慶應義塾大学SFC「創造システム理論」2021シラバス
「創造システム理論」
慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
担当教員:井庭 崇, 若新 雄純
開講:2021年度春学期(後半:6・7月)
曜日時限:金曜4・5限(完全オンライン開講)

【主題と目標/授業の手法など】
これからの時代は、さまざまな問題・課題を解決したり、新しい仕組みやあり方を新たにつくっていくことが不可欠な時代です。まさに一人一人が創造性(クリエイティビティ)を発揮することが求められるのです。それでは、創造的(クリエイティブ)に考えたり、創造的な場やチームをつくるためには、どうしたらよいのでしょうか?
この授業では、創造やコラボレーションに関する理論と、最先端の魅力的な事例について学び、自らの実践へとつなげていくことに取り組みます。この授業は、オンデマンド映像とリアルタイムの時間をうまく組み合わせる《オンデマンド・ライブ・ミックス》の形式で行います。解説のレクチャーはオンデマンド映像で各自見てもらい、金曜4・5限の授業時間中は、担当教員や履修者たちでのインタラクティブなやりとりや、創造的なおしゃべりの時間にします。
なお、2021年度の授業は、全回オンラインで行います(Zoom)。履修者には、授業外で「自分自身の創造実践」(テーマ・方法は何でも構いません)に2回取り組んでもらいます。1回目は、後半科目の開始前の5月下旬までに取り組んで提出してもらいます。2回目は、授業の後半から学期末にかけてです。授業についての情報を適宜更新していくので、慶応SFC「創造システム理論」2021年度授業サイト(https://note.com/iba/m/mfe7888cec66d)を必ず見るようにしてください。
また、考えを深めてもらうために、授業と並行して文献を読む宿題を出すので、授業初回までに早めに、書籍『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』を入手しておいてください。
【授業計画】
第1週(6/4 金):オープニング・トーク + みんなの創造実践成果をみんなで楽しむ1 +「創造システム理論」「深い創造の原理」
井庭・若新の「顔が見えるラジオ」のオープニング・トークからスタートです。その後、履修者が事前に提出してくれた創造実践成果をみんなで見て、面白がり、それについてのおしゃべりをします。さらに、「創造」を発見の連鎖のシステムとして捉える「創造システム理論」と、「深い創造の原理」の7つの原理について理解を深めます。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
第2週(6/11 金):みんなの創造実践成果をみんなで楽しむ2 + 「ゆるい創造」
履修者が事前に提出した創造実践成果をみんなで見て、面白がり、それについてのおしゃべりをします。また、「答え」がわからない複雑な時代において、無理に白黒や勝ち負けをつけようとせず、また短期的な成果を求めすぎずに、試行錯誤を楽しみながら新しい発見を重ねていく「ゆるい創造」について理解を深めます。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
第3週(6/18 金):みんなの創造実践成果をみんなで楽しむ3 +「ジェネレーター」
履修者が事前に提出した創造実践成果をみんなで見て、面白がり、それについてのおしゃべりをします。また、創造的であるために「混沌を抱え、それを飼いならす」ということがどういうことなのかを、複雑系の話を踏まえて理解を深めます。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
第4週(6/25 金):発想妄想ブレイクアウト +「カオス」
これまで見てきた創造実践成果をもとに、どんなことをすると面白いか(どれとどれが組み合わさると面白そうかなど)について創造的なおしゃべりをします。また、物事を面白がりながら少し揺らぎを与えて、さらに創造的に発展するように関わり促していく「ジェネレーター」というスタイル・生き方について理解を深めます。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
第5週(7/2 金):ライトニング・トーク1 +「トリックスター」
この授業でつかんだことを踏まえてどんな創造実践をやろうと思っているのかをライトニング・トーク形式で発表していきます。また、新しさをもたらす異端の道化「トリックスター」の特徴と重要性について理解を深めます。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
第6週(7/9 金):ライトニング・トーク2 + クロージング・トーク
この授業でつかんだことを踏まえてどんな創造実践をやろうと思っているのかをライトニング・トーク形式で発表していきます。また、井庭・若新の「顔が見えるラジオ」の最終回ということで、クロージング・トークで締めくくります。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
【提出課題・試験・成績評価の方法など】
授業と並行して、2回の「自分自身の創造実践」(テーマ・方法は何でも構いません)に取り組んでもらいます。成績評価は、創造実践と、授業への参加、宿題、発表から総合的に評価します。
【履修上の注意】
この科目は、春学期の後半(6・7月)に週2コマ開講する科目です。
授業は全回オンラインで行います(Zoom)。受講に適した通信環境で参加してください。この授業では、一緒に参加していることが感じられるように、《カメラオンの推奨》をしています。
授業についての情報を適宜更新していくので、慶応SFC「創造システム理論」2021年度授業サイト(https://note.com/iba/m/mfe7888cec66d)を必ず見るようにしてください。
授業と並行して、文献を読んでまとめを提出する個人宿題が毎週出ます。授業初回までに早めに、『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 慶應義塾大学出版会)を入手しておいてください。
【履修選抜課題】
受入学生数(予定):約 100 人
選抜方法:課題提出による選抜
「創造」を自分なりに表現する「自撮り動画」を撮影してください。動画は30秒以内とし、YouTubeに限定公開設定でアップし(各自アカウント取得が必要です)、そのURLを提出してください。
「創造」をどう表現するかは自由です。ただし、単に動画の派手さや奇抜さを評価するものではありません。また、動画そのものの画質や編集・加工技術を評価するものではないので、 特別なカメラ機材などを仕様する必要もありません。スマホ撮影で十分です。※構図は必ず「自撮り動画」にしてください。
30秒という時間と「自撮り」という構図の中でいかにして「創造」を表現することができるのか、ぜひ工夫を凝らして楽しんでみてください。この課題を楽しむことができるかどうかが、一種の選抜(Natural Selection)になっていると言えるかもしれません。

【教材・参考文献】
教科書
『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019年)

参考文献
『創造的脱力:かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論」(若新 雄純, 光文社, 2015年)
『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011年)
『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』(井庭 崇, 福原 義久, NTT出版, 1998年)
『創発する社会―慶應SFC〜DNP創発プロジェクトからのメッセージ』(國領 二郎 編著, 日経BPコンサルティング, 2006) ※とくに第1章「創発という、怪しくて魅力的な何か」(熊坂 賢次)
【担当教員】
この授業は、毛色・ノリの異なるこの二人のフュージョンでお届けします!
井庭 崇(いば たかし)
慶應義塾大学総合政策学部 教授。
株式会社クリエイティブシフト代表取締役社長、一般社団法人みつかる+わかる 理事、および、パターン・ランゲージの学術的な発展を促す国際組織 The HillsideGroup 理事も兼務。
2003年、慶應義塾大学後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。
様々な創造実践領域の研究を通じて、創造とはどういうことかを明らかにするために、創造システム理論を構築・提唱している。また、創造社会(Creative Society)の実現に向けての社会論、および、創造実践の支援の方法としての「パターン・ランゲージ」の作成・研究に取り組んでいる。
編著書・共著書に『複雑系入門』(NTT出版、1998年)、『社会システム理論』(慶應義塾大学出版会、2011 年)、『パターン・ランゲージ』(慶應義塾大学出版会、2013年)、『プレゼンテーション・ パターン』(慶應義塾大学出版会、2013年:2013年度グッドデザイン賞受賞)、『旅のことば』(丸善出版、2015年)、『プロジェクト・デザイン・パターン』(翔泳社、2016年)、『対話のことば』(丸善出版, 2018年)、『おもてなしデザイン・パターン』(翔泳社, 2019年)、『園づくりのことば』(丸善出版, 2019年)、『クリエイティブ・ラーニング』(慶應義塾大学出版会, 2019年)など。2012年にNHK Eテレ「スーパープレゼンテーション」で「アイデアの伝え方」の解説を担当。
若新 雄純(わかしん ゆうじゅん)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任准教授。
株式会社NewYouth代表取締役、NEET株式会社代表取締役などを兼任。
慶應義塾大学大学院修了、修士(政策・メディア)。
専門はコミュニケーション論。人・組織・社会における創造的な活動を促すコミュニケーションのあり方を研究・模索。
大学在学中に、障害者の就労支援を行う株式会社LITALICO(東証一部上場)を設立し、取締役COOに就任。その後大学院で研究活動に取り組み、独立。
日本全国の企業・自治体・学校などで実験的政策やプロジェクトを多数提案・実施中。全国の若年無業者(ニート)を100人以上集めた株式会社の発足や、週休4日の「ゆるい就職」プロジェクト、女子高生がまちづくりを模索する「鯖江市役所JK課」プロジェクト(総務大臣賞を受賞)などを企画。
社会のさまざまな現場で調査・フィールドワークを行い、ビジネス誌等での執筆や、テレビ番組のコメンテーターとしての出演、講演実績多数。著書に『創造的脱力~かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論』(光文社新書)がある。
※ 学期前半には、同じ曜日時限に「パターンランゲージ」(井庭・鎌田)が開講されます。併せてどうぞ。
慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
担当教員:井庭 崇, 若新 雄純
開講:2021年度春学期(後半:6・7月)
曜日時限:金曜4・5限(完全オンライン開講)

【主題と目標/授業の手法など】
これからの時代は、さまざまな問題・課題を解決したり、新しい仕組みやあり方を新たにつくっていくことが不可欠な時代です。まさに一人一人が創造性(クリエイティビティ)を発揮することが求められるのです。それでは、創造的(クリエイティブ)に考えたり、創造的な場やチームをつくるためには、どうしたらよいのでしょうか?
この授業では、創造やコラボレーションに関する理論と、最先端の魅力的な事例について学び、自らの実践へとつなげていくことに取り組みます。この授業は、オンデマンド映像とリアルタイムの時間をうまく組み合わせる《オンデマンド・ライブ・ミックス》の形式で行います。解説のレクチャーはオンデマンド映像で各自見てもらい、金曜4・5限の授業時間中は、担当教員や履修者たちでのインタラクティブなやりとりや、創造的なおしゃべりの時間にします。
なお、2021年度の授業は、全回オンラインで行います(Zoom)。履修者には、授業外で「自分自身の創造実践」(テーマ・方法は何でも構いません)に2回取り組んでもらいます。1回目は、後半科目の開始前の5月下旬までに取り組んで提出してもらいます。2回目は、授業の後半から学期末にかけてです。授業についての情報を適宜更新していくので、慶応SFC「創造システム理論」2021年度授業サイト(https://note.com/iba/m/mfe7888cec66d)を必ず見るようにしてください。
また、考えを深めてもらうために、授業と並行して文献を読む宿題を出すので、授業初回までに早めに、書籍『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』を入手しておいてください。
【授業計画】
第1週(6/4 金):オープニング・トーク + みんなの創造実践成果をみんなで楽しむ1 +「創造システム理論」「深い創造の原理」
井庭・若新の「顔が見えるラジオ」のオープニング・トークからスタートです。その後、履修者が事前に提出してくれた創造実践成果をみんなで見て、面白がり、それについてのおしゃべりをします。さらに、「創造」を発見の連鎖のシステムとして捉える「創造システム理論」と、「深い創造の原理」の7つの原理について理解を深めます。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
第2週(6/11 金):みんなの創造実践成果をみんなで楽しむ2 + 「ゆるい創造」
履修者が事前に提出した創造実践成果をみんなで見て、面白がり、それについてのおしゃべりをします。また、「答え」がわからない複雑な時代において、無理に白黒や勝ち負けをつけようとせず、また短期的な成果を求めすぎずに、試行錯誤を楽しみながら新しい発見を重ねていく「ゆるい創造」について理解を深めます。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
第3週(6/18 金):みんなの創造実践成果をみんなで楽しむ3 +「ジェネレーター」
履修者が事前に提出した創造実践成果をみんなで見て、面白がり、それについてのおしゃべりをします。また、創造的であるために「混沌を抱え、それを飼いならす」ということがどういうことなのかを、複雑系の話を踏まえて理解を深めます。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
第4週(6/25 金):発想妄想ブレイクアウト +「カオス」
これまで見てきた創造実践成果をもとに、どんなことをすると面白いか(どれとどれが組み合わさると面白そうかなど)について創造的なおしゃべりをします。また、物事を面白がりながら少し揺らぎを与えて、さらに創造的に発展するように関わり促していく「ジェネレーター」というスタイル・生き方について理解を深めます。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
第5週(7/2 金):ライトニング・トーク1 +「トリックスター」
この授業でつかんだことを踏まえてどんな創造実践をやろうと思っているのかをライトニング・トーク形式で発表していきます。また、新しさをもたらす異端の道化「トリックスター」の特徴と重要性について理解を深めます。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
第6週(7/9 金):ライトニング・トーク2 + クロージング・トーク
この授業でつかんだことを踏まえてどんな創造実践をやろうと思っているのかをライトニング・トーク形式で発表していきます。また、井庭・若新の「顔が見えるラジオ」の最終回ということで、クロージング・トークで締めくくります。(担当:井庭 崇, 若新 雄純)
【提出課題・試験・成績評価の方法など】
授業と並行して、2回の「自分自身の創造実践」(テーマ・方法は何でも構いません)に取り組んでもらいます。成績評価は、創造実践と、授業への参加、宿題、発表から総合的に評価します。
【履修上の注意】
【履修選抜課題】
受入学生数(予定):約 100 人
選抜方法:課題提出による選抜
「創造」を自分なりに表現する「自撮り動画」を撮影してください。動画は30秒以内とし、YouTubeに限定公開設定でアップし(各自アカウント取得が必要です)、そのURLを提出してください。
「創造」をどう表現するかは自由です。ただし、単に動画の派手さや奇抜さを評価するものではありません。また、動画そのものの画質や編集・加工技術を評価するものではないので、 特別なカメラ機材などを仕様する必要もありません。スマホ撮影で十分です。※構図は必ず「自撮り動画」にしてください。
30秒という時間と「自撮り」という構図の中でいかにして「創造」を表現することができるのか、ぜひ工夫を凝らして楽しんでみてください。この課題を楽しむことができるかどうかが、一種の選抜(Natural Selection)になっていると言えるかもしれません。

【教材・参考文献】
教科書

参考文献
【担当教員】
この授業は、毛色・ノリの異なるこの二人のフュージョンでお届けします!
井庭 崇(いば たかし)
慶應義塾大学総合政策学部 教授。
株式会社クリエイティブシフト代表取締役社長、一般社団法人みつかる+わかる 理事、および、パターン・ランゲージの学術的な発展を促す国際組織 The HillsideGroup 理事も兼務。
2003年、慶應義塾大学後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。
様々な創造実践領域の研究を通じて、創造とはどういうことかを明らかにするために、創造システム理論を構築・提唱している。また、創造社会(Creative Society)の実現に向けての社会論、および、創造実践の支援の方法としての「パターン・ランゲージ」の作成・研究に取り組んでいる。
編著書・共著書に『複雑系入門』(NTT出版、1998年)、『社会システム理論』(慶應義塾大学出版会、2011 年)、『パターン・ランゲージ』(慶應義塾大学出版会、2013年)、『プレゼンテーション・ パターン』(慶應義塾大学出版会、2013年:2013年度グッドデザイン賞受賞)、『旅のことば』(丸善出版、2015年)、『プロジェクト・デザイン・パターン』(翔泳社、2016年)、『対話のことば』(丸善出版, 2018年)、『おもてなしデザイン・パターン』(翔泳社, 2019年)、『園づくりのことば』(丸善出版, 2019年)、『クリエイティブ・ラーニング』(慶應義塾大学出版会, 2019年)など。2012年にNHK Eテレ「スーパープレゼンテーション」で「アイデアの伝え方」の解説を担当。
若新 雄純(わかしん ゆうじゅん)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任准教授。
株式会社NewYouth代表取締役、NEET株式会社代表取締役などを兼任。
慶應義塾大学大学院修了、修士(政策・メディア)。
専門はコミュニケーション論。人・組織・社会における創造的な活動を促すコミュニケーションのあり方を研究・模索。
大学在学中に、障害者の就労支援を行う株式会社LITALICO(東証一部上場)を設立し、取締役COOに就任。その後大学院で研究活動に取り組み、独立。
日本全国の企業・自治体・学校などで実験的政策やプロジェクトを多数提案・実施中。全国の若年無業者(ニート)を100人以上集めた株式会社の発足や、週休4日の「ゆるい就職」プロジェクト、女子高生がまちづくりを模索する「鯖江市役所JK課」プロジェクト(総務大臣賞を受賞)などを企画。
社会のさまざまな現場で調査・フィールドワークを行い、ビジネス誌等での執筆や、テレビ番組のコメンテーターとしての出演、講演実績多数。著書に『創造的脱力~かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論』(光文社新書)がある。
※ 学期前半には、同じ曜日時限に「パターンランゲージ」(井庭・鎌田)が開講されます。併せてどうぞ。
授業関連 | - | -