での活動について紹介記事が出た。「日本ではブログに使われている例が多くて、大手が商用利用している例はあまりない」とやや否定的に書かれてしまったので少し反省。メディアへのコメントは難しい。