速水融「日本の資源、森を見失うことなかれ」

速水融「日本の資源、森を見失うことなかれ——林業についての近著に思うこと」『三田評論』2013年1月号、102〜105ページ。

 先日、前任地がドイツだったという外交官と話す機会があった。「もはやドイツから学ぶことはないと思っていたけど、ドイツの林業のマネジメントはすばらしかった」と言っていた。

 その話と符合する速水先生の林業解説。タイトルからして林業の本を書かれたのかと思ったがそうではなかった。他人の著作を紹介しながらの評論。

 日本の森林資源は減っていないものの、活用もされていない。林業の活性化には山勘ではなく、現代的なマネジメントが必要。しかし、数十年単位の投資みたいな林業は、数代にわたって継承していかないといけない。

 速水先生の専門は人口論。人口論と林業論は通じるところがあるそうだ。

 そういえば、近い専門の同僚がドイツに留学していることも思い出した。

 日本にとって森林は有利な資源。うまくマネジメントし続ければ再生可能。でも普通にしていては安い輸入木材に負けてしまう。

 常々、一次産業のIT化が必要だと思って来た。農業へのITの利用は進んできている。農業情報学会なんてのもある。林業のIT利用はどんな学会で議論しているのだろう。

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