今回のCASISでびっくりしたことの一つが、カナダのトロントで起きた「トロント18」というテロ未遂事件。恥ずかしながら知らなかった。
トロントはカナダのニューヨークみたいなところで、金融機関や企業の本社が集中している大都市である。ここで中東系の若い「ホームグロウン・テロリスト」が出てきて、爆弾テロをしようとしたらしい。
事前にこれを察知したカナダのインテリジェンス機関がおとり捜査を行い、二人の捜査員を一味の中に潜入させ、一網打尽にしたそうだ。驚いたことにその潜入捜査に参加した捜査員がCASISにやってきてパネル討議に参加してしまった。もう一人の捜査員はまだ顔を公開していないそうだが、彼はトロント18のグループの活動を詳細に話してくれた。
顛末を聞くと9.11のアル・カイダと比べるとお粗末な感じもするが、ヨーロッパでよく見られるようになった「ホームグロウン・ラディカライゼーション」が起きたことはカナダにとってショックだったようだ。中東で生まれた子供たちが幼いうちに西欧社会にやってきてストレスを抱え、インターネットやモスクで感化されて「聖戦」に参加するという筋書きそのままである。
インターネットも想定以上に活用されているようで、もっとここは調べたほうが良いなと感じた。