井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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井庭研究会シラバス(2013年度秋学期)

Creative Media Lab:創造社会を支える方法・道具をつくる
Creative Media Lab: Designing Novel Methods and Tools for Creative Society
井庭 崇: A型(木曜4・5限)

【重要な日程】
2013年7月4日(木)井庭研説明会(6限)@ κ11教室
           ※エントリー希望者は必ず参加してください。
2013年7月11日(木):エントリー〆切
2013年7月17・18日(水・木):面接
2013年7月30日(火):学期末発表会 ※必ず参加してください。

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【目的・内容】
本研究会では、「創造社会」(Creative Society)の実現を支える方法・道具(Creative Media)をつくり、新しい時代の基盤をつくることを目指します。創造社会とは、「人々が、自分たちで自分たちの認識・モノ・仕組み、そして未来を創造する社会」のことです。創造社会の支援という大きなヴィジョンのもと、本研究会では、個別テーマごとにプロジェクトを組み、学生主導で研究活動を進めていきます。具体的には、創造を支援するための共通言語として「パターン・ランゲージ」を制作し、それを活用する実践活動を行うプロジェクトなどに取り組みます。

「創造社会」のイメージと、それを実現するための方法・道具づくりについては、論文「創造社会を支えるメディアとしての パターン・ランゲージ」、および 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著)の第2章(熊坂賢次×井庭崇 対談)で詳しく語っているので、そちらを読んでください。また、パターン・ランゲージについては、「パターン・ランゲージの考え方」、および、これまでに井庭研で制作してきた「ラーニング・パターン」「プレゼンテーション・パターン」「コラボレーション・パターン」を見てみてください。

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2013年度は現在 18のプロジェクトが動いており、そのうち8プロジェクトで新規生を募集します。新規生を募集するプロジェクトの一覧は、以下の通りです。

(1) Cooking Patterns Project
  料理に関するパターン・ランゲージの作成

(2) Survival Language Project
  大地震で生きのびるためのパターン・ランゲージの作成

(3) Creative Organization Project
  企業・組織の創造性を高めるための仕組みづくり

(4) Creative Education Project
  つくることによる学びを支援する教育の仕組みづくり

(5) Pattern Filming Project
  パターン・ランゲージの映像制作

(6) Generative Beauty Project
  いきいきとした美の発見を支援するWebシステムの開発

(7) Global Life Project
  グローバルな時代の生き方のパターン・ランゲージの作成

(8) “good old future” Project
  忘れられた日本的方法を未来に活かすためのパターン・ランゲージの作成


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プロジェクトの概要と募集内容は、以下のとおりです。


(1) Cooking Patterns Project(料理に関するパターン・ランゲージの作成)
料理や食に関するパターン・ランゲージを作成する。目指すのは、単に料理が上手くなるということではなく、現代社会における料理のあり方そのものを(よい方向に)変えることである。なお、このプロジェクトは2013年6月から始まった新しいプロジェクトである。
【募集】何かをつくることが好きな人で、料理に強い関心がある人。なかでも、自発性とこだわりを持っている人:2〜3名程度


(2) Survival Language Project(大地震で生きのびるためのパターン・ランゲージの作成)
本プロジェクトでは、大地震の際に生きのびることを支援するメディアとして、「大地震が起きる前の備え」、「起きたときにどうすべきか」、「発生後に何をすべきか」の知恵・教訓をパターン・ランゲージとして記述・制作する。そして、それがコミュニティ/社会に根付く「生きたランゲージ」となる仕組みづくりにも取り組みたい。
【募集】防災に関心・問題意識があり、新しい支援方法(パターン・ランゲージ)をつくることに一緒に挑戦したい人:2〜3名程度


(3) Creative Management Project(企業・組織の創造性を高めるための仕組みづくり)
本プロジェクトでは、企業・組織をより創造的な場とするために、その企業・組織のメンバーが自分たちのパターン・ランゲージをつくることで、その企業・組織における創造を支援するという仕組みを探究・提案する。また、実際に企業・組織においてファシリテーションを行い、企業・組織における新しい知の循環を支援する。
【募集】企業・組織の創造性を高めるためのパターン・ランゲージの活用可能性を一緒に探究したい人で、来年度以降も長期的に研究会に所属し、プロジェクトにしっかりコミットできる人:1〜2名程度


(4) Creative Education Project(つくることによる学びを支援する教育の仕組みづくり)
本プロジェクトでは、「クリエイティブ・ラーニング」(つくることによる学び)を促す教育とは何かを探究し、それを教育現場で行うための秘訣をパターン・ランゲージとして記述し、現場に導入・実践していく。クリエイティブ・ラーニングの教育については、論文「Pedagogical Patterns for Creative Learning」で論じているので読んでみてほしい。
【募集】学び手の創造性を育む新しい教育方法の探究・実現に取り組みたい人。パターン・ランゲージを用いて高校生の自己効力感を高めることに興味があり、その実践に参加したい人。教育に関心がある人で、パターンのイラストを描いてみたい人:2〜3名程度


(5) Pattern Filming Project(パターン・ランゲージの映像制作)
創造を支援するメディアとして「パターン・ランゲージ」の紹介や新しい表現として映像制作を行う。パターン・ランゲージについて、その歴史と背景にある思想、さらには最近の新しい動きについてのインタビューによるドキュメンタリー映像を制作・公開する。また、パターン・ランゲージの思想や世界観と合う映像をつくるために、メンバー自身、それらの深い理解をした上で、それを踏まえた表現を行う。
【募集】表現にこだわりがあり、実際につくることが出来る人。CGアニメーションやロゴモーションなどの表現が得意な人や、音響技術・編集技術の経験があり、表現にこだわりを持てる人。あるいは、自ら映像の企画をつくり、撮影から編集まで監督としてつくりあげることができる人。これから映像について学び監督を志望する人:2〜3名程度


(6) Generative Beauty Project(いきいきとした美の発見を支援するWebシステムの開発)
これまで井庭研で制作してきた「Generative Beauty Patterns」(いきいきと美しく生きるためのパターン・ランゲージ)を用いて、いきいきとした美の発見ツールによる女性の支援に取り組む。「Generative Beauty Patterns」は、女性が「いきいきと美しく生きる」ためのパターン・ランゲージである(プレスリリース参照)。本プロジェクトでは、いきいきとした美の発見を支援するシステムの開発を行う。
【募集】Ruby on Railsによるシステム開発の経験者、もしくはプログラミングが好きで得意な人:1〜2名程度


(7) Global Life Project(グローバルな時代の生き方のパターン・ランゲージの作成)
現在、情報技術等の進展によって、世界のグローバル化は大きく進んでいる。本プロジェクトでは「グローバルな時代に生きる」とはどういうことかを探究し、それをパターン・ランゲージとしてまとめることで、これからの生き方のデザイン(ライフ・デザイン)を支援したい。
【募集】グローバルとはどういうことかを考えていきたい人で、自発的に動くことができる人:1〜2名程度


(8) good old future Project(忘れられた日本的方法を未来に活かすためのパターン・ランゲージの作成)
日本は近代化の過程で、自分たちが古来からもっていた方法(考え方、制度、仕組み、生活様式)を西洋型の方法に置き換えてきた。これにより確かに近代化は進んだが、日本らしさや日本なりの優れた方法も失うことになった。本プロジェクトでは、忘れられた日本的方法を未来に活かすためのパターン・ランゲージの作成に取り組む。
【募集】日本研究をしたい人やパターン・ランゲージを用いた発想ワークショップを考案・実践してみたい人で、来年以降も長期的に取り組むことができる人:1〜2名程度


【受入予定人数】
新規 10名以内(現在、学部生38人在籍)


【履修条件】
  • 履修希望者は、2013年7月4日(木)6限に行われる「井庭研説明会」に必ず参加してください(κ11教室で行います)。各プロジェクトの説明と、プロジェクトメンバーとの最初の顔合わせを行います。

  • 面接を 2013年7月17日(水)・18日(木)に行います。

  • 履修許可になった人は、2013年7月30日(火)に行われる「学期末発表会」にも必ず出席してください。朝から夕方まで行います。


    【選考の日程と課題】
    2013年7月4日(木)井庭研説明会(6限)@ κ11教室
               ※エントリー希望者は必ず参加してください。
    2013年7月11日(木):エントリー〆切
    2013年7月17・18日(水・木):面接
    2013年7月30日(火):学期末発表会 ※必ず参加してください。


    履修希望者は、2013年7月4日(木)6限に行われる「井庭研説明会」(κ11教室)に参加し、プロジェクトメンバーとじっくり話した上で、以下のエントリー情報をメールで提出してください。

    エントリーメールの提出先: ilab-entry [at] sfc.keio.ac.jp
    メールのサブジェクト(件名): 井庭研2013秋 履修希望
    以下の内容を書いたファイル(PDFもしくはWord)を、メールに添付してください。

    井庭研2013秋 履修希望
    (1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名, 顔写真*
     *写真はスナップ写真等で構いません。説明会で個別に話した内容など、本人を特定する必要がある場合があります。
    (2) 自己紹介(適宜、写真や図などを入れてください)
    (3) 参加希望プロジェクト名
    (4) 志望理由、意気込み、自分が貢献できそうなこと・領域
    (5) 持っているスキル/得意なこと(グラフィックス・デザイン, 映像編集, 外国語, プログラミング, 音楽, スポーツなど, その他)
    (6) これまでに履修した井庭担当の授業(あれば)
    (7) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
    (8) これまでに所属した研究会(あれば)
    (9) 来学期、並行して所属する予定の研究会(あれば)


    【授業スケジュール】
  • 毎週のゼミ(木曜4・5限)では、重要文献の輪読のほか、プロジェクトの進捗報告等を行います。

  • プロジェクトは、それぞれ、ゼミの時間以外に最低週2回以上集まって活動をします。


    【教材・参考文献】
    井庭研における重要文献の一覧は、こちら(井庭研 必読文献一覧) を見てください。約50冊が、「パターン・ランゲージ」と「創造理論」「システム理論」「社会論」のカテゴリに分かれています。井庭研在籍中の早い段階でこれらの文献をすべて読み、知識を身につけ、考えを深めてください。これらの文献を読んでいることが、「自主プロジェクト」の立ち上げや「卒業プロジェクト」の受け入れの際に求められます。


    【評価方法】
    プロジェクトの成果と積極性、貢献度、および輪読での活躍等から総合的に評価します。


    【問い合わせ】
    来学期の井庭研究会についての質問・連絡は、 ilab-entry [at] sfc.keio.ac.jp までお願いします。

    なお、このシラバスは内容が更新されることがあります。公式シラバスと併せてその時点での最新版をチェックするようにしてください。
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