コンテンツ政策研究会

コンテンツ政策研究会の設立総会に行ってきた。デジハリっていいところにある。久しぶりに楽器屋をのぞきたくなった。総会は知っている人がたくさんいてアットホームに進む。だけど、スーツがやたらと多かったのが印象的。何人かに後で言われたけど、現場の人の声が反映されないといけない。とにかくみんなでやりましょうというのがねらいなのでひとまず良かった。その後の懇親会に行ったら、知っている人がとても少なくなったので早々に退散。もともとパーティーは苦手だ。

議論の中では境さんの話が印象的だった。クリエイターのインセンティブと産業のインセンティブをどうやって折り合いつけるのか考えないとダメとのこと。これがトレードオフになっているのか、Win-Winの関係にできるのか。

政策や規制は、きちんと動いていない市場を是正するか、あるいは何らかの意図で市場を歪曲するかのどちらかだろう。しかし、レッセフェールにコンテンツ市場をしておいたらどうなるのかの経済学的な分析がまだない。今までのコンテンツ市場はテレビ、漫画、映画、ネットなど縦割りに規制されていたから、規制がなくなったときにどうなるのかさっぱり分からない。経営学的な分析が多く、「こうすれば我が社、我が国に儲けになります」、「あの企業のビジネス・モデルはこうです」という議論が先行している。中村さんが言うように、コンテンツ政策は省庁横断的なんだけど、市場が水平に展開してきたときに何が起きて、どんな政策・規制が必要になるのか誰も分からない。市場を創り出すという第三のタイプの政策・規制がありえるとしたら、かなりの想像力が必要だ。

その辺のところがはっきりしないから、コンテンツ政策といってもまだ迫力が出てこない。「戦略」というのなら、「コンテンツを売って、外貨を稼いで、石油を買います」ぐらいのことを言ったほうがいいのではないかと思う。言い方は悪いけど、コンテンツは生活にどうしてもなくてはならないものではない。潤いを与えるもの。ガルブレイスのいう「ゆたかな社会」で作り出される欲望だろう。

ついでに、関連して12月6日にこういうイベント(pdf)もある。

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