日本でもガソリン価格が問題になっているようだけど(正確には税金の話か)、アメリカのガソリン価格も深刻だ。たまにジップカーに乗るぐらいで、普段は乗らないことにしたので、私には大して影響がないが、ニュースでは毎日その話をしている。
2001年から2002年にワシントンにいた頃はたしか1ガロン108セント(1.08ドル)で安いなあと思った記憶がある。データを確かめてみると確かにそうなのだが、それはかなり安かった特別の時期だということが分かる。次のグラフはエネルギー省のデータを元に作ってみたもので、1990年の湾岸危機以降のデータが出ている。湾岸危機前のデータがないのが残念だが、湾岸危機でほんの一瞬上がってからは、比較的安定していて、1999年後半から市場が荒れているようだ。9.11以後はなぜか安くなり、2002年春から上昇に転じている。その後は上がる一方で、3.5倍近くなっている。
今住んでいるアパートからは駅に併設されている駐車場がよく見える。朝と夕方のラッシュ時間は車の行列ができていて、クラクションがうるさい(ボストンの人は意外にもかなりクラクションを鳴らす)。毎日毎日車に乗っている人にはこの値上がりはたまらないだろうなと思う。地下鉄のないエリアに住んでいる人には車は不可欠だ。東京のような満員電車もどうかと思うけど、地下鉄を延伸すれば良いのにと思う。やはり電車は嫌いなのかなあ。
ガソリン価格の高騰のせいで、燃費のいい小型の日本車が売れ始めているそうだ。不必要にでかい車が多いから良い傾向だと思う。MITやハーバードのイベントでも環境問題、エネルギー問題関連のものが多い。Go Greenはかなり根付いてきている。
こういう生活上の不満は大統領選挙にどう影響するのだろう。もし法的に可能だとしても、この状況ならブッシュ大統領の三選はあり得ないだろう。何だかアメリカ人も民主党の混乱には疲れているような様子があり、決め手を欠くオバマを見離す声も出てきている。
MIT学長のコラム
Susan Hockfield, “MIT’s Burgeoning Role in the Green Movement,” Boston Globe, April 7, 2008.
【追記】
米国の1ガロンは約3.785リットルである。1リットル当たりに換算すると92セント(約100円)にしかならない。税金の上乗せ幅が違うとしても(米国のガソリンにも税金が入っている)、まだまだ米国のガソリンは安いことになる。