井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

<< September 2013 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

授業シラバス「複雑系の数理」(2013年度秋学期@SFC)

今年の「複雑系の数理」の授業では、生命のシステム理論として生まれた「オートポイエーシス」の理論と、新しさをもたらす「カオス」現象について学び、生命と創造性について考えます。授業後半には、ドミニク・チェンさんをゲストスピーカーとしてお迎えし、創造のシステムについて熱く語り合う予定です。

「複雑系の数理」(創造技法科目-ナレッジスキル)
2013年度 秋学期 木曜日2時限(2単位)
担当教員 井庭 崇

【主題と目標/授業の手法など】

本講義では、「生きている」とはどういうことか、また「クリエイティブである」とはどういうことかについて、新しいシステム理論によって考えます。具体的には、「複雑系」(complex systems) や「オートポイエーシス」(autopoiesis)のシステム理論をベースとして、「生命」(life)と「創造性」(creativity)について考えます。授業ではシステム理論の変遷を理解した上で、最も新しい世代のオートポイエーシスの理論について学びます。また、新しさを生み出す仕組みとして「カオス」(chaos)現象に注目します。学期の前半は文献読解を中心に進め、後半では各自のノート型パソコンを用いたシミュレーション演習を行います。技術的な知識や専門的な知識は前提としていません。「生きている」とはどういうことか、あるいは「クリエイティブである」とはどういうことかに興味がある人はぜひ来てください。


【授業計画】

第1回 イントロダクション
この授業のテーマと進め方について説明します。

第2回 第一世代のシステム理論

第一世代のシステム理論と言われる「動的平衡系」について概観します。

第3回 第二世代のシステム理論
第二世代のシステム理論と言われる「自己組織化」について学概観します。

第4回 第三世代のシステム理論
第三世代のシステム理論と言われる「オートポイエーシス」について概観します。

第5回 オートポイエーシス (1)
オートポイエーシス(自己創出)の理論について、さらに深く学びます。

第6回 オートポイエーシス (2)
オートポイエーシス(自己創出)の理論について、さらに深く学びます。

第7回 生命のシステム、創造のシステム
これまで学んできたことを振り返り、生命のシステム、および創造のシステムについて考えます。

第8回 力学系
「力学系」の考え方について学びます。

第9回 「新しさ」はどうやって生まれるのか?(1)
決定論的な力学系において、新しさをもたらすカオス(chaos)現象について学びます。

第10回 「新しさ」はどうやって生まれるのか?(2)
決定論的な力学系において、新しさをもたらすカオス(chaos)現象について学びます。

第11回 規則と不規則のあいだ
カオスを用いた描画ソフト「ChaoticWalker」を用いて、規則と不規則のあいだの領域を探索します。

第12回 対談「創造のシステム(仮)」(1)
ゲストスピーカーに、ドミニク・チェンさんをお呼びし、システム理論の観点から生命と創造性について考えます。 ※補講:12月14日(土)3・4限にて行います

第13回 対談「創造のシステム(仮)」(2)
ゲストスピーカーに、ドミニク・チェンさんをお呼びし、システム理論の観点から生命と創造性について考えます。 ※補講:12月14日(土)3・4限にて行います

第14回 総括
これまでの授業を振り返り、総括を行います。

第15回 質疑応答
授業に関する質疑応答を行います。


【教材・参考文献】

■教科書
  • 『オートポイエーシス:第三世代システム』(河本 英夫, 青土社, 1995年)
  • 『オートポイエーシス:生命システムとはなにか』(H.R. マトゥラーナ, F.J. ヴァレラ, 国文社, 1991年)
  • 『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』(井庭 崇, 福原 義久, NTT出版, 1998年)

    ■参考書
  • 『動きが生命をつくる:生命と意識への構成論的アプローチ』(池上 高志, 青土社, 2007年)
  • 『生命とは何か:複雑系生命科学へ』(金子 邦彦, 第2版, 東京大学出版会, 2009 年)
  • 『【リアリティ・プラス】社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011年)
  • 『インターネットを生命化する プロクロニズムの思想と実践』(ドミニク・チェン, 青土社, 2013年)


    【履修上の注意】

  • 授業と並行して、文献を読んでくる宿題が出ます。
  • 学期後半では、各自のノート型パソコンでシミュレーションを実行する演習を行います(プログラミング等は行わないため、技術的知識は必要ありません)。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    授業の参加、宿題、最終レポート等によって総合的に評価します。


    【履修者制限】

    履修人数を制限する。受入学生数(予定):約 60 人
    選抜方法と時期:初回授業時に選抜を行います。
  • 授業関連 | - | -

    授業シラバス「パターンランゲージ」(2013年度秋学期@SFC)

    今年の「パターンランゲージ」の授業では、パターン・ランゲージの制作に取り組むグループワークをがっつりやります(学期の最初から最後までの本格的なグループワークです)。

    「パターンランゲージ」(創造技法科目-デザインと情報スキル)
    2013年度 秋学期 木曜日3時限(2単位)
    担当教員 井庭 崇


    【主題と目標/授業の手法など】

    この授業では、創造的な未来をつくるための言語「パターンランゲージ」について、その考え方と方法を学びます。パターンランゲージでは、創造・実践の経験則 を「パターン」という小さな単位にまとめ、それを体系化します。かつて、建築家のクリストファー・アレグザンダーは、いきいきとした町や建物に繰り返し現れる関係性をパターンとして定義し、253個のパターンを抽出・記述しました。その後この考え方は、ソフトウェア開発の分野に応用され、現在でも広く活用されています。SFCでは、創造的な学びのための「ラーニング・パターン」や、創造的プレゼンテーションのための「プレゼンテーション・パターン」、創造的コラボレーションのための「コラボレーション・パターン」などが制作されてきました。この授業では、パターンランゲージの考え方を学びながら、新しい分野において自らパターン・ランゲージをつくることができるようになることを目指します。


    【授業計画】

    第1回 イントロダクション
    この授業の内容と進め方と、パターンランゲージの背景にある考え方を説明します。

    第2回 「コラボレーション・パターン」を用いた対話ワークショップ
    創造的コラボレーションのパターン・ランゲージである「コラボレーション・パターン」を用いて、これまでのコラボレーションの経験について語り合う対話ワークショップを行います。

    第3回 パターン・マイニング
    パターン・ランゲージのつくり方について学びます。まずは、自分たちの経験からパターンを抽出する方法について体験的に理解します。

    第4回 「コラボレーション・パターン」を用いたプロジェクト・デザイン
    「コラボレーション・パターン」を用いて、学期を通じて取り組むプロジェクト(グループワーク)の構想を立てます。

    第5回 パターン・プロトタイピング
    マイニングよって得られた結果を、状況・問題・解決というパターン形式で書き始めます。このとき書いたものを「パターンの種」と呼びます。

    第6回 パターン・ライティング (1)
    「パターンの種」を育てて、本格的なパターンの形式で書いていきます。

    第7回 パターン・ライティング (2)
    各プロジェクトでつくってきたパターンをもとに、さらによい内容・表現にするための秘訣を伝授します。また、パターンのイラスト制作についても紹介します。

    第8回 クリエイティブ・ラーニング 対談 (1)
    ゲストスピーカーをお呼びして、「つくることによる学び」である「クリエイティブ・ラーニング」について語り合います。また、そのような学びを支援するパターン・ランゲージについても考えます。※補講日 11月9日(土)3・4限に行います。

    第9回 クリエイティブ・ラーニング 対談 (2)
    ゲストスピーカーをお呼びして、「つくることによる学び」である「クリエイティブ・ラーニング」について語り合います。また、そのような学びを支援するパターン・ランゲージについても考えます。※補講日 11月9日(土)3・4限に行います。

    第10回 ライターズ・ワークショップ (1)
    各プロジェクトで書いたパターンをよりよいものにするために、「ライターズ・ワークショップ」を行います。

    第11回 ライターズ・ワークショップ (2)
    各プロジェクトで書いたパターンをよりよいものにするために、「ライターズ・ワークショップ」を行います。

    第12回 パターン・ライティング (3)
    パターンのクオリティを上げるための秘訣を伝授します。

    第13回 ライターズ・ワークショップ (3)
    各プロジェクトで書いたパターンをよりよいものにするために、「ライターズ・ワークショップ」を行います。

    第14回 ファイナル・プレゼンテーション
    この授業を通じて作成したパターン・ランゲージの発表を行います。

    第15回 総括
    授業の総括をします。


    【教材・参考文献】

    ■教科書
  • 『【リアリティ・プラス】 パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年10月出版予定)
  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇+井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013年)

    ■参考書
  • 『時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993年)
  • 『パタン・ランゲージ:環境設計の手引』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1984年)
  • 『パタン・ランゲージによる住宅の生産』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013年9月出版予定)
  • 『まちづくりの新しい理論』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1989年)
  • 『生命の現象(ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質)』(クリストファー・アレグザンダー, 2013年9月出版予定)
  • 『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡浩一郎, 技術評論社, 2009年)
  • 『クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』(工作舎, 1989年)
  • 『【リアリティ・プラス】社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011年)


    【履修上の注意】

  • 学期を通じて、パターン・ランゲージを制作するプロジェクト(グループワーク)を行います。チームメンバーの迷惑になるので、最後まできちんと取り組むようにしてください。
  • 毎週授業と並行して、関連文献を読む宿題を出します。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績は、授業中の演習、宿題、最終発表/レポートから総合的に評価します。


    【履修者制限】

    履修人数を制限する。受入学生数(予定):約 90 人
    選抜方法と時期:初回授業時に選抜を行います。
  • 授業関連 | - | -
    CATEGORIES
    NEW ENTRIES
    RECOMMEND
    ARCHIVES
    PROFILE
    OTHER