井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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井庭研春プロ:パターン/スタイル・マイニングのための読書

井庭研:春の特別研究プロジェクト(3月5, 6, 7, 9, 12, 13日)に向けての宿題

パターン/スタイル・マイニングのための読書
 井庭研では、パターン・ランゲージやスタイル・ランゲージなど、ことばをつくり、文章を書くということに日々取り組んでいます。また、成果を論文にまとめています。そこで、僕らの活動の中心にある「書く」ということについて、よりよい実践ができるよう、学んで力をつけたいと思います。今回、以下の本から、「書く」ということについてのパターンとスタイルをマイニング(掘り起こし)します。そのため、まず、以下の本を各自入手してください。書き込みをしながら読んでいくので、すべて自分の本になるように、「購入」してください。

  • 伊丹 敬之, 『創造的論文の書き方』, 有斐閣, 2001

  • バーバラ・ミント, 『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』, 新版, ダイヤモンド社, 1999
    ※今回は、「第1部 書く技術」のみ

  • 村上 春樹,『職業としての小説家』, 新潮社, 2016
    ※大きな単行本の方ではなく、みんなで小さい新潮文庫の方で揃えましょう。

  • 川上 未映子 ,‎ 村上 春樹,『みみずくは黄昏に飛びたつ』, 新潮社, 2017
    ※村上さんの最新作『騎士団長殺し』(村上 春樹, 新潮社, 2017)などの話が出てきますが、具体的な話は読み飛ばして大丈夫です。気になる人はその小説の方もどうぞ。

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     これらの本を読みながら、「書くこと」のパターンになりそうなことが語られている箇所や、スタイルになりそうなことが語られている箇所を探し、線を引いたりして「自分なりの書き込み」をしていきます。

    パターン・・・書くという実践の質を向上させるために、奥の人におすすめすべきコツ・経験則(やり方・考え方)。それをしないと実践の質が損なわれる「問題」がおきやすくなります。

    スタイル・・・書くということへの考え方や実践方法において、そういう人もいるというもの(一例として紹介するとよいが、多くの人が実践すべきだとおすすめするというものではないもの)。人によっては、別様でもあり得るもの。


     『創造的論文の書き方』と『考える技術・書く技術』からは、基本的にパターンがたくさん見つかるでしょう。村上さんの『職業としての小説家』『みみずくは黄昏に飛びたつ』については、パターンとスタイルの両方を見つけられると思います。注意が必要なのは、村上さんが「これはあくまで僕の場合ですが」と言っているものでも、スタイルではなく、パターンとして抽出できるものもあるのがあります。実際、パターンかスタイルかの境界はあいまいなので、自分なりに判断が求められます。また、同じ箇所からパターンとスタイルが両方見つかることもあります。
     今回、抽出したものは、レポートのようなかたちでまとめる必要はありません。読んだときに、 本に直接線を引き、書き込んで、付箋を貼ったりして、その本を春プロの集まりに持って来てください。その本を見ながら、みんなでどこをパターンで、どこがスタイルかを、一緒に話し合っていきましょう。

    パターンとスタイルの違いについて、もう少し理解を深めるために例示してみると・・・

     村上さんがよく語っていることに、書くときに、自分の奥深いところに降りていき戻ってくるというためには「体力が必要だ」と言います。それは、毎日コンスタントに書き続けるためにも重要です。そのため、彼は、毎日走り続けていて、マラソンもよく走っています。その「走る」ということと「書く」ということの関係について書いた本もあるくらいです(『走ることについて語るときに僕の語ること』 (村上 春樹, 文春文庫, 2010)これも興味深い本です)。
     そういうことを語っている箇所があったとき、「深い創作活動を行うために、体力をつけ、維持する」ということはパターン的です。それでは、「走る」ということは、どうでしょうか?書く人はみんな走るべきでしょうか?僕は、そうは思いません。泳ぐのでもいいでしょうし、サイクリングでもいいかもしれません。そこで、「書くための体力をつけるために、走る」というのは、村上さんのスタイルということになると考えられます。
    書くという実践において、「体力をつける」ということは、別様でもいいようなスタイルではなく、世の中にそれに当てはまらない人がいるとしても(病弱な著者)、基本的には、多くの人におすすめすることだと思うからです。それに対し、体力をつけるために「走る」ということは、体力をつけるためのいくつかの方法の一つの方法であり、実際に何をやるかは、人それぞれの好みや条件によるでしょうから、これはスタイルだと言えます。このように考えていくわけです。

     もう一つ例をあげましょう。村上さんは、毎日、朝起きてから午前中の間に長編小説を書いているようです。1日10枚(原稿用紙)と決めて、毎日欠かさず、同じペースで書き続けているそうです。ここから僕らが学ぶことができるのは、「毎日決めた時間に書く」ということです。これは書くことについてのコツであり、パターンになりそうです。これをしないので、僕(井庭)なんかは、なかなか本の原稿が仕上がらないという問題がよく起きます。このパターンを実践すれば、きっと本をもっと出せているでしょう。とても重要なパターンです。
     それでは、「午前中に書く」ということは、パターンでしょうかスタイルでしょうか?これは難しいところです。夜に書く作家もいることを考えると、スタイルといえます。しかし、午前中は、日常の雑多なことに触れておらず、頭もクリアであることから、午前中であることは、理に適ったコツ・経験則であるとも言えます。そうなれば、これはパターンとも言えます。このように、判断が難しいものもあります。
     この例の場合には、おそらく、書くことのランゲージをつくるとなると、僕は、別様でもあり得る選択肢を否定しないために(仕事や生活スタイルにもよるので)、「午前中に書く」はスタイルであるとした上で、「毎日決めた時間に書く」というパターンの記述のなかで、その例を強調するというふうにすると思います。
     このように、パターンであるか、スタイルであるかは、唯一の正解というものがあるわけではないので、あまり、その区別に思い悩みすぎないように注意しましょう。

    ■補助的な資料として読んでおいてほしい論文・冊子
  • 井庭 崇, 「パターン・ランゲージによる無我の創造のメカニズム:オートポイエーシスのシステム理論による理解」, AsianPLoP2018初稿

  • この論文は日本語ですが、元の論文は英語で、Takashi Iba, Ayaka Yoshikawa, "Illuminating Egoless Creation with Theories of Autopoietic Systems," PURPLSOC2017 です。日本語か英語かどちらかを春プロまでに読んでおいてください。紙で配布し、PDFでも共有します。
  • 『オープンダイアローグ・パターン』冊子

  • 現段階の井庭の書く力を総動員して仕上げたという意味で僕のなかでの現段階でのベストの作品です。

    ■井庭研のつくる「○○ランゲージ」の総称=クリエイティブ・ランゲージ

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    パターン/スタイル・マイニングのための読書のためのポイント

    読書のクリエイティブ・ランゲージ『Life with Reading』より


    今回読むときには、パターンやスタイルに関係しそうなところに「線」を引きながら読みます。僕の書き込みスタイルは、鉛筆での線引きです。1回目に読むときには、線引きまで。2回目に読むときには、そこで言われていることが、パターンなら「パターン」もしくは「P」、スタイルなら「スタイル」もしくは「S」というように書き込んでいきます。

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    『みみずくは黄昏に飛びたつ』は、具体的な村上さんの作品(小説)の話などが出てくるので、その部分は、今回の目的(パターン/スタイルのマイニング)には関係ないので、適宜読み飛ばしながら、どんどん進んでいきます。
    また、どの本も、2回目に読むときには、線を引いた箇所だけ読みます。

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    特に村上さんの本を読むときには、彼の「書く」ということや、創造の活動を、自分のパターン・ランゲージ(スタイル・ランゲージ)の作成や、論文執筆に置き換えて、「つくる人生」についての深く豊かなイメージを味わってください。

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    春休みの課題2018:井庭研の基本文献を読む(再読する)

     井庭研では、以下の本で語った・書いたことをベースとして活動しています。春休み中に、以下の本を読んでおいてください。

  • 『パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語』 (井庭 崇 編著, 中埜 博, 江渡 浩一郎, 中西 泰人, 竹中 平蔵, 羽生田 栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)

  • 社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)

  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)の第1部


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     すでに授業の課題として読んだことがある人も、井庭研に入るにあたり、より深く理解をするつもりで再読してください。継続生もパターン・ランゲージやスタイル・ランゲージ作成の経験の上で読むと、理解できる内容・レベルが変わってくるので、必ずもう一度再読してください。
     これらの本は、重要だと思った箇所に線を引き、「自分なりの書き込み」をしながら読むので、各自購入してください。どの本もSFC生協にあります(生協だと1割引です!)。これらの本は、それぞれ春の「パターンランゲージ」「創造システム理論」「創造社会論」の教科書でもあるので、その先行投資にもなります。

     
    ■レポートの作成と提出方法
    これらの本を読んで、発見的だったところ(「なるほどぉ!」「そういうことか!」と思ったところ)や感動したところ(「ここで言っていること、すごい・・・!」「めちゃくちゃワクワクする」など)を、そのページ数とともに引用し、それに自分の考えたこと・そこから発想したことなどを書き添えてください。
    3月31日までに、(3冊分合わせて)引用文を含めて6〜10枚程度のレポートにまとめ、PDF で、井庭研submit MLに提出してください。

    井庭研の基本文献を読む(再読する)のためのポイント

    読書のクリエイティブ・ランゲージ『Life with Reading』より

    今回の課題では、発見的だったところや感動したところを、引用文とともに、レポートにまとめるので、「なるほどぉ!」「そういうことか!」と思ったところや「ここで言っていること、すごい・・・!」「めちゃくちゃワクワクする」というところに、どんどん線を引きながら読んでいきましょう。思ったことを書き込んでおくのも、おすすめです。

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    『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』の第1章の宮台さんの話は、社会学や社会思想の本などをこれまで読んでない人には、難しいようです。そういう場合には、あまり細かい点につまづかないようにうまく「ラフに読む」ことで、がんばって第2章(熊坂対談)にたどり着いてください。

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    今回の課題では、引用に加えて、「自分の考えたこと・そこから発想したことなど」を書き添えます。これは、小学校のときの感想文のような感想である必要はなく、書いてることから発想したことであれば、直接関係ないことへと飛躍して書いて構いません。「ここに書いてあることは、スタイル・ランゲージだと・・・」や「演劇をつくる話でいうと・・」など。

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    僕の本は、本の構成や「細部へのこだわり」など、あちこちいろいろ工夫したりこだわったりして、作り込んでいます。そんなところも、見つけて楽しんでみてください。何か「こだわりの発見」をしたら、レポートにそれも書いておいてください。井庭研でのこれからの成果物の作成のときに、自分でもこだわってつくることにつながるかもしれません。

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    春休みなので、遊んだり、バイトしたり、旅行にいったり、ゆっくりしたりするのも大切なこと。でも、ただ流れにまかせていると、3月末になって焦ったり間に合わなかったりする可能性もあります。そうならないためにも、うまく、読む時間と書く時間を予定に入れておくことが重要です。「本との先約」の日時を、スケジュール帳に書き込んで起きましょう。

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    「リアリティ・プラス」シリーズの2冊(『パターン・ランゲージ』と『社会システム理論』)には、たくさん「本のなかのリンク」を埋め込んであります。つまり、他の本を紹介してあります。面白そうだと思ったものや、もっと知りたいと思ったものは、その本も手にいれて読んでみるといいでしょう。
    ↓次につづく

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    課題文献から「本のなかのリンク」をたどって入手した本は、休み中に読めなくても、手元においておくと、のちに、ちょっと時間があるときに、ふと読むことができます。これから読みたい本も置いてある「自分の本棚」を充実させていくと、学びのチャンスが自然と得られます。

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    『社会システム理論』の内容は、一見、パターン・ランゲージには関係なさそうに見えますが、井庭研で物事を考えるときの「考えの型」になっています。春プロで読む論文「パターン・ランゲージによる無我の創造のメカニズム:オートポイエーシスのシステム理論による理解」(井庭崇)などは、まさにそれを実践した好例です。ちょっと抽象的ですが、ぜひ慣れていってください。

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    研究をする上で、知的な意味で、本を読むことは重要となります。また、僕らが取り組んでいるのは、「ことばをつくる」ということです。ぜひ、課題だからと嫌々やるのではなく、読書を知的に楽しみ、「本のある生活」を楽しみましょう!

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    井庭研2017年度最終発表会「多様なスタイル、これからの創造性」

    来週末1月27日(土)に、井庭研の2017年度最終発表会「多様なスタイル、これからの創造性」を実施します!今年度のプロジェクトの紹介とともに、卒業発表や修論発表もあります。今回はセミクローズドな会で、SFC生のみなさん、もしくは、僕や井庭研と関係するみなさんはご参加いただけます。その方々は、下記フォームより申し込みの上、ぜひお越しください。
      
    【井庭研究室】 2017年度最終発表会受付フォーム
    https://goo.gl/3a9425
     
    【日時 Date and Time】
    2018年1月27日(土) 10:00 - 18:00 ※09:40開場
    January 27, 2018 (Sat.) 10:00 - 18:00 ※ doors open at 09:40
     
    【開催場所 Site】
    慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス 大学院棟 τ12(タウ12)教室
    Keio University Shonan Fujisawa Campus, building τ12
     
    【参加費 Fee】
    無料 ※昼食をご持参ください
    Free ※Please bring your lunch.
     
    【概要】
    「多様なスタイル、これからの創造性」
    今回のカンファレンスは、「多様なスタイル、これからの創造性」をテーマに、2017年度に活動してきた共同研究プロジェクトの成果や、この春に井庭研から卒業する学部4年生/大学院生による卒業プロジェクト/ 修士論文の発表を行います。
    今年度の井庭研は、「多様性」や「創造的な混沌」をテーマに研究を進めてきました。「スタイルの多様性」という扱う研究テーマの多様性はもちろん、1つのプロジェクトでも多様な方法論(パターン・ランゲージ、ファン・ランゲージ、スタイル・ランゲージ、コンセプト・ランゲージ)でアプローチしたり、アウトプットの形式(冊子、カード、しおり、ウェブ・アプリケーション)も多様に展開しています。また、研究活動の進め方も多様なものばかり。
    今回のカンファレンスは、このような今年の井庭研の「多様性」が感じられるようなプログラムになっています。発表内容はもちろんのこと、発表スタイルも様々です。
    途中入退室も可能なので、学内のみまさんはご自由に、また、井庭研に関わりのある方は、ぜひお越しください!
     

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    【プログラム】
    当日のプログラムはスケジュールは以下を予定しています。
    (09:40 開場)
    10:00 《Opening Session》
    10:20 《Session01:修士研究発表》(プレゼンテーション)
    ・「ゆるいまちづくり:おしゃべり・発見・連帯」(木村 紀彦)
    ・「気づきと創造を支援する手描きを用いた議論プロセス可視化の応用手法開発」(坂間 菜未乃)
    10:50 休憩
    10:55 《Session02:ilab-B》(ブースセッション)
    ・「バンドマンにおける強烈音楽体験(SEM)の探索的研究」(Marino Kinoshita )
    ・「Pattern Language for Creating Your Own Children’s Story」(Nur Nameerah Mohd Fadzil )
    ・「Habits for Success and Happiness Patterns」(Jeet Qi Tan)
    ・「Styles of Living Alone (一人暮らしスタイルランゲージ)」(Aimi Burgoyne )
    ・「障がい者がいきいきと暮らす・働くための場作り」(鳥羽 和輝)
    11:40 《Workshop01》(発想ワークショップ)
    ・「家族を育むスタイル・ランゲージ 〜より良い家族の暮らしをつくるワークショップ〜」(with 花王)
     
    12:40  ランチブレイク
    13:20 《Focus Group》
    ・「次世代のおもてなしをデザインするクリエティブ・ランゲージ」 (プレゼンテーション)(with UDS) 
    (プロジェクト紹介後に、グループに分かれてディスカッション)
    ・A:「パターン・アプリ〜パターン・ランゲージをより身近にするプラットフォーム〜」
    ・B:「主任保育者の役割を可視化する試み 〜園組織におけるミドルリーダーとは〜 」(with 東京大学Cedep )
    14:20 休憩
    14:25 《Workshop02》(ライターズ・ワークショップ)
    (プロジェクト紹介後に、グループに分かれてワークショップ)
    ・A:「Life with reading Patterns Writers Workshop」(with 有隣堂)
    ・B:「料理教室のスタイル・ランゲージ」 (with Cookpad)
    15:15 コーヒーブレイク
    15:35 《Session05:卒業発表》(プレゼンテーション)
    ・「旅のことばからはじまるストーリー」(金子 智紀)*1
    ・「言の葉とあそぶ」(尾郷 彩葉)*2
    ・「つくり方をつくる」(石田 剛)*3
    ・「パターンにとらわれたくないけれど」(森 遥香)*4
    16:35 休憩
    16:40 《Session06:修士論文発表》(プレゼンテーション)
    ・「つながりをもたらす対話の実践支援 : オープンダイアローグ・パターンの作成と活用」(長井 雅史)
    17:05 《Closing Session》
    (終了後、写真撮影や歓談)
    18:00 終了
     
    (卒業発表者の紹介)
    *1 金子 智紀(ばるさん): 旅のことば、親子パターン、パターン・マイニング・パターン、パターン活用パターン、家族を育むスタイル・ランゲージの作成メンバー
    *2 尾郷 彩葉(いろは):SFCカルチャー・ランゲージ、教育プログラムデザインパターン、日々の世界のつくりかた、読書のクリエイティブ・ランゲージ「Life with Reading」の作成メンバー
    *3 石田 剛(いっしー):プロジェクト・デザイン・パターン、オープンダイアローグ・パターン、読書のクリエイティブ・ランゲージ「Life with Reading」の作成メンバー
    *4 森 遥香(はるもり):プロジェクト・デザイン・パターン、創造社会ヴィジョン方法論、パターンアプリ「Patterns We Live By」などの作成メンバー

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    Seminar Syllabus: Iba Lab B (GIGA), 2018 Spring

    Iba Lab B (GIGA) - Natural & Creative Living Lab
    Global Collaboration to Empower People with Creative Languages

    (Thursday 3rd period, 2018 Spring semester)

  • Entry submission deadline: Jan 19th
  • Interview Session: Jan 24th


    Purpose
    You consist of a multitude of interests big and small, major and minor. Yet you most likely have learned that to achieve your highest potential, you should focus on improving just your best interest, and your other interests are less important.
    When you graduate through Iba Lab, you will become a change maker, someone to make new waves with Creative Languages in various domains---such as learning, presentation, collaboration, project design, education, welfare, cooking, parenting, open dialogue… You will hone your skills with Creative Languages--a set of languages that illuminate and advise people to take on proactive attitudes towards achieving their desired qualities. You will connect with other practitioners of Creative Languages through the international conferences you attend when you present your work.
    Creative Languages, produced here in Iba Lab, redefine our notions of potential, pointing the lens at the sum of all our “creative” potential. These languages open the possibility of realizing even your tiny interests, without sacrificing your important interests. We create Creative Languages to help others create a “creative” society. As opposed to other lab (kenkyukai) focused on social entrepreneurship or social innovation, Iba Lab targets daily life style practices to steer attitudes to be more “creative.”

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    [Types of Creative Languages]


    Pattern Language is a language that can raise the quality of life by describing practical knowledge in ways that can be shared and used by others. It is created through specific processes, such as pattern mining, pattern clustering, pattern writing and pattern illustrating. We also apply pattern language in dialogue workshops to communicate and describe solutions to problems under certain condition in particular contexts. See more details in this chapter (PDF).

    Style Language is a language for showing a diversity of styles and ways things are done in a certain activity. It is not to be abstracted and creates clues or hints to live by, so It allows us to communicate and understand other people’s ways of conducting activities. For example, to share many families’ styles of living, we created “Family Style Language.”

    Fun Language is a language for a collection of perspectives and actions that allows people to enjoy a certain activity.
    For example, for enjoyment of cooking, we created “Cooking Fun Language” and it shares the hidden enjoyment of cooking and shows different perspectives of cooking.

    Future Language is a collection of words for describing our desirable vision of the future. Through dialogues in Future Language Workshop. we generate ideas for a better community or vision of the future. See more details in this paper (PDF).

    Currently, this lab is open to both individual and group work, but the majority of the members conduct individual projects and research. Students presented their chosen topics or areas of study and constructed their own schedule and project design. For the future semesters, we strongly encourage group work but will continue to permit individual work.

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    [WANTED! - Promoting A Welfare Pattern Language in HongKong and Taiwan]
    One new project will start in the spring semester of 2018. This project is about promoting the Chinese version of the pattern language “Words for a Journey - The Art of Being with Dementia” (旅程的關鍵字——與認知障礙症共存的啟示)in Hong Kong and Taiwan. In Hong Kong and Taiwan, there has been a growing problem concerning people with dementia. With this pattern language, we can make the public more aware of how to deal with dementia. This project aims are:
    (1) To hold workshops in Hong Kong and Taiwan
    (2) To support people so that they will be able to hold the workshops by themselves
    (3) To create the mechanism that makes other people want to use “Words for a Journey”
    With that, more people can know about “Words for a Journey” and will be able to use it. Many workshops have already been done in Japan, so we feel that it needs to be spread to Hong Kong and Taiwan as well.
    We are finding people who are interested in societal issues in Hong Kong and/or Taiwan. Chinese skills are not required for this project. We welcome you to join this project if you are interested in improving the society in Hong Kong or Taiwan. Please read this newspaper article in UK and our paper (PDF)about the pattern language.


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    [WANTED!- Pattern Language of Children's Books.]
    Nowadays, more and more children are turning to digital devices, rendering children's books to lose popularity and reduce in quality. There is one ongoing project that aims to raise awareness in the importance of children's books by describing the many elements found in these books in Creative Language format. The elements listed within this project explain why they are essential in children's books and how they assist in the development of children. People who are interested in analyzing children's books are welcome to join!


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    Number of Students
    10


    Requirement

    The theme for our lab is creativity. We are looking for prospective lab members who are willing to commit creatively to the future!


    Class Schedule
  • Official meeting will be on 3rd period of Thursday.
    . In addition, Project activity will also take place on Thursday 3rd period.
  • Members are required to work on their projects outside of class time.



    Special Note
  • With regards to the timing of enrollment, we highly encourage students to join during their early years at SFC (1st years and 2nd years are welcome). Joining early will allow students to gain research experience and get more opportunities. We are looking for members who are willing to study together with us in a long perspective. Breakthrough in knowledge and skills can be expected through long-term commitment.

  • Prof.Iba will be taking sabbatical leave starting from Sep 2018 to Aug 2019. During that time, Iba Lab B will be closed, but Iba Lab A (in Japanese) will still be running. Prospective students are welcome to join Iba Lab B in Spring 2018, but in the year following, they will no longer have the option of Iba Lab B. You are welcome to join Iba Lab A in that time.


  • Join us on opportunities to go on overseas trips to attend workshops and academic conferences. This year we will be visiting Germany in July, China in September, the US in October.


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    Screening Schedule
    Entry submission deadline: Jan 19th
    Interview Session: Jan 24th



    Assignment
    After reading through this syllabus thoroughly, please submit the entry assignment described below via email by January 19th.

    Email to: ilab-entry [at] sfc.keio.ac.jp
    Subject: Iba Lab B (2018 Spring) Entry

    Please attach your entry assignment in a Word, Pages or PDF file.

    Iba Lab B (2018 Spring) Entry

    1. Name, Faculty, Grade, Student ID, login ID
    2. Profile photo (for reference to interview session)
    3. Topic of study you wish to work on in the lab. Reason for your entry. Your enthusiasm towards the project.
    4. Other Labs (Kenkyukai) you are planning on joining next semester (if any)
    5. Labs you have been a part of (if any)
    6. Favorite classes you've taken so far (Multiple answers are welcome)
    7. Courses by Prof. Iba which you have taken before (if any)

    8. Any other introduction of yourself. (Circles, activities, interests, future visions, any other points to sell) *


    The selection interview will be held based on the information given in the entry assignment.



    Assesment Method
    Grading will be based on participation, presentation, and project.


    Materials & Reading List
    References
  • Important Introductory Papers from Iba Lab

    • Takashi Iba, “Pattern Language 3.0 and Fundamental Behavioral Properties,” in Pursuit of Pattern Languages for Societal Change. Designing Lively Scenarios in Various Fields, eds by Peter Baumgartner, Tina Gruber-Muecke, Richard Sickinger, Berlin: epubli, 2016, pp.200-233 [ Book PDF ]
    • Takashi Iba, “Pattern Languages as Media for Creative Dialogue: Functional Analysis of Dialogue Workshops” in PURPLSOC: The Workshop 2014, eds by Peter Baumgartner, Richard Sickinger, Berlin: epubli, 2015, pp.236-255 [ Book PDF ]
    • Takashi Iba, “Future Language for Collaborative Design,” PUARL Conference 2016, USA, Oct., 2016 [ Paper PDF ]
    • Takashi Iba, Taichi Isaku, “Creating a Pattern Language for Creating Pattern Languages: 364 Patterns for Pattern Mining, Writing, and Symbolizing,” 23rd Conference on Pattern Languages of Programs (PLoP2016), USA, Oct., 2016 [ Paper PDF ]
    • Takashi Iba, “An Autopoietic Systems Theory for Creativity,” Procedia - Social and Behavioral Sciences, Vol.2, Issue 4, 2010, pp.305–6625. [ Paper PDF ]

  • Iba Lab Patterns

    • Takashi Iba with Iba Lab, Learning Patterns: A Pattern Language for Creative Learning, CreativeShift Lab, 2014
    • Takashi Iba with Iba Lab, Presentation Patterns: A Pattern Language for Creative Presentations, CreativeShift Lab, 2014
    • Takashi Iba with Iba Lab, Collaboration Patterns: A Pattern Language for Creative Collaborations, CreativeShift Lab, 2014
    • Takashi Iba & Makoto Okada (eds), Iba Lab., and DFJI (Dementia Friendly Japan Initiative), Words for a Journey: The Art of Being with Dementia, CreativeShift Lab, 2015
    • Tomoki Furukawazono & Takashi Iba, Survival Language Project, Survival Language: A Pattern Language for Surviving Earthquakes, CreativeShift Lab, 2015
    • Eri Shimomukai & Sumire Nakamura with Takashi Iba, Change Making Patterns: A Pattern Language for Fostering Social Entrepreneurship, CreativeShift Lab, 2015
    • Kaori Harasawa, Natsumi Miyazaki, Rika Sakuraba, & Takashi Iba, A Tale of Pattern Illustrating, CreativeShift Lab, 2015
    • Takashi Iba with Iba Lab, Pattern Illustrating Patterns: A Pattern Language for Pattern Illustrating, CreativeShift Lab, 2015
    • Tetsuro Kubota, Yuji Harashima, Haruka Mori, Tsuyoshi Ishida, Kaori Harasawa, and Takashi Iba, “Project Design Patterns: Patterns for Designing Architectural Projects,” 5th Asian Conference on Pattern Languages of Programs (AsianPLoP2016), Taiwan, Mar., 2016 [ Paper PDF ]
    • Haruka Mori, Yuji Harashima, Tsuyoshi Ishida, Ayaka Yoshikawa, Takashi Iba, “Project Design Patterns: Sharing the Practices in Successful Projects,” PUARL Conference 2016, USA, Oct., 2016 [ Paper PDF ]
    • Yuma Akado, Shiori Shibata, Ayaka Yoshikawa, Akimitsu Sano, and Takashi Iba, “Cooking Patterns: A Pattern Language for Everyday Cooking,” 5th Asian Conference on Pattern Languages of Programs (AsianPLoP2016), Taiwan, Mar., 2016 [ Paper PDF ]
    • Alice Sasabe, Taichi Isaku, Tomoki Kaneko, Emi Kubonaga, and Takashi Iba, “Parenting Patterns: A Pattern Language for Growing with your Child,” 5th Asian Conference on Pattern Languages of Programs (AsianPLoP2016), Taiwan, Mar., 2016 [ Paper PDF ]
    • Arisa Kamada, Rina Kato, Yuma Akado, Takashi Iba, “Natural Living Patterns: A Pattern Language for Ethical and Sustainable Life,” 23rd Conference on Pattern Languages of Programs (PLoP2016) USA, Oct., 2016 [ Paper PDF ]
    • Takashi Iba, Aya Matsumoto, Arisa Kamada, Nao Tamaki, and Tomoki Kaneko, “A Pattern Language for Living Well with Dementia: Words for a Journey,” International Journal of Organisational Design and Engineering, Volume 4, No. 1/2, 2016, pp.85-112

  • Pattern Language Studies and Examples in Various Areas

    • Christopher Alexander, The Timeless Way of Building, Oxford University Press, 1979
    • Christopher Alexander, Sara Ishikawa, and Murray Silverstein, A Pattern Language: Towns, Buildings, Construction, Oxford University Press, 1977
    • Christopher Alexander, Murray Silverstein, Shlomo Angel, Sara Ishikawa, Denny Abrams, The Oregon Experiment, Oxford University Press, 1975
    • Christopher Alexander with Howard Davis, Julio Martinez, Don Corner, The Production of Houses, Oxford University Press, 1985
    • Christopher Alexander, The Nature of Order, BOOK ONE: The Phenomenon of Life, The Center for Environmental Structure, 2002
    • Christopher Alexander, The Nature of Order, Book 2: The Process of Creating Life, The Center for Environmental Structure, 2003
    • Mary Lynn Manns, Linda Rising, More Fearless Change: Strategies for Making Your Ideas Happen, Addison-Wesley Professional, 2015
    • James O. Coplien, Neil B. Harrison, Organizational Patterns of Agile Software Development, Prentice Hall, 2004
    • Kent Beck, Cynthia Andres, Extreme Programming Explained: Embrace Change, 2nd Edition, Addison-Wesley; 2nd edition, 2004
    • Takashi Iba, “Sociological Perspective of the Creative Society” (Chapter 4) in Designing Networks for Innovation and Improvisation, eds by Matthäus P. Zylka, Hauke Fuehres, Andrea Fronzetti Colladon, Peter A. Gloor, Springer International Publishing, 2016, pp.29-428
    • Takashi Iba, Ayaka Yoshikawa, Tomoki Kaneko, Norihiko Kimura, Tetsuro Kubota, “Pattern Objects: Making Patterns Visible in Daily Life” (Chapter 11) in Designing Networks for Innovation and Improvisation, eds by Matthäus P. Zylka, Hauke Fuehres, Andrea Fronzetti Colladon, Peter A.
    • Gloor, Springer International Publishing, 2016, pp.105-1128
    • Haruka Mori, Norihiko Kimura, Shuichiro Ando, Takashi Iba, “Pattern Concierge: Using Push and Pull Patterns to Help Clients Design Their Future,” 23rd Conference on Pattern Languages of Programs (PLoP2016), USA, Oct., 2016 [ Paper PDF ]
    • Takashi Iba, Ayaka Yoshikawa, “Understanding the Functions of Pattern Language with Vygotsky’s Psychology: Signs, The Zone of Proximal Development, and Predicate in Inner Speech,” 23rd Conference on Pattern Languages of Programs (PLoP2016), USA, Oct., 2016 [ Paper PDF ]
    • Takashi Iba, Ayaka Yoshikawa, “Constructing the Philosophy of Pattern Language: From the Perspective of Pragmatism,” PUARL Conference 2016, USA, Oct., 2016 [ Paper PDF ]
    • Takashi Iba, “Using Pattern Languages as Media for Mining, Analysing, and Visualising Experiences,” International Journal of Organisational Design and Engineering (IJODE), Vol. 3, No.3/4., 2014

  • Creativity, Collaboration, and Creative Society

    • Daniel H. Pink, A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future, Riverhead Trade, 2006
    • R. Keith Sawyer, Explaining Creativity: The Science of Human Innovation, 2nd Edition, Oxford University Press, 2012
    • Mason Currey, Daily Rituals: How Artists Work, Knopf, 2013
    • Carolyn Fleming, Jack Fleming, Thinking Places: Where Great Ideas Were Born, Trafford Publishing, 2007
    • Daniel Goleman & Peter Senge, The Triple Focus: A New Approach to Education, more than sound, 2014
    • Peter M. Senge, C. Otto Scharmer, Joseph Jaworski, Betty Sue Flowers, Presence: Human Purpose and the Field of the Future, Crown Business, 2008
    • C. Otto Scharmer, Theory U: Leading from the Future as It Emerges: The Social Technology of Presenting, Berrett-Koehler, 2009
    • Joseph Jaworski, Source: The Inner Path of Knowledge Creation, Berrett-Koehler Publishers, 2011
    • Peter Gloor, Scott Cooper, Coolhunting: Chasing Down the Next Big Thing, AMACOM, 2007
    • Peter Gloor, Coolfarming: Turn Your Great Idea into the Next Big Thing, AMACOM, 2010
    • Keith Sawyer, Group Genius: The Creative Power of Collaboration, Basic Books, 2008
      Etienne Wenger, Communities of Practice: Learning, Meaning, and Identity, Cambridge University Press, 1999
    • Matthew Lipman, Thinking in Education, 2nd Edition, Cambridge University Press, 2003
    • Ikujiro Nonaka, Hirotaka Takeuchi, The Knowledge-Creating Company: How Japanese Companies Create the Dynamics of Innovation, Oxford University Press, 1995
    • Tom Kelley, Jonathan Littman, The Art of Innovation: Lessons in Creativity from IDEO, America's Leading Design Firm, Crown Business, 2001
    • Neil Gershenfeld, Fab: The Coming Revolution on Your Desktop -- from Personal Computers to Personal Fabrication, Basic Books, 2007
    • Niklas Luhmann, Social Systems, Stanford University Press, 1996
    • Takashi Iba, “Sociological Perspective of the Creative Society,” 6th International Conference on Collaborative Innovation Networks Conference 2016 (COINs16), Italy, Jun., 2016; published in Chapter 4 of Designing Networks for Innovation and Improvisation (Springer Proceedings in Complexity), Zylka, M.P., Fuehres, H., Fronzetti Colladon, A., Gloor, P.A. (Eds.), Springer International Publishing, pp.29-428


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    Iba Lab B (GIGA) - Natural & Creative Living Lab: Global Collaboration to Empower People with Pattern Languages
  • 井庭研だより | - | -

    新規メンバー募集!井庭研 Natural & Creative Living Lab(2018春)- 未来をつくる言葉をつくる

    井庭研Aシラバス(2018年度春学期)
    Natural & Creative Living Lab - 未来をつくる言葉をつくる 
    [ 教育 / コミュニティ / 自然 / これからの創造的な生き方 / 海外との連携 ]


    2018年1月11日(木)4・5限:井庭研プロジェクト見学会@o408研究室
    2018年1月11日(木)6限:井庭研説明会@o408研究室
    2018年1月19日(金):エントリー〆切
    2018年1月23日(火):面接


    【研究テーマ】

    井庭研では、情報社会の次に来るこれからの社会を「創造社会」(Creative Society)と考え、創造的で豊かな生き方を実践・支援するための研究を行なっています。

    井庭研で 「創造的」(creative) というとき、それは「発見の連鎖」をつないでいくということを意味しています。日常的な創造性でも、専門的な創造性でも、小さな発見が次々と生じているような状態を「創造的」だと捉えます。そのような「発見の連鎖」が起きている状況では、つくり手も想定していなかったような展開が生まれ、その経験を通してつくり手は変化・成長します。つくることは探究することであり、学ぶこと、そして変化することなのです。

    このような創造的な活動がいろいろな分野で起きやすくなるための支援の研究が、井庭研で取り組んでいることです。<具体的にどのようなテーマの研究を行うのかは毎年変わりますが、2018年度に取り組みたいと思っているのは、「教育」「コミュニティ」「自然」「これからの生き方」「海外との連携」といった大テーマのもと、以下のプロジェクトに取り組む予定です。

    • アカデミック・ライティング・パターンの作成
    • 生物多様性保全の活動のパターン・ランゲージの作成
    • (SFCの)授業のスタイル・ランゲージの作成
    • 高齢社会における住まい・暮らしのパターン・ランゲージの作成(福祉業界のイノベーターである銀木犀・下河原忠道さん、あおいけあ加藤忠相さんたちから学ばせてもらい研究)
    • 地域・街の楽しみ方のスタイル・ランゲージの作成
    • 香港・台湾での「旅のことば」パターンの展開
    • パターン・アプリ(システム)の開発
    • 教育・学びへのパターン・ランゲージ活用の仕組みづくり
    • パターン・コンサルタント/コンシェルジュの探究と実践
    • ゆるいまちづくり(鯖江市JK課などから学びパターン・ランゲージ作成・展開)
    • 創造性を誘発するジェネラティブ・グラフックの探究とそのパターン・ランゲージ作成(ファシリテーション・グラフィックスやグラフィックレコーディングから学び、展開)


    井庭研では、 一人ひとりがもっているナチュラルな創造性Natural Creativity)の力を信じ、それがより発揮されることを目指しています。かつて、作家のミヒャエル・エンデは、「創造的であるというのは、要するに、人間的であるということにほかならない。」と語りました。井庭研ではさらに、創造的であることは人間的であり、そしてそれは自然(ナチュラル)なことである、と考えています。人為的・作為的な創造行為ではなく、より自然のあり方・かたちに近い創造性のあり方と生き方を探究しています。


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    【アプローチ】

    そのような未来に向けての転換・変化のためには、思想理論方法論道具を駆使していく必要があります。井庭研究室では、「プラグマティズム」などの思想とともに、「システム理論」や「創造性」、「学び」の理論等を踏まえながら、日常的な創造的活動を支援する「クリエイティブ・ランゲージ」とという「メディア」をつくり、その方法論を開発することで、創造的で豊かな生き方ができる社会へのシフトを目指します。

    現在、井庭研がつくっている「クリエイティブ・ランゲージ」 には、1.「パターン・ランゲージ」、2「スタイル・ランゲージ」、3.「ファン・ランゲージ」、4.「フューチャー・ランゲージ」、5.「コンセプト・ランゲージ」などがあります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

    1. パターン・ランゲージ(Pattern Language) は、物事の秘訣や経験則、コツを言語化して共有する方法です。もともとは、建築やソフトウェアのデザイン(設計)の知を言語化する方法として考案・発展してきたものですが、井庭研では人間行為の経験則を言語化する方法として応用してきました。学び、プレゼンテーション、コラボレーション、企画、料理、暮らしのデザインなど、井庭研ではこれまでに30種類以上の領域で1000パターン以上をつくってきました。パターン・ランゲージの使い方については、「対話」のメディアとして用いるということを提案し、実践してきました。いろいろな実践領域のパターン・ランゲージをつくるということは、新しい分野を始める支援をするということで、ソフトな社会インフラをつくっている、と言うことができます。

    2. スタイル・ランゲージ(Style Language) では、その対象における「スタイル」(あり方)について言語化します。それは、ある方向に収斂させようとするためではなく、多様性を保持・増長させるためにつくります。様々なスタイルを表す言葉をつくることで、自らのスタイルを語りやすくなるとともに、自分では思いつかないようなスタイルを知ることができるようになります。また、多様なスタイルが言葉になっていることで、同じようなスタイルを求めている人同士のマッチングも可能になります。スタイル・ランゲージは今年度の研究のなかでつくっていく新しい形式のランゲージです。

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    3. ファン・ランゲージ(Fun Language) は、物事の楽しみ方の言語化です。新しく物事に取り組むということは、なかなか腰が重いものです。それをうまくできるようになるまでは、その本来の面白みは味わうことができません。でも、ちょっとした楽しみ方を知ることで、楽しく実践することができるようになります。どのような楽しみ方をしている人がいるのか、ということを端的な言葉にまとめ、共有することを可能にするのが、ファン・ランゲージです。例えば、 Cooking Fun Languageをつくって、料理の楽しみ方を言語化しました。ファン・ランゲージは、パターン・ランゲージのように「うまくやること」の支援ではなく、「楽しむための発想」を支援します。理にかなって調和を生むデザインというよりは、気持ち、感情、心が動くことで、いきいきとした状態を生み出すのです。

    4. フューチャー・ランゲージ(Future Language) は、未来のヴィジョンを言語化する方法です。コミュニティや組織の未来像、あるいは、これからつくる場やイベントなどのアイデアを出し、それらを語るための言葉をつくります。パターン・ランゲージは何かを生み出すために「どうするとよいのか」を考える支援する方法ですが、それによって何を生み出すかは、各自の具体化に任されています。フューチャー・ランゲージでは、どんな未来をつくるかを、複数人・多人数で協働的に話し合い、明示化して共有することができます。フューチャー・ランゲージによって、協働的な未来づくりが支援されます。

    5. コンセプト・ランゲージ(Concept Language) は、理念や考えを言語化する方法です。組織やコミュニティ、社会に対して共有したい理念・考えがあり、そのままでは伝わりにくい場合に、相互にゆるやかにつながった小さな単位の言葉にすることで、共有しやすくします。コンセプト・ランゲージは、パターン・ランゲージと同じ形式で記述され、使い方も似ています。しかしパターン・ランゲージは、これまでに実践され、良いとわかっている成功事例に潜む共通パターンを言語化するのに対して、コンセプト・ランゲージはこれまでに実践されているとは限りません。新しい環境やテクノロジー、新しい組織体制など、これまでと前提条件が異なる状況で、大切なことを共有したいというときに、コンセプト・ランゲージが有効です。


    このように井庭研には、 自発性と個性を重視しながらポジティブな変化を促す ための方法が揃っています。デザイン・行為のパターン・ランゲージ、多様なあり方のスタイル・ランゲージ、楽しみ方のファン・ランゲージ、未来ヴィジョンづくりのフューチャー・ランゲージ、理念・考えの浸透のコンセプト・ランゲージ、 - これらのクリエイティブ・ランゲージの作成に加えて、 ワークショップ を設計・実施したり、日常の環境に埋め込むための 新しいメディアのデザイン なども行うことで、よりナチュラルでクリエイティブな生き方を支援し、そのための社会の変化を促すことに取り組んでいきます。

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    【運営方針】

    各自どれかひとつのプロジェクトに参加し、研究に取り組みます。それ以外に、20%ルールとして、20%くらいの時間は、自分の好きなようにテーマを設定した研究も取り組みます(Googleで行われているように)。この個人企画を論文にしたり、井庭研の主力プロジェクトに育つこともあり得ます。研究テーマの立ち上げというのは難しく大変なものなので、いきなり個人研究として始めるのではなく、研究とは何かをプロジェクトで仲間とともに取り組みながら学ぶことができるようになっているのと、各人の興味や問題意識も大切にしようということから、このような仕組みにしています。

    井庭研の大きな特徴として、学部生でも自分たちの研究成果を論文にまとめ、国際学会で数多く発表しているということがあります。例えば、2017年は、計27本の論文を書き、それをドイツ、アメリカ、オーストリア、カナダで開催された国際学会で発表してきました。そのほとんどの論文は、学部 2年生~4年生によって書かれています( →2017年 発表論文リスト )。2018年度はドイツ、中国、アメリカで国際学会発表を行う予定です。このように学部生のうちから、学術的な海外のコミュニティを経験できるというのも、井庭研の特徴・魅力のひとつです。

    また、研究成果を書籍として出版することもあります( →2017年 書籍出版リスト )。井庭研では、そのくらい本格的に研究・実践に取り組んでいます。まさに、井庭研がSFC生活の中心となるような活動量です。そういう本格的な研究・実践に一緒に取り組みたいという人を募集します。

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    【あらかじめ読んでおいてほしい必読文献】

    井庭研の研究をさらに理解するために、 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)や 『パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語』 (井庭 崇 編著, 中埜 博, 江渡 浩一郎, 中西 泰人, 竹中 平蔵, 羽生田 栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)は読んでおいてください。 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』 (井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)の第2章(熊坂さんとの対談)も、井庭研で大切にしていることを知ることができるので、ぜひ読んでみてください。


    【履修条件】

  • 知的な好奇心と、創造への情熱を持っている多様な人を募集します。
  • 井庭研での研究に積極的かつ徹底的に取り組もうという気持ちがあること。

  • 研究だけでなく、「コミュニティとしての井庭研」を一緒につくっていく意志があること。


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    【その他・留意事項】

  • 井庭研では、たくさん本を読みます。難しいものもたくさん読みます。それは、知識を身につけるというだけでなく、考え方の型を知り、考える力をつけるためでもあります。さらに、他のメンバーとの共通認識を持ち、共通言語で話すことができるようになるためでもあります。創造の基盤となるのです。

  • 井庭研では、たくさん話して、たくさん手を動かします。文献を読んで考えるということはたくさんやりますが、それだけでは足りません。他のメンバーと議論し、ともに考え、一緒につくっていく、ということによって、一人ひとりの限界を超えることができます。こうして、ようやく《世界を変える力》をもつものをつくることができるのです。

  • 2018年度秋学期と2019年度春学期は、井庭は、在外研究機関で海外に行ってしまうため、研究会は継続しますが、遠隔での指導となります。あらかじめ、承知しておいてください。(そのため、2018年度秋学期と2019年度春学期の新規募集は行わない予定です。興味がある人は、この機会にエントリーしてください。)

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    【授業スケジュール】

  • 井庭研では、どっぷりと浸かって日々一緒に活動に取り組むことが大切だと考えています。大学生活の・時間割上の一部の時間を井庭研の活動に当てるというよりは、 井庭研が大学生活のベースになる ということです。井庭研に入るということは、SFCでの「ホーム」ができるということもあるのです。創造的な活動とその社会的な変革は、毎週数時間集まって作業するというだけでは成り立ちません。いつも、どこにいても考え、アンテナを張り、必要なときに必要なだけ手を動かすことが不可欠です。そのため、自分の生活の一部を埋めるような感覚ではなく、生活の全体に重なり、日々の土台となるようなイメージをもってもらえればと思います。

  • そのなかでも、全員で集まって活動する時間も、しっかりとります。各自が準備をしたり勉強したりする時間とは別に、みんなで集まって話し合ったり、作業を進める時間が必要だからです。井庭研では、 水曜の3限から夜までと、木曜の4限から夜までの時間は、メンバー全員で集まって活動する 《まとまった時間》 としています。これらの時間は、授業や他の予定を入れないようにしてください。


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    【評価方法】

    研究・実践活動への貢献度、および研究室に関する諸活動から総合的に評価します。


    【エントリー課題】
    1月19日(金)までに、指定の内容を書いたメールを提出してください。1月23日(火)に面接を行う予定です。

    エントリーメールの提出先: ilab-entry[at]sfc.keio.ac.jp ([at]を@に変えてください)

    メールのサブジェクト(件名): 井庭研A(2018春) 履修希望

    以下の内容を書いたファイル(PDF、Word、もしくはPages)を、メールに添付してください。

    井庭研A(2018春) 履修希望

    1. 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名, 顔写真 (写真はスナップ写真等で構いません)
    2. 自己紹介(イメージしやすいように、適宜、写真や絵などを入れてください)
    3. 井庭研の志望理由と意気込み(どのテーマのプロジェクトに参加してみたいか)
    4. 日頃の問題意識と興味・関心(プロジェクトに限らず自由にできるとしたら、どういうことに取り組んでみたいか)
    5. 持っているスキル/得意なこと(グラフィックス・デザイン, 映像編集, 外国語, プログラミング, 音楽, その他)
    6. これまでに履修した井庭担当の授業(あれば)
    7. これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
    8. これまでに所属した研究会と、来学期、並行して所属することを考えている研究会(あれば)


    【教材・参考文献】

    2016年度からの継続メンバーは、これまでに以下の本を読んでいます。これらの本も含め、いろいろと読んでいくことになります。

  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)
  • 『パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語』 (井庭 崇 編著, 中埜 博, 江渡 浩一郎, 中西 泰人, 竹中 平蔵, 羽生田 栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
  • 『時を超えた建設の道』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993)
  • 『クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』(スティーブン・グラボー, 工作舎, 1989)
  • 『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)
  • 『ニクラス・ルーマン入門:社会システム理論とは何か』(クリスティアン・ボルフ, 新泉社, 2014)
  • 『創造性とは何か』 (川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
  • 『オープンダイアローグとは何か』 (斎藤環 著+訳, 医学書院, 2015)
  • 『プラグマティズム入門』 (伊藤 邦武, ちくま新書, 筑摩書房, 2016)
  • 『ヴィゴツキー入門』 (柴田 義松, 子どもの未来社, 2006)
  • 『感動をつくれますか?』 (久石 譲, 角川oneテーマ21, 角川書店, 2006)
  • 『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです:村上春樹インタビュー集 1997-2011』 (村上春樹, 文春文庫,文藝春秋, 2011)
  • 『グラウンデッド・セオリー・アプローチ(改訂版):理論を生みだすまで』 (戈木クレイグヒル滋子, 新曜社, 2016)
  • 『創造的論文の書き方』 (伊丹 敬之, 有斐閣, 2001)
  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』 (井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』 (井庭 崇, 岡田 誠 編著, 慶應義塾大学 井庭崇研究室, 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ, 丸善出版, 2015)
    ほか


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