井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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学習パターン英語版の表紙デザイン案、その後の展開

この前取り上げた学習パターン英語版の表紙デザインの案、いろいろ反応・感想、ありがとう。

どのデザインにも票が入ったが、一番上の「芽がでてきているのを見ている」絵が入っているデザインが一番人気だった。


実は、この表紙デザインに関して、面白い展開があったので紹介したい。


プロジェクトのメンバーのひとりが、もっとダイナミックな絵がいい、といって、手書きの図案を送ってきた。黒と白のコントラストをもっと出して、キャラクターにも動きをつけよう、と。

でも、黒と白のコントラストを効かせた背景は、印刷の都合で黒のベタ塗りができないので、だめだ、残念、となった。


ところが次の日、他のメンバーが、この案のキャラクターの特徴を活かした新しいデザイン案をつくって送ってきてくれた。

これが、ものすごくかわいくて、動きがあって、よいデザインだった。

とても気に入ったので、表紙1〜3ではなく、この新案(4?)をベースにして、表紙のデザインを進めることにしようと思っている。


それにしても、久々に素晴らしい創造の連鎖であった。

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学習パターン英語版の表紙デザイン案

昨日、特別研究プロジェクトの予定されていた全日程が終わった。それで、学習パターンの英語版はどうなったかというと・・・まだまだ鋭意作成中!(笑)

まだまだ先は長い。結局、昨日までにどこまでできたのかというと、2周目のレビューが完了したのは20個(全体の半分!)だけ。まだ、そういう状況なのだ。

で、どうするのかというと、明日/明後日、参加できる有志の人だけでレビューを続ける。2周目のレビューは、朝10時から夜7時までやって、12パターンというペース。あと2日あれば全パターンの2周目のレビューが終わるはず(終わってほしい。ほんとに)。

というわけで、今日は集まりはなかったので、ひとり作業に集中。いろいろ冊子制作に必要となる作業を進めた。

そのなかで、英語版冊子の表紙のデザイン案をいくつかつくってみた。

どうだろう???

(このブログ、コメント機能をOFFにしているので、感想等はぜひ Twitterで @takashiiba まで!)

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(右側が表表紙、左側が裏表紙。画像をクリックすると拡大。今回は、印刷の都合で、灰色は使わず白黒のみの表現で制作。)
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学習パターンの英語化プロジェクト、その後

特別研究プロジェクトの開始から5日が過ぎた。

前回書いたように、初日からずっと学習パターンの英訳版のレビューを行ってきた。そしてようやく、40個のパターンのレビュー1周目(!)が終了した。

2つのライターズワークショップを並行して行ってきたが、毎日朝10時から夜7時まで取り組み、まる5日間かかったことになる。やはり、パターン・ライティングは時間がかかる。

今回は、新しくパターンの内容をつくっているというわけではないが、それでも、そのパターンの意味するところや表現の意図を深く理解し、それを踏まえて、英語らしい表現で書く必要がある。

そういうこだわりをもって取り組むと、ひとつのパターンあたり、たいてい1時間半はかかってしまう。苦戦したパターンのなかには、3時間かかったものもある。

パターン名についても見直し、必要なものについては新しいものを考えた。例えば、以下のようなパターン名の変更を考えている(左が新名称、右が旧名称)。

Right Way (← 目的へのアプローチ:旧 Appropriate Approach)
Fruit Farming (← 小さく生んで大きく育てる:旧 Start Small, Let it Grow)
Talking Thinker (← 「はなす」ことでわかる:旧 Release of Thought)
Tangible Determination (← 断固たる決意:旧 Firm Determination)
Good Asking (← 教わり上手になる:旧 Good Learner)
Manebu (← 「まねぶ」ことから:旧 Mimic Learning)
Frontier Finder (← フロンティアンテナ:旧 Frontier Antenna)
Field Diving (← フィールドに飛び込む:旧 Field Dive)

日本語のパターン名は、日本語がもつ独特の表現/音・韻にもとづいてつくられているので、そのまま英語に訳しても、英語でのパターン名として成り立たない。あきらかに不自然になってしまう。

また、日本語版冊子には英語パターン名も記載されているのであるが、当時の時間的制約のなかで決めたものにすぎず、完璧なものではない。今回ようやく、内容をより反映したパターン名にしたり、英語らしい言葉を選び直したりすることができた。

このパターン名の変更も、パターン本文の修正も、ビシっと決まる表現が見つかるまで、非常に息苦しい時間が続く。まさに産みの苦しみである。

5日間の活動のほとんどの時間がこの苦しい時間。そのなかに、すっきりする瞬間がほんの一瞬だけある。でも、すっきりしたら、すぐまた次の苦しみに移る。だから、ほとんどの時間は苦しんでいる時間だ。

何かを「つくる」というのは、そういうことなのだと思う。


なにはともあれ、5日間かけてすべてのパターンをレビューした。今日(土曜日ではあるが)からは、各自が書き直してきたパターンのレビューの2周目に入る。

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SFC特別研究プロジェクト(井庭 崇)「Creative Systems Lab(特別編):『学習パターン』英語版の制作」プロジェクトメンバー
(今回一緒にがんばっているメンバーは、井庭研の学部生と大学院生。下は学部1年生から上は修士2年生まで。このうち、日本語版の学習パターンの制作に関わったのは3人。)
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学習パターンの英語化プロジェクト、鋭意進行中!

夏の特別研究プロジェクトの2日目が終わった。

今回のプロジェクトのミッションは、実に明快。2年前に僕らが日本語でつくった『学習パターン』の英語版をつくるということ。

ミッションは明快だが、作業は簡単ではない。「英語版をつくる」というのは、単に「日本語を英語に変換する」ということではないからだ。

日本語では曖昧に書くことができた文章も、英語にすると途端に意味不明なものになる。だから、一行一行その内容を深く理解しながら英語で書き直さなければならない。しかも、できる限り英語らしい英語で表現したい。

辞書や関連書籍、Webなどを調べながら、もっとも適した表現を探っていく。自分がもっている文法や表現の知識も総動員する。やってみるとわかるが、これは本当に大変な作業だ。そして、同時に、かなり英語表現/英作文の勉強にもなる。

よい表現に行き着くことができればかなりスッキリするが、そこに至るまでは非常に居心地の悪い状態が続く。朝10時に集まり、それから夜7時か8時まで、ずーーーーっと、パターンの英語表現を考える。ほとんどの時間は、うーん、と唸っている。そういう「地味」なプロジェクトである。


このプロジェクトが始まる前に、プロジェクトメンバーは割り当てられたパターンの英訳を済ませてきている。ここ2日やってきたのは、それらのパターン表現をブラッシュアップする「ライターズ・ワークショップ」というもの。

1パターンあたりだいたい1時間から1時間半、そのパターンの表現をどうすればよりよくできるのかを話し合う。ライターズ・ワークショップでは、そのパターンを書いてきた本人は原則としてしゃべることはできず、その話し合いを聞きながらひたすら修正点や改善案をメモする。これが、「ライターズ・ワークショップ」のユニークな特徴である。

プロジェクト初日は、11人全員が同じライターズワークショップに参加し、話し合った。これは、ワークショップの進め方、修正の視点、クオリティのレベル等の理解の足並みを揃えるためである。

2日目からは、スピードアップをはかるために、全体を2つのチームに分け、ライターズワークショップを並行開催した。これによって、倍のパターンをさばけるようになった。

とはいえ、昨日と今日でレビューが終わったパターンは15個。残りあと25個。まだまだ先は長い。。。

しかも、英語版完成までに、各パターンのレビューをあと2周は回したい。後半はクオリティが上がるのでスピードも上がってくるものだが、それにしても時間的にはかなりタイトだ。

さらに、プロジェクトメンバーは、学校で行うこのワークショップだけでなく、レビュー後のパターンを修正するという宿題も出る。ワークショップだけでもヘトヘトなのに。。。

でも、そのくらいやらないと、いいものはできない。もう、この1週間は、プロジェクトの「竜巻」に巻き込まれて生活のすべてがそれになってしまうという感じだろう。ぜひとも、プロダクティブな竜巻でありたいものだ(そうそう。実際の台風の接近も心配である)。

パターン・ランゲージをつくるのはいつも大変だなぁと、つくづく思う。

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Summer Readings --- 井庭研2010 夏休みの課題

井庭研の今年の夏休みの宿題は、こんな感じ。
MLに流したメール本文を掲載します。


井庭研の今年の Summer Readings は、次の3冊を指定します。井庭研における重要文献なので、各自この3冊を至急Amazon.com等で購入し、入手してください。

(1) The Timeless Way of Building (Christopher Alexander, Oxford University Press, 1979)
(2) Ubiquity: Why Catastrophes Happen (Mark Buchanan, Three Rivers Press, 2001)
(3) Orality and Literacy (Walter J. Ong, Routledge, 1988)


この3冊は、どれも井庭研のベースとなる考え方/思想を魅力的に書いてくれている文献です。表面的にはそれぞれ全く異なる分野の文献ですが、深いところでは相互に共通する思想をもっている、と僕は考えています。この夏は、個々の文献を味わい理解するとともに、これらの文献の背後にある(井庭研的)思想をつかむことに挑んでください。

上の3つの文献は、プロジェクト別にいうと、(1)が「創造メディアの構築」プロジェクト、(2)が「動きの地図をつくる」プロジェクト、(3)が「英語力強化法のイノベーション」プロジェクトに、一応直結するラインナップになっています。でも、そのため、これらの文献を読むことで、なぜ井庭研でこれらの3つのプロジェクトが並立しているのかが理解できるようになるでしょう。

今年の Summer Readings は、どの文献も英語版で読んでください。(3冊とも日本語訳も出ているので、どうしてもわからない部分については訳書を適宜参考して構いませんが、英語でも必ず読んでください。原著では同じ単語でも、翻訳の段階で違う日本語が割り当てられてしまい、文献間の共通点に気づけないことがあります。)


■■■ より深く読むためのヒント

特に新規生にとっては、これらの文献で扱っているテーマや、その背後にある思想を探るのは難しいことだと思うので、その糸口となるヒントを示しておきます。以下の点に注目しながら読んでみてください。

* * *

(1) The Timeless Way of Building (Christopher Alexander, Oxford University Press, 1979) *Hard cover [邦訳タイトル:『時を超えた建設の道』]
 
パターン・ランゲージの思想を書いた本です。著者は、数学出身の建築家。ここでは、近代の都市で失われてしまった「古きよき時代の街がもつ質感・秩序」をどのように取り戻すか、という考えが書かれています。パターン・ランゲージは、暗黙知を記述して共有するための方法だといわれていますが、アレグザンダーが目指したのは、単なる暗黙知の記述ではありません。コミュニティの自生的な秩序(spontaneous order)による全体性の成長を支援しようとしました。だからこそ、彼は建築家でありながらも、デザインされた構造そのものより、生成プロセス(generative process)の方を重視します。ということで、以下のことを気にしながら読むといいでしょう。

・著者アレグザンダーのそもそも問題意識は何なのか?
・"quality without a name"(名づけ得ぬ質)とは何か?
・"alive"(生き生きとした)とはどういうことか?
・アレグザンダーは、建物や町の"element"(要素)の本質は何だと考えたか?
・"pattern"とは何か?
・"pattern language"とは何か?
・"pattern language"は何を支援するのか?
・パターン・ランゲージが"language"(言語)であるとはどういうことか?
・"language"として、いかにして生成・創造を支えるのか?

◇井庭研の「創造メディアの構築」プロジェクトでは、パターン・ランゲージを、人間活動とそれにまつわるコミュニティの生成・創造の支援のメディアとして位置づけ、その活用方法を探究しています。井庭研では二年前に「学習パターン」をつくりましたが、独自のパターン・ランゲージ(の体系)を実際につくっているグループというのは、世界でもかなり稀です。その経験を活かしながら、僕らはさらなる次の段階を目指していきたい。そのためには、アレグザンダーの思想にいまいちど立ち返り、本質を掴み直す必要があります。

◇アレグザンダーは、この本に関連する重要な本をいくつも書いているので、できる人は、ぜひそれらも読んでみてほしいと思います。

* * *

(2) Ubiquity: Why Catastrophes Happen (Mark Buchanan, Three Rivers Press, 2001) *paperback [邦訳タイトル: 『歴史は「ベキ乗則」で動く』(新:文庫版)、『歴史の方程式』(古:単行本)]

自然や社会に潜む動的な秩序についての研究の動向を紹介している本です。この本では、具体的な秩序として"power law"に従っている事例がたくさん紹介されるので、この本を「ベキ乗則」についての本だと思っている人が多い。しかし、実は、本質的に重要なのはそこではなく、以下の点です。

・なぜ物理学において"history"(歴史)が重視されているのか?
・"accident"(偶然)、"history"(歴史)、"order"(秩序)はどのように相互に関係するのか?
・"critical state"(臨界状態)とはどういう状態か?どのような特徴があるか?
・物事を"avalanche"(なだれ)として見る視点
・"universality"(普遍性)とはどういうことか?
・なぜ"universality"に着目することが重要なのか?
・なぜ研究手段として"simulation"が重要なのか?

◇井庭研の「動きの地図をつくる」プロジェクトでは、システムの"history"をネットワークとして表現するという方法をつくりながら、実際に分析し、さらにそのようなネットワークがもつ"universality"を探究しています。この方法は最近の僕らのオリジナルな方法なので、本には登場しませんが、この本で書かれていることが重要な基盤となっていることは間違いありません。

◇"universality"の話は、A. -L. Barabasiの『Linked』にも出てきます。春学期の井庭研の輪読文献であり、また「シミュレーションデザイン」の授業の教科書でもあったので、井庭研メンバーのほとんどの人がすでに読んでいます。まだ読んでいない人は、『Linked』も、自分のリーディングリストに加えておいてください。

* * *

(3) Orality and Literacy (Walter J. Ong, Routledge, 1988) *paperback [邦訳タイトル:『声の文化と文字の文化』]

この本では、昨今よく目にするような「リテラシー」ではなく、口頭でのコミュニケーションの「オーラリティー」に着目している、世界的に有名な本である。面白いことに、「オーラリティー」こそが人類がもともと持っていて重要だった能力なのだ、という視点で、歴史を振り返っている点である。人類の歴史のなかで文字が誕生してから初めて、リテラシー(読み書き能力)ということが問題になった。しかし、人類が文字を使う前にも、言語は存在していた。その時代の言語というものは、文字として記録されることなく、口頭で話す、というなかでのみ存在していた。いうなれば、文字という「継続的に存在するもの」ではなく、音という「生成された途端に消滅してしまうもの」としてのみ、言語は存在していた。昔の「口承文学」の語り部は、定まった物語を記憶して再生していたのではなく、物語のパターン(型)をいくつももっており、それを即興で組み合わせることで、物語を語っていた。これがリテラルな(文字の)時代より前の、つまりオーラルな時代の記憶とコミュニケーションの特徴であった。

・"orality"と"literacy"の違い
・"orally based thought"の特徴とは何か?
・著者が言う"the age of secondary orality"とは?
・"oral literature"の語り部は、どのように物語を記憶していたのか?
・"orality"が「生成的」であるというのは、どういうことか?

◇井庭研の「英語強化法のイノベーション」では、英語力をリテラシーの観点ではなく、オーラリティーの観点から高める方法を探究したいと思っています。口承文学の語り部のように、パターンをため込み、即興で組み合わせながら、英語を話す、というようなイメージです。英語で話すためのパターン(型)は何か、またどのようにトレーニングすればよいのか。そういうことを、自分たちで実践しながら、考えていきます。


■■■ レポート提出形式/方法

内容:文献ごとに、井庭研の内容と関係が深い考え方をまとめるとともに、3冊に共通する思想についてもまとめる。
言語:日本語もしくは英語
用紙:A4
分量:10ページ程度
内訳:各文献2ページずつ+まとめ4ページ (自分で作成した図表を含む)
注意:だらだら書くのではなく、きちんと文章の構造化を心がけて書く。Section分けやパラグラフなども駆使する。書いて終わりではなく、自ら推敲し、他の人が読んで理解できる文章にブラッシュアップすること。

ファイル形式:PDF
ファイル名:半角ローマ字で姓名を入れる。(例:SR_TakashiIba.pdf)

提出期限:9月15日(水)24時
(期限内に提出がない場合、あるいは、明らかに内容・形式的に不足がある場合には、来学期の履修許可を取り下げることがあります。)
提出先:井庭研メーリングリスト

議論@合宿:9月末もしくは10月頭の週末に行う予定の「キックオフ合宿」で、この課題を通じて考えたことを話し合います。Summer Readingsの提出物は、全員分、印刷・配布します。
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2010年度夏季集中 特別研究プロジェクト(井庭 崇)シラバス

今年の夏休み期間中に、以下の「特別研究プロジェクト」を実施します。夏季期間集中の研究プロジェクト科目(2単位)としての正式な開講です。なお、2010年春学期/秋学期の井庭研究会履修者以外の参加も歓迎です。

特別研究プロジェクト(井庭 崇)シラバス
「Creative Systems Lab(特別編):『学習パターン』英語版の制作」


■ 実施期間
2010年9月6日(月)〜13日(月)

■ 参加エントリー
7月19日(月)までに、後述のエントリー情報をメールで提出してください。


■ 目的・内容
本特別研究プロジェクトでは、全体性をうまく取り込んだ問題解決/デザインのコツを記述するための「パターン・ランゲージ」の方法論と思想を踏まえ、実際にひとつのパターン・ランゲージの記述に取り組みます。今回制作するのは、「SFCらしい学びのデザイン」を支援するためのパターン・ランゲージである「学習パターン」(Learning Patterns)英語版です。この英語版制作では、日本語版を単に英訳するというレベルではなく、自然な言葉や言い回し、共感を生みやすい書き方になるような意訳が必要となります。また、パターン・ランゲージとしての記述のクオリティを上げるため、建築や組織論における先行事例を読み込み、その記述を参考にしながら制作していきます。

■ 履修条件
1. 英語である程度の読み書きができること。
2. 事前課題(あらかじめ文献を読んで内容をまとめるというもの。詳細はエントリー者にお伝えします)を9月上旬の指定期日までに提出すること。

■評価方法
制作活動における参加・貢献の度合い、および、プロジェクト終了時の振り返りのレポートから評価します。

■ 予定受け入れ人数
10人程度

■ 参加エントリー
履修希望者は、7月19日(月)までに、以下の情報をメールで担当教員 井庭 崇(iba [atmark] sfc.keio.ac.jp)宛に送ってください。秋学期の井庭研にもエントリーする人は、それぞれのエントリーを別メールで提出してください。大学院生など正規履修できない場合でも、その旨を明記し、同様にエントリーしてください。

1. 名前(+ふりがな)
2. メールアドレス
3. 学部・学年
4. 英語力のレベルについて
5. 自己紹介

メール件名:特別研究プロジェクトエントリー(姓名)

■ 重要参考文献
【学習パターン】
  • 『Learning Patterns: A Pattern Language for Active Learners at SFC 2009』(学習パターンプロジェクト, 慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学学部, 2009)※ http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/ よりPDFをダウンロードできる。
  • 「自生的秩序の形成のための《メディア》デザイン──パターン・ランゲージは何をどのように支援するのか?」(井庭 崇, 『10+1 web site』, 2009年9月号)
  • "Learning Patterns: A Pattern Language for Active Learners" (Takashi Iba, et. al., 16th PLoP, 2009)
  • "Learning Patterns: A Pattern Language for Creative Learners II" (Takashi Iba and Toko Miyake, 1st Asian PLoP, 2010)

    【他分野のパターン・カタログ】
  • A Pattern Language: Town Building, Consruction (C. Alexander, et. al., Oxford University Press, 1977)
  • Fearless Change: Patterns for Introducing New Ideas (Mary Lynn Manns, Linda Rising, Addison-Wesley Professional, 2005)
  • "Pools of Insight: A Pattern Language for Study Groups" (Joshua Kerievsky, Version: 0.9, Updated: July 1, 1999)

    【パターン・ランゲージの思想・方法】
  • The Timeless Way of Building (C. Alexander, Oxford University Press, 1979)
  • 『パターン、Wiki、XP :時を超えた創造の原則』(江渡 浩一郎, 技術評論社, 2009)
  • 「コミュニケーションの連鎖による創造とパターン・ランゲージ」(井庭 崇, 社会・経済システム, 2007)
  • The Patterns Handbook: Techniques, Strategies, and Applications (Linda Rising (ed), Cambridge University Press, 1998)

    ■ 問い合わせ/連絡先
    iba [atmark] sfc.keio.ac.jp

    Summer Project
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    The Syllabus for the Seminar of Iba Lab (fall, 2010)

    Here we show the information about our research themes and how to apply to Iba Lab, fall semester, 2010.

    The syllabus for the seminar (Prof. T. Iba: Fall Semester, 2010)
    "Creative Systems Lab: Pattern Languages, Dynamic Network Analysis, and Orality Learning"
    (Type A: 5th period, on Tuesday & Thursday)

    Important Dates
    Orientation for applicants: 5th period in July 8, 2010 (at e12) & 5th period in July 13, 2010 (at k12).
    Application Deadline: July 19 (Mon.), 2010
    Interview: July 26 & 27, 2010


    Mission
    Our mission is to create new methods and tools for the future society, based on the latest systems theories and academic methodologies. Note that the systems theories are meant here to "complex systems" and "autopoiesis," and the methodologies are network analysis, pattern languages, and modeling simulations.

    We are conducting three research projects in the fall semester as follows.

    1. "Creative Media" Project
    2. "Mapping the Dynamics" Project
    3. "The Way of Generative Communication" Project

    Applicants will participate in one of these projects, or launch their own project related to our research theme.

    1. "Creative Media" Project
    ("Creation" * Pattern Languages -> Media Design)
    This project explores new methods and tools for supporting "creation" with pattern languages.

    2. "Mapping the Dynamics" Project
    ("Space-Time" * Network Analysis -> Visualization)
    This project explores new methods and tools for understanding the dynamic changing systems with using network analysis.

    3. "The Way of Generative Communication" Project
    ("Generation" * Pattern Analysis -> Orality)
    This project explores new methods and tools for learning a foregin language in terms of "orality" rather than "literacy."


    References
    - Key References
  • Orality and Literacy (Walter J. Ong, Routledge, 1988)
  • The Nature of Order, Book 1: The Phenomenon of Life (C. Alexander, Center for Environmental Structure, 2001)
  • The Nature of Order, Book 2: The Process of Creating Life (C. Alexander, Center for Environmental Structure, 2003)

    - Related Books
  • Social Systems (N. Luhmann, Stanford University Press, 1984)
  • The Timeless Way of Building (C. Alexander, Oxford University Press, 1979)
  • A Pattern Language: Town Building, Consruction (C. Alexander, et. al., Oxford University Press, 1977)
  • The Tacit Dimension (M. Polanyi, Reissue ed., University Of Chicago Press, 2009)
  • Maps of The Imagination: The Writer as Cartographer (P. Turchi, Trinity University Press)
  • Three Roads to Quantum Gravity (L. Smolin, Basic Books,2001)
  • Networks: An Introduction (M.E.J. Newman, Oxford University Press, 2010)
  • The Origin of Species: By Means of Natural Selection or The Preservation of Favored Races in The Struggle for Life (C. Darwin, The Modern Library, 2009)
  • The Blind Watchmaker: Why the Evidence of Evolution Reveals A Universe without Design (R. Dawkins, W.W.Norton & Company, 1987)
  • Reinventing The Sacred: A New View of Science, Reason, and Religion (S. A. Kauffman,2008)
  • Ubiquity: Why Catastrophes Happen (Mark Buchanan, Three Rivers Press, 2001)

    - Articles and Books by Iba Lab.
  • "An Autopoietic Systems Theory for Creativity" (Takashi Iba, COINs, 2010)
  • "Analyzing the Creative Editing Behavior of Wikipedia Editors: Through Dynamic Social Network Analysis" (Takashi Iba, Keiichi Nemoto, Bernd Peters & Peter A. Gloor, COINs, 2010)
  • Learning Patterns: A Pattern Language for Active Learners" (Takashi Iba, et. al., 16th PLoP, 2009)
  • Learning Patterns: A Pattern Language for Creative Learners II" (Takashi Iba and Toko Miyake, 1st Asian PLoP, 2010)


    Schedule
    Seminar meetings are held twice a week: Thuesday 5th period is for discussion on key references and Thursday 5th period is for project review.

    Grading
    Grading will be based on seminar participation, contribution to the project activity, and the research results.

    Other information
    1. Be with active and collaborative mind.
    2. Enjoy reading, writing, talking in English.
    3. Required to buy the key references, for reading them with marking.
    4. Do not assign something doing just after the seminars. Sometimes the meeting takes many hours, and often we go out drinking together.
    5. Take courses provided by the advisor, Prof. Iba, on the fall semester, 2010: "Pattern Languages" and "Complex Systems."
    6. We sometimes invite you to our other academic research projects related to our seminar's theme.


    Capacity
    We will accept approximately 15 students.

    Requirements for application
    1. Enthusiasm for the research project.
    2. Intelligence for thinking deeply on your own.
    3. Basic literacy in English.

    How to apply
    Send the following information to the advisor, iba [atmark] sfc.keio.ac.jp (Prof. Takashi Iba), by e-mail, by July 19th, 2010. We accept the application written in either English or Japanese. Any participants, including auditors, need to register and require the permission of the advisor.

    1. Name
    2. E-mail address
    3. Affiliation (faculty); year (1-year / 2-year / 3-year / 4-year / M1 / M2 ...)
    4. Seminars in which you've participated so far and will participate on the fall semester, 2010
    5. Taken Courses provided by the advisor, Prof. Takashi Iba.
    6. Acquired Skills (language, programming, visual processing, and so on.)
    7. Why you want to join in Iba Lab?
    8. Which project do you want to participate? And why? (Otherwise, explain your own project.)
    9. What will be your contribution to Iba Lab?
    10. Self-introduction and appeal


    Related Project
    "Inter-reality" project, Graduate School of Media and Governance, Keio University
    "Life Knowledge in Practice" project, Graduate School of Media and Governance, Keio University

    Related Courses
    30080: Social Systems Theory
    14310: Complex Systems
    12020: Pattern Languages
    14160: Simulation Design

    Home Page
    http://ilab.sfc.keio.ac.jp/

    Bio - Prof. Takashi Iba
    http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/

    Contact
    iba [atmark] sfc.keio.ac.jp
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    井庭研 2010年度秋学期シラバス

    井庭研究会の2010年度秋学期のシラバスを作成・公開しました。公式サイトは学内限定公開なので、ここにも掲載しておきます。(2010年6月30日現在における最新版)

    井庭崇 研究会(A型)2010年度秋学期シラバス
    「Creative Systems Lab:創造メディアの構築 × 動きの地図をつくる × 英語力強化法のイノベーション」

    (火曜日5時限, 木曜日5時限)

    ■ 重要な日程
    研究会説明会:7月8日(木) 5限@ε12、7月13日(火) 5限@κ12
    エントリー〆切:7月19日(月)
    面接予定日:7月26日(月)・27日(火)


    ■ 目的・内容
    井庭研究会では、最先端のシステム理論(複雑系/オートポイエーシス)や方法論(ネットワーク分析/パターン・ランゲージ/シミュレーション等)を踏まえて、「新しい方法をつくる」ことに取り組んでいます。2010年秋学期は、次の3つのプロジェクトを行う予定です。

    1. 創造メディアの構築 — "Creative Media" Project
    2. 動きの地図をつくる — "Mapping the Dynamics" Project
    3. 英語力強化法のイノベーション — "The Way of Generative Communication" Project

    自分の興味・関心にもとづき、いずれかのプロジェクトに参加するか、本研究会に関連するテーマの個人研究に取り組みます。

    1. 創造メディアの構築 — "Creative Media" Project
    (「創造」 × パターン・ランゲージ → メディア・デザイン)

    このプロジェクトでは、「創造」を支援する「新しい方法」を探究します。現在、注目しているのは、「パターン・ランゲージ」(pattern languages)の手法です。井庭研ではこれまで、人間活動に関するいくつかのパターン・ランゲージを作成してきました。代表的なものには、SFCらしい学びのコツをまとめた「学習パターン」(Learning Patterns)があります。これらのパターン・ランゲージが「創造」をいかに支援するのか、また、それらをよりよく活用するための仕組みは何かを考え、つくります。

    2. 動きの地図をつくる — "Mapping the Dynamics" Project
    (「時空間」 × ネットワーク分析 → ヴィジュアライゼーション)

    このプロジェクトでは、ダイナミックに変化するシステム/出来事を捉えるための「新しい方法」を探究します。現在取り組んでいるのは、「関係性」を分析するために用いられてきた「ネットワーク分析」(network analysis)の手法を、動き/変化を捉えるために用いるということです。実際にデータ分析を行いながら、変化を捉える新しい方法論の構築を目指します。

    3. 英語力強化法のイノベーション — "The Way of Generative Communication" Project
    (「生成」 × 表現のパターン分析 → オーラリティ)

    このプロジェクトでは、英語でのコミュニケーション力を強化する「新しい方法」を探究します。目指すのは、これまで学校教育で行われてきた「リテラシー」(読み書き能力)の向上や、語学学校を中心に行われてきた会話の練習ではない、新しいメソッドの確立です。参考にするのは、文字が登場する前の「口承文学」の語り部たちの方法です。彼らは、小さな基本パターンをたくさんもち、それを即興的に組み合わせて物語を語りました。そのような生成的な「オーラリティ」(orality)の能力を向上させるという観点から、新しい英語力強化法を編み出したいと考えています。


    井庭研の基本的な考え方や、上記プロジェクトに関する詳細については、本シラバスの 参考文献【井庭研 関連文献】に挙げてある文献を参照してください。


    ■ 参考文献

    【輪読予定文献】
  • Orality and Literacy (Walter J. Ong, Routledge, 1988)
  • The Nature of Order, Book 1: The Phenomenon of Life (C. Alexander, Center for Environmental Structure, 2001)
  • The Nature of Order, Book 2: The Process of Creating Life (C. Alexander, Center for Environmental Structure, 2003)

    【重要関連文献】
  • Social Systems (N. Luhmann, Stanford University Press, 1984)
  • The Timeless Way of Building (C. Alexander, Oxford University Press, 1979)
  • A Pattern Language: Town Building, Consruction (C. Alexander, et. al., Oxford University Press, 1977)
  • The Tacit Dimension (M. Polanyi, Reissue ed., University Of Chicago Press, 2009)
  • Maps of The Imagination: The Writer as Cartographer (P. Turchi, Trinity University Press)
  • Three Roads to Quantum Gravity (L. Smolin, Basic Books,2001)
  • Networks: An Introduction (M.E.J. Newman, Oxford University Press, 2010)
  • The Origin of Species: By Means of Natural Selection or The Preservation of Favored Races in The Struggle for Life (C. Darwin, The Modern Library, 2009)
  • The Blind Watchmaker: Why the Evidence of Evolution Reveals A Universe without Design (R. Dawkins, W.W.Norton & Company, 1987)
  • Reinventing The Sacred: A New View of Science, Reason, and Religion (S. A. Kauffman,2008)
  • Ubiquity: Why Catastrophes Happen (Mark Buchanan, Three Rivers Press, 2001)

    【井庭研 関連文献】
  • 『Concept Book』(井庭研究会 編著, 2008)
  • 『新しいシステム観にもとづく思考と実践』(井庭崇, 『Mobile Society Review 未来心理』, 9号, 2007)
  • 「自生的秩序の形成のための《メディア》デザイン──パターン・ランゲージは何をどのように支援するのか?」(井庭 崇, 『10+1 web site』, 2009年9月号)
  • 「創造システム理論の構想」(井庭 崇, 進化経済学会第14回大会, 2010)
  • "An Autopoietic Systems Theory for Creativity" (Takashi Iba, COINs, 2010)
  • 「『コラボレーション』による学び」の場づくり ー実践知の言語化による活動と学びの支援ー」(井庭 崇, 人工知能学会誌, 24巻1号, 2009)
  • 「マスコラボレーションにおけるコンテンツ形成プロセスの分析」(伊藤諭志, 伊藤貴一, 熊坂賢次, 井庭崇, 人工知能学会 第20回セマンティックウェブとオントロジー研究会, 2009)
  • 「書籍・CD・DVDの販売データの解析:市場の隠れた法則性を探る」
    (井庭崇,西田亮介,伊藤諭志,北山雄樹,吉田真理子, 楽天研究開発シンポジウム2008, 2008)
  • "Analyzing the Creative Editing Behavior of Wikipedia Editors: Through Dynamic Social Network Analysis" (Takashi Iba, Keiichi Nemoto, Bernd Peters & Peter A. Gloor, COINs, 2010)
  • 「座談会:未来を作るキャンパスの役割」(森 靖孝, 小林 正忠, 今村 久美, 井庭 崇, 村井 純, 『三田評論』2010年6月号, 慶應義塾大学出版会, 2010)
  • 『Learning Patterns: A Pattern Language for Active Learners at SFC 2009』(学習パターンプロジェクト, 慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学学部, 2009)※ http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/ よりPDFをダウンロードできる。
  • 『ised:情報社会の倫理と設計:設計篇』(東浩紀, 濱野智史 編, 河出書房新社, 2010)
  • 『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』(井庭崇, 福原義久, NTT出版, 1998)


    ■ 履修条件
    1. プロジェクトにおいて、自発的に研究・活動ができること。
    2. 「答え」を教えてもらうのではなく、自ら考え抜くことができること。
    3. 英語で(ある程度)読み書きができること。もしくは、チャレンジする意志があること。

    ■ その他の留意点
    1. 研究会は、ふつうの授業(講義)とは異なり、「アウトプット志向」を常に意識して行動してほしいと思います。自ら主体的に考え、他の人と議論し刺激し合いながら先へ先へと進んでいける人を期待します。
    2. 英語での読み書きや話す機会を日常的につくるので、積極的に臨んでください。
    3. 輪読文献は、購入してもらいます(印をつけながら読むため)。
    4. ゼミの時間は、延長することがあります。また、ゼミ後に交流会が開催されることもあります。火曜日と木曜日のゼミ直後には、原則として予定を入れないようにしてください。
    5. 井庭が担当する次の科目は、研究会の内容に深く関係しているため、まだ履修していないものについては同時履修してください。(秋学期:パターンランゲージ、複雑系の数理)
    6. 研究会メンバーには、各人の興味・関心と能力に応じて、複雑系研究や社会分析等の最先端の学術研究プロジェクトへの参加を呼びかけます。よい成果が出せたものは、大学院生/学部生を問わず、国内外の学会で発表していきたいと思います。

    ■ 授業スケジュール
    毎週のゼミは、「輪読」(火曜5限)と「研究進捗報告」(木曜5限)という構成で進める予定です。

    ■評価方法
    毎週の輪読/プロジェクトへの参加・貢献(もしくは個人研究の成果)、学期末の振り返りのレポート、および研究会にまつわる研究活動から総合的に評価します。

    ■ 予定受け入れ人数
    15人

    ■ エントリー課題
    履修希望者は、7月19日(月)までに、以下のエントリー情報(A4用紙で2、3枚程度)をメールで担当教員 井庭 崇(iba [atmark] sfc.keio.ac.jp)宛に送ってください。何らかの理由で正規履修ではなく聴講となる場合でも、その理由を明記し、同様にエントリーしてください。

    1. 名前(+ふりがな)
    2. メールアドレス
    3. 学部・学年
    4. これまでに参加した研究会と、来学期並行して参加予定の研究会(あれば)
    5. これまでに履修した井庭担当の授業(あれば)
    6. スキル(英語を含む外国語、プログラミング言語、映像・画像処理等いろいろ)
    7. なぜ井庭研究会を志望するのか(志望理由)
    8. どのプロジェクトに参加したいのかと、その理由・「思い」。あるいは、取り組みたい個人研究のテーマについての説明
    9. 井庭研(という知的コミュニティ)に対して、自分はどのような貢献ができるか
    10. 自己紹介&アピール

    ■ 来期の研究プロジェクトのテーマ予定
    Creative Systems Lab.

    ■ 関連プロジェクト
    大学院プロジェクト「インターリアリティ」, 大学院プロジェクト「生活実践知」

    ■ 関連科目
    30080:社会システム理論
    14310:複雑系の数理
    12020:パターンランゲージ
    14160:シミュレーションデザイン

    ■ 研究会ホームページ
    http://ilab.sfc.keio.ac.jp/index_j.html

    ■ 連絡先
    iba [atmark] sfc.keio.ac.jp

    IlabSyllabus2010fall.jpg
  • 井庭研だより | - | -

    井庭研エントリー(2010年春学期)〆切延長

    井庭研(2010年春学期)へのエントリー期間を、2010年4月5日まで延長しました。

    詳しくはシラバスをご覧ください。〆切は4月5日ですが、事前に伝えておきたい情報があるので、履修・聴講希望の人は、なるべく早めにエントリーするようにしてください。
    井庭研だより | - | -

    井庭研究会シラバス(2010年度春学期)最新情報

    井庭研究会の2010年度春学期のシラバスを作成・公開しました。公式サイトは学内限定公開なので、ここにも掲載しておきます。(以下、2010年3月28日更新の最新情報です。)

    エントリー〆切を、2010年4月5日まで延長します。履修希望者は全員、指定のエントリー情報・課題を提出してください。

    井庭崇 研究会(A型)2010年度春学期シラバス
    「Creative Systems Lab. ── 創造的に考え、魅力的に書くことの探究」

    ( 2010年度 春学期 /火曜日5時限, 木曜日5時限)

    ■ 目的・内容
    本研究会では、「創造的に考え、魅力的に書く」ことについて探究し、その力を自ら身につけることを目指します。本研究会の前提となる考え方は、「創造的に考える」ことと「魅力的に書く」ことは不可分であるということです。創造的に考えることが魅力的に書くためには不可欠であり、逆に、魅力的に書こうとすることで創造的な思考が促進されます。このように表裏一体となっている「考える」と「書く」という知的な営みについて、実践的に探究してみたいのです。

    「創造的に考え、魅力的に書く」ことを支援する方法として、本研究会では次の三つに着目します。

     (1)思考・論述のレトリック
     (2)システム理論にもとづく発想・体系化
     (3)シミュレーションによる構成的理解

    (1)の思考・論述のレトリックは、文彩のレトリックを超えて、対立、隠喩、逆説など、思索を促すはたらきをします。(2)のシステム理論は、分野固有の見方から離れ、対象を新しい視点・体系のもとで捉え直し、徹底して考え抜くことを支援してくれます。(3)のシミュレーションによる構成的理解とは、「つくって理解する」というアプローチのことで、複雑でダイナミックな対象について考えるときに力を発揮します。

    本研究会で、「創造的に考え、魅力的に書く」ことを考えるために取り上げたいのは、生命や社会などの「複雑系」に関する文献です。それらの文献では、生命や社会が、生成され続けることで存在し得るダイナミックなシステムとして捉えられています。また、それらのシステムはその本質に、「システムを構成する要素が、そのシステム自体を前提として構成される」という循環関係をもっていると考えられています。このような複雑でダイナミックな対象について、創造的に考え、魅力的に書いている論考を読むことで、それらの背後にあるコツに迫りたいと思います。 2010年度春学期のテーマは「ネットワーク科学」(Network Science)です。

    以上の探究は、決して一学期で終わるようなものではありません。2010年度春学期からスタートし、1〜2年かけて取り組む予定です。中長期的な目標として考えているのは、「創造的に考え、魅力的に書く」ためのコツを「パターン・ランゲージ」として記述していくことです。パターン・ランゲージは、建築分野で提唱され、ソフトウェア分野で普及した知識記述方法です。井庭研究会ではこれまでも、「学習パターン」など、人間活動に関するパターン・ランゲージを作成してきました(http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/ 参照)。最終的に「クリエイティブ・パターン」や「ライティング・パターン」を作成することを視野に入れ、来学期からその準備・実践を行っていきます。

    ■ 履修条件
    1. 英語で(ある程度)読み書きができること。 もしくは、チャレンジする意志があること。
    2. 読書量が非常に多くなるが、きちんと毎週読んでくる覚悟と環境づくりができること。
    3. 「答え」を教えてもらうのではなく、一緒に考え抜くことができること。

    ■ 参考文献
  • "Linked: How Everyting is Connected to Everything Else and What It Means for Business, Science, and Everyday Life" (Albert-Laszlo Barabasi, Plume, 2003)
  • "Six Degrees: The Science of Connected Age"(Duncan J. Watts, W. W. Norton & Company, 2004)
  • "Nexus: Small Worlds and the Groundbreaking Science of Networks" (Mark Buchanan, W. W. Norton & Company, 2002)
  • "Ubiquity: Why Catastrophes Happen" (Mark Buchanan, Three Rivers Press, 2001)
  • "The Tacit Dimension" (M. Polanyi, Reissue ed., University Of Chicago Press, 2009)
  • "Notes on The Synthesis of Form" (C. Alexander, Harvard University Press, 1964)
  • "The Tree of Knowledge: The Biological Roots of Human Understanding" (H.R. Maturana & F.J. Varela, Revised ed., Shambhala, 1987)
  • "Mind and Nature: A Necessary Unity" (G. Bateson, Hampton Press, 2002)
  • "I Am A Strange Loop" (D. Hofstadter, Basic Books, 2007)
  • "The Origin of Species: By Means of Natural Selection or The Preservation of Favored Races in The Struggle for Life" (C. Darwin, The Modern Library, 2009)
  • "At Home in the Universe: The Search for the Laws of Self-Organization and Complexity" (S. Kauffman, Oxford University Press, 1995)
  • "The Nature of Order, Book 1: The Phenomenon of Life" (C. Alexander, Center for Environmental Structure, 2001)
  • "The Nature of Order, Book 2: The Process of Creating Life" (C. Alexander, Center for Environmental Structure, 2003)
  • "Linked: How Everything Is Connected to Everything Else and What It Means for Busines, Science, and Everyday Life" (A.-L. Barabasi, A Plume Book, 2003)
  • "Chaos: Making a New Science" (J. Gleick, 20th-Anniv. ed., Penguin Books, 2008)
  • "Life: An Introduction to Complex Systems Biology" (K. Kaneko, Springer, 2006)
  • "Mindstorms: Children, Computers, and Powerful Ideas" (S. Papert, 2nd edition, Perseus Publishing, 1993)
  • "The Essential Peirce: Selected Philosophical Writings I, II" (C.S Peirce, Indiana University Press, 1992, 1998)
  • "The Structure of Scientific Revolutions" (T.S. Kuhn, 3rd ed., University Of Chicago Press, 1996)
  • "Law, Legislation and Liberty, Volume I: Rules and Order" (F.A. Hayek, The University of Chicago Press, 1973)
  • "Exit, Voice, and Loyalty: Responses to Decline in Firms, Organizations, and States" (A.O. Hirschman, Harvard University Press, 1970)
  • "Godel, Escher, Bach: An Eternal Golden Braid" (D. Hofstadter, 20th-Anniv. ed., Basic Books, 1999)
  • "Laws of Form" (G. Spencer-Brown, Bohmeier, Joh., 2008)
  • "Social Systems" (N. Luhmann, Stanford University Press, 1984)
  • "The Timeless Way of Building" (C. Alexander, Oxford University Press, 1979)
  • "The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking" (B. Minto, 3rd Ed., Prentice Hall, 2009)
  • 『動きが生命をつくる: 生命と意識への構成論的アプローチ』(池上 高志, 青土社, 2007)
  • 『社会の社会 1・2』(ニクラス・ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
  • 『アブダクション: 仮説と発見の論理』(米盛 裕二, 勁草書房, 2007)
  • 『シュンペーターの経済観: レトリックの経済学』(塩野谷 祐一, 岩波書店, 1998)
  • 『創造的論文の書き方』(伊丹 敬之, 有斐閣, 2001)
  • 『ものがたりの余白: エンデが最後に話したこと』(ミヒャエル・エンデ, 岩波現代文庫, 岩波書店, 2009)
  • 『一億三千万人のための小説教室』(高橋 源一郎, 岩波新書, 岩波書店, 2002)
  • 『Learning Patterns: A Pattern Language for Active Learners at SFC 2009』(学習パターンプロジェクト, 慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学学部, 2009)※ http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/ よりPDFをダウンロードできる。
  • 「自生的秩序の形成のための《メディア》デザイン──パターン・ランゲージは何をどのように支援するのか?」(井庭 崇, 『10+1 web site』, 2009年9月号)※ http://tenplusone.inax.co.jp/monthly/2009/09/post-2.php

    ■ その他の留意点
    1. 文献は英語で読みます。これは、英語で読み書きする機会を日常的につくるとともに、対象領域における専門用語や言い回しを学ぶためです。ゼミ内での口頭発表・議論は、日本語で行う予定です。

    2. 輪読文献は、一部を除いて、原則として各自購入してもらいます(印をつけながら読むため)。

    3. ゼミの時間は、延長することがあります。また、ゼミ後に交流会が開催されることもあります。火曜日と木曜日のゼミ直後には、原則として予定を入れないようにしてください。

    4. 井庭が担当する次の科目は、研究会の内容に深く関係しているため、まだ履修していないものについては同時履修してください。(春学期:社会システム理論、シミュレーションデザイン、秋学期:パターンランゲージ、複雑系の数理)

    5. 研究会メンバーには、各人の興味・関心と能力に応じて、複雑系研究や集合知研究、社会分析等の学術研究プロジェクトへの参加を呼びかけることがあります。その場合には、担当教員(井庭)か大学院生がリーダーのプロジェクトで、最先端の研究活動にも参加することになります。

    ■ 授業スケジュール
    毎週のゼミは、「輪読」(火曜5限)と「ワークショップ」(木曜5限)という構成で進める予定です。

    「輪読」では、文献候補リストのなかの文献を、2、3週間で1冊のペースで読んでいきます。全員、読書メモを作成し、輪読発表の担当者は、さらに、内容のまとめと、着目すべき考え方・書き方についての口頭発表(日本語)をします。それを踏まえて、全員で議論します。2010年春学期は、『Linked』、『Six Degrees』、『Nexus』、『Ubiquity』を読む予定です。

    「ワークショップ」では、本研究会のテーマに関連する知識の獲得やスキルアップのための演習、発表&レビュー、ゲストスピーカーによる講演、その他のイベント・作業等を行います。

    ■評価方法
    毎週の輪読/ワークショップへの参加・貢献、学期末の振り返りのレポート、および研究会にまつわる研究活動から総合的に評価します。

    ■ 予定受け入れ人数
    15人

    ■ エントリー課題
    履修希望者は、3月10日までに、以下の情報 (A)自己紹介 および (B)エントリー課題 をメールで担当教員 井庭 崇(iba [atmark] sfc.keio.ac.jp)宛に送ってください。何らかの理由で正規履修ではなく聴講となる場合でも、その理由を明記し、同様にエントリーしてください。

    (A)自己紹介
    1. 名前(+ふりがな)
    2. メールアドレス
    3. 学部・学年
    4. これまでに参加した研究会(あれば)
    5. 並行して参加する予定の研究会(あれば)
    6. これまでに履修した井庭担当の授業(あれば)
    7. スキル(英語を含む外国語、プログラミング言語、映像・画像処理等いろいろ)
    8. 次のどのアプローチに興味があるか(複数ある場合には優先順位をつける)。
       (1)思考・論述のレトリック
       (2)システム理論にもとづく発想・体系化
       (3)シミュレーションによる構成的理解
    9. なぜ井庭研究会に参加したいのか
    10. 自己紹介&アピール

    (B)エントリー課題
    これまでに読んだ本のなかで、自分が創造的で魅力的だと思う本(※)を3冊あげ、どこがどのように創造的で魅力的なのかを書いてください。1冊につき、A4用紙で半ページ程度でまとめてください。取り上げる本の記述言語、および課題レポートの使用言語は、日本語/英語のどちらでも構いません。

    ※ 小説等のフィクションおよび対談本は含めないでください。また、ここで取り上げる本は、本研究会のテーマと関係ないテーマの本で構いません(そのことによって不利になることはありません)。


    ■ 来期の研究プロジェクトのテーマ予定
    Creative Systems Lab. — 創造的に考え、魅力的に書くことの探究 II

    ■ 関連プロジェクト
    大学院プロジェクト「インターリアリティ」, 大学院プロジェクト「生活実践知」

    ■ 関連科目
    30080:社会システム理論
    14310:複雑系の数理
    12020:パターンランゲージ
    14160:シミュレーションデザイン

    ■ 研究会ホームページ
    http://ilab.sfc.keio.ac.jp/index_j.html

    ■ 連絡先
    iba [atmark] sfc.keio.ac.jp

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