ぼやっとしているうちに、ブッシュ政権がインテリジェンスに関する大統領命令12333を改正し、議論を呼んでいる。
オリジナルの大統領命令12333はレーガン政権の時に出されたもので、インテリジェンス機関の活動を規定している。大枠は法律で決まるが、詳細は大統領命令で決められる。この大統領命令は、秘密だらけで訳の分からなかったインテリジェンス機関の法的制約を明らかにする画期的なもので、CIAによる暗殺を明示的に禁じたものとしても知られている。
改正された大統領命令には、オリジナルには入っていなかった以下の文章がある。
米国政府は、連邦法によって保証されている自由(freedoms)、市民的自由(liberties)、そしてプライバシーの権利を含む、あらゆる米国民の法的権利を完全に守るという厳粛な義務を負っており、この命令の下でのインテリジェンス活動の実施において継続しなければならない。
わざわざこんなことを追加して書くとは、近年のさまざまな問題は何なのだろうと勘ぐりたくなる。しかし、わざわざ書くのは前進だという見方もある。
ブッシュ政権は最近、大統領命令はこっそり改正できるという法律的立場をとっていることが分かり、問題になっている。アメリカは法律社会だというが、法律に準ずる大統領命令が、誰も知らない間に無効になっていたり、書き換えられていたりしたら、法治国家ではなくなるだろう。ますますインテリジェンス機関をコントロールできなくなる。
今回の大統領命令の改正は、近年のインテリジェンス・コミュニティの改革を反映するためのものだが、これをこっそり書き換えられるとすれば、形式的な改正でしかないのか。