井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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モバイル時代の英語力強化法

人工知能学会誌 Vol. 25 No. 5(2010 年9 月)の「世界のAI,日本のAI」のコーナーにエッセイを書きました。

  • 井庭 崇, 「モバイル時代の英語力強化法 ―日本にいながらの環境構築―」, 人工知能学会誌 Vol. 25 No. 5, pp.710-714, 2010 年9 月

    以下、そのイントロ部分。



    昨年度(2009 年度),1 年間大学業務をお休みし,海外で研究する貴重な機会をいただいた.筆者が所属したのは,MIT Center for Collective Intelligence という,マサチューセッツ工科大学スローン経営学大学院の研究所である.研究所のディレクターは,『The Future of Work』[Malone 04] の著者であり,情報技術が経営・組織をどう変えるのかを長年論じてきたThomas W. Malone 教授である.オープンソース開発やオープンコラボレーション,予測市場などの「集合知による新しい組織化」が社会・組織の在り方をいかに変えるのかを考え,実践する研究所である.

    筆者は, この研究所のResearch Scientist であるPeter Gloor 氏と,彼のもとに集まる学生・研究員との共同研究プロジェクトに参加した.Gloor 氏は,ダイナミックなネットワーク分析によってトレンドの予測をするという,この分野では珍しいタイプの研究をしている研究者である(その成果は,彼の『Swarm Creativity』[Gloor 06] や『Coolhunting』[Gloor 07],『Coolfarming』[Gloor 10] という本で紹介されている).筆者は,この研究所を軸足として,MIT Media Lab,Harvard University Graduate School of Design,Harvard Kennedy School,Northeastern University などにも,ことあるごとに足を運んだ.ボストンならではの多様な知的コミュニティとそこでの交流を垣間見ることができた.

    このエッセイでは,筆者自身が1 年間の滞在を通じて最も強く感じ考えたことについて書こうと思う.それは,簡単にいうならば,「英語力は,いったいどうやったら伸ばすことができるのか」ということである.筆者は滞在中,これまで日本で長い期間英語教育を受けてきたにもかかわらず,どうして自分はこれほどまでに英語ができないのか,と何度も情けなるとともに,自分や日本の英語教育に対してある種の怒りさえ覚えた.日米の研究スタイルの違いなどよりも,何よりもこの英語の問題が最も痛感した問題なので,このエッセイのテーマを「英語」にすべきだと判断した.変に格好をつけたりせず,まずは,筆者の経験を赤裸々に語ることにしよう.そのうえで,どうしたら英語力を高めることができるのか,特に日本にいながらそれを行うにはどうしたらよいのかについて,筆者の考えを書くことにしたい.
    ・・・



    続きは、学会誌の方をご覧ください。かなり具体的な方法や、おすすめのコンテンツについても書いてあります。以下が、エッセイ内の目次です。

    「モバイル時代の英語力強化法 ―日本にいながらの環境構築―」(井庭 崇)

    1. 米国での研究生活で感じた自分の英語力の低さ

     1.1 スピーキング
     1.2 リスニング
     1.3 ライティング
     1.4 リーディング

    2. 日本にいながら英語力を高める方法

     2.1 「言語のシャワー」を浴びる環境をつくる
     2.2 表現のストックをため込む/使う

    3. 多面的なアプローチによるスパイラルアップ

  • 英語漬け生活 | - | -

    「談」(特集:偶有性)

    今朝はなんだか、暗いうちから目が覚めてしまった。

    PCの画面を見る気にはなれなかったので、未明の読書タイム。

    先日本屋でたまたま見かけて買っておいた『談』No.87 (特集:偶有性)を読んだ。(まさに、偶有的に出会った本!)


    津田一郎さんと木本圭子さんの、カオスと時間についての対談が読みたくて買ったのだが、期待どおり、とても面白かった。

    僕が最近、カオスや数学、「動き」(ダイナミクス)に興味をもっているのは、まさにここで語られているような魅力を感じているから。


    そして、同じく収録されている今福龍太さんのインタビュー(アクシデントではなくインシデントから歴史を考えるという話)や、長沼毅さんのインタビュー(生命の記述と説明の話)も、かなり面白かった。

    これだけ分野が違う魅力的な方々を、ひとつのテーマのもとに取り上げた編集者の方、センスがいい。

    久々に、日本語で読んだ(日本語でしか読めない)面白いコンテンツだった。


    『談 Speak, Talk, and Think 2010 no.87』
    (編集・発行:たばこ総合研究センター[TASC] )

    特集:偶有性・・・アルスの起原

    今福龍太: 偶有性を呼び出す手法、反転可能性としての・・・
    長沼毅: 必然と偶然の、その間で生きるものは・・・
    津田一郎×木本圭子: <対談> 自然の内側にあるもの・・・なぜ、人々は、時間に魅了されるのか

    こちらに内容についての紹介あり → http://www.dan21.com/
    最近読んだ本・面白そうな本 | - | -

    涼しい風景たち

    なんだかまだまだ暑い日が続くね。

    気持ちだけでも涼しくなれるように、いくつか “涼しい” 写真を。

    昨年住んでいたケンブリッジ/ボストンでのショット。


    1枚目:凍っているチャールズ・リバー。流れゆく川も、まるごと凍るのだ。

    2枚目:朝、通勤中に足元をみたら、氷づけの落ち葉が。赤いまま封じ込められている。

    3枚目:純白の大地を歩く。

    4枚目:雪化粧の木々は、たくましく見える。

    5枚目:MITがあるケンドール駅周辺。氷点下7度くらいかな。


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    Charles River, Cambridge, MA, USA. Photograph taken by Takashi Iba, 2009.

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    Frozen Leaf, Cambridge, MA, USA. Photograph taken by Takashi Iba, 2009.

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    Footprints on the Snow, Cambridge, MA, USA. Photograph taken by Takashi Iba, 2009.

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    Snow-Frosted Tree, Cambridge, MA, USA. Photograph taken by Takashi Iba, 2009.

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    Kendall, Cambridge, MA, USA. Photograph taken by Takashi Iba, 2009.
    自然と美 | - | -

    水と流れと不変性

    「水」がある場所には、なんともいえない心地よさがある。

    海でも、湖でも、川でもいい。

    流れという「変化」と、いつも流れているという「不変性」が、

    表裏一体となって、そこにある。


    僕が特に好きなのは、波打ち際に樹木が立っている海の風景。

    波に足元を洗われながらも、しっかりとその地に根を生やしている。

    その樹木は、波と風とともに生きているのだ。


    もうひとつの好きな風景は、建物が水に浸っている町。

    持続的な建造物と、流れゆく水。

    持続的ではない町と、存在しつづける自然。


    無色透明の水が、きれいな青や緑の色を放つ。

    ときおり見せる、なめらかな表情。

    人類の歴史なかで、幾度となくメタファーとなり、

    想像力をかきたててきたというのが、わかる気がする。


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    Florida, USA. Photograph taken by Takashi Iba, 2009.

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    Venice, Italy. Photograph taken by Takashi Iba, 2009.

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    Niagara Falls, Canada. Photograph taken by Takashi Iba, 2009.
    自然と美 | - | -

    The Sense of Wonder

    昨年は、僕の人生にとって、とても重要な1年であった。

    それは、世界のトップレベルの大学/研究所で研究する機会を得たからではなく、自分のかなり深いところに封じ込めていた“感覚”を取り戻すことができたからだ。


    アメリカで、自由に好きなことを好きなだけできる、という状況で、僕が選んだのは、自然における自己組織化や自生的な秩序形成というテーマであった。

    もともとやる予定でいた「インターネット上のオープンなコラボレーションの研究」は、早々に切り上げ、秩序の研究に没頭した。

    実はこれは、「転向」というよりは、十数年前に僕の研究の出発点になった「複雑系」の研究への原点回帰、というのに近い。

    十数年前には、複雑系研究としての自分のオリジナルな研究内容がなかったが、昨年は幸いにも、カオスのなかに潜む美しい秩序を発見し、その不思議さと美しさに魅了されながら、研究を進めることになった。


    このような研究活動と同時に、生活面でも、ニューイングランド地方の豊かな四季や、アメリカ東海岸のいくつかの町を体験した。そして、自然の美しさや素晴らしさに感動する日々だった。

    そういう生活のなかで、おそらく僕が取り戻すことができたもの、そしてそれ以降僕の核になっているもの ――― それが、"the sense of wonder"(センス・オブ・ワンダー)だ。


    "the sense of wonder"といえば、それがタイトルになった素敵な本がある。有名なのでご存知の方も多いと思うが、レイチェル・カーソンの『The Sense of Wonder』(邦題:センス・オブ・ワンダー)である。

    このとても薄い本には、子どもとともに自然を探検して、「知る」のではなく「感じる」こと、そして、そのなかで「神秘さや不思議さに目を見はる感性」(=センス・オブ・ワンダー)を磨くことの素晴らしさが、彼女自身の経験をベースに書かれている。

    最近ふと、この本のことを思い出し、読み直してみたのだが、僕が昨年経験したのはまさにこの感覚の回復なのだ、とわかった。


    子どもを公園につれていき、一緒に自然を楽しむ。そのなかでおそらく僕自身が相当変わったのだ。生き返った、と言ってもいいかもしれない。

    そうやって感覚を取り戻しながら、ただでさえ興味深いカオスを生み出す数式、しかもかなりシンプルな数式のなかに、まだ誰も知らない美しい秩序を見つけたのだ。その不思議さと美しさに、思わず感嘆のため息が出たり、わくわくして眠れなかったりもした。

    そして、自然と数学、無限と有限、かたちと成長、多様性、普遍性、生命、個、・・・そういったものに思いを馳せることも多くなった。


    このような境地に達してしまったので、ここ数年の社会事例を追ったり、何かの作業を支援するツールをつくる、というような研究は、もはや僕には魅力的ではなくなってしまった。もっと言ってしまうと、いまの社会の表層的な問題/流行への関心はどんどん薄れていってしまった。

    振り返ってみると、ここ10年、「実学」的であろうともがくなかで、自分が心から突き動かされ、情熱をもって取り組むことができるテーマから、ずいぶんと離れてしまったのではなかろうか。社会や技術の研究に、必要性は感じても、強い知的好奇心を感じることは、僕はほとんどないようである。


    今後は、自分に、そして the sense of wonder に、正直に研究/探究をしていこうと思う。

    そして、お祭りやイベント、僕が今やるべきことではないものなどからは、少し距離をおくことにしたい。

    壮大なテーマに対して、僕に残された時間はほんのわずかしかないのだから。


    CharlesRiver.jpg
    Charles River, Cambridge, MA. Photograph taken by Takashi Iba, 2009.


    ※the sense of wonder について語っている本
    ・Rachel Carson, The Sense of Wonder, 1965 (reprinted by HarperCollins, 1998) 邦訳:『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン, 新潮社版, 1996)

    ※カオスのなかに潜む秩序の研究について書いた論文
    ・Takashi Iba, "Scale-Free Networks Hidden in Chaotic Dynamical Systems", arXiv:1007.4137v1 [nlin.CD], July, 2010
    ( http://arxiv.org/abs/1007.4137 から論文PDFをダウンロードできる)

    ※来学期、井庭研の輪読ではアレグザンダーの最新作を読むが、彼もまた the sense of wonder に忠実な探究者だと思う。
    ・C. Alexander, The Nature of Order, Book 1: The Phenomenon of Life, Center for Environmental Structure, 2001
    ・C. Alexander, The Nature of Order, Book 2: The Process of Creating Life, Center for Environmental Structure, 2003
    このブログについて/近況 | - | -

    Summer Readings --- 井庭研2010 夏休みの課題

    井庭研の今年の夏休みの宿題は、こんな感じ。
    MLに流したメール本文を掲載します。


    井庭研の今年の Summer Readings は、次の3冊を指定します。井庭研における重要文献なので、各自この3冊を至急Amazon.com等で購入し、入手してください。

    (1) The Timeless Way of Building (Christopher Alexander, Oxford University Press, 1979)
    (2) Ubiquity: Why Catastrophes Happen (Mark Buchanan, Three Rivers Press, 2001)
    (3) Orality and Literacy (Walter J. Ong, Routledge, 1988)


    この3冊は、どれも井庭研のベースとなる考え方/思想を魅力的に書いてくれている文献です。表面的にはそれぞれ全く異なる分野の文献ですが、深いところでは相互に共通する思想をもっている、と僕は考えています。この夏は、個々の文献を味わい理解するとともに、これらの文献の背後にある(井庭研的)思想をつかむことに挑んでください。

    上の3つの文献は、プロジェクト別にいうと、(1)が「創造メディアの構築」プロジェクト、(2)が「動きの地図をつくる」プロジェクト、(3)が「英語力強化法のイノベーション」プロジェクトに、一応直結するラインナップになっています。でも、そのため、これらの文献を読むことで、なぜ井庭研でこれらの3つのプロジェクトが並立しているのかが理解できるようになるでしょう。

    今年の Summer Readings は、どの文献も英語版で読んでください。(3冊とも日本語訳も出ているので、どうしてもわからない部分については訳書を適宜参考して構いませんが、英語でも必ず読んでください。原著では同じ単語でも、翻訳の段階で違う日本語が割り当てられてしまい、文献間の共通点に気づけないことがあります。)


    ■■■ より深く読むためのヒント

    特に新規生にとっては、これらの文献で扱っているテーマや、その背後にある思想を探るのは難しいことだと思うので、その糸口となるヒントを示しておきます。以下の点に注目しながら読んでみてください。

    * * *

    (1) The Timeless Way of Building (Christopher Alexander, Oxford University Press, 1979) *Hard cover [邦訳タイトル:『時を超えた建設の道』]
     
    パターン・ランゲージの思想を書いた本です。著者は、数学出身の建築家。ここでは、近代の都市で失われてしまった「古きよき時代の街がもつ質感・秩序」をどのように取り戻すか、という考えが書かれています。パターン・ランゲージは、暗黙知を記述して共有するための方法だといわれていますが、アレグザンダーが目指したのは、単なる暗黙知の記述ではありません。コミュニティの自生的な秩序(spontaneous order)による全体性の成長を支援しようとしました。だからこそ、彼は建築家でありながらも、デザインされた構造そのものより、生成プロセス(generative process)の方を重視します。ということで、以下のことを気にしながら読むといいでしょう。

    ・著者アレグザンダーのそもそも問題意識は何なのか?
    ・"quality without a name"(名づけ得ぬ質)とは何か?
    ・"alive"(生き生きとした)とはどういうことか?
    ・アレグザンダーは、建物や町の"element"(要素)の本質は何だと考えたか?
    ・"pattern"とは何か?
    ・"pattern language"とは何か?
    ・"pattern language"は何を支援するのか?
    ・パターン・ランゲージが"language"(言語)であるとはどういうことか?
    ・"language"として、いかにして生成・創造を支えるのか?

    ◇井庭研の「創造メディアの構築」プロジェクトでは、パターン・ランゲージを、人間活動とそれにまつわるコミュニティの生成・創造の支援のメディアとして位置づけ、その活用方法を探究しています。井庭研では二年前に「学習パターン」をつくりましたが、独自のパターン・ランゲージ(の体系)を実際につくっているグループというのは、世界でもかなり稀です。その経験を活かしながら、僕らはさらなる次の段階を目指していきたい。そのためには、アレグザンダーの思想にいまいちど立ち返り、本質を掴み直す必要があります。

    ◇アレグザンダーは、この本に関連する重要な本をいくつも書いているので、できる人は、ぜひそれらも読んでみてほしいと思います。

    * * *

    (2) Ubiquity: Why Catastrophes Happen (Mark Buchanan, Three Rivers Press, 2001) *paperback [邦訳タイトル: 『歴史は「ベキ乗則」で動く』(新:文庫版)、『歴史の方程式』(古:単行本)]

    自然や社会に潜む動的な秩序についての研究の動向を紹介している本です。この本では、具体的な秩序として"power law"に従っている事例がたくさん紹介されるので、この本を「ベキ乗則」についての本だと思っている人が多い。しかし、実は、本質的に重要なのはそこではなく、以下の点です。

    ・なぜ物理学において"history"(歴史)が重視されているのか?
    ・"accident"(偶然)、"history"(歴史)、"order"(秩序)はどのように相互に関係するのか?
    ・"critical state"(臨界状態)とはどういう状態か?どのような特徴があるか?
    ・物事を"avalanche"(なだれ)として見る視点
    ・"universality"(普遍性)とはどういうことか?
    ・なぜ"universality"に着目することが重要なのか?
    ・なぜ研究手段として"simulation"が重要なのか?

    ◇井庭研の「動きの地図をつくる」プロジェクトでは、システムの"history"をネットワークとして表現するという方法をつくりながら、実際に分析し、さらにそのようなネットワークがもつ"universality"を探究しています。この方法は最近の僕らのオリジナルな方法なので、本には登場しませんが、この本で書かれていることが重要な基盤となっていることは間違いありません。

    ◇"universality"の話は、A. -L. Barabasiの『Linked』にも出てきます。春学期の井庭研の輪読文献であり、また「シミュレーションデザイン」の授業の教科書でもあったので、井庭研メンバーのほとんどの人がすでに読んでいます。まだ読んでいない人は、『Linked』も、自分のリーディングリストに加えておいてください。

    * * *

    (3) Orality and Literacy (Walter J. Ong, Routledge, 1988) *paperback [邦訳タイトル:『声の文化と文字の文化』]

    この本では、昨今よく目にするような「リテラシー」ではなく、口頭でのコミュニケーションの「オーラリティー」に着目している、世界的に有名な本である。面白いことに、「オーラリティー」こそが人類がもともと持っていて重要だった能力なのだ、という視点で、歴史を振り返っている点である。人類の歴史のなかで文字が誕生してから初めて、リテラシー(読み書き能力)ということが問題になった。しかし、人類が文字を使う前にも、言語は存在していた。その時代の言語というものは、文字として記録されることなく、口頭で話す、というなかでのみ存在していた。いうなれば、文字という「継続的に存在するもの」ではなく、音という「生成された途端に消滅してしまうもの」としてのみ、言語は存在していた。昔の「口承文学」の語り部は、定まった物語を記憶して再生していたのではなく、物語のパターン(型)をいくつももっており、それを即興で組み合わせることで、物語を語っていた。これがリテラルな(文字の)時代より前の、つまりオーラルな時代の記憶とコミュニケーションの特徴であった。

    ・"orality"と"literacy"の違い
    ・"orally based thought"の特徴とは何か?
    ・著者が言う"the age of secondary orality"とは?
    ・"oral literature"の語り部は、どのように物語を記憶していたのか?
    ・"orality"が「生成的」であるというのは、どういうことか?

    ◇井庭研の「英語強化法のイノベーション」では、英語力をリテラシーの観点ではなく、オーラリティーの観点から高める方法を探究したいと思っています。口承文学の語り部のように、パターンをため込み、即興で組み合わせながら、英語を話す、というようなイメージです。英語で話すためのパターン(型)は何か、またどのようにトレーニングすればよいのか。そういうことを、自分たちで実践しながら、考えていきます。


    ■■■ レポート提出形式/方法

    内容:文献ごとに、井庭研の内容と関係が深い考え方をまとめるとともに、3冊に共通する思想についてもまとめる。
    言語:日本語もしくは英語
    用紙:A4
    分量:10ページ程度
    内訳:各文献2ページずつ+まとめ4ページ (自分で作成した図表を含む)
    注意:だらだら書くのではなく、きちんと文章の構造化を心がけて書く。Section分けやパラグラフなども駆使する。書いて終わりではなく、自ら推敲し、他の人が読んで理解できる文章にブラッシュアップすること。

    ファイル形式:PDF
    ファイル名:半角ローマ字で姓名を入れる。(例:SR_TakashiIba.pdf)

    提出期限:9月15日(水)24時
    (期限内に提出がない場合、あるいは、明らかに内容・形式的に不足がある場合には、来学期の履修許可を取り下げることがあります。)
    提出先:井庭研メーリングリスト

    議論@合宿:9月末もしくは10月頭の週末に行う予定の「キックオフ合宿」で、この課題を通じて考えたことを話し合います。Summer Readingsの提出物は、全員分、印刷・配布します。
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