佐賀健二「アジア太平洋地域における電気通信政策の現状と課題」『亜細亜大学国際関係紀要』第1巻1号、1991年、117〜149ページ。
まだインターネットが世の中に普及する前の論文なので、インターネットは一言も出てこない。また、「太平洋地域」とあるが、取り上げられているのはニュージーランドとオーストラリアで、太平洋島嶼国は出てこない。パラオはまだ独立もしていない。
メイトランド委員会によるThe Missing Linkの背景が書いてあるのはありがたい。この報告書はもう一度読み直したい。
また、結論部分で、BOT(Build, Operation and Transfer)方式を活用せよと提言してある。この論文後の20年間で実際にどうなったかは検証に値するだろう。
「先進国の電気通信市場にますます民間資金が集中し、開発途上国に資金が回らないこと」が懸念されているが、この傾向はいまでも続いている。