サンクスギビング

だいぶ前の話になるが、11月27日はサンクスギビングデーだった。この日の夜はMITで所属する研究所の所長宅に招いていただいた。実に広々としたリビングがあり、25人ぐらいのゲストが来ていたが、まだ余裕がある。日本研究者だけあって壁には浮世絵や日露戦争時のめずらしい漫画地図など、興味深いものが飾ってある。奥さまはプロの料理人ということもあって、たくさんの料理本も並んでいる。日本語の料理本も多い。

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アメリカの大学の先生の給料は平均するとそんなに高くないらしいが(日本のほうが高いという話も聞いたことがある)、こんな広々として居心地の良い家に住めるなんてうらやましい。まあ、実際にアメリカに住むとなると考え込んでしまうが、こんな家を日本で建てられたらさぞかし快適だろう。

サンクスギビングの主役ターキー(七面鳥)の丸焼きは時間をかけて作った自家製で、大きなものが二羽出てきた。マッシュポテトなど伝統料理も並んで壮観である。サンクスギビングの料理は、アメリカ料理らしくなく、手間暇かけて作られるので実においしい。

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ゲストも多様で、博士課程の日本人学生や中国人留学生、教授がメンターになっているバングラデシュからのエンジニアの学部生、MITジャパン・プログラムのスタッフ、イタリア人家族、その他、多様なグループから来ており、賑やかで実に楽しかった。皆で持ち寄ったデザートもおいしい。かなりカロリーオーバーだった気がする。

この多様なゲストと楽しい時間を過ごしながら、アメリカという国のダイナミズムを思う。ここにいる外国人のほとんどにとってサンクスギビングなんて関係ないのだが、こうした機会に集まり、いろいろな情報交換をして、ネットワークを広げていく。自宅(そして自国)をこれだけ開けっぴろげにして懐深く入れてしまう。外国人もいつの間にかアメリカ的生活様式を身につけ、アメリカ人になっていく。ここにいる何割かの人はアメリカに残り、グリーン・カードを手に入れ、帰化していくのだろう。

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