北京の空は暗い

共同研究の一環として北京の中国現代国際関係研究院を訪問。前回2001年(?)に訪問した時にはなかった立派な建物ができている。キャンパスのような作りで、大きな庭や豪華な会議室がいくつもあってうらやましい。人口が多いと言っても、北京は街の造りが広々としている。

そのせいか、初めて北京に行った1999年と比べても、どんどん自転車の数が減り、車が増えてきている。車のグレードも上がっている。タクシーも以前はシトロエンなんかが多かったけど、もう少し大きくてしっかりした車が増えてきた。ホテルの窓から見ていると、ひっきりなしに車が走り続けている。すっかり車社会になってしまった。

交通量の増大に伴って気になるのが大気の状態。うだるような暑さの北京を予想していたのだが、到着した夜は霧がかかっているような感じで意外にも涼しい。翌朝も曇っているのか、スモッグなのか、空が暗い。雨も降ってきて、涼しいまま過ごせた。東京の方がずっと暑い。単に天気が悪かっただけならいいのだけど、大気汚染が進んでいるのだとすると心配だ。

北京は昨年一泊二日で訪れて以来だが、今回の滞在も二泊三日。一日目の夜に着いて三日目の早朝に発ったので実質一日だけ。万里の長城も見たことがないので、もう少しゆっくり見て回りたい。特に今回は中国の図書館を見たかったのだけど、時間がなくて行けなかった。残念だ。

出かける前に二冊、中国に関する本を読んでいった。夜の宴会の席で、酔っぱらった勢いでいろいろ仕入れたネタを確かめてみる。

「中国は六つのリージョナル国家に分かれていて、台湾を含めたUnited States of Chinaというアイデアもあるそうですが、どう思いますか?」

「中国は一つに決まっています。」

「香港を取り戻すとき、一国両制といったのだから、台湾の場合は一国三制というのはありえるのですかね。」

「香港と台湾は同じなので、一国両制でいいんです。」

「生産手段の共有が共産主義の定義だとすれば、中国は共産主義を採用しているようには見えません。世界の誤解を解くために、共産党はやめて人民党に変えたらどうですか。共和党でもいいですよね。中華人民共和国なんだから。共和党ならアメリカの人も台湾の人も喜びますよ。」

「ここにいるわれわれは共産党員なんですよ。あなたは何てことを言うんですか。」

あとは乾杯攻撃に遭って覚えていない。

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“北京の空は暗い” への1件の返信

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