ソーシャル・ネットワーキング

読売新聞の昨日(10月19日)付け夕刊4面にインタビューを掲載していただいた。本人が書くよりうまくまとまっている(松本さん、ありがとうございます)。実は始めたばかりなのだが、GREEの話を紹介している。もうひとつのキーワードは創発。これがどう結びつくのか興味がある。ブルース・スプリングスティーンが始めた「Vote for Change」もとても気になる。来月アメリカ出張がありそうだが、ライブも見てみたいなあ。今のところうまく日程が重ならない。ブルース・スプリングスティーンはかつて「Born in the U.S.A.」を歌っていたころにレーガン政権がキャンペーンに使おうという話があったらしくて(うろ覚えなので正確ではないかも)、共和党寄りなのかと思っていたら、今回ははっきりと反ブッシュだ。

上記のインタビューはウェブにはないが(たぶん)、モニ太のデジタル辞典「ソーシャルネットワーキング」はとてもかわいい。

団塊の世代

堺屋太一『団塊の世代』文春文庫、1980年(初版単行本は講談社から1976年)。

最近、本屋に行くと中高年をねらった趣味の雑誌が目に付く。いわゆる団塊の世代(狭義には1947年から1949年生まれ)が55歳から57歳くらいになり、子育てが一段落して趣味にお金を投じ始めているのをねらっているらしい。しかし、団塊の世代とは何なのかよく分からないので、読んでみようと思い立った。

社会評論の本だと思っていたのだが、実は短編4本からなる小説だった。読んでいて何だか記述が変だ。高度成長の60年代、混乱の70年代、そして陰鬱な80年代という舞台設定になっている。しかし、80年代後半は円高バブルがあったはずだ。それもそのはずで、1976年時点で未来を予測しながら書いた近未来小説なのだ。高度経済成長期に就職した団塊の世代がその後、80年代や90年代にいかに苦境に直面するかを描いている。

1985年のプラザ合意に伴う円高など予測はできなかっただろうから、細かい点は言っても仕方がないが、団塊の世代が社会にどういう影響を与えるかを予測しているところは正しかったのだろうか(身近に団塊の世代の人がいないので実感がつかめない)。冒頭に書いてある言葉は興味深い。

この「団塊の世代」は、

過去においてそうであったように、

将来においても数数の流行と需要を作り、

過当競争と過剰施設とを残しつつ、

年老いて行くことであろう。

現代社会のブームと変化を世代という視点から見ることは重要だろう(もちろんそれがすべてではないとしても)。アメリカのベビー・ブーマーについて書いたおもしろい本を読んだことがあるが、そのタイトルが思い出せずはがゆい。

orgな人々

orgな人々

GLOCOMのニューズレター『智場』に載ったもの。最短記録ぐらいの短い時間で書いたから、あんまり練れていない(書いたことも忘れていた。思い出させてくれてありがとう、タグー)。

中国の戦略研究

中国からの留学生の韓君がブログで中国の戦略研究の本を紹介してくれている。

鈕先鍾『戦略研究』広西師範大学出版社、2003年8月。

先日の研究会の時の話では、中国の大学で必須となっているのは毛沢東思想とトウ小平思想で、あまり戦略論はやっていないそうだ。戦略論に関する本を見つけるのは難しいようだが、この夏休みに見つけてきたのが上記の本というわけだ。

ノリチカカニエ

今日キャンパスで偶然、旧友の蟹江憲史先生(友達同士でこういうのも何か変だけど)に会った。香川先生の授業にゲスト講師で来ていたらしい。確か2002年ごろにニューオーリンズの学会で会って以来だ。SFCの一期生で、いい研究成果を出している。環境問題の国際政治学が専門。

ところで、彼を最初に紹介してくれたのはゼミの同期だったまいける。まいけるは彼を「ノリチカカニエをよろしく」と紹介したので、ついそっちが先に出てしまう。彼が婚約中だったころ、携帯に電話したら婚約者(今の奥さん)が出て、思わず「ノリチカカニエ君は?」と言ってしまい、大笑いされたことがある。

非常に私的なネタのエントリーでごめんなさい。

『デジタル・ツナガリ』

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C&C振興財団監修、原田泉、土屋大洋編著『デジタル・ツナガリ—拡大するネットコミュニティの光と影—』NTT出版、2004年。

上村さんのパソコン通信がなぜ死んだかという話や、渡会さんの2ちゃんねる論、小泉さんの情報倫理、野口さんの途上国とインターネット・コミュニティ、遊間さんのアクセシビリティなど、やや堅めだけどそれぞれおもしろいテーマを扱っているはず。

けっこう時間がかかった。ドラフトができてから7カ月。植草さん、ありがとう。

政府機関がCCを使う

ショージさんが、この一つ前のエントリーにコメントしてくれたように、経済産業研究所が「e-Life」というブログを始めた。政府機関がブログを始めたというのはおもしろい。それにもまして、政府機関がクリエイティブ・コモンズのライセンスを使っているという点がおもしろい。考えてみれば、経済産業研究所はずっと前からクリエイティブ・コモンズのライセンスを使ってくれていた。実は、ここ数日、世界中のクリエイティブ・コモンズの国際化プロジェクトのリーダーたちの間で、「政府がクリエイティブ・コモンズを使っている例はある?」という質問が出ていた。ここにその例があったんだ。

政治とIT

Lessig Blog (JP)で紹介されていた政治批判の動画。今回の米国大統領選では、政治を風刺する歌や動画がたくさん出てきているのが特徴だろう。新聞の風刺漫画を見る人の方がまだ多いだろうが、インパクトは動画の方が大きいのではないか。

JibJabの「My Land」もおもしろかった(こちらはついにDVDを売り出したらしい)が、新作「Good to be in DC!」もおもしろそうだ。しかし、エラーが出て見られない。

レッシグ教授が昨年日本に来たときに紹介していた「Read My Lips」シリーズは、少なくともオリジナルのあったスウェーデンのサイトからは消えてしまったようだ。残念。

日本でもフラッシュを使った動画のコミュニティが出てきているが、政治風刺ものはあるのだろうか。

台風のおかげ

この週末は熱海で合宿の予定だったが、どうみても巨大台風の直撃を受けそうだったので前日の夜に中止になった。段取りに奔走してくれた井庭さんや皆さんには申し訳ないけど、けっこううれしい。もちろん合宿に行くといろいろ刺激があるからいいのだけど、三日間フルに休めるかと思うと正直ほっとする。引越しの片付けもあるし、迷惑をかけている原稿も書ける。音楽を聴きながら本も読める。毎週木曜日はキャンパスのゲスト・ハウスに泊まって時間と体力の節約をしているが、どうしても睡眠不足らしくて、乗り物に乗ったり、長時間話を聞いていたりすると(木曜3限は特に危険だ)ウトウトしてしまう。ここで何とかリセットしたい。

ブロードバンドのライブ

SFCで来週ホームカミングデイ2004が開かれる。今年はSFC三期生が大挙して帰ってくる。どうやらそこでブローバンドというバンドがライブ演奏を行うらしい。ボーカルとギターは、ええっ、あの先生なの!?と極秘企画案を見て驚いた。確かにギターをやっているという話を聞いたことがある。あの低くて太い声でエリック・クラプトンをやるらしい。ヒントはこの辺か。ああ〜見たいけど行けない。

ケースブックにクリエイティブ・コモンズのライセンス

同僚の國領二郎先生が講義で使うケース・ブックにクリエイティブ・コモンズのライセンスをつけて配布を始めた。非営利利用についてはクリエイティブ・コモンズのライセンスが適用され、営利利用については指示に従って利用料を払うという仕組みだ。いいアイデアだ!

http://case.sfc.keio.ac.jp/cases/20040001kijo.pdf

http://case.sfc.keio.ac.jp/cases/20040002uservice.pdf

ネットワーク社会論の講義シラバスの第4回からリンクされている。ライセンスの詳細はこちら

引っ越し(2)

光ファイバーにつながった。けっこう快適だ! しかし、いちいちIDとPWDが必要なのは面倒だ。起動したらそのまま使えるシステムがいんだけどなあ。あっさり無線LANもつながった。すばらしい。昔、DSLにつないだときはえらく苦労したのがうそのようだ。

引っ越し

昨日、引っ越しをした。生まれてこの方たぶん13回目だ。前回の引っ越しでは5〜6年は引っ越さないと決めていたのに、結局2年余りで引っ越すことになった。通勤に時間がかかりすぎていたので仕方ない。

またダイヤルアップに戻ってしまった。光ファイバーはいつつながるのだろうか。

エリーカはすごい

NHKスペシャルでエリーカを見た。びっくりした。電気自動車なのに時速370キロ出て、加速はポルシェよりもいい。これは自動車のパラダイム転換になり得る。ガソリン自動車を超えるには、それと同じだけの性能ではなくて、それを圧倒的に上回る性能を持っていないとダメだという認識で開発が進められている。テスト走行した元F1レーサー片山右京をも驚かせる性能だ。課題はコストと安全性と信頼性。

しかし、こんな研究と肩を並べて研究しなくちゃいけないSFCのプレッシャーは大きいなあ……。国際関係論でこれに比肩する貢献て、何をすればいいんだろう。

帝国の驕り

Anonymous, Imperial Hubris: Why the West is Losing the War on Terror, Washington, DC: Brassey’s, 2004.

残念なことに神がわれわれの目から驕りを取り除かねば、われわれは負ける。われわれがそれを取り除くことができる兆候は無く、アル・カイダがわれわれよりも世界を明確に見ていることを私は心配している(Sadly, unless the Divinity rids our eyes of hubris, we are lost. There is no sign we can remove it, and, I fear, al Qaeda sees the world clearer then we. )

米国のインテリジェンス・コミュニティで20年以上分析に従事してきた人物が匿名で書いた本。米国の政策がいかにまちがっているか、アル・カイダを理解していないかを告発している。

地域情報化の最前線

丸田一『地域情報化の最前線—自前主義のすすめ—』(岩波書店、2004年)。

をいただいた。地域情報化の事例とアイデアがたくさんつまっていておもしろい。私の母の故郷の町のことも書いてあるのでいっそう興味深い(「辺境の地」と書かれてしまっているけれど)。