井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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新規メンバー募集!井庭研 Natural & Creative Living Lab(2018秋)シラバス

井庭研シラバス(2018年度秋学期)
Natural & Creative Living Lab - 未来をつくる言葉をつくる(井庭研)

研究指導:井庭 崇(総合政策学部教授)※遠隔
代行教員:清水唯一朗(総合政策学部教授)
研究会タイプ:A型(4単位)

2018年7月11日(木)3-5限:井庭研プロジェクト活動見学@o408研究室
2018年7月12日(木)6限:井庭研説明会@κ12教室(履修希望者は原則参加)
2018年7月18日(木)3-5限:井庭研プロジェクト活動見学@o408研究室
2018年7月20日(金):エントリー〆切
2018年7月24日(火):面接(人数が多かった場合には26日(木)も行います)

2018年7月28日(土):2018年春学期研究発表会(履修希望者は原則参加)

井庭研では、1年生を中心に若干名、新規メンバーを募集します。

【研究テーマ】
Natural & Creative Living Lab(井庭研)は、2018年秋学期と2019年春学期は、担当教員の井庭崇が在外研究期間で海外で研究をしているため、総合政策学部教授の清水唯一朗先生が代行教員となり開講します。研究内容については、井庭が遠隔で指導します。1年間は特殊なかたちの開講となることをあらかじめ承知の上、エントリーしてください(詳しくは7月12日の説明会で説明します)。

井庭研では、情報社会の次に来るこれからの社会を「創造社会」(Creative Society)と考え、創造的で豊かな生き方を実践・支援するための研究を行なっています。

井庭研で 「創造的」(creative) というとき、それは「発見の連鎖」をつないでいくということを意味しています。日常的な創造性でも、専門的な創造性でも、小さな発見が次々と生じているような状態を「創造的」だと捉えます。そのような「発見の連鎖」が起きている状況では、つくり手も想定していなかったような展開が生まれ、その経験を通してつくり手は変化・成長します。つくることは探究することであり、学ぶこと、そして変化することなのです。

このような創造的な活動がいろいろな分野で起きやすくなるための支援の研究が、井庭研で取り組んでいることです。具体的にどのようなテーマの研究を行うのかは毎年変わりますが、2018年秋学期に取り組む予定のプロジェクトは、以下の通りです(各プロジェクトの内容については後述)。

1. 音楽作曲のパターン・ランゲージ プロジェクト
2. 学校でのパターン活用実践・支援 プロジェクト
3. サステナブルな社会とライフスタイル プロジェクト
4. 幸せな生き方のためのパターン・ランゲージ プロジェクト
5. よりよく生ききることの支援のパターン・ランゲージ プロジェクト
6. 日本を楽しむ観光のスタイル・ランゲージ プロジェクト
7. パターン・アプリ プロジェクト
8. 『The Nature of Order, Book 2』翻訳プロジェクト(調整中)
9. 清水研とのコラボ プロジェクト(調整中)


井庭研では、 一人ひとりがもっているナチュラルな創造性(Natural Creativity)の力を信じ、それがより発揮されることを目指しています。かつて、作家のミヒャエル・エンデは、「創造的であるというのは、要するに、人間的であるということにほかならない。」と語りました。井庭研ではさらに、創造的であることは人間的であり、そしてそれは自然(ナチュラル)なことである、と考えています。人為的・作為的な創造行為ではなく、より自然のあり方・かたちに近い創造性のあり方と生き方を探究しています。

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【アプローチ】

そのような未来に向けての転換・変化のためには、思想と理論方法論道具を駆使していく必要があります。井庭研究室では、「プラグマティズム」などの思想とともに、「システム理論」や「創造性」、「学び」の理論等を踏まえながら、日常的な創造的活動を支援する「クリエイティブ・ランゲージ」とという「メディア」をつくり、その方法論を開発することで、創造的で豊かな生き方ができる社会へのシフトを目指します。

現在、井庭研がつくっている「クリエイティブ・ランゲージ」 には、1.「パターン・ランゲージ」、2「スタイル・ランゲージ」、3.「フューチャー・ランゲージ」などがあります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

パターン・ランゲージ(Pattern Language) は、物事の秘訣や経験則、コツを言語化して共有する方法です。もともとは、建築やソフトウェアのデザイン(設計)の知を言語化する方法として考案・発展してきたものですが、井庭研では人間行為の経験則を言語化する方法として応用してきました。学び、プレゼンテーション、コラボレーション、企画、料理、暮らしのデザインなど、井庭研ではこれまでに30種類以上の領域で1000パターン以上をつくってきました。パターン・ランゲージの使い方については、「対話」のメディアとして用いるということを提案し、実践してきました。いろいろな実践領域のパターン・ランゲージをつくるということは、新しい分野を始める支援をするということで、ソフトな社会インフラをつくっている、と言うことができます。

スタイル・ランゲージ(Style Language) では、その対象における「スタイル」(あり方)について言語化します。それは、ある方向に収斂させようとするためではなく、多様性を保持・増長させるためにつくります。様々なスタイルを表す言葉をつくることで、自らのスタイルを語りやすくなるとともに、自分では思いつかないようなスタイルを知ることができるようになります。また、多様なスタイルが言葉になっていることで、同じようなスタイルを求めている人同士のマッチングも可能になります。スタイル・ランゲージは今年度の研究のなかでつくっていく新しい形式のランゲージです。

フューチャー・ランゲージ(Future Language) は、未来のヴィジョンを言語化する方法です。コミュニティや組織の未来像、あるいは、これからつくる場やイベントなどのアイデアを出し、それらを語るための言葉をつくります。パターン・ランゲージは何かを生み出すために「どうするとよいのか」を考える支援する方法ですが、それによって何を生み出すかは、各自の具体化に任されています。フューチャー・ランゲージでは、どんな未来をつくるかを、複数人・多人数で協働的に話し合い、明示化して共有することができます。フューチャー・ランゲージによって、協働的な未来づくりが支援されます。


このように井庭研には、 自発性と個性を重視しながらポジティブな変化を促すための方法がいくつもあります。デザイン・行為のパターン・ランゲージ、多様なあり方のスタイル・ランゲージ、未来ヴィジョンづくりのフューチャー・ランゲージ - これらのクリエイティブ・ランゲージの作成に加えて、ワークショップを設計・実施したり、日常の環境に埋め込むための新しいメディアのデザインなども行うことで、よりナチュラルでクリエイティブな生き方を支援し、そのための社会の変化を促すことに取り組んでいきます。


【運営方針】

各自どれかひとつのプロジェクトに参加し、研究に取り組みます。 各プロジェクトは、複数人で構成され、成果を生み出すためのチームとして、ともに助け合い、高め合い、学び合いながら、研究に取り組みます。

井庭研の大きな特徴として、学部生でも自分たちの研究成果を論文にまとめ、国際学会で数多く発表しているということがあります。例えば、2017年は、計27本の論文を書き、それをドイツ、アメリカ、オーストリア、カナダで開催された国際学会で発表してきました。そのほとんどの論文は、学部 2年生~4年生によって書かれています。2018年度はドイツ、中国、アメリカで国際学会発表を行います。このように学部生のうちから、学術的な海外のコミュニティを経験できるというのも、井庭研の特徴・魅力のひとつです。

また、研究成果を書籍として出版することもあります。井庭研では、そのくらい本格的に研究・実践に取り組んでいます。まさに、井庭研がSFC生活の中心となるような活動量です。そういう本格的な研究・実践に一緒に取り組みたいという人を募集します。

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【プロジェクト紹介】

1. 音楽作曲のパターン・ランゲージ プロジェクト
映画音楽の作曲家の渡邊崇さんとの共同研究で、作曲における曲のデザイン・パターンの作成を試みます。作曲時にどのようなパターンを発動しながら曲ができていくのかを抽出・解明し、作曲をしようとしている人の支援につなげます。興味がある人は、創造社会論2018の渡邊崇×井庭崇対談を見てください(http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/class/class_top.cgi?2018_38368)。

2. 学校でのパターン活用実践・支援 プロジェクト
これまで井庭研がつくったパターン・ランゲージの小・中・高校・大学での活用を推進します。希望する学校に実際に出向いてワークショップを行うほか、活用したい先生たちの後方支援も行います。活用で扱う主なものは、ラーニング・パターン、プレゼンテーション・パターン、コラボレーション・パターン、ミラパタ(未来の自分をつくる場所:進路を考えるためのパターン・ランゲージ)、対話のことば(オープン・ダイアローグ・パターン)、プロジェクト・デザイン・パターンなどです。

3. サステナブルな社会とライフスタイル プロジェクト
生物多様性保全活動の実践とコミュニティ形成のパターン・ランゲージの作成や、エシカルライフを広めるためのパターン・ランゲージの活用に取り組みます。

4. 幸せな生き方のためのパターン・ランゲージ プロジェクト
慶応SDMの前野隆司先生の「幸せの4因子」を実践している人から抽出した、幸せに生きることの実践を支えるパターン・ランゲージを作成し、ワークショップを行います。

5. よりよく生ききることの支援のパターン・ランゲージ プロジェクト
高齢者の居場所づくりのイノベーターの方々から抽出した、高齢者が最期まで「よりよく生ききる」ことの支援のパターン・ランゲージを作成します。下河原 忠道さん(銀木犀)、加藤 忠輔さん(あおいけあ)、前田 隆行さん(DAYS BLG!)、若野 達也さん(きずなや)にインタビューをしたものから、パターンをつくっています。夏休み中も活動する予定です。

6. 日本を楽しむ観光のスタイル・ランゲージ プロジェクト
小田急電鉄株式会社さんとの共同研究で、訪日外国人旅行者の日本観光における楽しみ方の調査および小田急沿線におけるコンテンツ発掘の研究に取り組みます。本プロジェクトは、成果をスタイル・ランゲージのかたちでまとめます。

7. パターン・アプリ プロジェクト
パターン・ランゲージを使う支援をするアプリの開発に取り組みます。


8. 『The Nature of Order, Book 2』翻訳プロジェクト (調整中)
アレグザンダーの主著のひとつ『The Nature of Order』の第2巻を原著の英語から日本語に翻訳していきます。

9. 清水研とのコラボ プロジェクト(調整中)
清水唯一朗先生や清水研の興味分野でのパターン・ランゲージ作成に取り組むことを計画・調整中です。


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【あらかじめ読んでおいてほしい必読文献】

井庭研の研究をさらに理解するために、 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)や 『パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語』 (井庭 崇 編著, 中埜 博, 江渡 浩一郎, 中西 泰人, 竹中 平蔵, 羽生田 栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)は読んでおいてください。 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』 (井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)の第2章(熊坂さんとの対談)も、井庭研で大切にしていることを知ることができるので、ぜひ読んでみてください。


【履修条件】

  • 知的な好奇心と、創造への情熱を持っている多様な人を募集します。
  • 井庭研での研究に積極的かつ徹底的に取り組もうという気持ちがあること。
  • 個々の研究だけでなく、「コミュニティとしての井庭研」を一緒につくっていく意志があること。


    【その他・留意事項】

  • 井庭研では、たくさん本を読みます。難しいものもたくさん読みます。それは、知識を身につけるというだけでなく、考え方の型を知り、考える力をつけるためでもあります。さらに、他のメンバーとの共通認識を持ち、共通言語で話すことができるようになるためでもあります。創造の基盤となるのです。

  • 井庭研では、たくさん話して、たくさん手を動かします。文献を読んで考えるということはたくさんやりますが、それだけでは足りません。他のメンバーと議論し、ともに考え、一緒につくっていく、ということによって、一人ひとりの限界を超えることができます。こうして、ようやく《世界を変える力》をもつものをつくることができるのです。

  • 2018年秋学期と2019年春学期は、担当教員の井庭崇が在外研究期間で海外で研究をしているため、総合政策学部教授の清水唯一朗先生が代行教員となり開講します。研究内容については、井庭が遠隔で指導します。1年間は特殊なかたちの開講となることをあらかじめ承知の上、エントリーしてください。

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    【授業スケジュール】

    井庭研では、どっぷりと浸かって日々一緒に活動に取り組むことが大切だと考えています。大学生活の・時間割上の一部の時間を井庭研の活動に当てるというよりは、 井庭研が大学生活のベースになるということです。井庭研に入るということは、SFCでの「ホーム」ができるということもあるのです。創造的な活動とその社会的な変革は、毎週数時間集まって作業するというだけでは成り立ちません。いつも、どこにいても考え、アンテナを張り、必要なときに必要なだけ手を動かすことが不可欠です。そのため、自分の生活の一部を埋めるような感覚ではなく、生活の全体に重なり、日々の土台となるようなイメージをもってもらえればと思います。

    そのなかでも、全員で集まって活動する時間も、しっかりとります。各自が準備をしたり勉強したりする時間とは別に、みんなで集まって話し合ったり、作業を進める時間が必要だからです。井庭研では、 水曜の3限から夜までと、木曜の4限から夜までの時間は、メンバー全員で集まって活動する 《まとまった時間》 としています。これらの時間は、授業や他の予定を入れないようにしてください。


    【評価方法】

    研究・実践活動への貢献度、および研究室に関する諸活動から総合的に評価します。


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    【エントリー課題】

    新規生は、1年生を中心に若干名募集します。7月20日(金)までに、指定の内容を書いたメールを提出してください。7月24日(火)に面接を行う予定です(人数が多かった場合には予備日の26日(木)にも行います)。

    エントリーメールの提出先: ilab-entry[at]sfc.keio.ac.jp ([at]を@に変えてください)

    メールのサブジェクト(件名): 井庭研(2018秋) 履修希望

    以下の内容を書いたファイル(PDF)を、メールに添付してください。

    井庭研(2018秋) 履修希望

    1. 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名, 顔写真 (写真はスナップ写真等で構いません)
    2. 自己紹介(イメージしやすいように、適宜、写真や絵などを入れてください)
    3. 井庭研の志望理由と参加したいプロジェクト ※迷っている人は複数書いて構いません
    4. 日頃の問題意識と興味・関心(プロジェクトに限らず自由にできるとしたら、どういうことに取り組んでみたいか)
    5. 持っているスキル/得意なこと(グラフィックス・デザイン, 映像編集, 外国語, プログラミング, 音楽, その他)
    6. これまでに履修した井庭担当の授業(あれば)
    7. これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
    8. これまでに所属した研究会と、来学期、並行して所属することを考えている研究会(あれば)

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    【教材・参考文献】

    2016年度からの継続メンバーは、これまでに以下の本を読んでいます。これらの本も含め、いろいろと読んでいくことになります。

  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)
  • 『パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語』 (井庭 崇 編著, 中埜 博, 江渡 浩一郎, 中西 泰人, 竹中 平蔵, 羽生田 栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
  • 『時を超えた建設の道』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993)
  • 『クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』(スティーブン・グラボー, 工作舎, 1989)
  • 『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)
  • 『ニクラス・ルーマン入門:社会システム理論とは何か』(クリスティアン・ボルフ, 新泉社, 2014)
  • 『創造性とは何か』 (川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
  • 『オープンダイアローグとは何か』 (斎藤環 著+訳, 医学書院, 2015)
  • 『プラグマティズム入門』 (伊藤 邦武, ちくま新書, 筑摩書房, 2016)
  • 『ヴィゴツキー入門』 (柴田 義松, 子どもの未来社, 2006)
  • 『感動をつくれますか?』 (久石 譲, 角川oneテーマ21, 角川書店, 2006)
  • 『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです:村上春樹インタビュー集 1997-2011』 (村上春樹, 文春文庫,文藝春秋, 2011)
  • 『グラウンデッド・セオリー・アプローチ(改訂版):理論を生みだすまで』 (戈木クレイグヒル滋子, 新曜社, 2016)
  • 『創造的論文の書き方』 (伊丹 敬之, 有斐閣, 2001)
  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』 (井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』 (井庭 崇, 岡田 誠 編著, 慶應義塾大学 井庭崇研究室, 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ, 丸善出版, 2015)

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