ウィリアム・N・アームストロング『カラカウア王のニッポン仰天旅行記』

ウィリアム・N・アームストロング(荒俣宏、樋口あやこ訳)『カラカウア王のニッポン仰天旅行記』小学館、1995年。

 ハワイの海底ケーブルのことを調べていて、ハワイ王国の最後から二人目の王様であるカラカウア王が明治天皇に会いに来たとき、海底ケーブル敷設の提案や、皇室とハワイ王室の姻戚の提案をしたことは前にもちょっと書いた。

 その時のことが詳しく書いてないかと思ってこの本を読んでみた(絶版なので図書館で借りた)。アームストロングという人はアメリカ人なんだけど、ハワイ王国の大臣としてカラカウア王とともに世界一周の旅に出て、その旅行記をカラカウア王が亡くなった後に出版した。まあ、ひどく辛口で、カラカウア王の悪口もいっぱい書いてある。王と従者というより、もともとは学友だった二人だから、そういう視点で書いている。

 肝心の海底ケーブル敷設の話は注釈で書いてあるだけで、詳しい話はなかったけど、日本の明治政府が莫大な金額をかけてカラカウア王を歓待して、王様と従者3人が仰天している様子がおもしろい。明治天皇の人となりもちょっと分かってイメージが変わった。荒俣宏が博学を駆使していろいろ注釈を付けてくれているのも楽しい。

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