井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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2020年に育てた野菜・果物 56種類

2020年にうちで育てた野菜・果物を数えてみたら、56種類でした!

カリフラワー、ブロッコリー、茎ブロッコリー、オクラ、ピーマン、なす、きゅうり、ミニトマト、ゴーヤ、キャベツ、芽キャベツ、白菜、サンチュ、サニーレタス、グリーンリーフレタス、サラダ菜、ベビーリーフ、ケール、ほうれん草、春菊、豆苗、枝豆、そら豆、絹さや、スナップえんどう、わけぎ、下仁田ネギ、ミョウガ、エシャレット、しそ、パセリ、イタリアンパセリ、パクチー、バジル、スペアミント、モヒートミント、カモミール、ローズマリー、しいたけ、エリンギ、なめこ、いちご、ブルーベリー、ブラックベリー、柚子、温州みかん、柿、金柑、綿花、忙しくて受粉しないで失敗したのはメロン、スイカ、食べられたが大きくならなかったのが紫玉ねぎ、まだ途中なのは、人参、玉ねぎ、にんにく、スナックパイナップル。


その季節、季節で植えられるもの・食べたいものを植えていった結果、数え上げてみると結構な数に!

おいしいし、楽しい。

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食と農 | - | -

2020年を振り返る:成果発表・活動等一覧

2020年は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で、暮らしが大きく変わった。大学の授業が完全オンライン開講となり、子どもたちも春は学校に行かずに家にいた。国際学会は現地開催ができなくなり、すべてオンラインで実施、講演などもすべてオンラインでの実施となった。みんなで、オンラインで何ができるのか・どこまでできるのかに挑戦している感じで、それはそれで2020年代の始まりとしては意味があることであったと感じている。

日々の仕事は、昨年までのサバティカルのように、ほぼ家にいて仕事をするというスタイル。それ自体は僕には合うので悪くはない。しかし、これまで通りの生活とは大きく異なるため、それに合わせた家事・子育てのウェイトが増えた。

そんななか、いま自分の専門からできることはないかと考え、『コロナの時代の暮らしのヒント』を書き下ろして出版した。僕のなかでは、これほどまで、思い立ってから出版までの時間が短い本は珍しい。また、この本は、いろいろなパターン・ランゲージのパターンを紹介しつつ、我が家の具体例を紹介するというエッセイのような本になっていて、こういう本を書くのも初めてだ。思いがけない経験となった。

来年も、コロナが明けるのかは不透明であるが(変異種なども出てきており、さらに深刻化する可能性も大きい)、そのときどきの状況に合わせて柔軟にスタイルを変えていきながら、人生における重要な一歩一歩を進んでいきたい。

今年の成果の一覧をつくってみると、やはり、例年よりも発表や登壇がかなり少なかったんだなぁ、と思う。国際学会がオンライン開催となり、いつものような学会経験ができないということで、井庭研メンバーが今年出そうという積極的な雰囲気にならなかったことが大きい。僕もあまり積極的には誘わなかった。

しかし、今年らしいこともある。今年は、オンライン授業を初めてやりながら、オンライン授業の研究をする(オンライン授業のパターン・ランゲージをつくる)というような探究・仕事の仕方をしてきた。それらの成果の多くは、まだ今年はパブリッシュできていないが、来年順次公開していきたいと思っている。

井庭研の研究も面白いものがどんどんできつつあるし、僕自身の研究も深まってきてよい感じだ。来年もさらに深めて、しっかり書いて、本や論文として出していきたい。


【書籍】

今年、書籍を1冊書き下ろして出版しました。また、僕のインタビューが掲載された本が出ました。

  • 『コロナの時代の暮らしのヒント』(井庭 崇, 晶文社, 2020年9月)
  • 『教育の未来をつくるスクールリーダーへ』(『教職研修』編集部 編, 教育開発研究所, 2020年1月) ※5章 未来をつくる子どもたちの力と学び


    【学会基調講演】

  • Takashi Iba, "Support for Living Better Throughout the COVID-19 Situation with Pattern Languages: An Attempt at Pattern Translation to Another Domain and Pattern Language Remix," 9th Asian Conference on Pattern Languages of Programs (AsianPLoP 2020), Sep, 2020
  • 井庭 崇, 「クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育」, 2020年度「台湾日本語教育研究」国際シンポジウム, 2020年11月


    【学会発表】

    今年は、国際学会論文(英語)を10本、発表しました。*
    *以下のリストに、1本情報が抜けていたので、追記しました。

  • Takashi Iba, Miho Masai, Yuuri Abe, Yuji Kosaka, "Patterns for Building Customer Relationships in a Pattern Language for Value-Creation Marketing", Proceedings of 24th European Conference on Pattern Language ofPrograms, July, 2020
  • Konomi Munakata, Takashi Iba, "Wholeness Egg II: A Design Technique Applied in Everyday Life", Proceedings of 24th European Conference on Pattern Language ofPrograms, July, 2020
  • Haruka Iba, Takashi Iba, "Patterns for Gaining Language as Native Speakers Do: A Pattern Language for Improving Foreign Language Skills when Studying Abroad, Part 2", Proceedings of 24th European Conference on Pattern Language of Programs, July, 2020
  • Yumiko Shimokawa, Natsuki Takahashi, Misaki Yamakage, Takashi Iba, "28 Important Knacks to Improve Patterns", Proceedings of 24th European Conference on Pattern Language ofPrograms, July, 2020
  • Misaki Yamakage, Sakie Namiki, Sawami Shibata, Kiyoka Hayashi, Takashi Iba and Mitsuhiro Yamazaki, "A Pattern Language for Creating a City with Natural, Local and Creative Elements Learned from Portland, Oregon", PUARL + Building Beauty Conference 2020, September, 2020
  • Takashi Iba, Miho Masai, Yuuri Abe, Yuji Kosaka, "Patterns for Motivating Customers in a Pattern Language for Value-Creation Marketing", HILLSIDE Proceedings of Asian Conference on Pattern Language of Programs, October 2020
  • Miwane Umewaka, Ryohei Suzuki, Keibun Nakagawa, Takashi Iba, "Omotenashi Design Patterns: A Pattern Language for Creative Hospitality", HILLSIDE Proceedings of Asian Conference on Pattern Language of Programs, October 2020
  • Chiaki Sano, Yuki Kawabe, Rioja Kuroda, Takashi Iba, "Taste Language for Taste Centered Cooking: 14 patterns for Japanese soup stock," HILLSIDE Proceedings of Asian Conference on Pattern Language of Programs, Sep, 2020
  • Takashi Iba, "Support for Living Better throughout the COVID-19 Situation using Pattern Languages: An Attempt at Pattern Language Remix and Domain Translation", HILLSIDE Proceedings of Conference on Pattern Language of Programs 27, October 2020
  • Takashi Iba, Miho Masai, Yuuri Abe, Yuji Kosaka, "Patterns for Learning Through Practice: in a Pattern Language for Affective-Science-based Marketing", HILLSIDE Proceedings of Conference on Pattern Language of Programs 27, October 2020


    【講演・鼎談】

    講演・対談・鼎談は、オンライン19本、スタジオから配信2本、リアル1本行いました。

  • 前野 隆司, 井庭 崇, 岩田 華林, 「幸福学 × パターン・ランゲージ:創造社会におけるこれからの幸せな生き方」, shiawase 2020, 2020年3月
  • 井庭 崇, 原尻 淳一, 対談「Learning by creating:集めて、育てて、日常知をつくりだす」, みつかる+わかる 面白ゼミ第2回 わかる知性編, 一般社団法人みつかる+わかる, オンライン, 2020年5月
  • 井庭 崇, 三浦 英雄, 塚越 暁, 伊東 優, 原尻 淳一, 川井 拓也, 市川 力, 「つくるお父さん大集合 つくる=みつかる+わかるで面白人生」, みつかる・わかる面白ゼミ(父の日スペシャル), 一般社団法人みつかる+わかる, オンライン, 2020年6月
  • 井庭 崇, 新井 宏征, 「創造社会における学び」, VUCA labo #004, オンライン, 2020年7月
  • 井庭 崇, 市川 力, 原尻淳一, 「ジェネレーターとジェネレーターシップ」, 一般社団法人みつかる+わかる, みつかる+わかる夏の集中面白ゼミ ジェネレーターシップをイチから考える 第1回, オンライン, 2020年8月
  • 井庭 崇, 市川 力, 原尻淳一, 「ジェネレーターシップを発揮するあり方」, 一般社団法人みつかる+わかる, みつかる+わかる夏の集中面白ゼミ ジェネレーターシップをイチから考える 第2回, オンライン, 2020年8月
  • 井庭 崇, 石黒 和己, 「『複雑系』から学ぶ」, TANKENラボ #1, 探究総合研究所(TANKEN), オンライン, 2020年8月
  • 井庭 崇, 市川 力, 原尻淳一, 「ジェネレーターシップが育つ場」, みつかる+わかる夏の集中面白ゼミ ジェネレーターシップをイチから考える 第3回, 一般社団法人みつかる+わかる, オンライン, 2020年9月
  • 井庭 崇, 「パターン・ランゲージとは何か(井庭崇レクチャー)」, クリエイティブシフト, オンライン, 2020年9月
  • 井庭 崇, 「魅力的なオンライン授業づくりの工夫・コツを語るオンラインセミナー」, クリエイティブシフト, オンライン, 2020年9月
  • 安西洋之,市川文子, 井庭崇, 鼎談「未来をつくる意味の編集・デザイン」, 創造社会論2020, 2020年10月
  • 小泉寛明, 山崎満広, 井庭崇, 鼎談「ナチュラル × ローカル × クリエイティブなまち・コミュニティをつくる」, 創造社会論2020, 2020年10月
  • 前田隆行, 若野達也, 小島希世子, 井庭崇, 鼎談「働く喜び・生きがいを育む」, 創造社会論2020, 2020年10月
  • 上田信行, 塚越暁, 井庭崇, 鼎談「楽しさと面白さの体験をつくる」, 創造社会論2020, 2020年10月
  • 三田愛, 五井野太志, 山田貴子, 井庭崇, 鼎談「自然のなかで自然に生きる」, 創造社会論2020, 2020年10月
  • 鞍田崇, 渡邉康太郎, 井庭崇, 鼎談「いとおしさのデザイン」, 創造社会論2020, 2020年11月
  • 井庭 崇, 「慶応SFCの特徴と魅力」, 神奈川県立多摩高校, 2020年11月
  • 井庭 崇, 「テレワークスタイルのつくりかた」, 金融庁 昼休み講演会, オンライン, 2020年11月
  • 井庭 崇, 宇野常寛, 「コロナの時代の暮らしのヒント」, 遅いインターネット会議, 2020年11月
  • 井庭 崇, 「『クリエイティブ・ラーニング』読書会」, 苫野一徳オンラインゼミ」, オンライン, 2020年11月
  • 井庭 崇, 「ポートランドから学ぶ ナチュラルでローカルでクリエイティブなまちのつくり方のパターンランゲージ 」, ローカル都市経営学講座第3回, オンライン, 2020年12月
  • 井庭 崇, 「Lifeの本質、深い創造、クリエイティブ・ラーニング」, 風越コラボ(第二期), オンライン, 2020年12月


    【リリースしたパターン・ランゲージ】

  • 「テレワークスタイルのつくりかた:テレワーク時代の働き方をデザインするためのパターン・ランゲージ」(クリエイティブシフト)

    【メディア掲載】

    後日追記します。
  • イベント・出版の告知と報告 | - | -

    自ら「つくる」ことで経済から離れる「卒 資本主義」への創造社会ヴィジョン

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    最近、井庭研の大学院生たちと『人新世の「資本論」』(斎藤 幸平, 集英社新書, 2020)や『日本の大転換』(中沢 新一, 集英社新書, 2011)などを読み、資本主義の外部である自然の搾取や、その結果としての環境問題について議論している。資本主義は貪欲に外部を内部に取り込み搾取しながらどんどん拡大していく。もともとそのような運動性を内在していたわけだが、原発という無尽蔵なエネルギー源をもつことで、その拡大はさらに歯止めが効かなくなり、「暴走」に近いような状態となった。このような資本主義に対し、「脱・資本主義」や「脱成長」という議論がしばしば聞かれる。僕らが1990年代に取り組んでいたような話が、再燃しているような印象を受ける。地球温暖化の話題とあいまって、喫緊の課題である危機感はより高い。そんなわけで、最近、昔、環境・エネルギー問題にともに取り組んでいた熱い友人と、どうしたらいいだろうという話をしたりしている。

    このような話をしているなかで、僕が一つ不思議に思ったのは、なぜ経済システムだけがここまでの猛威を振るう存在となっているのか?ということだ。僕が依拠している社会学者ニクラス・ルーマンの機能分化した近代社会像で言うならば、経済システムは、並列して動くいくつもの機能システムの一つにすぎないはずだ(機能分化の近代社会像については『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』の序章で紹介しているので参照してほしい)。それにもかかわらず、これほど影響が大きいほど、大きな力を持っているのだろうか? まず、そのことが疑問に浮かんだ。そこから考えを深めていくと、社会の新しいあり方へのシフトの糸口がつかめてきた。まだ大雑把な段階ではあるが、そのヴィジョンの覚書として、ここに書き記しておきたい。


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    まず、私たちが日常生活において経済から離れられない・依存してしまうのは、衣・食・住とエネルギーが経済的な調達によって得ているからであろう。つまり、経済に参加しないと、住むところ、着るもの、食べるもの、そして生活上必要となるエネルギーが調達できず、暮らせない・生きていけないのだ。だからこそ、私たちは日々働いてお金を稼ぎ、それで物やサービスを買うということしているわけで、それを止められない理由である。

    科学システムや法システム、政治システム、芸術システムや宗教システムなどには、必ずしも参加しなくても生きていくことはできる(より精神的に豊かになるということはあっても、それらに参加しないと生存し続けることができない、というわけでは必ずしもない)。これに対し、一機能システムでしかないはずの経済システムは、人が暮らす・生きるためにべったりと寄り添いながら生きていくしかないという状態になっているのだ。経済から離れられない理由、資本主義を止められない理由は、衣食住やエネルギーを経済システムに依存して調達しているというところにある。

    このような状態から脱するにはどうしたらよいのだろう? そのような「卒 資本主義」の可能性を考えてみたい。ここで、「卒 資本主義」というのは、「脱 資本主義」と似ているが、少しニュアンスの異なる言葉として提唱したい。この「卒」で表すということは、『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』のなかで、鈴木寛さんが「脱近代」ではなく「卒近代」という言葉をつかっていたのに着想を得ている。学校を「卒業」するように、「リスペクトをもちつつ、そこから離れ、次の段階にいく」というニュアンスが「卒」にはある。資本主義が可能にしてくれた恩恵や時期を否定せず認めつつも、そこから離れていくという意味で、「卒 資本主義」。あるいは、もっと身近なレベルの感覚で言うならば、「卒 経済依存」「卒 お金依存」と言ってもよいだろう。

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    さて、「卒 資本主義」はどのように可能になるのだろうか? その鍵は、実はこれまで僕らが語って目指していたことにこそあった、と最近気づいた。それは、「つくる」ということへのフォーカスである。僕はこれからの社会は、「創造社会」(creative society)と呼び得る社会になると考え、そのことについてここ10年ほど言い続けてきた。その社会では、人々は自らの日常的な創造性を発揮しながら、いろいろなものを「つくる」。「つくっている」ということが生活や人生の豊さの象徴になるような時代だ。この「つくる」ということが、「卒 経済依存」、「卒 お金依存」、そして「卒 資本主義」を可能とする鍵なのだ。

    さきほど見たように、衣・食・住とエネルギーをお金を払って購入して調達することで私たちの暮らし・生きることが成り立っている。この現状に対して、これからの創造社会では、衣・食・住やエネルギーも、自分で「つくる」(ことができる)ことにより、経済システム経由で衣・食・住とエネルギーを調達する必要性を減らすことができる

    たとえば、トマトを食べるために、それを「買う」からお金がかかるのであり、自分で「育てる」(つくる)のであればそれだけのお金はかからない(もちろん種や苗、肥料は入手する必要があるが)。経済システムを経由してトマトを調達するのではなく、自分で育てて収穫することで調達することができる、この視点の転換が、ここで言いたいことの要である。洋服を自分でつくれば、買って調達する必要はなくなる。つくればつくるほど、経済的に購入して調達する必要性が下がり、それゆえ、ライフコストは低くなる。お金を多く必要としない暮らしへとシフトできる。四角大輔さんは、ニュージーランドで自給自足生活を送る実験を自ら実践中で、彼のような生き方をすると、「ミニマムライフコスト」はかなり低い。完全時給自足は大変で難しいかもしれないが、ここで言いたいことの本質は、自分で「つくる」ということは、「経済」から自由になるということなのだということだ。

    これらのことは、現在の時点から見ると、難しそうに聴こえるかもしれない。自分に野菜を育てられるだろうか、あるいは服をつくれるだろうか、と。しかし、それが簡単にできるようになり、多くの人がやるようになる社会が、創造社会なのだ。1990年代の初めのまだインターネットが普及していない段階で、ネット上でお金を振り込むことができたり、ネット経由でテレビを見ることができたり、オンラインで授業ができるということは、難しいことだと思っただろう。それと同じように、なんでも自分でつくることができる世界というのは、いまの段階では、信じにくいかもしれない。しかし、FAB(デジタル・ファブリケーション)の技術や装置も開発されていて、かなりの度合いで可能になっている。太陽光パネルなどの自然エネルギー装置により自分たちのところでつくることができる。そして、それぞれの領域における創造実践の経験則を言語化したパターン・ランゲージも、日々の「つくる」の下支えをしてくれる。

    そのような「つくる」ことへのシフトは、単につくる喜びやそれに付随する学びを得られるだけではなく、「卒 経済依存」「卒 資本主義」の道を進むことなのだ、と最近気づいた。自分で「つくる」暮らし・生き方をすることで、経済システムから離れることが可能になる。これが、創造社会の姿であろう。人は、自ら「つくる」ことで、経済システムから自由になることができるのである。

    もちろん、経済がまったく不要になるということではない。完全自給自足にこだわってしまうと、それはそれで不自由になるし、経済によって成り立つよいこともいろいろある。その価値を認めた上で、経済から適度な距離をもって関わることができるようにすることを目指すのが、「卒 資本主義」への創造社会ヴィジョンである。


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    そのような「つくる」ことや「つくる」ことに関するコミュニケーションが展開される社会では、「共創システム」(Co-Creation System)と呼び得るコミュニケーションの連鎖が安定的に生じることになるだろう。そうして、いま以上に、「つくる」ことが継続的に発生しやすい状況になるだろう。そのようなことを促すメディアがパターン・ランゲージである(その点については、以前、次の論文で論じたので、ご覧いただければと思う)。

  • Takashi Iba, “Sociological Perspective of the Creative Society” in Matth us P. Zylka, Hauke Fuehres, Andrea Fronzetti Colladon, Peter A. Gloor (eds.), Designing Networks for Innovation and Improvisation (Springer Proceedings in Complexity), Springer International Publishing, 2016, pp.29-428


  • 来年度の井庭研では、このヴィジョンの解像度を上げ、さらに「卒 資本主義」を実現するための戦略も構築するプロジェクトを立ち上げる。みなさんとも、建設的な語り合いができればと思うし、応援をお願いします!
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