ハイ・コンセプト

荒野高志さんのおすすめでダニエル・ピンクの『ハイ・コンセプト』を読む。芸術的センスのなさを悲観し、左脳主導的な仕事ばかりしてきたことを反省する。

今、SFCではカリキュラムを作り直しているが、「『専門力』ではない『総合力』の時代!」という<はじめに>の言葉には励まされる。本の帯や大前研一さんの訳者解説には、給料とか富という言葉が出てきて、ノウハウ本なのかと思うが(私はノウハウ本も好きだけど)、大きな社会変化を示唆している本だ。トーマス・フリードマンの『フラット化する世界』とも呼応している。

「ハイ・コンセプト」とは「パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話のできる能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力、などだ」という。そして、対になる「ハイ・タッチ」とは、「他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、また、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、そしてごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力など」である。

そして、「今の仕事をこのまま続けていいか」という疑問に三つのチェックポイントを提示してくれている。

(1)他の国なら、これをもっと安くやれるだろうか

(2)コンピュータなら、これをもっとうまく、早くやれるだろうか

(3)自分が提供しているものは、この豊かな時代の中でも需要があるだろうか

ううむ。教育は例外だとはいえない時代だよなあ。

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