グローバル・ガバナンス学会編『グローバル・ガバナンス学 Ⅰ・Ⅱ』(法律文化社)刊行記念  シンポジウム&ワークショップ

今週末、京都の同志社大学で開かれます。

******

グローバル・ガバナンス学会主催 

グローバル・ガバナンス学会編『グローバル・ガバナンス学 Ⅰ・Ⅱ』(法律文化社)刊行記念シンポジウム&ワークショップ

日時:2018年3月17日(土)13時〜15時30分

場所:同志社大学(烏丸キャンパス)志高館SK119

テーマ:「グローバル・ガバナンス学の可能性」

目的:グローバル・ガバナンス学会設立5周年を記念した本叢書の刊行を受け、以下の各報告者が、執筆章の観点を交えつつ、それぞれの「グローバル・ガバナンス学」の可能性を議論し、展望します。

司会:松井康浩(九州大学)

第1部:

  • 大矢根聡(同志社大学)「グローバル・ガバナンス―国際秩序の「舵取り」の主体と方法」 
  • 菅英輝(京都外国語大学)「覇権システムとしての冷戦とグローバル・ガバナンスの変容」
  • 三牧聖子(高崎経済大学)「戦争とグローバル・ガバナンス」

〔以上、第1巻より〕

第2部:

  • 福田耕治(早稲田大学)「グローバル・ガバナンスにおけるUNとEUの役割」
  • 和田洋典(青山学院大学)「BRICSと国際金融ガバナンス」
  • 土屋大洋(慶応義塾大学)「サイバーセキュリティ」       

総括報告:

  • 渡邊啓貴(東京外国語大学)「地域集団防衛から安全保障グローバル・ガバナンスへ」

〔以上、第2巻より〕

その後、総括討議 司会:松井康浩(九州大学)・福田耕治(早稲田大学)

Bulk Collection

20180213212752j:image

Motohiro Tsuchiya, “Systematic Government Access to Private-Sector Data in Japan,” Fred H. Cate and James X. Dempsey, eds., Bulk Collection: Systematic Government Access to Private-Sector Data, Oxford University Press, 2017, Chapter 13.

 ふと思い出して調べてみたら、書いた原稿が本になっていました。見本を送ってくれるというから待っていたのですが、そのうちに忘れていました。なんで送ってくれないのでしょう。

 ただし、これは前に書いたジャーナルの論文にいくつか修正をしたものが採録されているので、完全に新しいものではありません。

 それに高い!

インターネット白書2018

20180213210702j:image

土屋大洋「国際政治とサイバー攻撃」インターネット白書編集委員会編『インターネット白書2018』インプレスR&D、2018年、265〜268頁。

 年末にInternet Week 2017に呼んでいただいたご縁で、『インターネット白書2018』に4ページ書かせていただきました。たぶん、普段とは違う読者の皆さんなので、どう受け止められるか、楽しみでもあり、心配でもあります。

グローバル・ガバナンス学II

20180210143655j:image

土屋大洋「サイバーセキュリティ」グローバル・ガバナンス学会編、渡邊啓貴・ 福田耕治・ 首藤もと子責任編集『グローバル・ガバナンス学II』法律文化社、2018年、203〜220頁。

 気がついたら年が明けて1カ月以上経っていて、このブログは何も更新しないままでした。年末年始は外に出ない報告書原稿や出張で忙しく、何も外向けの原稿を書いていなかったいうことですね。

 そんなとき、昨年書いていたグローバル・ガバナンス学会の叢書が届きました。2冊セットで、私はIIのほうに1章書かせてもらいました。

 内容としては、以下の本で書いてきたことの延長にあり、インターネットをめぐるガバナンスがどう変わってきたか、特に近年のサイバーセキュリティでどう変わってきたかということです。

  • 林紘一郎、池田信夫編『ブロードバンド時代の制度設計』東洋経済新報社、2002年。
  • 菅谷実、金山智子編『ネット時代の社会関係資本形成と市民意識』慶應義塾大学出版会、2007年。
  • 大矢根聡編『東アジアの国際関係―多国間主義の地平―』有信堂、2009年。

国際関係・安全保障用語辞典 第2版

20171128110608j:image

小笠原高雪、栗栖薫子、広瀬佳一、宮坂直史、森川幸一編『国際関係・安全保障用語辞典 第2版』ミネルヴァ書房、2017年。

 今どき、第2版が出るなんていうのはめずらしいことですが、2013年初版の『国際関係・安全保障用語辞典』の第2版が出ました。

 私は「インテリジェンス」「インテリジェンス・コミュニティ」「サイバー攻撃」「サイバーセキュリティ」を担当しました。

 総勢33人で執筆しており、同僚の中山俊宏さんと神保謙さんも参加しています。

提言 日米同盟を組み直す 東アジアリスクと安全保障改革

20170916163411j:image

田中 明彦、日本経済研究センター編『提言 日米同盟を組み直す 東アジアリスクと安全保障改革』日本経済新聞出版社、2017年。

 月末に発売です。私は「第7章 サイバー安全保障と日米インテリジェンス連携」(139〜151頁)を担当しています。あまり部数を刷らない上に、某会合でたくさん配布してしまうらしいので、あまり市中には出回らないかもしれません。

目次

  • 提言 より強固な同盟を目指して
  • 1. 21世紀における同盟の課題と使命(国際情勢と世界秩序):田中明彦・政策研究大学院学長
  • 2. アジア旋回と同盟の役割(ASEAN、インド):白石隆・アジア経済研究所長
  • 3. 「切れ目のない同盟」の連携体制(日米NSCの統合運用):細谷雄一・慶應義塾大学教授
  • 4. 世界秩序の再構成と日米同盟の役割(ロシア、中東、欧州):中西寛・京都大学教授
  • 5. 習近平体制の中国と同盟の対中政策(中国、朝鮮):高原明生・東京大学教授
  • 6. 同盟の軍事オペレーションと懸案(SOFA、基地運用):森本敏・拓殖大学総長
  • 7. サイバー安全保障と日米インテリジェンス連携:土屋大洋・慶應義塾大学教授
  • 8. 新しい日米経済関係の構築:竹中平蔵・東洋大学教授
  • 9. 世界経済と日米経済・貿易ビジョン:岩田一政・日本経済研究センター理事長

特別研究プロジェクト@台湾

 わがSFCには特別研究プロジェクトという制度があり、夏休みや春休みに国内外で集中授業を行うと単位が付く。私は今までやってことがなかったが、たまたま日程がうまく空いたので、初めて8月上旬に実施した。10人の学部学生とともに台湾を訪問し、安全保障と文化における日台協力について学んだ。

 田中靖人・産経新聞台北支局長(SFC出身)にレクチャーをお願いしたり、台湾師範大学でもレクチャーをお願いしたりした。

20170808181123j:image

20170809125101j:image

 有名な誠品書店を訪問すると確かに日本の本や雑誌が置いてある。写真は子供用のセット。台湾の子供もこういうのを買うのだろうか。それとも現地在住の日本人向け?

20170810123031j:image

 私の個人的な調査対象としては淡水という街にある海底ケーブル陸揚局。

20170810140721j:image

20170810140829j:image

20170810143051j:image

 中国語(繁体字)で海底ケーブルは「海底電纜」、陸揚局は「海纜站」というらしい。

 最終日の午後に国立政治大学で成果報告会を開き、コメントをいただいた。日台協力というのは簡単だけど、具体的に何ができるかと考えるととても難しい。お互いの文化が気に入って旅行しているだけではほとんど何も改善しない。それをひとまずは学生たちが認識してくれたようなので、ひとまず良かったことにしよう。

20170811141602j:image

 もちろん、合間にはおいしい料理もいただいた。写真は学部の時の同級生に連れて行ってもらった居酒屋での宴会料理。シジミの醤油漬け老酔蜆子がどこでもおいしい。

20170809182213j:image

サイバーセキュリティの地政学

土屋大洋「サイバーセキュリティの地政学」『ITUジャーナル』2017年9月号、21〜23頁。

 期間限定で全文読めるそうです。

 大学院生の頃は、どうやったらこの雑誌に書かせてもらえるのだろうと思っていたのに、突然あっさりと執筆依頼が来て、その割に書くのに苦労してしまいました。3ページ目に大きな空白が空いているのは、たぶん私が図を入れなかったからです。

EWCで小さなシンポジウム

 2014年から15年にかけてハワイのイーストウエストセンター(EWC)に客員研究員として置いてもらい、それはそれで充実した研究の時間をもらえて良かったのだけど、新しい研究テーマとして太平洋軍(PACOM)を見つけて来た。

 それから年に一、二度、ハワイに通い、太平洋軍の研究プロジェクトを行ってきた。その一環として、8月22日に小さなシンポジウムをEWCで実施させてもらった。

20170823082152j:image

 キーノートは元太平洋艦隊司令官のAdm. R.J. ”Zap” Zlatoperで、率直にPACOMについて教えてくださった。日本からは元海上自衛隊の中村進さん、日本国際問題研究所の小谷哲男さん、慶應法学部の西野純也さんに来てもらった。

 アメリカ側からは他におなじみのBrad Glossermanさん(もうすぐ日本で仕事を始めるそうだ)、朝鮮半島の専門家のKevin Shepardさん、プロジェクトのメンバーのEWCのDenny Royさんが参加してくれた。

 三澤康ホノルル総領事とRichard Vuylsteke EWC所長もご挨拶をしてくださった。

 PACOMの現役の軍人も参加してくれて、小さいながらも良いシンポジウムだった。アジェンダはこちら

 ところで、この翌日、PACOMを訪問して意見交換をする機会をいただいたのだが、帰り道、高速道路でタイヤがパンクするというアクシデント。運転中に何か変な音がするなと思ったら急にガタガタガターと音がして慌てて路肩に止める。右前輪のゴムの部分が完全に外れて、高速道路の後ろのほうに転がっている。後続の車がよけながら走っていて危ない。初めての経験でオロオロしてしまったが、ハイウェイパトロールのおじさんがやってきて、あっという間に直してくれた。誰もけがをしなかったので良かった。

 2014年の滞在中、パリ・ハイウェイを走っていたら2台前の車が、対向車と正面衝突し、炎上するという事故も見たことがある。ハワイの運転はよくよく気をつけないと。