井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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井庭研 重要文献リスト120冊(2021年7月バージョン)

井庭研では、たくさん本を読みます。難しいものも読みます。重要なものは、何度も読み直し、読み込みます。

本を読むのは、単にそこに書いてあることを知るということではありません。本を読むのは、考え方の型を知り、考える力をつけるためであり、それを自分の創造の道具・基盤とするためです。概念・知識は単体ではあまり役に立ってはくれませんが、他の概念・知識とつながって豊かなネットワークに育っていくと、ものを考える力、創造的に発想する力の源泉となります。

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そのためには、ある程度の量を一気に読むことが重要となります。《量は質を生む》のです。ある程度の分量の本を短期間にどんどん読むことで、概念・知識のつながりがよく見え、また、化学反応のようなものが起きて、思考力と創造力が豊かになり強化され、自分の概念装置として使いこなせるようになっていきます。

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本を読むことに慣れないうちは、「坂道を登る」ような少しきつい感覚があるかもしれませんが、大丈夫。だんだん力がついて、読みこなせるようになっていきます(実際、そうなった人たちがたくさんいます)。しかも、坂を登って行き、高いレベルに上がると、視座が上がり視野が広がるので、麓(ふもと)にいるときには見ることも想像することもできなかったような素晴らしい景色を見ることができるようになります。それは、とても爽快で、喜びにあふれる感覚です。そうなれば、どんどん自分で読んでいけるようになり、本を読むごとに、これまでに読んだいろいろな話へのつながりをたくさん発見し、ますますワクワクを味えるようになります。こうして、自分の力を高め、人生が豊かになっていく。ぜひその感覚を味わってもらいたいと思います。

さらに、自分たちの研究・思想に重要な文献を各自読んでいると、それが井庭研の他のメンバーとの共通認識を持つことになり、それを共通言語として話すことができるようになります。これは、創造的なコラボレーションに参加するための、とても重要な前提条件となります。

とはいえ、何を読めばいいのか、自分で考えるのは難しいものです。そこで、最初の学期に何を読めばよいのか、重要文献をまとめました。このあたりを押さえておくと、先輩たちの話を理解したり、「井庭研らしい」思考・発想の勘所をつかむことができ、話し合いや創造に貢献することができる入口に立つことができます。各自、本を入手し、どんどん読み進めていってください。

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【最初の半年で読んでおくべき本】15冊

■井庭研でやっていることの考えの基本を理解する


■クリストファー・アレグザンダーの思想と取り組みについて直に学ぶ


■人間行為のパターン・ランゲージを実際に読んでみる


■思考と創造の本質について捉え直す


■ナチュラルな生き方・社会へのシフトの重要性を感じる


その他、研究会で紹介する重要論文(初級編)

*   *    *


【最初の半年から手元に置いて、必要に応じて適宜読む本】10冊


■人間行為のパターン・ランゲージをいろいろ読んで、分野・表現の多様性と共通点を感じる



■パターン・ランゲージの原点を知り、その質感に触れる


■研究と論文執筆のための考え方の手引き


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【入ってから1年以内に読んでおくべき本】25冊

■人間行為のパターン・ランゲージを具体的に知り、日常に活かす


■アレグザンダーの思想とパターン・ランゲージの展開をさらに深く理解する


■創造的な思考と学びについて深く考え直す


■個から普遍へと至る道を理解する


■ナチュラル・クリエイティビティの豊かなイメージを持つ


■創造社会のヴィジョンを実感する


その他、研究会で紹介する重要論文(中級編)


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【入ってから1年半までに読んでおくべき本】30冊

■現象学について理解を深める


■相手を内側から理解するとはどういうことか


■ナチュラルでクリエイティブな豊かさについて味わう


■これからの生き方について考える


■つくる人生についてイメージを持つ


■ナチュラルでクリエイティブなコミュニティについて考える


■中動態について理解する


■東洋の思想・哲学を知る


■学問の営みと潮流を知り、新しい学問をつくることの意識を高める


その他、研究会で紹介する重要論文(上級編)


【より深い理解・思考・創造のためのおすすめ文献】40冊

■まだ邦訳されていないアレグザンダーの最新の考えを知る


■社会システム理論と社会を分析するということ


■複雑系とオートポイエーシスのシステム理論を知る


■つくる人生についてイメージをさらに深める


■言葉の可能性を感じる


■創造の考えについて深める


●学びと成長についての原典にあたる


■思考と実践の哲学、プラグマティズムについて理解する


■井庭研に関係するいろいろな思想・哲学を知る


■論文執筆の力の向上
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