CFP 2008

20080521yale.JPGボストンのサウス・ステーションからアムトラックに乗り、イェール大学(左の写真)のあるコネティカット州ニュー・ヘブンに来ている。アムトラックの特急アセラだと電源が使えるので仕事もできる。電車の旅もなかなか良い。

ニュー・ヘブンで2年ぶりにCFP(Computers, Freedom and Privacy)に出ている。なんだか規模が小さくなってしまっていて残念だ。参加者の数も少ないし、おもしろいスピーカーも少ない。観光的にはほとんど魅力のないニュー・ヘブンで開催したせいだろうか。

SNSとプライバシーの話を議論しているところはだいぶ遅れているんじゃないかという気がする。2004年頃にアメリカでSNSってどう思いますかと聞いてもよく分からんという顔をされたのも当然だったのだろう。

ネットワーク中立性についてはパネルがあるが、ブロードバンドや周波数などのインフラ系の話が全くなくなっているのも特徴かもしれない。

時差ぼけは全くないのに退屈で居眠りしてしまうセッションが多い。

期待していたのは、オバマ陣営とマッケイン陣営の技術政策担当者によるパネルだったけど、ディベートではなくディスカッションにしましょうと司会が述べたため、あまり対立点がはっきりせず、期待はずれだった。

今のところ一番おもしろかったのは「21世紀のパノプティコン」というパネルで、連邦と州の間、インテリジェンスと法執行機関の間の情報共有について。これは3月に卒業したN君が卒論のテーマで書いたテーマで、彼は先見の明を持っていたのかもしれない。無論、CFPはプライバシーを大事にする人たちの集まりだから、フュージョン・センターのような形でやたらと情報が集められ、共有され、ブラックホールに入っていくのは危険という議論だ。

かつてのインテリジェンスの世界の合い言葉はneed to knowで、知る必要のある人だけが知れば良いというものだった。ネットワーク時代にはneed to shareにしなくてはならないと私も自分の本の中で書いたが、逆に、need to shareの弊害が大きくなっていることに気づく。やれといわれたことをまじめにやりすぎてしまって問題を起こすのが政府機関の悪いところだ。

今日はこれから各国のネット・フィルタリングについての話を聞き、最後にクレイ・シャーキーのキーノートを聞いて終わり。シャーキーは最近Here Comes Everybody: The Power of Organizing Without Organizationsという本を出している(まだ読んでない)ので期待している。

ニュー・ヘブンの近くに海軍潜水艦博物館というのがあり、世界初の原子力潜水艦ノーチラス号が置いてあるらしい。是非途中下車したいが、今晩用事があるのでまた次回だ。

【追記】

ネット・フィルタリングのパネルはすばらしかった。クレイ・シャーキーの話もおもしろかった。来た甲斐があった。

【さらに追記】

上述のネット・フィルタリングのパネルについての記事がWIRED VISIONに掲載されている。聴衆は20人ぐらいしかいなかったけど、そこにアメリカのWIREDの記者がいたということか。さすがだ。

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