2022夏プロ「実践の本質学:パターン・ランゲージのための現象学探究」
井庭研2022夏の特別研究プロジェクト
「実践の本質学:パターン・ランゲージのための現象学探究」
担当:井庭 崇(総合政策学部教授)
タイプ:特別研究プロジェクトA(4単位:2022年秋学期に履修申告)
実施形態:対面(オンラインも活用)
【概要】
かつて哲学者エトムント・フッサールは、自然科学のような「事実学」に対して、「本質学」としての現象学を提唱しました。その言葉を借りるのであれば、よい実践とは何かの本質を追究するパターン・ランゲージの研究は、「実践の本質学」と呼び得るでしょう。本特別研究プロジェクトでは、現象学の重要概念の理解を深めることで、よりよいパターン・ランゲージ作成の実践感覚についてつかんでいきます。また、そのあり方や方法論について自分の言葉でしっかりと説明できることを目指します。
全体の進め方としては、三部構成になっています。まず最初に、私たちの目的に適した入門的な文献を読むことで、現象学の基本的な考え方を理解します。そこから、フッサールの著作を、現象学的還元、間主観的還元、本質観取(形相的還元)の三点の理解を軸として、該当箇所を読み込んでいきます。最後に、それらで得られた理解をもとに、パターン・ランゲージ作成における実践のポイントを明らかにするとともに、その方法論について考察し、レポートにまとめます。
各回では、初回に決める担当者(複数の履修者)に、重要な箇所を引用してまとめた資料を作成し発表してもらいます。他の参加者は、その日の文献に目を通してくることは求められますが、文献メモ(自分にとって重要な箇所について書き出したもの)の提出は任意とします。当日は、発表担当者とプロジェクト担当教員を中心に、その文献の重要箇所を一つひとつ確認し、理解を深めていきます。
【本プロジェクトで取り上げる文献】
■現象学の入門的な文献
■今回読むフッサールの著作
■今回全員での読解対象ではないが、とても参考になる文献
■パターン・ランゲージについて理解するための文献
【参加条件】
2022年度春学期に井庭研究会を履修していた人もしくは、2022年度秋学期に井庭研究会を履修予定の人
担当教員と相談の上、履修志望理由を7月31日までに担当教員に提出。
【必要経費】
各自、文献購入に約4万円ほどの費用がかかる予定です。
【評価方法】
文献読解、出席、発表、話し合いでの貢献、最終レポートから総合的に判断します。
【授業スケジュール】
8/3(水)10:00〜18:00 イントロダクション(オンラインのみ)
特別研究プロジェクトの目的と進め方を確認し、今後の各回の文献について発表する担当者を決めます。『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』と『現象学とは何か』の内容について重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
8/16(火)10:00〜18:00 『現象学の理念』(対面)
『現象学の理念』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。終了後、夜、懇親会を行います。
8/17(水)10:00〜18:00 『ブリタニカ草稿』(対面+オンライン)
『ブリタニカ草稿』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
8/31(水)10:00〜18:00 『デカルト的省察』(対面+オンライン)
『デカルト的省察』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
9/1(木)10:00〜18:00 『経験と判断』(対面+オンライン)
『経験と判断』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
9/26(月)10:00〜18:00 『イデーン I-I』+『イデーン I-II』(対面+オンライン)
『イデーン I-I』と『イデーン I-II』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
9/27(火)10:00〜18:00 イデーン II-I』+『イデーン II-II』(対面+オンライン)
『イデーン II-I』と『イデーン II-II』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
9/29(木)13:00〜17:00 ふりかえり(対面)
これまで読んできた文献をふりかえって、まとめの話し合いをします。終了後、夜、懇親会を行います。
最終レポート(現象学からみたパターン・ランゲージについて)
「実践の本質学:パターン・ランゲージのための現象学探究」
担当:井庭 崇(総合政策学部教授)
タイプ:特別研究プロジェクトA(4単位:2022年秋学期に履修申告)
実施形態:対面(オンラインも活用)
【概要】
かつて哲学者エトムント・フッサールは、自然科学のような「事実学」に対して、「本質学」としての現象学を提唱しました。その言葉を借りるのであれば、よい実践とは何かの本質を追究するパターン・ランゲージの研究は、「実践の本質学」と呼び得るでしょう。本特別研究プロジェクトでは、現象学の重要概念の理解を深めることで、よりよいパターン・ランゲージ作成の実践感覚についてつかんでいきます。また、そのあり方や方法論について自分の言葉でしっかりと説明できることを目指します。
全体の進め方としては、三部構成になっています。まず最初に、私たちの目的に適した入門的な文献を読むことで、現象学の基本的な考え方を理解します。そこから、フッサールの著作を、現象学的還元、間主観的還元、本質観取(形相的還元)の三点の理解を軸として、該当箇所を読み込んでいきます。最後に、それらで得られた理解をもとに、パターン・ランゲージ作成における実践のポイントを明らかにするとともに、その方法論について考察し、レポートにまとめます。
各回では、初回に決める担当者(複数の履修者)に、重要な箇所を引用してまとめた資料を作成し発表してもらいます。他の参加者は、その日の文献に目を通してくることは求められますが、文献メモ(自分にとって重要な箇所について書き出したもの)の提出は任意とします。当日は、発表担当者とプロジェクト担当教員を中心に、その文献の重要箇所を一つひとつ確認し、理解を深めていきます。
【本プロジェクトで取り上げる文献】
■現象学の入門的な文献
- 『人間科学におけるエヴィデンスとは何か:現象学と実践をつなぐ』(小林 隆児, 西 研 編著, 新曜社, 2015)
- 『現象学とは何か:哲学と学問を刷新する』(竹田 青嗣, 西 研 編著, 2020)
■今回読むフッサールの著作
- 『現象学の理念』(E.フッサール著, 長谷川 宏 訳, 作品社, 1997)
- 『ブリタニカ草稿:現象学の核心』(フッサール著, 谷 徹 訳, ちくま学芸文庫, 2004)
- 『デカルト的省察』(フッサール著, 浜渦 辰二 訳, 岩波文庫, 岩波書店, 2001)
- 『経験と判断』(エトムント・フッサール, L.ランドグレーベ 編, 長谷川 宏 訳, 新装版, 河出書房新社, 1999)
- 『イデーン I-I:純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 第1巻 純粋現象学への全体的序論』(エトムント・フッサール, 渡辺二郎 訳, みすず書房, 1979)
- 『イデーン I-II:純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 第1巻 純粋現象学への全体的序論』(エトムント・フッサール, 渡辺二郎 訳, みすず書房, 1984)
- 『イデーン II-I:純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 第2巻 構成についての現象学的諸研究』(エトムント・フッサール, 立松 弘孝, 別所 良美 訳, みすず書房, 2001)
- 『イデーン II-II:純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 第2巻 構成についての現象学的諸研究』(エトムント・フッサール, 立松 弘孝, 榊原 哲也 訳, みすず書房, 2001)
■今回全員での読解対象ではないが、とても参考になる文献
- 『現象学入門』(竹田 青嗣, NHK出版, 1989)
- 『哲学は対話する:プラトン、フッサールの〈共通了解をつくる方法〉』(西 研, 筑摩書房, 2019)
- 『超解読! はじめてのフッサール『現象学の理念』』(竹田 青嗣, 講談社現代新書, 講談社, 2012)
- 『完全解読 フッサール『現象学の理念』』(竹田 青嗣, 講談社選書メチエ, 講談社, 2012)
- 『哲学的思考:フッサール現象学の核心』(西 研, ちくま学芸文庫, 筑摩書房, 2001)
- 『哲学とは何か』(竹田 青嗣, NHK BOOKS, NHK出版, 2020)
- 『〈普遍性〉をつくる哲学:「幸福」と「自由」をいかに守るか』(岩内 章太郎, NHK BOOKS, NHK出版, 2021)
- 『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』(E.フッサール, 中公文庫, 中央公論新社, 1995)
- 『イデーン III:純粋現象学と現象学的哲学のための諸構想 第2巻 構成についての現象学的諸研究』(エトムント・フッサール, 渡辺 二郎, 千田 義光 訳, みすず書房, 2010)
■パターン・ランゲージについて理解するための文献
- 『時を超えた建設の道』(C・アレグザンダー著, 平田 翰那 訳, 鹿島出版会, 1993)
- 『パタン・ランゲージ:環境設計の手引』(C・アレグザンダー他 著, 平田 翰那 訳, 鹿島出版会, 1984)
【参加条件】
2022年度春学期に井庭研究会を履修していた人もしくは、2022年度秋学期に井庭研究会を履修予定の人
担当教員と相談の上、履修志望理由を7月31日までに担当教員に提出。
【必要経費】
各自、文献購入に約4万円ほどの費用がかかる予定です。
【評価方法】
文献読解、出席、発表、話し合いでの貢献、最終レポートから総合的に判断します。
【授業スケジュール】
8/3(水)10:00〜18:00 イントロダクション(オンラインのみ)
特別研究プロジェクトの目的と進め方を確認し、今後の各回の文献について発表する担当者を決めます。『人間科学におけるエヴィデンスとは何か』と『現象学とは何か』の内容について重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
8/16(火)10:00〜18:00 『現象学の理念』(対面)
『現象学の理念』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。終了後、夜、懇親会を行います。
8/17(水)10:00〜18:00 『ブリタニカ草稿』(対面+オンライン)
『ブリタニカ草稿』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
8/31(水)10:00〜18:00 『デカルト的省察』(対面+オンライン)
『デカルト的省察』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
9/1(木)10:00〜18:00 『経験と判断』(対面+オンライン)
『経験と判断』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
9/26(月)10:00〜18:00 『イデーン I-I』+『イデーン I-II』(対面+オンライン)
『イデーン I-I』と『イデーン I-II』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
9/27(火)10:00〜18:00 イデーン II-I』+『イデーン II-II』(対面+オンライン)
『イデーン II-I』と『イデーン II-II』の内容について、担当者のレジュメ発表のあと、重要箇所の理解を深めるための話し合いをします。
9/29(木)13:00〜17:00 ふりかえり(対面)
これまで読んできた文献をふりかえって、まとめの話し合いをします。終了後、夜、懇親会を行います。
最終レポート(現象学からみたパターン・ランゲージについて)
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