ボブ・ドローギン『カーブボール』

ボブ・ドローギン(田村源二訳)『カーブボール—スパイと、嘘と、戦争を起こしたペテン師—』産経新聞出版、2008年。

 コード名「カーブボール」。言わずと知れたイラク戦争の原因となったイラクからドイツへの亡命者だ。彼の発言をドイツのインテリジェンス機関が取り上げ、それがアメリカのCIAに伝わり、イラクが大量破壊兵器を持っている唯一の証拠としてイラク戦争が開始された。

 しかし、彼は完全なペテン師だった。なぜこんなことが起きたのかを追ったドキュメンタリー。

 英語版を先に買ったのだが、前半の記述が退屈で、読み通せなかった。翻訳が出ているのが分かったが、なぜかもう品切れになっている。古本で買い求めて、読み始めた。やはり翻訳でも前半のドイツについての記述は退屈で読むのがつらい。しかし、後半、舞台がワシントンとバグダッドに移ると俄然おもしろくなる。そして、唖然とするような事態が次々と起こり、イラク戦争が始まったことが分かる。インテリジェンスの失敗が如実に表現されている。秋学期の授業の教材の一つにしよう。

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