3泊5日アメリカの旅

20050628sky.jpgようやくアメリカから戻った。たった3泊5日なのだが、会議はまるでロー・スクールの講義のようでけっこう疲れた。ずっとハーバード大学に閉じこめられていたので、今回は他に何も見ていない。3食付きの会議だったのだが、正直あまりおいしくないものばかりで、最後のBBQはスキップして中華街に繰り出した。泣けるぐらいにうまかった。

今回の会議の前に同じハーバード・ロー・スクールでInternet Law Programというのが開かれていたのだが、そのプログラムからずっと滞在していたCCKRの連中は、毎日、韓国料理屋に逃げ込んでいたそうだ。

そうそう、アメリカ入国の際に、例のUS-VISITがあったが、右手人差し指の指紋が合致しなかったらしく、何度もやらされた。3月に渡米したときのデータと照合しているらしい。ちゃんとやっているんだなあと思った。

CCサミット

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ボストンでクリエイティブ・コモンズのサミットに出ている。15カ国の担当者が参加している。各国から複数来ていたり、スタッフが加わっていたりするのでけっこうな人数だ。

ステッカーをもらったので、パワーブックは写真のようになった。レッシグ教授の影響か、パワーブッカーがやたらと多い。

組織変更や新しいプロジェクトが発表されたので、CCJPのサイトで報告していくつもり。サイエンス・コモンズの本格化もおもしろそうだ。

アジア各国との連携も進みそうだ。アジアから来ているのは、韓国、中国、台湾、マレーシア、フィリピン。

初日の最後は、チャールズ・ネッソン教授の家でホーム・パーティー。いやあ、いい家だなあ。ハーバード教授の稼ぎはいいのかなあと下世話なことを考える。

レッシグ教授は最初の本(たぶん『CODE』のこと)をネッソン教授に捧げたと言ったところ、ネッソン教授は「私がそうしろと言ったんだ」と冗談を飛ばしていた。その辺のかけあいがおもしろい。それにしてもネッソン教授の講演は、ロースクールのソクラテス方式の授業みたいで、一番前に座っていた私は当てられるのではないかとビクビクしてしまった。

B食倶楽部

今日はB食倶楽部(びしょくくらぶ)へ取材に行った。かなりおもしろい。ブログとSNSを組み合わせている。招待された人しかブログを書けない(閲覧は自由)。

いくつかのブレークスルーがあったということだが、それにもまして、おいしいものにしぼりこみ、毎日の話題を盛り込めるようにした点がすぐれている。ブログやSNSは、しばらくやると飽きてしまう。話題が枯れてしまうからだ。しかし、毎日食べるものやレシピを載っけていくと、友人たちと情報を共有し続けることができる。「お前、そんなうまそうなもの食っているのか」といってつながりが保てるから話題はつきない(その点、祖父江君のブログ「レシピ」は先見性があったのかもしれない。最近料理エントリーが少ないけど)。いろいろ他にもおもしろい点を教えてもらったが、それはレポートに書くことにしよう(出し惜しみ)。

ところで、編集長は旧知の古瀬さんだった! びっくり。会った瞬間、「この前の学会来なかったな」と怒られてしまった。日本公共政策学会の理事もされている。もうすぐB食倶楽部には新機能が加わるとのこと。

もうひとつ英語ネタ

同僚のCyrusと立ち話をしたとき、英語の教材をくれた。そこには

“Reading is the basics for all learning.”

  • Annoucing his “Reading First” initiative in Reston, VA., March 28, 2000

と書いてある。「まあ、いいんじゃない」と言ったら、「英語ができる人はすぐに間違いに気づくよ。普通に教育を受けた人ならどうやったって間違えない」そうだ。「basics」ではなく「basis」が正しいらしい。なるほど言われてみればそうだ。ブッシュ大統領はどうしようもなく勉強ができなかったらしい。

ウェブを探してみると、「Funny George W. Bush Quotes」というサイトがしっかりある。

日本人ネタでは「engrish.com」が有名だ。恥ずかしながら何が笑えるのかわからないときがある。

Real ID法

『暗号の秘密とウソ』などで知られるBruce Schneierが、Real ID Actを強く批判している。データ保護法が整っていないアメリカでこんな法律を通してしまったら大変なプライバシー侵害につながるという。議会ではまったく審議されないまま、イラク関連法案と抱き合わせで可決されてしまった。巻き返せるのだろうか。

eデモクラシー・シリーズ第3巻 コミュニティ

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岩崎正洋、河井孝仁、田中幹也編『eデモクラシー・シリーズ第3巻 コミュニティ』日本経済評論社、2005年6月10日、本体2500円+税、ISBN4-8188-1741-4

東京大学大学院の野口さんとともに「第6章 アメリカ合衆国」を担当。 野口さんがメインで執筆。

庄司さんが書いている韓国の第8章もおもしろい。

ドンケル氏が死去

元GATT事務局長のドンケル氏が亡くなったそうだ。彼がまだ現役か、引退直後の頃だったと思うが、日本にシンポジウムで来たことがあった。私は学部の3年生か4年生で、ゼミの悪友たちと会議誘導のアルバイトをした。その後、アルバイトもレセプションに呼んでもらったのだが、そうそうたる顔ぶれに気後れしてしまっていた。

しかし、勇気を出して、しどろもどろの英語でドンケルに話しかけた。その時、扉が開いて、シンガポールのリー・クアン・ユーがオーラを発しながら登場して、ドンケルとの話は中断してしまっった。ところが、一息ついたところでドンケルが手招きしてくれた。日米半導体摩擦の勉強をしていたので、多角的な貿易自由化の視点から見たら、日米の二国間の合意は的はずれじゃないかというようなことを聞いた気がする。

残念ながら私の英語力は今よりはるかに悪かったので、彼の(おそらく)ドイツ語なまりの英語はほとんど理解できなかった。しかし、最後に「お前はもっと勉強しなくちゃいけない」といわれたことだけは鮮明に覚えている。

ドンケルとのこの何気ない会話は、勉強している間に思い出すことがあった。実は最近もあった。ドンケルとの議論に負けないためにはどうロジックを組み立てたらいいかと考えるのだ。そういう意味では、彼は私の中で教師のひとりとして存在してきた。

彼にとってはどうでもいいパーティー・トークだったと思うが、私にとっては本気で勉強しなくてはと思わされた重大な出来事だったと今では思う。ご冥福をお祈りしたい。

音楽共有

最近、SFCのキャンパスにいるときの楽しみの一つが、iTunesを介した音楽共有だ。キャンパスでiTunesを起動すると、共有されている音楽のリストが出てくる。今はちょうど10人が自分の音楽を共有している。懐かしいなあと思う曲があったり、へえと思うような曲があったり。アメリカの大学では「プレイリスティズム」という差別も生まれているそうだ。確かに自分のプレイリストを公開するのはけっこう恥ずかしいかも知れない。fk先生は人のプレイリストを見たいとおっしゃっていたけど、公開しているのかなあ。

ようやくアップルは日本でもiTunesミュージック・ストアを8月から始めるという。楽しみだ。

マ〜ム?

アメリカ人はよく女性に対して「マ〜ム?」といって話しかける。妻と一緒に歩いているときもしばしばいわれた。「お前にマムとかいわれる年齢じゃねえぞ」と長年不思議に思っていた。

最近おっくうがって車通勤が多かったのだが、体重が増えるし、読書量が減るので、今日は頑張って電車で移動。三田→六本木→半蔵門→遠藤と巡る。途中で読んだのが、六本木で話題のThomas L. Friedman著『The World is Flat』だ。「世界は平らなのだよ、コロンブス君」てな感じでとてもおもしろい。

その中で、マ〜ムの謎が解けた。「ma’am」と綴って「【名】ご婦人、お嬢さん◆madam の縮約形」(英辞郎)という意味だったのだ。な〜〜〜〜んだ。「マダム」より確かに「マ〜ム」のほうが柔らかい。学校で教えてくれなかったよ。

今日は勝った

今日の慶早戦はテレビ中継で観戦。粘り勝ちだ。同点に追いつかれてもあきらめないのが良かった。明日も試合になったが、観戦に行きたいが、午後は英国から客人だ。野球なんて分からんだろうからなあ……。

仕事なげうち神宮へ

急遽思い立ち、仕事をなげうって土曜日の神宮へ行った(皆様、ごめんなさい)。学生席で応援する元気はないので一般席へ。3塁側慶應ベンチの裏だ。なぜか慶應側で早稲田を応援する馬鹿者が後ろのほうにいたが、早稲田選手のファウル・ボールがめでたく直撃していた。

試合は惜敗。ファーボール二つにデッドボールで満塁で、4番打者にグランド・スラムされてしまっては何とも言いようがない。最後の9回表のホーム・ベースでのクロス・プレーは良かった。9回裏はサヨナラ勝ちかと思ったが願いかなわず。

野球狂でゼミが一緒だったKに偶然会う。彼は新聞社勤めで、一時はテレビにも出演し、独特のキャラクターで話題になった。とても久しぶり。

まだ先は長い

某社のセミナーでインテリジェンス・コミュニティの話を少ししてきた。ドン引きされてしまった。アメリカから帰国してもうすぐ丸3年。いろいろなところで書いたり話したりしてきたが、まだまだ理解されていない。先は長いなあ。

ガーデニング

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この連休で始めたのがガーデニング。たいしたものではないが、殺風景で何もなかったベランダに鉢植えを置くことにした。ホームセンターをウロウロして、花の鉢や種、土などを買い込んだ。

『バカの壁』の養老孟司さんがテレビに出ていて、「人間が作ったものではないものを1日15分でもいいから眺めてみるといい」と言っていた。確かに、サイバースペースで遊んでばかりいると、3次元の世界が新鮮だ。

そういえば小さい頃に住んでいた高田馬場に交通公園というのがあった(はず)。今は戸山公園というのに飲み込まれているようなのだが、ウェブで検索してもいまいちよく分からない。今度見に行こう。当時の高田馬場は空き地がたっぷりあったり、公営か公団の長屋風の住宅が並んでいたり、遊ぶ場所には事欠かなかった。カマキリの卵をたくさんとってきてバケツに入れておいたら、何千匹と孵化して大変なことになった。交通公園にはカブトムシもいたのだが、もう絶滅しただろうなあ。

写真はプチトマトの苗木。楽しみだ。

Real ID Act

アメリカで「Real ID法」が成立しそうだ。下院を通過して、上院に送られている。これは昨年12月に成立したインテリジェンス法の一部を書き換えることになる。各州で運転免許を取得する際に、厳しいチェックが行われる。

Matthewe L. Wald, “Congress May Require Closer Scrutiny to Get a Driver’s License,” New York Times, May 3, 2005.

運転免許証と社会保険番号(SSN)がないと銀行口座も開けないし、アパートも借りられない。外国人にはつらい仕打ちだ(それがねらいなのだが)。アメリカの行政機関の非効率さにはあきれさせられた経験(pdf)があるだけに、これから行く人は大変だろうなと思う。

love actually

先日、気分を切り替えたくて、『love actually』のDVDを見る。別に何の理由もなく、ふと手にとって見てしまった。やっぱりイギリス人というのはおもしろい。ストーリーはいろいろなラブ・ストーリーが絡み合うものなんだけど、軽いタッチでユーモアがある。音楽もいい。Bill Nighy扮するロックンロール・ルーザーも笑える。

それにもまして、9.11後のアメリカを軽くからかっている点がおもしろい。9.11のテロの時にクラッシュした飛行機の乗客たちが携帯電話などで家族にかけてきた電話の内容は、憎しみではなく家族への愛ばかりだったという前振りには、なるほどそうだったと思わされた。ヒュー・グラント扮するイギリス首相とアメリカ大統領の対決も、にやりとさせられる。とんでもないアメリカ娘たちも登場する。この映画、アメリカではヒットしたのだろうか。

野球観戦

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せっかくの連休も今年前半3分の1のやり残しの雑事に追われる。あまり楽しくはないが、気分的にはリラックスしている。行楽の予定は悲しいことに何もないが、唯一、今日は東京ドームに野球観戦に行く。無料チケットをもらったのだが、当日引き換えが必要で、試合開始は6時なのに3時から並ぶ。それでも長蛇の列だった。

あいにく、番長もヨシノブも欠場。先日、守備怠慢注意に逆ギレしていたローズが、フェンス激突のファイン・プレーをしていてびっくりした。お弁当食べてひとしきり楽しんで、でも今晩中に寄らなくてはいけないところがあって、途中で帰る。

たくさんの人が指摘しているが、メジャー・リーグを見た後だと、日本の球場の鳴り物が気になる。精一杯応援した気になるためには、トランペットを鳴らしたり、太鼓をたたいたり、プラスティックをたたいたりするのが必要なのかなあ。

久しぶりに慶早戦に行ってみようかなという気になる。しかし、学生席だと待ち時間が長い。早いときは朝8時に集合で、試合開始は13時、終わるのは16時ぐらいだからなあ……。最近は長時間日光に当たっていると頭痛がする虚弱体質になってしまったので難しいかもしれない。

こんなおもしろい記事を発見。「SFC生初の慶早戦体験」私も一度だけ日比谷公園の噴水に入ったことがある。先輩の忠告で着替えを持参して行った。しかし、ひどく寒かった記憶がある。

Down to the Wire

Down to the Wire

友人のトム・ブレハさんの論文が外交誌『Foreign Affairs』に載った。友人といっても年齢は彼が30歳位上だろう。私がワシントンDCに滞在しているときに別の友人を介して友達になり(私もトムさんも安倍フェローだった)、アパート探しを手伝ってもらったり、夫婦同士でよく食事に行ったりした。

彼が日本のインターネット政策の研究のために来日したときは、私が当時勤めていた国際大学GLOCOMで客員研究員になった。

彼の『Foreign Affairs』の論文はニューヨーク・タイムズのコラムニストであるトーマス・フリードマンの目にもとまり、彼のコラムで引用されている。

いやあ、うれしいなあ。