Yan Xuetong, “How China Can Defeat America,” New York Times, November 20, 2011.
著者は精華大学の教授。「どうやって中国はアメリカを打ち負かすか」という鷹派的なタイトルだが、中味は、中国は思想やモラルを重視しないとアメリカに勝てないというもの。アメリカは50カ国以上の同盟国を持ち、アフガニスタン、イラク、リビアと三つの戦争を同時に戦う能力があるが、中国は正式な同盟国は一つもなく(半同盟国として北朝鮮とパキスタンがあるのみ)、人民解放軍は近年戦争を経験していない。中国がグローバルなリーダーとなるには世界の人々のハーツ&マインズを勝ち取らなければならないという。
中国がこうした政策に最も成功したのは唐の時代だったという指摘もおもしろい。遣唐使があったように、日本もたくさんの留学生を唐に送っていた。経済や軍事にフォーカスした政策を改めよというのが著者の提言。