井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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井庭研 2008年度春学期 研究発表会 を開催しました

2008prezen5.jpg井庭研 2008年度春学期 研究発表会を開催した。
井庭研の研究発表会は、学会形式で行う。スーツなどフォーマルな格好で、「研究者」としてのプレゼンテーションを行う。司会も、学生自身が行う。そして、井庭研OB・OGが、ゲストコメンテーターとして参加する。

今回発表された研究の一覧は、以前紹介した通りだ(「井庭研 2008年度春学期 研究発表会のご案内」参照)。今学期は、どの研究もそれぞれに面白く、「井庭研らしい」研究に仕上がっていた。もちろん春学期は、一年間かけて行う研究の中間報告的なものになるので、研究の完成度の面では今後に期待!というところもあるが、それぞれに新しい領域を切り拓いているという意味で、素晴らしい成果だと思う。

特に、今学期国際学会などで対外的な発表をしている人は、その活動と研究を両立させるのがかなり大変だったと思う。4年生も、学期半ばまで就職活動をしていたわけで、それを終えてからすぐ研究に復帰し、学期末まで走り抜けた。おつかれさま、と言いたい。

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■ Award ――― ひとつの象徴として
井庭研の研究発表会では、優秀な研究や活動に“Award”を授与している。ある観点からみて「模範」・「象徴」となる研究や活動を行った人を僕が選び、授与するものだ。そのときどきによっていろいろな種類の“Award”がある。

まず今学期の「井庭賞」(Iba Award)を受賞したのは、三宅論文と下西論文。この二人は、この春学期に、先学期までの研究成果を国際学会で発表しているのだが(三宅発表、および下西発表)、井庭研論文では、その具体的研究を広い視野のもとで位置づけし直す、ということに挑戦した。このように、個別研究をより大きなコンテクストのなかに位置づけるということは、単に「やってみたらこうなった」という研究を超える意味で、とても大切なことだ。その意味で、この二人が行ったことは、「模範」的であるとして、井庭賞を授与した。

「『場』とコミュニケーション:創造的なコミュニケーション・メディアのために」(三宅 桐子)
「科学と芸術の関係について:レオナルド・ダ・ヴィンチを事例に」(下西 風澄)

「新人賞」(Kick-Off Award)は、花房論文と坂田論文。それぞれ、今学期から井庭研に参加した2年生と3年生だ。初学期の成果としては、十分しっかりしたものとなっただけでなく、とても魅力的だ。今後の展開が楽しみだ。

「オートポイエティック・システムとしての音楽:ルーマン理論に基づく音楽の創発現象の考察」(花房 真理子)
「付加価値の連鎖による環境保全と地域活性:茨城県霞ヶ浦再生事業「アサザプロジェクト」を事例にして」(坂田 智子)

そして、「多面的活動賞」(Multi-Activities Award)という賞を,
成瀬さんに授与した。成瀬さんは、今学期、実にいろいろな研究活動を展開した。まず、ロスで行われた日米数理社会学会合同会議では、先学期から取り組んでいた「生態系をオートポイエティック・システムとして捉える」という研究を発表した。また、「プロジェクト推進のためのパターン・ランゲージ」の英語版を作成し、井庭研論文では「地域活性化のためのパターン・ランゲージ」の研究に取り組んだ。また、井庭研で取り組んでいる「学習パターン」プロジェクトに参加しているほか、今学期から始まった「英語サブゼミ」をとりまとめ、「量子力学サブゼミ」にも参加している。このように、今学期に本当に多くの分野・テーマの活動にコミットした。その精力的な姿勢は、評価に値すると思う。

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このほか、プロジェクトへのAwardとしては、企業との共同研究で、商品市場の実データ解析に取り組んだ「市場分析プロジェクト」に“Hard-Work (^_^) Award”、そして、個人研究とは別に多くの人が参加した「学習パターンプロジェクト」に“Collaboration Award”を贈った。

研究発表会でAwardを授与するというのは、実は、かつての竹中研の伝統から受け継いでいる。竹中先生いわく、「賞は人をつくり、人は賞をつくる」。賞をもらった人は、エンカレッジされて、さらにがんばる。その結果、その人が大成すると、その人がかつてもらった賞だということで、賞の価値があがる。このような連鎖によって、賞と人はお互いに高めあうのだ。竹中先生がやっていたのと同じように、僕もポケットマネーで図書券をプレゼントする。さらなる学びのために使ってほしいと思う。(僕自身、学部3年のときに、竹中研でAwardをもらい、自分が飛躍するための力をかなりもらったという経験がある。)


■ 研究へのコメント ――― 「研究」として行うからには
今回の発表会では、OB・OGの成長ぶりを見れたことも、うれしかったことの一つだ。今回来てくれた8人のOB・OGは、それぞれゲストコメンテーターとして有益かつ適切なコメントをくれた。ついこの前まで、自分がコメントを言われる側に立っていたわけだが、研究や発表に対して、説得力をもってコメントできている姿を見ると、頼もしいかぎりだ。

そこで言われていたことをまとめると、第一のポイントは、「研究として行うからには、その手続きを明示する」ということだ。たとえば、パターン・ランゲージの研究では、それがどのような手続きで制作されたものであるかをきちんと明記しなければ、単なる主観的な創作物となってしまう。「研究」としてやるからには、他の人が追試できるように「手続き」や「証拠」を明示しなければならない。

そして、第二のポイントは、「研究として行うからには、関連する研究との関係を明らかにする」ということだ。これはすべての論文に言えることだが、先行研究のサーベイをもっときちんと行わなければならない。いま論文の参考文献にあがっているものは、その論文へのインプットを担った書籍が多く、似たような研究や比較対象となる研究の論文への参照がほとんどない。これでは、その研究を、ほかの研究との関係性のなかに位置づけられていないことになり、「研究」論文として仕上がっていないということだ。研究の初段階で先行研究のサーベイをしすぎるのはよくないが(「自分」の研究ができなくなってしまう)、研究をまとめる段階では、やはり先行研究をきちんと把握し、比較や差異化を行わなければならない。

以上の点については、夏から秋学期にかけての各研究の課題だといえる。今後のさらなる発展に期待したい。

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■ 春学期を振り返って ――― 融合、活発、そして学び
今学期の最初のゼミは、鴨池で行った(「天気がよかったので。」参照)。あれから早4ヶ月。約120日が過ぎた。長かったといえば長かった気もするが、あっと言う間だったとも言える。最初のゼミでは、寒くて途中で教室へ逃げ込んだわけだが、それが気づくと、暑くて暑くてたまらない季節になっている。

今学期の井庭研では、国際学会発表を積極的に行ってきた。すでに国際学会発表10件を行ったし、夏から秋にかけても6本予定している。英語での発表をこんなにハイペースで行うのは初めてだ。加えて、個人研究のほかに「学習パターン」の活動なども活発だった。今学期から、これまで別々に活動していた井庭研1・2を融合することにしたが、それは成功だったと思う。井庭研という場がかなり魅力的でパワフルな場になったと感じている。そして、各自の学びも格段に進んだのではないだろうか。みんな、本当におつかれさま!

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(井庭研メンバーおよびOB・OG, 2008年春学期 研究発表会, 2008年7月27日)
井庭研だより | - | -

『ネットワーク科学への招待』が出版されました!

Book-NetworkScience150.jpg僕も1章書いている本が出た。

『ネットワーク科学への招待:世界の“つながり”を知る科学と思考』(青山 秀明, 相馬 亘, 藤原 義久 (共編著), 臨時別冊・数理科学2008年7月号(SGCライブラリ 65), サイエンス社, 2008)

この本は、雑誌『数理科学』でリレー連載していた論文を、まとめたものだ。日本におけるネットワーク科学の著名な研究者たちも参加している。目次は以下のようになっている。

I 序論
 ネットワーク科学とは

II 物理・数理
 非線形科学と複雑ネットワーク
 振動子ネットワークの引き込みと体内時計
 複雑ネットワーク上のランダム・ウォーク
 複雑ネットワーク上のコンタクト・プロセスへ向けて
 6次の隔たり:ある計算

III 生物・生態
 毒性の進化と「小さな世界」
 遺伝子発現ダイナミクスの統計則
 生体ネットワークをどう研究するべきか
 生体内相互作用ネットワークの数理モデル
 複製細胞の反応ネットワークダイナミクス
 生態ネットワークのダイナミクス

IV 経済・社会
 社会ネットワーク分析とは何か?
 スモールワールドの検証とフラクタルモデル
 見えざる経済構造:企業ネットワークと企業ダイナミクス
 生産ネットワークの大規模構造と連鎖倒産
 イノベーションの創発ネットワーク:光触媒研究におけるコミュニティ形成とその機能
 イノベーションネットワークと地理モデル

V 情報
 情報通信ネットワークが持つべき特性
 ネットワーク科学とインターネット
 SNSという複雑ネットワーク
 P2Pネットワークと複雑ネットワーク
 ネットワークの可視化技術:大規模情報からの意味情報の抽出
 相関構造の有意成分とネットワーク推定

VI ネットワーク科学のゆくすえ
 ネットワーク科学の方法論と道具論
 ささやかな幻滅と大きな期待


この中で、僕が書いたのは、「ネットワーク科学の方法論と道具論」(井庭 崇)である。ここでまるごと引用するわけにはいかないので、その論文のイントロ部分のみ、紹介することにしたい。

「ネットワーク科学の方法論と道具論」(井庭 崇)

1. はじめに:概念・方法・道具

いまから十年ほど前、ネットワークに関する新しい概念がふたつ提唱された。「スモールワールド・ネットワーク」と「スケールフリー・ネットワーク」の概念である。これらの概念は、その後の研究を方向付け、ネットワーク科学の分野を切り拓くきっかけとなった。「概念」とは物事の捉え方であり、私たちに従来とは異なる現実を見せてくれる。かつて社会学者のタルコット・パーソンズが「概念とはサーチライトである」と表現したとおり、ネットワークの新しい概念も、その光によって、これまで見ることのできなかった現実を捉えることを可能にしてくれた。

このように、科学の営みを振り返るとき、概念の革新に注目が集まることが多いが、実は「方法」や「道具」の知識についても革新がおきているということを忘れてはならない。科学的研究では、「概念」と「方法」と「道具」を駆使して研究が行われている(図1)。そして、それらがお互いに影響しあいながら、それぞれの革新を誘発している。本稿では、このような観点から、ネットワーク科学について再考したい。これにより、いわばネットワーク科学の「科学哲学」を構想し、また、次なる十年を展望することを目指したい。
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このような問題意識のもと、この論文では、「概念」、「方法」、「道具」の相互作用について、実際の事例を通して理解していく。論文で取り上げているのは、近年のネットワーク科学の立役者であるダンカン・ワッツとアルバート・ラズロ・バラバシの事例だ。それぞれスモールワールドネットワークとスケールフリーネットワークの概念を生み出し、この分野をリードしてきた立役者たちである。彼らがどのように、「概念」、「方法」、「道具」を生み出しながら、研究を進めてきたのかを読み解いていく。

本屋さんで見つけたら、ぜひ手にとってみてほしい。
ネットワーク分析 | - | -

井庭研 2008年度春学期 研究発表会のご案内

来る7月27日(日)に、SFCにて、井庭研 2008年度春学期 研究発表会を開催します。今学期もいろいろと面白い研究があります。興味がある方は、ぜひおいでください。

t12井庭研 2008年度春学期 研究発表会

2008年7月27日(日) 9:40開場 10:00~16:30
慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス
大学院棟τ(タウ)12教室


《セッション1》 新しいコミュニティ形成原理
● 「トップが持つべき心得: 企業においていままでもこれからも変わらず必要とされるトップのあるべき姿とは」(水野 大揮)
● 「付加価値の連鎖による環境保全と地域活性: 茨城県霞ヶ浦再生事業「アサザプロジェクト」を事例にして」(坂田 智子)
● 「パターン・ランゲージによる創発型地域活性化の支援」(成瀬 美悠子)
● 「「場」とコミュニケーション: 創造的なコミュニケーション・メディアのために」(三宅 桐子)

《セッション2》 学びと成長の支援
● 「育児支援のパターン・ランゲージ: 育児不安の解決に向けて」(中條 紀子)
● 「SFCカリキュラムにおける学びと研究の支援: 学習パターンとリサーチ・パターンの融合へ」(小林 佑慈)
● 「初年次教育の道具箱: 自生的秩序観にもとづいた学習支援方法論とツールの提案」(加藤 剛)

《セッション3》 大学院生セッション
● 「自生的秩序形成の構造とプロセスの分析に向けて」(仮)(伊藤 諭志)
● 「知の成長における秩序と多様性」(仮)(山崎 由佳)
● 「システム、湘南、マーケット: 創発型地域活性とその展開」(仮)(西田 亮介)

《セッション4》 物語世界と創造性
● 「オートポイエティック・システムとしての音楽: ルーマン理論に基づく音楽の創発現象の考察」(花房 真理子)
● 「物語世界創造のためのパターン・ランゲージ: ストーリーメイキング・パターンの提案」(原田 一弘)
● 「物語世界におけるリアリティの創発: 自生的秩序観に基づく演出方法論」(青山 貴行)

《セッション5》 構成的理解
● 「書籍販売市場の謎に迫る: べき乗則生成原理の解明に向けて」(吉田 真理子)
● 「オンライン市場の創発的秩序: オンライン書店における商品ネットワークの可視化と分析」(北山 雄樹)
● 「科学と芸術の関係について: レオナルド・ダ・ヴィンチを事例に」(下西 風澄)

最新情報や発表論文のダウンロードについては、井庭研 2008年度春学期研究発表会ホームページをごらんください。
井庭研だより | - | -

ORF2007 トークセッション「新しい社会の捉え方」

2007年11月22日(木)に、Open Research Forum 2007 (ORF2007)のブックカフェにおいて、以下のトークセッションを行います。

bookcafe2トークセッション
「新しい社会の捉え方
 ~コミュニケーション・アイデンティティと現代~」
(井庭崇 + 国友美千留)
2007年11月22日 14:30~15:30
ORF2007ブックカフェ内

私たちは、流動的な現代社会を捉えるためには、従来のような主体概念に基づく把握から、「コミュニケーションの連鎖」によって把握するという視点への転換が必要だと考えています。このことは、コミュニティや組織、そして社会を、「存在するもの」(being)としてではなく、「絶えず生成されているもの」(becoming)―――しかも自分で自分を生成し続ける「自己生成的なもの」―――として捉えるということにつながります。

このトークセッションでは、ニクラス・ルーマンの社会システム理論にもとづく「コミュニケーションの連鎖」としての社会観について、お話したいと思います。その場を共有することでしか味わえないような体感的なトークセッションを予定しています。ふるってご参加ください。

Communication CommunicationSystem

SFC Open Research Forum 2007
「toward eXtremes: 未来創造塾の挑戦」


日時:2007年11月22日(木)  10:00~21:00
    2007年11月23日(金・祝)10:00~19:00
会場:六本木アカデミーヒルズ40(六本木ヒルズ森タワー40階)
   入場無料(お名刺をご持参ください)
主催:慶應義塾大学SFC研究所
HP:http://orf.sfc.keio.ac.jp/
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ORF2007 「SFCブックカフェ:知の生態系を育てる」

2007年11月22日(木)・23日(金・祝)に六本木ヒルズで開催されるOpen Research Forum 2007 (ORF2007)において、「SFCブックカフェ:知の生態系を育てる」をオープンします。

bookshelf「SFCブックカフェ」には、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の教員・学生・卒業生が書いた「本」を一堂に集めて展示してあります。まずは、書架を辿りながら、SFCで取り扱っている研究分野の広がりと深さを味わってください。さらにこの空間には、「本」というメディアをキーとして、「知」の関係性と広がりを感じることができるシステムが組み込まれています。

複数の本をテーブルに置くことで、どの本が選ばれたかをシステムが認識し、大型タッチディスプレイ上で「知の生態系」が進化をしていくさまを見ることができます。また、手元のモニターでは、お選びいただいた本の内容に関連した、おすすめのブースや著書の紹介が表示されます。

bookcafeこれらは、既存の分類上は一見バラバラに見えるSFCの研究領域が、どのように「つながっているのか/つながる可能性があるのか」を発見するとともに、本やブース展示などの見えない関係性を「知の生態系」としてとらえなおし、参加者が本を手に取りテーブルへ置くことで、その生態系がダイナミックに育っていくことを実感するためのものです。システムはすべて、ICタグの技術、メディアデザインの技術、関係性を解析する技術など、SFCで日頃から研究されている技術と知恵の組み合わせで実現されています。

また、ブックカフェには時おりブックマスターが現れ、SFCの知のつながりについて解説が行われたり、研究者がリビングルームで語るようなトークセッションの時間帯があります。コーヒーを片手に、実空間の「本」を手に取り、ソファーでくつろぎながら「知の生態系」が包み込む場所と時間をお楽しみください。

電子タグの高度利活用(Auto-IDラボ+NTTCom)
実空間とシステムの融合(國領二郎研究室+田中浩也研究室+プラットフォームデザインラボ)
選択によるネットワーク形成(熊坂賢次研究室+井庭崇研究室)
可視化エンジンNautilus(脇田玲研究室)
トークセッション企画/関連ブログ(加藤文俊)

bookcafe-logo展示場所:40カフェ内の「ブックカフェ」スペース
展示日時:11月22日(木)、23日(金・祝)ともに終日
HomePage: http://bookcafe.sfc.keio.ac.jp/


SFC Open Research Forum 2007
「toward eXtremes: 未来創造塾の挑戦」


日時:2007年11月22日(木)  10:00~21:00
    2007年11月23日(金・祝)10:00~19:00
会場:六本木アカデミーヒルズ40(六本木ヒルズ森タワー40階)
   入場無料(お名刺をご持参ください)
主催:慶應義塾大学SFC研究所
HP:http://orf.sfc.keio.ac.jp/
イベント・出版の告知と報告 | - | -

ORF2007における井庭研ポスター発表

2007年11月22日(木)・23日(金・祝)に六本木ヒルズで開催されるOpen Research Forum 2007 (ORF2007)において、井庭研では、以下の4つのポスター発表を行います。両日とも研究会メンバーが常駐し、説明いたします。ぜひお越しください。

Poster「新しい社会の捉え方 ―コミュニケーションの連鎖とそのメディア―」
最新の社会システム理論にもとづいて、「コミュニケーションの連鎖」という新しい社会の捉え方を提案します。その捉え方によって、不特定多数の人 が自由に出入りしながら協調的に創造活動を行う「オープン・コラボレーション」のメカニズムなどについて考えていきます。

Poster「パターン・ランゲージによる暗黙知・ノウハウの言語化」
組織内やオープンなコラボレーションの場において、創造や実践のノウハウを共有・継承していくための手法「パターン・ランゲージ」の考え方を説明し、私たちの具体的な実践について紹介します。

Poster「複雑系科学にもとづく新しい市場分析手法」
「複雑系科学」のフロンティア領域である「ネットワーク科学」と「経済物理学」の知見を活かした「新しい市場分析手法」について提案します。また、モデリング・シミュレーションのためのツールと方法論についても紹介します。

Poster「3次元ヴァーチャル世界への冒険」
3次元ヴァーチャル世界「Second Life」での私たちの実験的試み―――Second Life上での授業や研究会、ヴァーチャル・ミュージアムの構築―――を紹介します。

SFC Open Research Forum 2007
「toward eXtremes: 未来創造塾の挑戦」


日時:2007年11月22日(木)  10:00~21:00
    2007年11月23日(金・祝)10:00~19:00
会場:六本木アカデミーヒルズ40(六本木ヒルズ森タワー40階)
   入場無料(お名刺をご持参ください)
主催:慶應義塾大学SFC研究所
HP:http://orf.sfc.keio.ac.jp/
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「隠れた関係性の可視化」展を開催します!

2007年11月22日(木)・23日(金・祝)に六本木ヒルズで開催されるOpen Research Forum 2007 (ORF2007)において、「隠れた関係性の可視化」展を開催します。

NetworkImage近年さまざまな分野で、現象の背後に潜む「隠れた関係性の可視化」とその解析が行われています。物事の関係性を「ネットワーク」として捉え、その全体像を把握したり、関係性の特徴を理解したりするわけです。対象となる現象の詳細を省き、「ノード」(点)と「リンク」(線)に抽象化して捉えることで、関係性そのものに注目した分析が可能になります。現在SFCにおいても、先端生命科学、情報社会学、国際関係論などのさまざまな分野において、このような「隠れた関係性の可視化」と解析が行われています。ORF2007では、その取り組みについて、展示・デモンストレーションを行います。「組織化」や「秩序形成」に関する、分野を超えた議論・研究のきっかけとなれば幸いです。

「インタラクトーム統合解析プラットフォーム eXpanda」(斎藤輪太郎研究室)
「クックパッドのレシピの構造分析と料理創発支援ツールの開発」(熊坂賢次研究室)
「ウィキペディアの各種ジャンルの時系列解析」(熊坂賢次研究室)
「SFCから生まれた本のネットワーク: 共著者/書籍ネットワーク」(井庭崇研究室)
「SFCブックカフェ「知の生態系」のネットワーク形成の仕組み」(井庭崇研究室)
「同盟ネットワークの歴史的変化」(井庭崇研究室/草野厚研究室)
「国際テロ組織のネットワーク理論からの考察」(神保謙研究室)

DemoPlace
【展示場所】
A04区画
(40カフェ内の「ブックカフェ」前のスペース)

【展示日時】
11月22日(木)、23日(金・祝)ともに終日


SFC Open Research Forum 2007
「toward eXtremes: 未来創造塾の挑戦」


日時:2007年11月22日(木)  10:00~21:00
    2007年11月23日(金・祝)10:00~19:00
会場:六本木アカデミーヒルズ40(六本木ヒルズ森タワー40階)
   入場無料(お名刺をご持参ください)
主催:慶應義塾大学SFC研究所
HP:http://orf.sfc.keio.ac.jp/
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セカンドライフ関連の講演をします。

今週末、2007年11月17日(土)に、産業技術大学院大学の「AIITマンスリーフォーラム」で、セカンドライフ関連の講演をします。よかったら、来てください。

テーマ: 「仮想世界での創造と実験:セカンドライフの何が面白いのか?」
語り部: 井庭 崇 氏
日時: 平成19年11月17日(土)18:30~20:30
会場: 産業技術大学院大学265演習室(2階東棟)
進行: 中鉢 欣秀 (産業技術大学院大学准教授)
参加費: 無料(但し、飲物代として実費分500円をいただきま事前申込は不要です。また、当日はお名刺をご持参ください。)

詳しくは、「AIITマンスリーフォーラム」のページ(http://aiit.ac.jp/279.html)を参照してください。
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パターン・ランゲージに関するチュートリアルセッションを開催します!

来る2007年11月22日に、「パターン・ランゲージ」に関するチュートリアルセッションを行います。特に、組織やプロジェクトの遂行に関するノウハウを記述・共有する方法について取り上げます。

PatternLanguage
SFC Open Research Forum 2007
チュートリアルセッション

「ナレッジ・マネジメントの新潮流:
パターン・ランゲージによる暗黙知の言語化」



  日程: 2007年11月22日(木)
  時間: 18:40~19:40
  会場: 六本木アカデミーヒルズ40(六本木ヒルズ森タワー40階)
  費用: 無料 (事前登録をお願いします)
  定員: 約100名
  締切: 2007年11月21日(水)
     (締め切り延長しました!ただし、定員になり次第、締切となります。お早めにお申し込みください。)
  主催: 慶應義塾大学 井庭崇研究室
  問合せ先:orf2007-pattern@sfc.keio.ac.jp

チュートリアルセッションの概要

 近年、ひとりでは到達できないような付加価値を、複数の人々で生み出す「コラボレーション」(協働作業)が重要視されています。コラボレーションの実現にあたっては、各メンバーが創造・実践の力を発揮することが求められます。そのためにはまず、各メンバーに創造・実践のノウハウが共有・継承されていることが必要となります。しかし、ノウハウを共有・継承するためのナレッジ・マネジメント手法は、いまだ確立されていません。本セッションでは、ノウハウの共有・継承の方法として、「パターン・ランゲージ」の方法の可能性を探り、ビジネスや研究開発に活かすためのコツを紹介します。

●パターン・ランゲージとは?
 パターン・ランゲージは、創造・実践の経験則を「パターン」という単位にまとめ、それを体系化したものです。パターンは、「状況」、「問題点」、「解決策」という三つの観点で構成されるルールといえます。かつて、建築家のクリストファー・アレグザンダーは、建物や街の形態に繰り返し現れる関係性を「パターン・ランゲージ」としてまとめました。そして、そのパターン・ランゲージを用いれば、住人たちが自分たちの住む建物の建設や街づくりに参加できるようになる、と考えました。その後、この考え方はソフトウェア開発の分野に応用され、「デザイン・パターン」として成功を収めています。

●パターン・ランゲージの意義
 パターン・ランゲージを記述し、共有することの意義は、大きく分けて二つあります。一つは、熟練者の経験則を明文化しているので、初心者であってもよりよい方法で創造や実践ができるようになるということです。もう一つは、共通の語彙を提供することが出来るので、これまで直接指し示すことが出来なかった物事について言及できるようになるということです。つまり、パターン・ランゲージは、創造・実践の場面において、思考とコミュニケーションの両面を支援してく
れるのです。

●組織・プロジェクトへの応用
 最近では、建築やソフトウェアの設計以外にも、いろいろな分野・内容に対して、パターン・ランゲージが作成され始めています。そのなかでも、本チュートリアルセッションで取り上げるのは、組織やプロジェクトの遂行に関するパターン・ランゲージです。これまでに提案されてきたパターンのほか、私たち井庭研究室で開発したパターン・ランゲージについても紹介します。

事前登録のお願い

 本チュートリアルセッション「ナレッジ・マネジメントの新潮流:パターン・ランゲージによる暗黙知の言語化」に参加をご希望の方は、事前登録をお願いいたします。定員になり次第締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。
 事前登録は、電子メールにて次のアドレスに、以下の情報をお送りください。後日、こちらから当日の詳細情報が記載された「受講票」をお送りいたします。

宛先: orf2007-pattern@sfc.keio.ac.jp
件名: ORFチュートリアル参加希望

お名前:
ご所属:
メールアドレス:
このセッションをどこで知ったか:
参加理由・期待すること:

登録締切は、2007年11月21日(水)とさせていただきます。
なお、それ以前でも定員になり次第、締切となります。

お問い合わせ

 本チュートリアルセッションに関して不明な点・質問等がありましたら、セッションスタッフ宛て(orf2007-pattern@sfc.keio.ac.jp)にメールにてお願いいたします。
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「コラボレーション技法ワークショップ」グループワーク最終発表会

僕の担当授業、創造実践科目「コラボレーション技法ワークショップ」では、2007年6月16日(土)に、グループワーク最終発表会を行います。
 この授業では、学期を通じてグループワークによる議論・企画・表現など、コラボレーションを実践してきました。本発表会ではその集大成であるチームのアウトプットを凝縮してお見せしたいと思います。当日は、ゲストコメンテーターとしてSFCのOB/OGも参加します。聴講は自由ですので、斬新なアイデアのコラボレーションをぜひ味わいにきてください!

ColWSposter
「コラボレーション技法ワークショップ」
グループワーク最終発表会
テーマ:「新しいテーマパークを構想する!」
日時: 2007年6月16日(土)
     12:30開場~夕方まで
会場:慶應義塾大学SFC Θ館にて
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