井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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2022年を振り返る:成果発表・活動等一覧

2022年は、正直、僕としては成果が少ない一年でした。特に春以降、いろいろ苦労が多く、研究に時間やエネルギーを注ぎ込むことができず、かつてないしんどい年でした。

それでも、年末に行った国際カンファレンスでの基調講演は、これまで15年の研究を総括するような内容の話ができたし、依頼いただく講演の内容が、パターン・ランゲージ(のみ)から、創造や創造社会にまつわるものが増えてきたのが印象的でした。次なる展開への転換点になる年と捉えたいと思います。

2023年は、これまでを総まとめしながら、次へと進んでいきたいと思います。

【書籍】
  • ジェネレーター:学びと活動の生成』(市川力, 井庭崇, 学事出版, 2022)
  • ともに生きることば:高齢者向けホームのケアと場づくりのヒント』(金子 智紀, 井庭 崇, 丸善出版, 2022)

    【国際カンファレンス 基調講演】
  • Takashi Iba, "Improving the Quality of Creative Practices with Pattern Languages", Keynote, The ACM SIGPLAN conference on Systems, Programming, Languages, and Applications: Software for Humanity (SPLASH2022), December, 2022

    【パターン・ランゲージ】
  • デジタルを活用する未来に向けて」(パターン・ランゲージ型 広報文書), 受託制作, デジタル庁, 2022年3月公開

    【パターン・カード】
  • ともに生きることばカード(ケアと場づくりのヒント)」, クリエイティブシフト, 2022年1月

    【ジャーナル論文】
  • 山野 大星, 小林 猛, 井庭 崇, 「住宅設計課題におけるパターン・ランゲージを用いた評価作成と指導の効果」, 教育実践研究論文, 日本教育工学会論文誌, 第46巻 第3号, 2022年

    【研究論文】
  • 井庭崇,「本質観取におけるアブダクションと質的帰納:フッサール現象学とパース論理学の接続」, 『本質学研究』, No.11, 2022年
  • 田中 惇敏, 西村 歩, 松本 光基, 井庭 崇, 「宮城県気仙沼市における良好な「子育て環境」の規定要因の理解―気仙沼子育てタウンミーティングでのグループインタビューを通じて―」, 『実践政策学』, 第8巻. 第1号, 2022年

    【国際カンファレンス論文発表・口頭発表】
  • Ryohei Suzuki, Takashi Watanabe, Takashi Iba, "Music Composition Patterns: A Pattern Language for Touching Music", EuroPLoP'22: 27th European Conference on Pattern Languages of Programs 2022, 2022
  • Takako Kanai, Mizuki Ota, Aoi Imai, Takashi Iba, "Class Design for Junior High School Students Using Pattern Language: A Case Study of the Practice at Nichihara Junior High School", EuroPLoP'22: 27th European Conference on Pattern Languages of Programs 2022, 2022
  • Tomoki Kaneko, Takashi Iba, Konomi Munakata, ”The 30 Extracted Patterns of the Innovative Practices of Dementia Care Service in Japan," 2022 ADI Asia Pacific Regional Conference (2022 ADI-APRC), 2022

    【国内学会発表】
  • 金子智紀, 井庭崇, 「ケアと場づくりのパターン・ランゲージを用いた研修プログラムの開発と検討」, 第30回日本介護福祉学会大会, 2022年10月

    【講演/セミナー/対談】
  • 井庭崇, 「自然な深い創造と創造社会:創造的対話の未来」, コーチング系C社, 2022年1月
  • 井庭崇, 「最高のオンライン授業のつくり方」, 都立産業技術大学院大学, 2022年1月
  • 井庭崇, 「これからの「社会のカタチ」を創造する」, NEXT CARE, DAYS BLG!, 2022年2月
  • 井庭崇, 「自分の「自然な深い創造性」を育む」, ヘルスケア系J社, 2022年3月
  • 市川力, 井庭崇, 「ジェネ本出版記念対談, We are Generators, 2022年4月
  • 市川力, 井庭崇, 井庭研究室ジェネレーター・パターン・プロジェクトメンバー「ジェネレーター・パターンのマイニング・ダイアローグ 第1回」, We are Generators × 井庭研企画, 2022年4月
  • 市川力, 井庭崇, 井庭研究室ジェネレーター・パターン・プロジェクトメンバー「ジェネレーター・パターンのマイニング・ダイアローグ 第2回」, We are Generators × 井庭研企画, 2022年4月
  • 市川力, 井庭崇, 井庭研究室ジェネレーター・パターン・プロジェクトメンバー「ジェネレーター・パターンのマイニング・ダイアローグ 第3回」, We are Generators × 井庭研企画, 2022年4月
  • 井庭崇, 「「創造的な場づくり」の観点から」, 藤沢市アドバイザー会議, 2022年6月
  • 井庭崇, 「ひらかれた物語としての歌詞の世界」, 風越コラボ第3期, 2022年6月
  • 井庭崇, 「ナチュラルにクリエイティブに生きる創造社会へ」, SFC七夕祭 模擬授業, 2022年7月
  • 井庭崇, 「これからの学校:未来をつくっていく人たちが育つ場を育てる」, 盈進学園東野高校, 2022年7月
  • 井庭崇, 「創造社会に向けた「自然な深い創造」力を養うための方法」, SFC研究所×日経ビジネススクール共催 「未来創造リーダー養成塾 〜2040年の未来を切り拓く先導者が集まる場〜」, 2022年7月
  • 井庭崇, 長谷部葉子, 「フューチャー・ランゲージ・ワークショップ:里山で考える「自然と生きる未来」」, 未来構想キャンプ, 2022年8月
  • 金子 智紀, 井庭 崇, 下河原 忠道, 首藤 義敬, 福井 大輔, 「『ともに生きることば』出版記念イベント 2022.9.2」, 2022年9月
  • 金子 智紀, 井庭 崇, 加藤 忠相. 佐伯 美智子. 川原 奨二. 「『ともに生きることば』出版記念イベント 2022.9.5」, 2022年9月
  • 井庭崇, 小阪裕司, 「ジェネレーター」対談, 未来創造会議, 2022年9月
  • 井庭崇,「自己変革を促すパターン・ランゲージ」, デジタル時代のスキル変革ウェビナー2022:自律した学びが個人と組織の成長を促す, IPA(独立行政法人 情報処理推進機構), 2022年10月
  • 井庭崇,「創造社会ヴィジョン:ナチュラルでクリエイティブに生きる未来へ」. 「2050年の社会、まち、くらしの描き」研究会, 2022年10月
  • 小竹貴子, 井庭崇, 「つくり手たちのコミュニティ」, 創造社会論, 2022年10月
  • 篠塚孝哉, 井庭崇, 「旅にまつわるスタートアップ」, 創造社会論, 2022年10月
  • 山川勇一郎, 井庭崇, 「自然エネルギー」, 創造社会論, 2022年10月
  • 小阪裕司, 井庭崇,「感性にもとづく実践」, 創造社会論, 2022年11月
  • 桐村里紗, 井庭崇. 「プラネタリーヘルス」, 創造社会論, 2022年11月
  • 藤田一照, 井庭崇, 「手放す」, 創造社会論, 2022年11月
  • 井庭崇,「クリエイティブラーニングを実現する教育のあり方・実践を考える」, 武蔵野大学, 2022年11月
  • 井庭崇, 山野大星, 金子智紀, 金井貴佳子, 「教育現場でのパターン・ランゲージ活用の最新事例」, SFC Open Research Forum, 2022年11月
  • 井庭崇, 「クリエイティブ・ラーニング(創造的な学び)を実現する」, 金城学院大学, 2022年12月
  • Mitsuhiro Yamazaki, Takashi Iba, "Community Development", EXPLORING CREATIVE SOCIETY (GIGA), 2022年12月

    【国際カンファレンス ワークショップ】
  • Takashi Iba, Tomoki Kaneko, Rio Nitta, Erika Inoue, "Dialogue workshop for using Pattern Languages for supporting everyday life", PLoPourri, 29th Conference on Pattern Languages of Programs (PLoP 2022)
    , September, 2022

    【委員】
  • 藤沢市 村岡新駅周辺地区まちづくりコンセプトブック作成有識者会議
    https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/tosei/machizukuri/toshi/shisaku/muraoka/muraoka_yushikisyakaigi.html
  • Program Committee, European Conference on Pattern Languages of Programs (EuroPLoP 2023)
  • Program Committee, 29th Conference on Pattern Languages of Programs (PLoP 2022)

    【受賞】
  • SFC FACULTY AWARD 2021 特に顕著な成果を挙げた者
  • イベント・出版の告知と報告 | - | -

    井庭研2023春の特別研究プロジェクト「パターン・ランゲージの思想と方法:総まとめ研究」

    「パターン・ランゲージの思想と方法:総まとめ研究」
    担当:井庭 崇(総合政策学部教授)
    タイプ:特別研究プロジェクトB(2単位:2023年春学期に履修申告)
    実施形態: オンライン


    【実施日程一覧】
    2023年の2〜3月に行います。以下の日程は(オンラインで)集まる日で、これらの集まりの前に、各自、指定原稿を読んでくる時間をしっかり取る必要があります。

    2月 7日(火) 13:00-15:00
    2月21日(火) 13:00〜18:00
    2月24日(金) 13:00〜18:00
    3月 3日(金) 13:00〜18:00
    3月10日(金) 13:00〜18:00
    3月17日(金) 13:00〜18:00
    3月31日(金) 13:00〜15:15


    【概要】
    パターンランゲージは、創造実践の経験則・型を「パターン」という小さな単位にまとめ、体系化・言語化したものです。かつて、建築家のクリストファー・アレグザンダーは、いきいきとした町や建物に繰り返し現れる関係性をパターンとして定義し、253個のパターンを抽出・記述しました。その後この考え方は、ソフトウェア開発の分野に応用され、現在でも広く活用されています。SFCでは、創造的な学びのための「ラーニング・パターン」や、創造的プレゼンテーションのための「プレゼンテーション・パターン」、創造的コラボレーションのための「コラボレーション・パターン」をはじめとして、教育、福祉、仕事、暮らし・人生などさまざまな領域でパターンランゲージが制作されてきました。

    本特別研究プロジェクトでは、これまで15年ほどの間、井庭研究室で開発・洗練させてきたパターン・ランゲージの思想と方法をふりかえり、その内容を深く理解し、話し合い、今後の実践につなげることを目指します。パターン・ランゲージの考え方や作成方法、活用方法など、それぞれのトピックについて説明した重厚な資料を担当教員が用意するので、それを事前に読み込み、自らの経験と照らし合わせて点検したり、自分が実践するときのイメージをつかみます。参加メンバーで集まったときには、自らの経験や考えたことについて語り合ったり、疑問点やもっと知りたいことについて質問したり、思想や方法としてさらに明確にすべき点がないかについて議論したりします。

    本特別研究プロジェクトは、井庭研究室に所属する学生以外の参加も歓迎しますが、パターン・ランゲージの思想と方法に強く関心を持つ人でなければ、モチベーションの維持も、内容・議論に着いていくのも困難になるので、注意してください。これまで断片的に扱ってきたパターン・ランゲージの思想と方法についての総まとめ研究を通じて、各自今後の実践に活かしてほしいと思います。

    PLCreationProcess202212J.png



    【参加条件】
    これまで井庭研究会Aを履修した人と2023年度履修予定の人を中心に、パターン・ランゲージの作成に強く関心を持つ人も歓迎します。

    担当教員と相談の上、履修志望理由を1月31日までに担当教員に提出(ilab-entry@sfc.keio.ac.jp)。


    【評価方法】
    出席、プロジェクトの活動と成果、話し合いへの貢献、最終レポートから総合的に評価する。


    【授業スケジュール】
    各回の予定は暫定的なものであり、全体として以下の内容はカバーしますが、順番等は変わる予定です。

    2月7日(火) 13:00-15:00. イントロダクション
    本特別研究プロジェクトの趣旨と進め方について説明し、これから最初に具体的に取り組むことについて理解します。

    2月21日(火) 13:00〜18:00 パターン・ランゲージ概論
    パターン・ランゲージについての概説を読み、内容についてディスカッションをし、理解を深めます。パターン・ランゲージ作成プロセスは、大きく分けて、「パターン・マイニング」、「パターン・ライティング」、「パターン・シンボライジング」という3つのフェーズで構成されています。

    2月24日(金) 13:00〜18:00 パターン・マイニング方法
    パターン・マイニングについての解説を読み、内容についてディスカッションをし、理解を深めます。パターン・マイニングでは、パターンの内容になる経験談・経験則の情報を集め、その共通パターンをあぶり出し、全体の構造をつくった上で、「パターンの種」を特定します。パターン・マイニング・フェーズでは、経験者から対話のなかで経験談を掘り起こし引き出していく「マイニング・ダイアローグ」と、そこで得られた大量の情報から本質的なパターンを見出していく「クラスタリング」や「キーエレメントの抽出」、そして、その結果を用いて全体の体系をつくり、各パターンの役割を明確化する「体系化」という3つのステップがあります。この回では、それらの内容について具体的に検討します。

    3月3日(金) 13:00〜18:00 パターン・ライティング方法
    パターン・ライティングについての解説を読み、内容についてディスカッションをし、理解を深めます。パターン・ライティングでは、それぞれのパターンの種について、その本質を突き詰めていきながら、「状況」「問題」「フォース」「解決」「アクション」「結果」というパターン形式で書き、メンバーのなかで何度も確認・修正をして仕上げていきます。 パターン・ランゲージ作成の第二フェーズであるパターン・ラインティングでは、それぞれの「パターンの種」を、パターン形式で書き下していきます。パターン・ライティングでは、マイニングでつくった「パターンの種」を、文章で表現していきます。この段階で、このパターンの本当の「問題」は何かや「解決」の本質は何かということについて、さらに突き詰めて深めていきます。この回では、それらの内容について具体的に検討します。

    3月10日(金) 13:00〜18:00 パターン・シンボライジング方法
    パターン・シンボライジングについての解説を読み、内容についてディスカッションをし、理解を深めます。パターン・シンボライジングでは、パターンを象徴的に表すためのパターン名をつくったり、パターン・イラストを描いたりします。パターン・シンボライジングとは、パターンの内容的な記述に、それを象徴的に言い表す名前をつける「パターン・ネーミング」と、それを象徴的に見せるイラストを描く「パターン・イラストレーティング」を行います。これらの名前やイラストを考えるときにも、改めて、このパターンが伝えようとしている内容の本質はなんだろうか、ということを捉え直し、それをギュッと凝縮した表現に煎じ詰めていきます。これらのステップでつくられた成果も、メンバーで確かめ合いの対話を行い、洗練させていきます。この回では、それらの内容について具体的に検討します。

    3月17日(金) 13:00〜18:00 パターン・ランゲージの仕上げ
    パターン・ランゲージの仕上げについての解説を読み、内容についてディスカッションをし、理解を深めます。

    3月31日(金) 13:00〜15:15 最終レポート
    パターン・ランゲージの思想と方法についての自分なりのまとめのレポートを書きます。必要に応じて、話し合いや相談の機会を設けます。
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