ミニトマト

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ミニトマトはどうしたと聞かれるのでレポート。実はびっくりする勢いで成長しており、植木鉢とのバランスが悪いらしくて先日風でひっくり返った。かわいそうだが飛び出ている枝を落とすようにしている。初収穫はとっくに終わっているのだが、すでにたくさん実がなっている。別の鉢に植えたシソ、バジル、パセリもジャングルのようになってきた。

3泊5日アメリカの旅

20050628sky.jpgようやくアメリカから戻った。たった3泊5日なのだが、会議はまるでロー・スクールの講義のようでけっこう疲れた。ずっとハーバード大学に閉じこめられていたので、今回は他に何も見ていない。3食付きの会議だったのだが、正直あまりおいしくないものばかりで、最後のBBQはスキップして中華街に繰り出した。泣けるぐらいにうまかった。

今回の会議の前に同じハーバード・ロー・スクールでInternet Law Programというのが開かれていたのだが、そのプログラムからずっと滞在していたCCKRの連中は、毎日、韓国料理屋に逃げ込んでいたそうだ。

そうそう、アメリカ入国の際に、例のUS-VISITがあったが、右手人差し指の指紋が合致しなかったらしく、何度もやらされた。3月に渡米したときのデータと照合しているらしい。ちゃんとやっているんだなあと思った。

もうひとつ英語ネタ

同僚のCyrusと立ち話をしたとき、英語の教材をくれた。そこには

“Reading is the basics for all learning.”

  • Annoucing his “Reading First” initiative in Reston, VA., March 28, 2000

と書いてある。「まあ、いいんじゃない」と言ったら、「英語ができる人はすぐに間違いに気づくよ。普通に教育を受けた人ならどうやったって間違えない」そうだ。「basics」ではなく「basis」が正しいらしい。なるほど言われてみればそうだ。ブッシュ大統領はどうしようもなく勉強ができなかったらしい。

ウェブを探してみると、「Funny George W. Bush Quotes」というサイトがしっかりある。

日本人ネタでは「engrish.com」が有名だ。恥ずかしながら何が笑えるのかわからないときがある。

マ〜ム?

アメリカ人はよく女性に対して「マ〜ム?」といって話しかける。妻と一緒に歩いているときもしばしばいわれた。「お前にマムとかいわれる年齢じゃねえぞ」と長年不思議に思っていた。

最近おっくうがって車通勤が多かったのだが、体重が増えるし、読書量が減るので、今日は頑張って電車で移動。三田→六本木→半蔵門→遠藤と巡る。途中で読んだのが、六本木で話題のThomas L. Friedman著『The World is Flat』だ。「世界は平らなのだよ、コロンブス君」てな感じでとてもおもしろい。

その中で、マ〜ムの謎が解けた。「ma’am」と綴って「【名】ご婦人、お嬢さん◆madam の縮約形」(英辞郎)という意味だったのだ。な〜〜〜〜んだ。「マダム」より確かに「マ〜ム」のほうが柔らかい。学校で教えてくれなかったよ。

今日は勝った

今日の慶早戦はテレビ中継で観戦。粘り勝ちだ。同点に追いつかれてもあきらめないのが良かった。明日も試合になったが、観戦に行きたいが、午後は英国から客人だ。野球なんて分からんだろうからなあ……。

仕事なげうち神宮へ

急遽思い立ち、仕事をなげうって土曜日の神宮へ行った(皆様、ごめんなさい)。学生席で応援する元気はないので一般席へ。3塁側慶應ベンチの裏だ。なぜか慶應側で早稲田を応援する馬鹿者が後ろのほうにいたが、早稲田選手のファウル・ボールがめでたく直撃していた。

試合は惜敗。ファーボール二つにデッドボールで満塁で、4番打者にグランド・スラムされてしまっては何とも言いようがない。最後の9回表のホーム・ベースでのクロス・プレーは良かった。9回裏はサヨナラ勝ちかと思ったが願いかなわず。

野球狂でゼミが一緒だったKに偶然会う。彼は新聞社勤めで、一時はテレビにも出演し、独特のキャラクターで話題になった。とても久しぶり。

ガーデニング

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この連休で始めたのがガーデニング。たいしたものではないが、殺風景で何もなかったベランダに鉢植えを置くことにした。ホームセンターをウロウロして、花の鉢や種、土などを買い込んだ。

『バカの壁』の養老孟司さんがテレビに出ていて、「人間が作ったものではないものを1日15分でもいいから眺めてみるといい」と言っていた。確かに、サイバースペースで遊んでばかりいると、3次元の世界が新鮮だ。

そういえば小さい頃に住んでいた高田馬場に交通公園というのがあった(はず)。今は戸山公園というのに飲み込まれているようなのだが、ウェブで検索してもいまいちよく分からない。今度見に行こう。当時の高田馬場は空き地がたっぷりあったり、公営か公団の長屋風の住宅が並んでいたり、遊ぶ場所には事欠かなかった。カマキリの卵をたくさんとってきてバケツに入れておいたら、何千匹と孵化して大変なことになった。交通公園にはカブトムシもいたのだが、もう絶滅しただろうなあ。

写真はプチトマトの苗木。楽しみだ。

love actually

先日、気分を切り替えたくて、『love actually』のDVDを見る。別に何の理由もなく、ふと手にとって見てしまった。やっぱりイギリス人というのはおもしろい。ストーリーはいろいろなラブ・ストーリーが絡み合うものなんだけど、軽いタッチでユーモアがある。音楽もいい。Bill Nighy扮するロックンロール・ルーザーも笑える。

それにもまして、9.11後のアメリカを軽くからかっている点がおもしろい。9.11のテロの時にクラッシュした飛行機の乗客たちが携帯電話などで家族にかけてきた電話の内容は、憎しみではなく家族への愛ばかりだったという前振りには、なるほどそうだったと思わされた。ヒュー・グラント扮するイギリス首相とアメリカ大統領の対決も、にやりとさせられる。とんでもないアメリカ娘たちも登場する。この映画、アメリカではヒットしたのだろうか。

野球観戦

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せっかくの連休も今年前半3分の1のやり残しの雑事に追われる。あまり楽しくはないが、気分的にはリラックスしている。行楽の予定は悲しいことに何もないが、唯一、今日は東京ドームに野球観戦に行く。無料チケットをもらったのだが、当日引き換えが必要で、試合開始は6時なのに3時から並ぶ。それでも長蛇の列だった。

あいにく、番長もヨシノブも欠場。先日、守備怠慢注意に逆ギレしていたローズが、フェンス激突のファイン・プレーをしていてびっくりした。お弁当食べてひとしきり楽しんで、でも今晩中に寄らなくてはいけないところがあって、途中で帰る。

たくさんの人が指摘しているが、メジャー・リーグを見た後だと、日本の球場の鳴り物が気になる。精一杯応援した気になるためには、トランペットを鳴らしたり、太鼓をたたいたり、プラスティックをたたいたりするのが必要なのかなあ。

久しぶりに慶早戦に行ってみようかなという気になる。しかし、学生席だと待ち時間が長い。早いときは朝8時に集合で、試合開始は13時、終わるのは16時ぐらいだからなあ……。最近は長時間日光に当たっていると頭痛がする虚弱体質になってしまったので難しいかもしれない。

こんなおもしろい記事を発見。「SFC生初の慶早戦体験」私も一度だけ日比谷公園の噴水に入ったことがある。先輩の忠告で着替えを持参して行った。しかし、ひどく寒かった記憶がある。

のんきなことに

北京で大騒ぎが起きているころ、私は何事もなく上海の街をグルグル回っていた。上海でも日本人留学生が殴られたそうだが、険悪な雰囲気は何も感じなかった。そもそも会っている人たちとの間で話題にすらならなかった。上海の人は政治に興味がないらしい。

のんきなことに土曜日は二回もマッサージに連れていかれた(決して二回ともお願いしたわけではない。断りはしなかったが)。一回目は昼食の時、ネット・ベンチャーの社長が「シャンプー・マッサージに僕は行っているよ」というので「何ですか、それは」と聞くと、「じゃあ、連れて行ってあげる」とデパートの中にある美容室へ。鏡の前の椅子に座るとラップとタオルが首に巻かれる。シャンプー液のようなものを頭にかけられ、ごしごしと洗髪が始まる。時々マッサージの小技が織り込まれる。洗い終わると席を移して前かがみになって流してもらう。その後は頭の上から背中までグリグリもんでくれる。綿棒で耳の中の水をとってくれたりとなかなかのサービスだ。全部で30分くらいだろうか。料金は20元(280円)。ところが、社長は割引会員なので、6元(84円)になってしまうというのだ。いくら人件費が安いといっても……。

夜も別の会社の社長と会食し、社長の豪華なマンションを拝見した後、マッサージに行こうと誘われる。行った先はできたばかりの巨大なマッサージ・ハウス。そこには社長の友達が3人待っていた。6人部屋に入り(2人部屋から数人のものまで30室近くあるようだ)、まずはお茶を飲みながらテレビを眺め、90分コースでもんでもらう。こちらはさすがに高くて168元(2350円)。それでも日本の三分の一以下だろう。

あまり中国人はマッサージに行かないのではないかと思っていたが、社長たちの話を聞くと、お金のある人たちは頻繁に通っているそうだ。一日おきに通う人や、お酒の後には必ず行くという人もいる。ポイントは、夜の場合は一人では行かないということだ。どうやら社交場になっているらしい。「昔の阿片窟みたいなもんだよ」という。なるほど、その雰囲気は出ている。

まじめな話も聞いてきたので、それはきちんとレポートにするつもり。いろいろ紹介して下さったHさんに大感謝。

また上海

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また上海に来ている。ソフトウェア産業のオフショア開発などを聞いている。街は相変わらず元気で、金曜の夜は特ににぎやかだ。市街中心部の人民広場にマンションが建つらしい。銀座の一等地にマンションが建つようなものだとか。

今度のホテルにはブロードバンドがちゃんとついている(有料)。ウェブは速いものの、メールがすっごく遅い。メール・サーバーにたどり着くのに5分ぐらいかかっている感じだ。何が起きているのだろう。気になる。

スカイプで東京と話してみたら、すごい雑音で聞き取りにくい。会話できないほどではないが、ちょっと難ありだ。

NY学院

実はとっくにアメリカから帰国している。今回のメイン・イベントは慶應義塾ニューヨーク学院での学部説明会。慶應で一番美しいキャンパスというのもうなずける。もともとは隣にある女子大の敷地だったそうだ。近所にはクリントン夫妻の家もあるとか。いい環境で学ぶことができてうらやましい。9月入学が可能ということもあり、SFCは人気だが、何人が秋にやって来るのだろう。

ついでながら、小田学院長が寄贈された福沢諭吉コレクションも一見の価値あり。

帰国の翌日、研究会一期生の追いコンをささやかながら開いた。たった半年なので十分なケアはできなかった気がするけど、卒業・修了おめでとう。

メールが届いてない

西海岸にいた間、私から出したメールのうち届いてないものがあるらしい。ホテルのブロードバンドのプロバイダーがスパムなどの関係でブロックしているらしく、あるプロバイダーはtracerouteすると迷子になるのが確認できた。もし「返事が来ない」という場合はすみませんがもう一度送ってください。NYのホテルは良好。サンディエゴのホテルのブロードバンドはひどくて、たった4メガのファイルもタイムアウトしてダウンロードできなかった。

歴史の方程式

旅というのは計画しているときが一番楽しいと野口悠紀雄先生が確か『超旅行法』で書いていた。その通りだ。今回は大学の用事で急に頼まれたので、ついでにテネットCIA前長官の講演を聞いてくるか、おまけにレッシグ教授の講演にも足を伸ばすか、と楽しく計画した。しかし、年度末の出張は無謀で、押し寄せてくる仕事に破綻してしまった。kkさん、本当にごめんなさい。

機内では全然眠れず(リチャード・ギアの『Shall We Dance?』は役所広司のバージョンそのままだった)、ようやくサンフランシスコにたどり着く。『風とともに去りぬ』のロケで使われたという豪華なフェアモント・ホテル(カンファレンスの会場なので割引で泊まれる)にチェックインするも、頭痛がとれない。おまけにパソコンの調子が悪い。この際、アップル・ストアでパワーブックを買おうかと真剣に考えている。

ところで、マーク・ブキャナンという物理学者が『歴史の方程式(原題はubiquity)』という本を出している。邦訳の副題は「科学は大事件を予知できるか」である。『歴史の方程式』という題はあまりいいとは思えないが、確かに読み終わるとその意味が分かる。その結論は、戦争や生物の大絶滅や地震の発生を予測することは理論的には不可能かもしれないということだ。

つまり、戦争や生物種の絶滅や地震は、規模はともかく実は頻繁に起きている。それが大規模なものになるかを事前に知ることはきわめて困難である。例えば、マントル・プレートの上にある日本では、体に感じない地震が無数に起きている。しかし、ある時、積み重なったエネルギーが爆発して大地震になる。そこには周期性があるように思えるが、実際にはないため、地震予知はことごとく外れている。戦争においても同じである。歴史家は第一次世界大戦がなぜ起きたのかという点で、いまだに合意ができない。鍵はべき法則にある。

国際政治学で予測は無理なのかとがっかりし始めていたところなので、「地震予知でも経済予測でもことごとくはずれているのです」といわれると、少し安心してしまう。

そういう意味では今回の私の破綻も予測不可能だったといっておこう(できた気もするが)。砂山に落ちる一粒の砂が大崩落を起こしたに過ぎない(←本を読むと分かる)。

南翔饅頭店的秩序

昨日、上海から帰国。実は木曜日、ブロードバンドは夕食から帰ったら使えなくなっていた。ホテルにクレームしたら値段に入ってないとのこと。そんなあほな。ダイヤルアップではブログをやる気がしない。

金曜日は順調に訪問調査をこなす。なかなかおもしろい。

土曜日は、昼間の予定がキャンセルになったので、豫園へ行く。いやあ、なかなかすごいところです。うじゃうじゃと人がいて、テーマパークのような感じ。六本木ヒルズに支店のある南翔饅頭店はどこかと探していたら足を踏み外して捻挫した。

めげずにようやく見つけるが、長い行列ができている。ここにあるように、南翔饅頭店は値段で食べ方が異なる。やはり座って食べたいのでまず2階の一番安い部屋に行くが、列も何もなくて、先客が食べているテーブルの周りに人が群がっていて、次の席を狙っている。「このテーブルは私たちがとっているから他にいってよ」みたいな感じですごい争いだ。部屋の中は東京の満員電車状態で、食べている人も気まずいのではないかと思うが、みんな平気な顔しておいしそうに食べている。ここで30分ほど待ってみるが、回転が悪いし、とても中国の皆々様を押しのけて席を確保できる自信がないので撤退。上の階の少し高いところへ。

こちらはきちんと列ができていて、係りの人が順番にテーブルに案内してくれる。その奥にはフカヒレ入りの最高級小龍包用の列もある。私たちが並んだのはカニ入りのほうだ。下だと16個で15元だが、上だと6個で20元、カニ味噌入りだと30元だったかな。こちらでも30分弱待ったが、ゆっくり食べられてよかった。

こうした光景を目にしながら、相方のkk氏と電波政策について話し合う。いわば、下のフロアは、混雑している無線LANのようなものだ。あいているスポットをみんなが探して座ろうとしている。しかし、使えるチャンネルが限られているところにユーザーが殺到するとどうにもならない。

上のフロアはいわばレギュレーターがいて、免許を出して使わせているようなものだ。食べている間はその席を占有できる。しかし、席があいて、自分の順番が来るまで使うことはできない。

すいているなら下のフロアでもいいのだが、混んでいるときは上のフロアで高い金を出してもいい。なかなか南翔饅頭店的秩序は示唆的である。

土曜の夜は日本のソフトウェアのオフショア開発をしている会社の社長と食事。なかなか奥深い話を聞くことができた。短かったが興味深い出張だった。

上海到着

朝一の飛行機に乗って上海に到着。中国はどこへ行ってもほこりっぽいというのが第一印象。噂に聞くとおり、空港はでかい。市内までも遠いなあ。

ホテルにチェックインしようとするものの、同じビルの中に4つもホテルが入っているらしく、ちょっと迷う。フロントにたどり着くも、20代らしき素人のような3人がいるだけで不安になる。

部屋に入るとけっこう広くてまあまあだ。しかし、ウェブに書いてあったブロードバンドなどどこにもない。前日、チェックインした相方からは「ADSLがうまくつながらない」と聞いていたので、まあいいかとあきらめ、モデムで接続。いくつかアクセス・ポイントを試すとつながった。昔は毎回こんな調子だったよなあと思い出す。最近はどこへ行ってもイーサーケーブルを差すだけで使えることが多い。

相方はどこへ行ったのかと電話番号を探し出すのに手間取る。国際携帯を持っているはずなのだが、中国国内からかけるときは国際電話になるらしい。今度は国際電話のかけ方(発信番号)が分からない。このホテルにはそういう案内が何もない。

う〜むとうなっているとピロピロと電話が鳴る。やれやれこれで連絡がついたと思ったら、たどたどしい英語でフロントから。何やら「インターネットのエンジニアをあなたの部屋に送りたいがいいか」と言っている。何のことか分からないが「いいよ」と返事。しばらくすると英語のまったく話せない二人がやってきて、箱からADSLモデムを引っ張り出し、接続を始める。おおお〜、先にそういうことはやっといてくれよ。

ちゃちゃちゃと設定は終わったらしいので、私のラップトップをつなげようと試みる。しかし、IDとパスワードを入れなくてはいけないらしい。その設定をするためにウインドウズの「ネットワーク設定」を開かなくてはいけないのだが、メニューが日本語(特にカタカナ)が読めないらしい。そらそうだ。

ネットワーク設定を開いてあげると、後は直感でどんどん設定していってしまう若いエンジニア。彼はちょっと色黒なので、少数民族の出身か。英語ができなくてもITはできてしまうんだねえ。

なんとなく設定ができたようで、そのまま「どうも、どうも」てな感じで帰ってしまうのだが、「あいや待たれい、そのIDとパスワードを置いていけ」と無理やり書き写す。どうも相方はこのIDとパスワードをゲットしていないのではないか。後で聞いてみよう。

とまあ、連絡を待っているのだが、どうしよう。スカイプアウトでもすればいいのだが、このラップトップにはマイクがついてない。困った。このまま今日一日終わってしまうのだろうか。もったいない。

ひさしぶりに日吉に

ひさしぶりに日吉キャンパスに行った。以前は庭園になっていたところに巨大な研究棟が立っていてすこしさびしい。教員の研究室が入っているものの、あまり使われていなくてがらんとしているとか。

「第4校舎B棟」といわれても全く思い出せなかったが、校舎に入ってようやく思い出した。たぶん10年ぶりに校舎に入る。全体の雰囲気はあまり変わらずぼろいが、床が上がって電源やネットが配線されていたり、教壇にSFCチックな操作パネルが付いていたりする。よく出入りしていたクラブ棟のようなもの(名前を忘れた)は、とても、とても汚くなっていてがっかりした。

日吉とSFCはよく似ているが、SFCにないのは高い木々だ。日吉の背の高い並木はいいよなあ。三田にも古くて背の高い木々がある。SFCの木々の背が高くなって、夏に気持ちのいい木陰ができるとすばらしい。5年ぶりにSFCに戻ったとき、タロー・ツリーの並木が大きくなったなあと思ったけど、まだまだだ。

採点

大学人として生きていく上で一番嫌な仕事は採点だ。数百本の授業レポートの採点を土曜の朝4時半までやり、土曜日から研究会(ゼミ)の合宿に入った。残りは今日(月曜)午前の発表3本だけになった。睡眠不足からもようやく解放される。

採点が嫌なのは、第一に、履修者の格付けをしなくてはいけないからだ。もちろん、その人の人格を格付けするわけではないにしろ、出てきたものだけで、良い、悪いを判断しなくてはならない。特に、名前と顔の一致する学生だとつらいことが多い。いいレポートや答案ならうれしいが、そうでないときはつらい。

第二に、不正なレポートや答案がそれなりにあるからだ。授業は出席をとっていないから、レポートだけ出して単位をもらおうとする輩も少なからずいる。今回もまったく同じ内容が書かれているレポートがあった。ウェブなどから明らかにコピーしてきただけのものもあった。今回の「最高傑作」は、私の本の序文を全部コピーしてきたレポートである(SFCの学生のものではない)。私の文章があまりに稚拙なために採点せよというメッセージなのだろうか。理解に苦しむ。いずれにせよ、不正なレポートを目にすると機嫌が悪くなる。

第三に、そうした不正なレポートも全部含めて、自分の授業の内容がそこに反映されているからだ。なんで分かってないのかなあと思いつつ、その内容を十分に伝えられなかった自分の未熟さを呪わなくてはならない。授業に出てこないのも、出てきて眠っているのも、授業がおもしろくないせいだろう。授業を娯楽にする気はさらさらないが、少なくともやる気を持っている学生のやる気を増幅させるぐらいのことをしなくてはならない。

あと30年もして定年になるころにはこんなことに悩まなくなっているのだろうか。先日、ある先生と話したとき、「ドライにやりなさい」というのがアドバイスだった。

今朝も曇りで富士山が見えないのが残念だが、ばっと開けた三浦半島西岸の景色はなかなかだ。しかし、デジカメを忘れた。

木久蔵ラーメン

こんなところで書く話でもないのだが、木久蔵ラーメンというのがあるらしい。笑点でネタになっていて、「まずい」らしい。木久蔵師匠は返品の山と格闘しているという。笑点ファンの父が本当はおいしいに違いないと思って買ってきて食べたら本当にまずかったそうだ。10月の東京駅土産ベストセラーにもなったそうなのだが、なんとなく食べてみたい……。