土屋大洋「国境を越えるサイバー犯罪のための協力」『治安フォーラム』2014年5月号、48〜51頁。
9回目の連載です。最新号ではありませんが、一応記録のために。4月号は編集部の都合でお休みでした。
土屋大洋「国境を越えるサイバー犯罪のための協力」『治安フォーラム』2014年5月号、48〜51頁。
9回目の連載です。最新号ではありませんが、一応記録のために。4月号は編集部の都合でお休みでした。
土屋大洋「米国のサイバーセキュリティ政策」拓殖大学海外事情研究所編『海外事情』第62巻3号、2014年3月、46〜59頁。
「特集=第2期オバマ政権の動向」の一つとして書かせてもらいました。
しかし! 大変なミスがありました。46頁下段後ろから4行目、「GGE」となるべきところが「GGC」となっています。提出原稿ではちゃんと「GGE」となっていたのですが、なぜか初稿ゲラで変わっていたのを見逃し、再校ゲラでも見落としました。そんなところが変わっているはずないという思い込みですね。ゲラのチェックは苦手です。残念なことになってしまいました。
土屋大洋「国連を舞台にしたサイバーセキュリティ交渉」『治安フォーラム』2014年3月号、45〜48頁。
連載第8回です。ずいぶん時間が経ってしまった感がありますが国連GGEについて書いています。
【日時】 2014年1月27日(月) 14:00〜15:45 (受付13:30〜)
【会場】 日本財団ビル2階 会議室(港区赤坂1-2-2)
【テーマ】「国境を超えるサイバーセキュリティ協力」
【登壇者】(順不同、敬称略)
ジェシカ・ヘレラ-フラニガン/センター・フォー・ナショナル・ポリシー研究員
小原凡司/東京財団研究員
上田浩史/日立ソリューションズ 社会システム事業部空間情報ソリューション本部 衛星画像ソリューション部 部長
【モデレーター】
土屋大洋(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
【使用言語】日英同時通訳付
【参加費】無料
【共催】東京財団、米国大使館
以下からお申し込みください。
土屋大洋「壊れたセキュリティ・クリアランスと秘密保護」『治安フォーラム』2014年2月号、64〜67頁。
連載の第7回目。諸事情により全10回で終了の予定です。すでに第10回までの原稿を提出済みです。何かあって差し替えるかもしれませんけどね。
原稿を書くためにサイバーセキュリティのための信頼醸成措置(CBM:Confidence Building Measures)について改めて調べ始めた。国連GGEやサイバースペース会議でもこの問題は議論されいるが、いったい何ができるのかというのが疑問だった。「サイバー兵器」なるものがあるとして、ミサイルのように弾頭を数えることもできない。
ソウル会議の際にもらったまま読むことなく持ち歩いていたICT4Peaceのブリーフ文書を読み始めた。スイスのジュネーブに本拠を置くICT4Peaceを引っ張っているダニエルには、1年前(2012年12月)のボストンの会議で会い、今年(2013年)10月のソウルのサイバースペース会議で再会した。互いに、「会ったことあるよね。どこで会ったっけ?」という感じだったが、そのときにこの文書の印刷版をもらった。
これはなかなかすばらしい。
Daniel Stauffacher, ed., Confidence Building Measures and International Cyber Security, Geneva: ICT4Peace Foundation, 2013.
雑然とした印象がある(重複のように見えるものもある)ものの、ありとあらゆることが並べられており、確かにそういうこともあり得るかなあという感じがしてくる。無論、実現性がかなり低いものもあるが、food for thoughtとしてはおもしろい。もっと早く読めば良かった(そういうものが多い)。今書いている原稿で紹介しよう。
KDDI総研の皆さんのご厚意で、たくさんの研究者の皆さんと一緒に千葉県千倉の千倉海底線中継所を見学させていただいた。
言うまでもなく、日本最大の海底ケーブル陸揚げ局である。最近のケーブルで言えば、グーグルも参加し、2011年の東北地方太平洋沖地震でも切れなかったUNITYや、日本とアジアを結ぶ大動脈となりつつあるSJCがここにつながっている。この二つが千倉で北米とアジア諸国を結びつけていることになる。
なぜ千倉なのか。地球儀を引っ張り出してきて、アメリカ西海岸とアジアとの間に線を引くと最短距離になるからである。メルカトル図法の地図では分かりにくいのだ。
学術的関心を超えて単なる海底ケーブルのオタクになりつつある自分を感じつつ、大変勉強になる見学会だった。(帰りのサービスエリアで買った海産物のお土産を、帰宅してからよく見たら瀬戸内海産だったのにはちょっとがっかりした。)
KDDI総研の皆さん、昨年の長崎に続いて、どうもありがとうございました!
(ちなみに、先日、海底ケーブルのことを書かせてもらった『海洋国家としてのアメリカ』の出版社は千倉書房だが、千葉県の千倉とは関係ない。社名の由来は創業者が千倉豊氏だからである。しかし、縁起は良い。できれば千倉書房にもう一冊、海底ケーブルの本を書かせてもらいたい。)
北極のガバナンスについて、初めてまじめに話を聞いたのは5月の日加安保シンポジウム@オタワの席だった。日本側のスピーカーは石原敬浩海上自衛隊幹部学校教官だった。ほとんど何も知らなかったので、へええと勉強になった。
私が北極に興味を持っているのは、北極海海底ケーブルが通るかもしれないからだ。いくつかのプロジェクトが動いている。太平洋に光ファイバーの海底ケーブルを敷設したことで有名な新納康彦さんもArctic Fibreに参加されている。
先週、日本国際問題研究所の「グローバル・コモンズ(サイバー空間、宇宙、北極海)における日米同盟の新しい課題」というプロジェクトでもう一度、石原教官の話を聞く機会があった。コメンテーターは早稲田の池島大策先生。
お二人の話をうかがって、この半年の間にもかなり動きがあったことを知る。なかなか興味深い。11月には米国防総省が北極圏戦略を発表したそうだ。北極の沿岸国、特にカナダやロシアが権益がために入る一方で、日本や中国がArctic Councilのオブザーバーになったり、はたまた貿易航路の変更で大きく打撃を受けそうなシンガポールまで入ってきたりしているそうだ。特に中国は、カナダ沿岸でもロシア沿岸でもなく、北極海の真ん中を通ろうとしているとか。ロシアは北極の極点の海底に旗を立てたり、オホーツク海は俺の海だと出張ってきたり。いやあ、すごいつばぜり合いだ。
いろいろ文献も出ている。いずれ、授業でも取り上げないと。
土屋大洋「秘密の終焉」『治安フォーラム』2014年1月号、45〜48ページ。
『治安フォーラム』側の都合で2013年12月号は休載になりました(私はちゃんと原稿を出していましたよ)。1ヶ月遅れで載った原稿です。
NSAの問題が議論されていますが、英国のGCHQ(政府通信本部)の動きについて書いています。
土屋大洋「米中首脳会談から垣間見えたサイバー攻撃の実態」『経団連』2013年12月号、50〜51頁。
2ページの短いものです。
先月(2013年10月)、ソウルでサイバースペース会議が開催され、「ソウル枠組文書」と通称される文章が出されました。
GGE報告書に続き、これも、自分で内容を理解するために翻訳してみました。原文が分かりにくいため、誤訳があったり、文章がこなれていなかったりすると思いますが、ざっとこんなものかということを理解するために使ってください。
GGE報告書と比べてみると、この文書はGGE報告書からかなり流用されていることが分かります。本来、このサイバースペース会議は国連の会議ではないため、「Member States」という言葉がいきなり出てくるのはおかしいのですが、これも流用の結果でしょう。この言葉は2回出てきます。2回目に出てくるときは国連の文脈で書かれているのでおかしくはありませんが、最初に出てくるところはおかしいように思います。
今年(2013年)6月に国連総会第一委員会のサイバーセキュリティに関する政府専門家会合(GGE)が報告書を発表しました。
自分で内容を理解するために翻訳してみました。原文の著作権を主張する人はいないでしょうから、ここに載せておきます。原文が分かりにくく、誤訳があったり、文章がこなれていなかったりすると思いますが、ざっとこんなものかということを理解するために使ってください。
この中で最も重要なのは第16段落と第19段落だといわれています。
サイバーGGEは実はこれで3回目ですが、過去のGGEについて理解するにはEneken Tikk-Ringasの報告書(英文)が分かりやすいと思います。
11月22日と23日に六本木の東京ミッドタウンで開かれるオープン・リサーチ・フォーラム(ORF)2013で二つのパネルの司会をします。全然違う二つのテーマですが、途中30分の休憩を挟んで3時間ぶっ続けです。
いずれも日本研究プラットフォーム(JSP)の活動の一環です。
S-16 【日本研究プラットフォーム・ラボ】東アジアのサイバーセキュリティ
11月23日(土)10:30 ~ 12:00 / room7
東アジアはサイバー攻撃の多発地帯となっており、非伝統的な安全保障の一環として、サイバー攻撃は注目を集めています。米軍はサイバースペースを第五の作戦領域と位置づけ、サイバー軍を組織しています。日本政府もまた、2013年6月に新たなサイバーセキュリティ戦略を発表しました。本セッションでは、サイバーセキュリティにおける脅威とは何か、そして、偶発的なサイバー戦争防止のための信頼醸成措置について検討します。
◆同時通訳あり
アダム・シーガル 外交問題評議会 シニアフェロー
沈逸 復旦大学 国際関係公共事務学院 アシスタントプロフェッサー(キャンセルになりました。)
土屋大洋 政策・メディア研究科 教授
PS-09 【日本研究プラットフォーム・ラボ】アニメ産業のエミュレーション
11月23日(土)12:30 ~ 14:00 / room7
アニメは、世界の人々が日本に関心を引き寄せる際の魅力の一つとして重要です。世界各国でさまざまな形で日本のアニメは放映され、日本を理解するためのツールとなっています。しかしながら、日本のアニメ産業の経済的な規模はいまだそれほど大きくなく、それに携わる人々は必ずしも裕福ではありません。このパネルでは、日本でアニメ産業が台頭したのはなぜなのか、そして、その影響は世界にどのように広がっているのかを検討します。
イアン・コンドリー マサチューセッツ工科大学 教授
青崎智行 株式会社電通 ソーシャル・ソリューション局
土屋大洋 政策・メディア研究科 教授
2013年11月8日付けの日経1面に載った千倉書房の広告です。記念に載せておきます。
田所昌幸、阿川尚之編『海洋国家としてのアメリカ―パクス・アメリカーナへの道―』千倉書房、2013年。
第6章「海底ケーブルと通信覇権」149〜174頁を担当しました。
サントリー文化財団で行われた研究会の成果です。
韓国の先生と雑談していたら、「e知園」の問題が韓国で議論になっているという。「e知園」なんて聞いたことなかった。何なんだろう。
忘れないようにひとまずメモ。
久しぶりの韓国・ソウル。今回は国民大学校とのシンポジウム。私はコメンテーターなので、それほどの準備はいらない。
こうしたシンポジウムでの意見交換は、それはそれでおもしろいが、本音の議論は懇親会の席で行われると言っても過言ではない。
しかし、アジア、特に韓国と中国の懇親会はすさまじい。韓国では爆弾酒がどんどん出てくる。
今回、私はいろいろな役が解けて解放感があったせいか、隣の中国の先生のあおりがすごかったせいか、久しぶりにひどく酔ってしまい、ひとりだけ一次会で退散。同僚たちは二次会、三次会へと繰り出したらしい。
私はつくづく地域研究者ではなくて良かったと思う。毎回こんな飲み会が続いていたら、必ず体調に異変を来しただろう。隣に座った中国人の先生は、韓国に留学していたそうだが、そのときには少ない時で週に4回、多いときは6回の飲み会があったそうだ。
私が自分の研究で海外に行くときには、飲み会に行く回数はぐっと少ないし、行ったとしても手酌で飲みたいだけ飲めば良い。無理強いされることはない。
アジアでは、どれだけ一緒に酒を飲んだか、どれだけ一緒に羽目を外したかが問われるところがある。その思い出が信頼となる。
しかし、私には無理だ。それを改めて実感した夜だった。
学部生の頃、ロシア研究のゼミに入ろうと思ったことがあったが、そこに入っていたら、体力が続かなくて、私は研究者にはなっていなかっただろう。
個人的な事情があって、10月6日の任期満了をもって、情報セキュリティ政策会議を退任しました。
2期4年務めさせていただきましたが、とても貴重な機会でした。
この会議で機密情報にアクセスしていると勘違いされることもありましたが、そんなことはありません。この会議で出てくる資料はすべて内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)のウェブページで公開されています。議事要旨も公開されています。
それでも、会議のメンバーであるということは、さまざまな政策決定の文脈を理解する機会があるということであり、日本政府の情報セキュリティないしサイバーセキュリティ政策が議論されるプロセスの理解にはとても役に立ちました。サイバーセキュリティだけでなく、政治システムの理解という意味でも、興味深い4年間でした。
しかし、個人的には忙しすぎる4年間でした。この会議に任命を受けたのが2009年8月、その翌月からは総合政策学部の学部長補佐、グローバルセキュリティ研究所(G-SEC)の副所長の仕事も始まったので、会議漬けの4年間でした。本当に多かった。合計すると何時間会議室に座っていたことか。
この三つの仕事が9月末から先週にかけて、すべて退任になり、重荷を下ろした気分です。
お世話になった皆さん、どうもありがとうございました。
リチャード・アーミテージとカート・キャンベルが慶應の三田キャンパスに来ます。10月30日(水)です。事前登録が必要ですが、一般の方も参加できます。次のURLからお申し込みください。
土屋大洋「制御システムのサイバーセキュリティ」『治安フォーラム』2013年11月号、49〜52ページ。
先日、見学させていただく機会のあった宮城県多賀城市の制御システムセキュリティセンターを中心に書きました。