日本のサイバーセキュリティ対策とインテリジェンス活動
土屋大洋「日本のサイバーセキュリティ対策とインテリジェンス活動—2009年7月の米韓同時攻撃への対応を例に—」『海外事情』2011年6月号、16〜29ページ。
『海外事情』の情報セキュリティ特集に掲載していただきました。事前に名和利男さんが書かれていることは知っていましたが、他にも同僚の武田圭史さんや旧知の須田祐子さんなどが書かれいます。拓大の佐藤丙午先生のラインナップのようです。
情報セキュリティではないですが、旧友の坪内淳さんも書かれています。
『三田評論』「執筆ノート」
土屋大洋「執筆ノート『ネットワーク・ヘゲモニー——「帝国」の情報戦略』」『三田評論』2011年5月号、79ページ。
こちらも自著紹介を書かせていただきました。
隣のページは、同僚の小川克彦先生の『つながり進化論——ネット世代はなぜリア充を求めるのか』の執筆ノートになっています。
『公明』「著者が語る」
土屋大洋「読書・著者が語る『ネットワーク・ヘゲモニー』」『公明』2011年6月号、79ページ。
以前原稿を書かせていただいたご縁で、自著紹介のページをいただきました。
深く静かに潜行する中国のサイバー攻撃
土屋大洋「深く静かに潜行する中国のサイバー攻撃」『撃論』富国強兵号(vol. 1)、96〜103ページ。
「富国強兵号」というのがなんともすごい。
『ネットワーク・ヘゲモニー』書評@日本経済新聞
日本経済新聞で日本大学の岩崎正洋先生が拙著『ネットワーク・ヘゲモニー』の書評をしてくださりました。ありがとうございます。(でも、怖くてまともに読めません。)
台湾の学会に参加
土屋大洋「日本のサイバーセキュリティ対策とインテリジェンス活動―東アジアにおいて高まる脅威への対応―」第一回現代日本研究学会年次大会、国立師範大学、台北、2010年11月25日。
だいぶ昔の話になってしまいましたが、久しぶりに台湾に行き、学会発表をしてきました。台湾は何度も行っていますが、楽しいところです。学部の時の友人とも会って旧交を温め、いつもの李製餅家のパイナップルケーキも買い込みました。
まずは台湾国立師範大学での日本研究センターの開所式典。台湾の外務大臣にあたる外交部長などVIPがたくさんいらしてびっくり。なぜだか分かりませんが、台湾では日本研究ブームが起きていて、アメリカでの冷え切った日本研究との温度差を感じました。
開所式典の後、現代日本研究学会が開かれました。60本以上の研究発表があり、会場の多くの人が日本語を話せるのに驚きです。基調講演はわれらが常任理事。
仕掛け人はこの人です。
会場の様子。
途中で少し抜け出して、台湾国立師範大学のキャンパスのカフェでお茶。11月末だけど暖かい台湾。
学会終了後に街歩きをしながらSOGOの本屋に入ったらジュンク堂でした。日本の雑誌や書籍のほうが売り場面積が大きくて、これまた驚きました。
こんな看板も出ていました。日本語が街中で普通に使われています。
今回、一番気に入ったのは、シジミの醤油漬け(鹹蜆仔?)。また近いうちに行きたいものです。
ネットワーク・ヘゲモニー—「帝国」の情報戦略—
約3年半ぶりに単著の新著が出ました。今朝印刷所から出てきて、早速昼過ぎに受け取りました。
土屋大洋『ネットワーク・ヘゲモニー—「帝国」の情報戦略—』NTT出版、2011年2月17日、本体3400円+税、ISBN978-4-7571-0303-0
ちょっと値段は高めですが、200ページ未満ですから、それほど苦もなく読めると思います。
アメリカのMITにいる間に出したかったのですが、想定外の出来事が続いて間に合わず、帰国後もいろいろなことに忙殺されて遅れてしまいました。ともかくも出すことができて、MIT行きを支援してくださったみなさんに恩返しができました。ありがとうございました。まずは、アメリカ行きを押してくださった小島朋之先生のお墓参りに行ってこようと思います。
グローバル・アジェンダとしての情報格差
めずらしく、こんな雑誌に書かせてもらいました。パラオの話を少し書いています。
土屋大洋「グローバル・アジェンダとしての情報格差」『外交』第5号、2011年、70〜76ページ。
同僚の神保謙さんも「新防衛大綱と新たな防衛力の構想」(109〜118ページ)を書いています。
未来を創る情報通信政策
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター編著『未来を創る情報通信政策—世界に学ぶ日本の進路—』NTT出版、2010年。
前の職場であり、客員研究員をしている国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)の皆さんと本を書きました。私は終章の「インターネットの未来」を担当しています。ヨーロッパの仲間たちとやってきたプロジェクトの成果を盛り込んでいます。
他の章もGLOCOMの研究員と客員研究員が自分の得意分野について書いていて、おもしろいです。
GLOCOMが最近また元気になってきてうれしい限りです。
目次などは出版社のウェブを参照。
日本国際政治学会
最近、学会発表ばかり。昨日は札幌で開かれた日本国際政治学会2010年度研究大会で発表。
土屋大洋「米国におけるサイバーセキュリティ対策の進展とその背景」日本国際政治学会2010年度研究大会、札幌コンベンションセンター、2010年10月30日。
なぜか発表者は私一人で、コメンテーター二人というさびしいセッションだったが、フロアも含めてたくさんコメントと質問をいただけた。感謝。これを次に活かして論文にする。
久しぶりにお会いする先生方とお話しできたのも良かった。
29日夕方の中国政治のセッションも聞いていておもしろかった。だんだん中国政治の専門家たちの言葉遣いが分かるようになってきた。
帰路は台風とぶつかって飛行機が飛ばないのではと焦ったが、実際はたいしたことなく変えることができた。
アジア政経学会
今日の午前中はアジア政経学会の2010年度全国大会へ。同僚の加茂さんとともに発表。
加茂具樹、土屋大洋「現代中国地方政治における人民代表大会:政治的『つながり』の可視化の試み」アジア政経学会の2010年度全国大会、東京大学駒場キャンパス、2010年10月24日。
発表は全部加茂さんがやってくれて、私は質疑応答だけ。先日の台湾での発表と同じ内容。
質問を聞きながら、新しい手法を使うことの難しさを再確認したが、やって良かった。
同じセッションで発表されたのは大阪大学の坂井田夕起子先生の「文化冷戦と中国仏教:第二回世界仏教徒会議東京大会をめぐって」というもので、仏教外交というテーマにびっくりした。おもしろかった。
人民代表大會代表的作用
加茂具樹、土屋大洋「人民代表大會代表的作用:將代表的政治性"關係"可視化」(當代中國大陸問題研討會:台灣與日本學者的對話、國立政治大學國際關係研究中心國際會議廳、2010年9月18日)。
私はほとんど何もしていないのだけど、同僚の加茂具樹さんと一緒に書いた(といってもほとんど全部加茂さんが書いた)論文を、加茂さんが台湾で発表してきてくれた(私は行けなかった)。私の書いたものが中国語になったのは初めてなのでうれしい。
この共著論文の元々のアイデアは、『国際政治』に書いたアメリカ議会上院のネットワーク分析の論文で出したもので、それを加茂さんが中国の揚州市の人民代表大会のケースに応用してくれた。
中国研究へのネットワーク分析の応用は斬新らしく、好評だったとのこと。良かった、良かった。
情報活動 立法府の無理解
これは2007年の参院選の前に載せてもらったもの。
土屋大洋「情報活動 立法府の無理解」『読売新聞』(2007年6月30日夕刊)。
通信と放送、融合への早道は
これも2年前に産経新聞に載せてもらったもの。著作権云々はまちがっていた気がするけど、本論は今でもそう思うし、実際に進んできていると思う。
土屋大洋「通信と放送、融合への早道は」『産経新聞』(2008年2月27日)。
グリーン
東アジアの国際関係
大矢根聡編『東アジアの国際関係—多国間主義の地平—』有信堂、2009年12月16日、本体3900円+税、ISBN978-4-8420-5564-0
「第3章 世界情報社会サミットと中国外交——インターネット・ガバナンスをめぐる単独主義?」(72〜96頁)担当。
2006年10月に日本国際政治学会で発表したペーパーが本に収録されました。脱稿後に大きな動きがあり、追記という形になってしまったのが残念。
インターネットの話が国際政治学の枠組みですんなり取り入れてもらえるようになったのは時代の変化ですね。ありがたいことです。
他の執筆陣は以下のようになっています。
序章 東アジア地域協力の展開——多国間主義の視点による分析へ:大矢根聡
第1章 中国の多国間主義:現実的リベラリズム?——「中国の台頭」下における新たな役割の模索:浅野亮
第2章 貿易分野における中国の多国間主義——「協力と自主」の現れとしてのWTO対応:川島富士雄
第3章 世界情報社会サミットと中国外交——インターネット・ガバナンスをめぐる単独主義?:土屋大洋
第4章 多国間主義とインド外交——核保有と経済成長:竹中千春
第5章 大国化するインドにおける多国間主義の動揺——現代「実利」外交の展開:伊藤融
第6章 韓国におけるFTA戦略の変遷——多国間主義の推進と挫折:磯崎典世
第7章 タイの多国間主義外交——経済外交の変化と持続:永井史男
第8章 オーストラリア対外経済政策の転換——多国間主義から二国間主義へ:岡本次郎
第9章 ASEAN外交の改革と東アジア共同体の功罪——政府志向の多国間主義から市民志向の多国間主義へ:勝間田弘
第10章 アメリカの多国間主義をめぐるサイクル——消極的関与と急進的追求の振幅とその背景:大矢根聡
ふつうの人がおもしろい
土屋大洋「ツイッターで発見『ふつうの人がおもしろい』」日経デジタルコア「ネット時評」(2009年7月22日)。
自分で付けたタイトルとはちょっと違うのだけど、まあ、いいか。
ブログが面倒になり、最近はツイッターで少しつぶやいていた。登録してから何も告知していなかったのに、知り合いのSさんが1時間で見つけてフォローして来たのには驚いた。
分かってはいたのだけど、日本の夏は暑くてやりきれない。生産性が落ちる。
米政権交代——情報通信政策の改革
大学の研究室に行ったら届いていました。
土屋大洋「米政権交代——情報通信政策の改革」国際大学グローバル・コミュニケーション・センター編『智場』第113号、41〜48ページ。
ネットワーク分析による政治的つながりの可視化
帰国してからもうずいぶん経つが、3月中はほぼ全く仕事をしなかった。帰国前に決まっていた数件の予定以外は、申し訳ないが断って、4月以降に回してもらった。原稿を書いていたわけでもなく、気晴らしに本を数冊読んだり、どうしても必要なメールの返事を書いたりするぐらいで終わった。こんなに仕事をしなかったのはいつ以来だろう。
仕事をしないと決めると、かえってたまっていた疲れがどっと出てきて、12時間ぐらい寝室にいるような日が続いた。研究は頭だけじゃなくて体力がないとできない。集中力の維持の元になるのは体力だし、図書館やアーカイブで文献資料を探すのもかなり体力がいる。ましてフィールドに出て行く際は言うまでもない。
回復した気はしないが、4月になったので、昨日からギアを入れ直して仕事を再開しつつある。アメリカ滞在中は今までの研究の棚卸し・在庫一掃をねらっていた。しかし、予想外の展開がいろいろあって、体力と気力を使い果たして帰ってきた。夏までになんとか挽回したいなあ。
数少ないアメリカ滞在中のアウトプットの一つが届いた。
土屋大洋「ネットワーク分析による政治的つながりの可視化—米国議会上院における日本関連法案を事例に—」日本国際政治学会編『国際政治』第155号「現代国際政治理論の相克と対話」2009年3月、109-125頁。
めずらしく学会誌に投稿した。特集に関連した論文なので、査読が付かないのかと思っていたら付いたそうだ。
私の研究テーマが比較的新しいせいか、あるいは私の筆力が単に足りないだけか、大学院生のころは学会誌に投稿しても全然相手にされず、別の学会へ出せとか、テーマが合ってないとかいわれることが続いた。10年前はインターネットや情報なんてのは際物扱いだった。だから、私は学会誌には書くのをやめて、主に書籍の形で成果発表を行ってきた。そういう意味で、今回載せてもらえたことで、テーマが少し受け入れられるようになってきたのかなと思う。
この論文の元になるネタは、富士通総研経済研究所(FRI)の客員研究員をしていたとき、FRIの皆さんと行っていた勉強会にさかのぼる。その時の成果は2006年2月23日のFRI社内発表会で出したのだが、あまり評判が良くなかった。たった3年前なのにとても昔のことのように感じる(懐かしいのでその時のファイルをアップロード)。
評判が良くないのでそのままペーパーにしないでやめてしまったのだが、昨年の6月、ハーバードで開かれたワークショップとカンファレンスに行き、もう一度やっても大丈夫だと確信したので、今回の投稿につながった。論文は早い者勝ちというところがあるが、早すぎても受け入れてもらえないことがある。査読システムは、品質を保つためには必要だろうけど、知のスピードに追いついて行けるかというと難しい。
確か、『国際政治』には謝辞を入れてはいけなかったような記憶があって入れなかったのだが、他の人はなんだかんだ入れている。関係者の皆さん、ここに書いておきますので、お許し下さい。富士通総研の吉田倫子さん、浜屋敏さん、湯川抗さん、サイバー大学の前川徹さん、SFCのインターリアリティ・プロジェクトの皆さん、特に西田亮介くん、京都大学の待鳥聡史さん、ありがとうございました。