小菅敏夫、岡育生、田中正智、飯田尚志、江戸淳子、牧野康夫「北西太平洋情報通信調査報告II—ミクロネシアの新たな可能性—」『電気通信大学紀要』第4巻1号、1991年、45〜65ページ。
この報告では、ミクロネシア連邦(FSM)とマーシャル諸島共和国(RMI)が中心。
グアム〜パラオ〜チュウク〜ポンペイ〜コスラエ〜クワジュリン〜マジュロ〜ホノルル等を結ぶ、ミクロネシア海底ケーブル(仮称)の敷設という提言が書かれている。残念ながら現在でもまだ敷設されていない。
政府開発援助(ODA)による通信インフラストラクチャの支援も書き込まれているが、現実には日本のODAによる支援はほとんど行われなくなっている。ODA白書によれば、二国間政府開発援助分野別配分の通信は0.26%である。
通信事業は民間でできる商業性の高いものだからというのが、ODAを使わない理由とされている。しかし、太平洋島嶼国のようなところでは、少なくとも海底ケーブル敷設のような大規模な初期投資は、商業ベースではできない。日本のODA予算が減り続ける中、ここに日本の援助を期待するのは残念ながら難しくなっている。