井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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SFC授業シラバス「創造社会論」(2014年度春学期前半)

2014年度からスタートする新カリキュラムで、新しく「創造社会論」(2014年度春学期前半, 水曜1・2限:井庭 崇)という新設科目を担当します。この授業では、各界で創造的な活動をされている方々をゲストとしてお呼びし、対話しながら創造・実践の秘訣をパターン・ランゲージにまとめていきます。

この科目は「4学期制科目」です。週2コマ行い、春学期の前半(4・5月)の7週間で一気に集中的に学ぶことになります。

なお、2014年度から履修者選抜が初回授業よりも前に行われるので、注意してください。


■主題と目標/授業の手法など
これからの社会は、どのような社会になるのだろうか?本講義では、これからの社会を、人々が自分たちで自分たちのモノや仕組みを創造する「創造社会」(Creative Society)であるという想定から出発する。創造社会では、誰もが様々な分野・領域で「つくる」ことをごく当たり前に行うようになる。そして何よりも、「つくる」ということが、生活・人生の豊かさや幸せを象徴するようになると思われる。

かつてインターネットの登場によって始まった「情報社会」では、生活が変わり、組織が変わり、社会が変わった。同様に、「創造社会」の到来でも、生活・組織・社会のあり方が大きく変わることになるだろう。そこで、その変化とはどのようなものなのか、そして、それらの変化は何をもたらすのかを考えることは、これからの未来に向かうための重要な準備となる。

本講義では、創造社会へとつながる創造・実践に取り組んでいる方々をゲストにお招きし、対話を深めることで、創造社会の未来像を描いていく。今年度取り上げる「デザイン」「空間」「商い」「教育」「地域」「文化」「生き方」のそれぞれのテーマについて、創造・実践の秘訣をパターンの形式でまとめ、自分たちの実践につなげるための準備を行う。

今年度の各回のテーマとゲストスピーカーは、以下の通りです。

【デザイン】水野 大二郎さん(慶應義塾大学環境情報学部専任講師)
【空間】中川 敬文さん(UDS株式会社 代表取締役社長)
【商い】小阪 裕司さん(オラクルひと・しくみ研究所代表 / ワクワク系マーケティング実践会主宰)
【教育】市川 力さん(東京コミュニティスクール 校長)
【地域】飯盛 義徳さん(慶應義塾大学総合政策学部准教授 / 特定非営利活動法人鳳雛塾ファウンダー)
【文化】ドミニク・チェンさん(株式会社ディヴィデュアル / コモンスフィア理事)
【生き方】四角 大輔さん(Lake Edge Nomad Inc.代表)

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■授業計画
第1回 デザインのかたち(1) [4/9]
「創造社会」とはどのような社会なのだろうか? 人々が創造性を発揮するためには、どのような仕掛け・道具立てが必要だろうか? 今回は、ファッションデザインを始め、社会的包摂/市民参加型のデザインの研究・実践を行っている水野 大二郎さん(慶應義塾大学環境情報学部専任講師)をゲストにお招きして、これからの「デザインのかたち」について語り合います。

2回 デザインのかたち(2) [4/9]
ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

第3回 創造的な空間をつくる(1) [4/16]
創造を誘発する空間とはどのような空間だろうか? またそのような空間をつくるためには、どうすればよいのだろうか? 今回は、エデュテインメント・タウン「キッザニア東京」やクリエイターをターゲットにした複合型ホテル「CLASKA」などを手がけている株式会社UDS(都市デザインシステム)代表取締役社長の中川 敬文さんをゲストにお招きして、これからの「空間づくり」について語り合います。

第4回 創造的な空間をつくる(2) [4/16]
ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

第5回 創造的な商いをつくる(1) [4/23]
創造社会では、ビジネス/商売はどう変わるのだろうか?特に個々の店が創造性を発揮するようになるためには、どうすればよいのだろうか? 今回は、「感性」や「ワクワク」を重視しながら、数多くのお店を創造的に生まれ変わらせてきた小阪 裕司さん(オラクルひと・しくみ研究所代表 / ワクワク系マーケティング実践会主宰)をお招きして、「創造的な商い」および「商いの創造」について語り合います。

第6回 創造的な商いをつくる(2) [4/23]
ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

第7回 創造的な教育をつくる(1) [5/7]
創造性が重視される社会においては、教育はどのように変わるべきだろうか? そして、従来の知識伝達型の教育とは異なる、創造的な教育とはどのようなものだろうか? 今回は、小学生たちが創造的なプロジェクトを実践している東京コミュニティスクールの校長 市川 力さんをお招きして、「創造性を養う教育」について語り合います。

第8回 創造的な教育をつくる(2) [5/7]
ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

第9回 創造的な地域をつくる(1) [5/14]
地域が創造的になるためには、どうすればよいのか? 今回は、日本各地で地域を元気にしている飯盛 義徳さん(慶應義塾大学総合政策学部准教授 / 特定非営利活動法人鳳雛塾ファウンダー)をゲストにお招きして、「創造的な地域づくり」について語り合います。

第10回 創造的な地域をつくる(2) [5/14]
ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

第11回 創造的な文化をつくる(1) [5/21]
インターネットの登場によって、創造的な活動・展開はどのように変化したのだろうか? そして、これからの社会においては、創造に関する文化はどのようなものになるのだろうか? 今回は、日本におけるクリエイティブ・コモンズの立ち上げに参加し、フリーカルチャーについての研究・実践をしているドミニク・チェンさん(株式会社ディヴィデュアル / コモンスフィア理事)をお招きして、「創造的な文化」について語り合います。

第12回 創造的な文化をつくる(2) [5/21]
ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

第13回 創造的な生き方(1) [5/28]
創造的に生きるとはどういうことか? 誰もが創造性を発揮する社会とはどのような社会なのか?今回は、音楽プロデューサーとして数々のヒット作を生み出しながら、ある時その生活をやめ、ニュージーランドと東京を行き来する「自分なりの生き方」を始めた四角 大輔さん(Lake Edge Nomad Inc.代表)をゲストにお招きして、「自分で自分の生き方をつくる」ことについて語り合います。

第14回 創造的な生き方(2) [5/28]
ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

その他
課題・レポート


■提出課題・試験・成績評価の方法など
成績評価は、授業中の議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。

■履修上の注意
  • この科目は、春学期の前半(4・5月)に週2コマ開講する科目です。
  • この授業では、知識伝達型の講義は行いません。教員とゲストスピーカーによる対談を聴きながら、重要だと思うことを自らつかみ取ることが求められます。

    ■履修者制限
    履修人数を制限する。
    受入学生数(予定):約 90 人
    選抜方法:課題提出による選抜
    課題内容:以下の質問に答え、志望理由について書いて提出してください。 なぜこの授業に参加したいと考えるのか? また、自分のこれからとどのように関係すると考えているのか?
    エントリー〆切日時:2014年4月5日(土)15:00
    履修許可者発表日時:2014年4月7日(月)15:00


    ■教材・参考文献
    教材・参考文献は以下の通りです。

    • 『創造性とは何か』(川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
    • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
    • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
    • 『ハイ・コンセプト:「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク, 三笠書房, 2006)
    • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)
    • 『パタン・ランゲージによる住宅の生産』(クリストファー・アレグザンダー他, 鹿島出版会, 2013)
    • 『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡 浩一郎, 技術評論社, 2009)
    • 『x‐DESIGN:未来をプロトタイピングするために』(山中 俊治, 脇田 玲, 田中 浩也 編著, 慶應義塾大学出版会 2013)
    • 『FabLife:デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」』(田中浩也, オライリージャパン , 2012)
    • 『FABに何が可能か:「つくりながら生きる」21世紀の野生の思考』(田中浩也, 門田和雄 編著, フィルムアート社, 2013)
    • 『探究する力』(市川 力, 知の探究社, 2009)
    • 『「お店」は変えずに「悦び」を変えろ!』(小阪裕司, フォレスト出版, 2013)
    • 『「心の時代」にモノを売る方法:変わりゆく消費者の欲求とビジネスの未来』(小阪裕司, 角川oneテーマ21, 角川書店, 2012)
    • 『価値創造の思考法』(小阪裕司, 東洋経済新報社, 2012)
    • 『「ありがとう」と言われる商い』(小阪裕司, 商業界, 2010)
    • 『社会イノベータ (ケース・ブックIV)』(飯盛 義徳, 慶應義塾大学出版会, 2009)
    • 『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック:クリエイティブ・コモンズによる創造の循環』(ドミニク・チェン, フィルムアート社, 2012)
    • 『インターネットを生命化する プロクロニズムの思想と実践』(ドミニク・チェン, 青土社, 2013)
    • 『自由であり続けるために:20代で捨てるべき50のこと』(四角大輔, サンクチュアリ出版, 2012)
    • 『やらなくてもいい、できなくてもいい。』(四角大輔, サンマーク出版, 2010)
  • 授業関連 | - | -

    SFC授業シラバス「ワークショップデザイン」(2014年度春学期前半)

    2014年度からスタートする新カリキュラムで、新しく「ワークショップデザイン」(2014年度春学期前半, 月曜2・3限:井庭 崇)という新設科目を担当します。この授業では、ワークショップをどのようにデザインすればよいかを考え、実際に他の履修者を対象にワークショップを仕掛けます。

    この科目は「4学期制科目」です。週2コマ行い、春学期の前半(4・5月)の7週間で一気に集中的に学ぶことになります。

    なお、2014年度から履修者選抜が初回授業よりも前に行われるので、注意してください。


    ■主題と目標/授業の手法など

    「対話による学び」や「つくることによる学び」の場をどのようにつくればよいのでしょうか? 本講義では、その場のひとつのかたちとして「ワークショップ」(workshop)の可能性を考えます。

    現在、いろいろな種類のワークショップが開かれていますが、それらのワークショップの背後にはどのような設計意図や工夫があるのでしょうか? また、自分たちがワークショップをつくるときには、何をどのように考えればよいのでしょうか? そして、ワークショップのファシリテーションにおいては、何に気をつければよいのでしょうか?

    これらのことを考え・学ぶために、授業と並行して、ワークショップを考案・設計するグループワークを行います。授業の後半では、他の履修者を対象に、自分たちの考案・設計したワークショップを実施します。これにより、「ワークショップデザイン」の感覚・スキルを実践的に高めたいと思います。

    WorkshopDesign.jpg

    ■授業計画
    第1回 イントロダクション (4/7)
    授業の内容、進め方について説明します。

    第2回 ワークショプと設計意図 (4/7)
    ワークショップを実際に体験し、その設計意図について考えます。

    第3回 ゲスト・ファシリテーターによるワークショップ実践 (4/14)
    社会問題の解決に関心のある学生に向けた教育プログラム「Changemakers Learning Camp」や、異色の「恋のパターン・ランゲージ ワークショップ」など国内外でワークショップを実践している下向 依梨さんにお越しいただき、ワークショップを開催していただきます。

    第4回 ゲスト・ファシリテーターによるワークショップ解説 (4/14)
    ワークショップの設計とその意図について、ゲストの下向 依梨さんにお話しいただきます。

    第5回 ワークショップの設計 (4/21)
    ワークショップの内容や進め方をどのように考えればよいのか、また、より効果を高めたり楽しめたりするための工夫について考えます。

    第6回 振り返りと評価の設計 (4/21)
    ワークショップでの学びを確実なものにするための「振り返り」(reflection)と「評価」について考えます。

    第7回 プロトタイプ・ワークショップの実践(1) (4/28)
    グループで考えてきたワークショップを試しに実施してみます。

    第8回 プロトタイプ・ワークショップの実践(2) (4/28)
    実施したワークショップの反応や感触から、自分たちのワークショップの内容・構成を再検討します。

    第9回 ワークショップ・ファシリテーション実践(1) (5/12)
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第10回 ワークショップ・ファシリテーション実践(2) (5/12)
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第11回 ワークショップ・ファシリテーション実践(3) (5/19)
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第12回 ワークショップ・ファシリテーション実践(4) (5/19)
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第13回 ワークショップ・ファシリテーション実践(5) (5/26)
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第14回 振り返りと総括 (5/26)
    この授業での活動と学びを振り返り、総括を行います。

    その他
    グループワーク, 課題・レポート


    ■提出課題・試験・成績評価の方法など
    成績評価は、授業中の演習・議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。

    ■履修上の注意
    授業時間外にグループワークの活動をすることが求められます。

    ■履修者制限
    履修人数を制限する。
    受入学生数(予定):約 90 人
    選抜方法:課題提出による選抜(SFC-SFS)
    課題内容:以下の質問に答え、志望理由について書いて提出してください。 なぜこの授業に参加したいと考えるのか? また、自分のこれからとどのように関係すると考えているのか?
    エントリー〆切日時:2014年4月3日(木)15:00
    履修許可者発表日時:2014年4月4日(金)15:00


    ■教材・参考文献
    教材・参考文献は以下の通りです。この他の文献については、適宜、授業中に指示します。

    • 『創造性とは何か』(川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
    • 『発想する会社!:世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』(トム・ケリー, ジョナサン・リットマン, 早川書房, 2002)
    • 『ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ』(デヴィッド・ボーム, 英治出版, 2007)
    • 『知がめぐり、人がつながる場のデザイン:働く大人が学び続ける”ラーニングバー”というしくみ』(中原 淳, 英治出版, 2011)
    • 『「未来の学び」をデザインする:空間・活動・共同体』(美馬 のゆり, 山内 祐平, 東京大学出版会, 2005)
    • 『MAKE SPACE メイク・スペース:スタンフォード大学dスクールが実践する創造性を最大化する「場」のつくり方』(スコット・ドーリー, スコット・ウィットフト, 阪急コミュニケーションズ, 2012)
    • 『シナリオ・プランニング:戦略的思考と意思決定』(キース・ヴァン・デル・ハイデン, ダイヤモンド社, 1998)
    • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
    • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
    • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)
    • 『人を賢くする道具:ソフト・テクノロジーの心理学』(D.A.ノーマン, 新曜社, 1996)
    • 『アブダクション:仮説と発見の論理』(米盛裕二, 勁草書房, 2007)
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