井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

<< June 2011 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

井庭研 説明会(2011年秋学期履修希望者向け)を開催します!

下記の日程で、来学期履修希望者向けの「井庭研 説明会」を開催します。担当教員と現役メンバーが、研究会のテーマや進め方などを説明します。井庭研に参加したいと思っている人も、何をやっているのか興味がある人も、研究会選択を迷っている人も、ぜひ来てください!


■ 井庭崇研究会B1説明会 7月11日(月)5限 @ ε12教室
パターン・ランゲージによる実践知の言語化プロジェクト
(創造的なコラボレーション + 魅せるプレゼンテーションの探究)

■ 井庭崇研究会B2説明会 7月12日(火)5限 @ κ11教室
新しいシステム理論にもとづく社会研究
(コミュニケーションの連鎖の分析とメディア構築)


Ilab1Image2011fallSq200.jpg Ilab2_2011fall200.jpg
井庭研だより | - | -

井庭研究会B2(2011年秋学期)シラバス

井庭崇研究会B2(火曜5限)

新しいシステム理論にもとづく社会研究
(コミュニケーションの連鎖の分析とメディア構築)

【Important Dates】

7月12日(火)5限 井庭研B2説明会@κ11。
7月22日(金) エントリー〆切
7月29・30日(金・土)面接


【目的・内容】

自分たちで自分たちの未来をデザインする―――― 社会が複雑化し多様化するなかで、いかにしてそれを実現するのか。これは現代社会が抱えている根本的な課題です。自己革新的な社会においては、自らヴィジョンを創造し、それを具現化する仕組みをデザインし、実践することが求められます。本研究会では、新しいシステム理論にもとづき、秩序形成の原理と新しい仕組みのデザイン/実践の方法を探究します。

本研究会は、「新しいシステム理論の探究」と「個人研究」の二本柱で構成されます。

「新しいシステム理論の探究」では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」(Social Systems Theory)に関する文献を読み込み、理解を深めます。この理論では、社会を「コミュニケーション」という出来事の生成・連鎖の視点で捉えます。そして、本来は生起しにくい社会的秩序が、いかにして生じ得るのかを考察します(より具体的に言うと、コミュニケーションの生成・連鎖を下支えしている「メディア」は何かを特定し、その働きを理解します)。この理論はこれまでにも、政治、経済、法、科学、教育、芸術、宗教、マスメディア、社会運動、組織、愛など、様々な社会現象の理解に用いられており、多様な社会現象を統一的な視点で理解し、比較検討できることがわかっています。2011年度春学期の輪読では『社会の社会』〈1〉 〈2〉を読みましたが、秋学期は『エコロジーのコミュニケーション』と『社会の科学』〈1〉 〈2〉等を読み、学問や大学の役割と可能性について議論できればと考えています。

「個人研究」では、各自の問題意識にもとづく研究に取り組みます。つまり、自分がどうしても取り組みたいテーマ、「研究への情熱」が持てるテーマについて、ルーマン理論から得た発想・分析枠組みなどを活かしながら分析・考察し、新しい仕組みの提案・実践に取り組みます。このほか必要に応じて複雑系(Complex Systems)の諸理論や創造システム理論(Creative Systems Theory)、さらには新しい研究方法(ネットワーク分析やモデリング・シミュレーション)を取り入れるなど、社会研究方法の革新にも取り組みます。

本研究会の参加者としては、これまで自分が取り組んできた研究対象を新しい視点で捉え直したい人、またはSFCらしい新しいアプローチで研究を始めたい人を歓迎します。どちらの場合でも、自分が取り組むテーマに対する「しっかりとした問題意識」と「研究遂行への強い意志」を求めます。


Ilab2_2011fall420.jpg


【授業スケジュール】

ゼミは、火曜5限に行います。
毎週のゼミでは、「輪読」や「個人研究レビュー」を行います。
●輪読では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」に関する文献を読み込み、理論の理解を深めます。
●個人研究レビューでは、各自の問題意識にもとづく個人研究の進捗状況を報告し、互いにコメント/アドバイスをし合います。


【履修条件】

● 個人研究で取り組みたいテーマが明確になっていること(具体的なイシューに落とし込めていること)。
● 個人研究によって付加価値のあるアウトプットを生み出す強い意志があること。
● 知的コミュニティとしての研究会を、自分たちでつくっていく意志があること。


【その他の留意点】

● 研究会に参加するメンバーはそれぞれ異なる研究対象領域をもつことになるので、各自の研究テーマそのものに関する知識(例えば、経営がテーマの場合、経営の理論や事例など)は自分で身につけてもらいます。
● ゼミの正規の時間よりも延長して活動を行います。また、ゼミ後に議論・交流のための食事会を開催します。ゼミの時間の後には、ほかの予定を入れないようにしてください。
● 井庭研究会B1との同時履修や、他の研究会との同時履修も歓迎します。
● 7月12日(火)5限に、κ11教室にて、担当教員と現役メンバーによる「井庭研B2説明会」を開催します。井庭研に興味がある人や迷っている人など、ぜひ来てください。
● 9月上旬から中旬にかけて、ルーマンの社会システム理論を学ぶための「特別研究プロジェクト」を開催予定です。詳細は追って連絡しますが、秋学期に先行してスタートできるので、可能であれば参加してください。


【予定受け入れ人数】

15名程度


【エントリー課題】

本シラバスをしっかりと読んで内容を理解した上で、以下のエントリー情報を7月22日(金)までにメールで提出してください。

エントリーメールの提出先: ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp
メールのサブジェクト(件名): 井庭研究会B2 履修希望

以下の内容を書いたエントリーレポート(PDF形式)を、メールで提出してください。

井庭研究会B2 履修希望
(1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名
(2) 問題意識と研究テーマ(社会のどの部分に問題を感じ、どのように解決したいと考えているのか?)
(3) 来学期、並行して所属する予定の研究会
(4) これまでに所属した研究会
(5) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
(6) これまでに履修した担当教員(井庭)の授業
(7) その他の自己紹介(やっていること、興味があること、将来の方向性、自己アピールなど)

※ (2)は、A4用紙で1枚程度でまとめてください。
※ (2)や(7)では、図や写真を用いて構いません。魅力的にアピールしてください。


以上のエントリー情報にもとづき、面接を行います。面接では、問題意識と研究計画がきちんと練られているかについて確認・議論します。


【評価方法】

日頃の文献読解・議論における積極性・貢献度、個人研究の成果、および研究会関連の諸活動から総合的に評価します。


【問い合わせ・連絡先】

ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp


【参考文献】

●『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007)[ N. Luhmann, Ecological Communication, University Of Chicago Press, 1989 ]
●『社会の科学』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
●『社会の教育システム』(ニクラス ルーマン, 東京大学出版会, 2004)

●『システム理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈1〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2007)
●『社会理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈2〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2009)
●『社会システム理論』〈上〉 〈下〉(ニクラス・ルーマン, 恒星社厚生閣, 1995) [ N. Luhmann, Social Systems, Stanford University Press, 1996 ]
●『社会の社会』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
●『近代の観察』(ニクラス・ルーマン, 法政大学出版局, 2003)[ N. Luhmann, Observations on Modernity, Stanford University Press, 1998 ]

●『創造的論文の書き方』(伊丹敬之, 有斐閣, 2001)
●『「超」文章法』(野口悠紀雄, 中央公論新社, 2002)
●『考える技術・書く技術:問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント, 新版, ダイヤモンド社, 1999) [ B. Minto, The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking, 3rd Revised ed, Financial Times Prentice Hall, 2008 ]

●「SFCの現場:井庭研究室」 http://www.sfc.keio.ac.jp/introducing_labs/index.html
井庭研だより | - | -

井庭研究会B1(2011年秋学期)シラバス

井庭崇研究会B1(月曜5限)

パターン・ランゲージによる実践知の言語化プロジェクト
(創造的なコラボレーション + 魅せるプレゼンテーションの探究)


【Important Dates】

7月11日(月)5限 井庭研B1説明会@ε12。
7月22日(金) エントリー〆切
7月29・30日(金・土)面接

【目的・内容】

魅力があり、想像力をかきたて、人を動かす「ことば」を生み出すには、どうすればよいのでしょうか? ――― 本研究会では、そのような「ことばの力」を探究し、実践知を「パターン・ランゲージ」として言語化することを目指します。

パターン・ランゲージとは、「デザインの知」(問題発見+問題解決の知)を記述するための方法です。パターン・ランゲージの要素である「パターン」には、どのような状況(Context)のときに、どのような問題(Problem)が生じやすく、それをどのように解決すればよいのか(Solution)が記述されます。このようなパターンには、対象となるデザイン領域における「よりよいカタチ」についての想像力をかきたて、人を動かす機能があります。

パターン・ランゲージの方法は、もともとは建築デザインの分野で提唱されたのですが、その後ソフトウェア・デザインの分野に応用され、成功を収めました。さらに、組織デザインなど、新しいデザイン領域にも応用され始めています。SFCでも「学び」のパターン・ランゲージ(学習パターン:Learning Patterns)が制作され、学内外で注目を集めています。本研究会では、このパターン・ランゲージの方法にもとづいて、新しい領域の実践知の記述に取り組みます。

2011年度秋学期に、メンバー全員で取り組むのは「(広義の)プレゼンテーションのパターン・ランゲージ」と「創造的コラボレーションのパターン・ランゲージ」です (*)。プレゼンテーション・パターンでは、「人に何かを伝え・共有するとき、情報をどのように整理し、表現し、伝えればよいのか」という秘訣を記述します。コラボレーション・パターンでは、「複数人によるコミュニケーションの連鎖のなかで、どのように新しい価値を生みだせばよいのか」という秘訣を記述します。

パターン・ランゲージをつくるということは、「ことばの力」によるエンパワーメントを通じて、社会へコミットすること、未来へコミットすることを意味します。そのような新しい方法の開発・実践に挑戦する、「やる気」のあるメンバーにぜひ来てほしいと思います (**)。


* プレゼンテーション・パターンの制作は、すでに春学期から動き始めていますが、これまでの準備段階を経て、いよいよ秋学期からパターンランゲージとしての本格的な記述・洗練が始まるところです。秋学期から参加するメンバーがスムーズにプロジェクトに合流できるように配慮しますし、まだまだ十分に活躍の機会はあります。その点は心配せず、本プロジェクトに合流してください。こだわり抜いたクオリティの高いものを一緒に作り上げましょう!そしてこの経験が、学期中頃からスタートする「創造的コラボレーションのパターン・ランゲージ」のための共有体験にもなります。

** 井庭研では、このほか、「探究型の学びの場づくりとファシリテーション」のためのパターンランゲージや、「社会変革」のパターンランゲージ、「子どもの学び」のパターンランゲージ(子ども版 学習パターン)、「文章執筆」のパターン・ランゲージなどにも、機会をみて取り組んでいきたいと思っています。そのようなテーマに興味がある人も、研究会全体で取り組む上記の活動を通じて、方法論を学び、経験を積んでほしいと思います。また、パターンランゲージの制作だけでなく、それを実際に活かすためのワークショップや新しいメディアづくりにも取り組みます。

Ilab1Image2011fallSq420.jpg


【授業スケジュール】

ゼミは、月曜5限に行います。
毎週のゼミでは、メンバー全員でパターン・ランゲージの制作作業・レビュー等を行います。


【履修条件】

● プロジェクト活動によって付加価値のあるアウトプットを生み出す意志があること。
● プロジェクトに付随して必要となる、ゼミ時間外での個人作業・グループワーク(パターンの執筆/文献読解/レビュー等)にきちんと参加する意志があること。
● 知的コミュニティとしての研究会を、自分たちでつくっていく意志があること。


【その他の留意点】

● 本研究会では、参加者全員によるプロジェクト(プレゼンテーション・パターンの制作)を行います。個人研究はありません(卒業プロジェクトについては応相談)。
● ゼミの正規の時間よりも延長して活動を行います。また、ゼミ後に議論・交流のための食事会を開催します。ゼミの時間の後には、ほかの予定を入れないようにしてください。
● 井庭研究会B2との同時履修や、他の研究会との同時履修も歓迎します。
● 7月11日(月)5限に、ε12教室にて、担当教員と現役メンバーによる「井庭研B1説明会」を開催します。井庭研に興味がある人や迷っている人は、ぜひ来てください。


【予定受け入れ人数】

15名程度


【エントリー課題】

本シラバスをしっかりと読んで内容を理解した上で、以下のエントリー情報を7月22日(金)までにメールで提出してください。

エントリーメールの提出先: ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp
メールのサブジェクト(件名): 井庭研究会B1 履修希望

以下の内容を書いたエントリーレポート(PDF形式)を、メールで提出してください。

井庭研究会B1 履修希望
(1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名
(2) 本プロジェクトに参加する動機・意気込み・期待
(3) 「よいプレゼンテーション」(広い意味での)とはどのようなものか、自分の考えを書いてください。
(4) 「創造的なコラボレーション」(グループワーク、プロジェクト、部活/サークル)の経験について教えてください。
(5) 持っているスキル/得意なこと(自然言語, 画像・映像編集, グラフィックス・デザイン, 音楽, プログラミング, その他)
(6) 来学期、並行して所属する予定の研究会
(7) これまでに所属した研究会
(8) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
(9) これまでに履修した担当教員(井庭)の授業
(10) その他の自己紹介(やっていること、興味があること、将来の方向性、自己アピールなど)

※ (3)〜(5)や(10)では、図や写真を用いて構いません。魅力的にアピールしてください。

以上のエントリー情報にもとづき、面接を行います。


【評価方法】

日頃のプロジェクト活動における積極性・貢献度、および研究会関連の諸活動から総合的に評価します。


【問い合わせ・連絡先】

ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp


【参考文献】

●『パタン・ランゲージ:環境設計の手引』(クリストファー・アレグザンダー 他, 鹿島出版会, 1984)[ C. Alexander, S. Ishikawa, M. Silverstein, A Pattern Language: Towns, Buildings, Construction, Oxford University Press, 1977 ]
●『時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993)[ C. Alexander, The Timeless Way of Building, Oxford University Press, 1979 ]

●『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡 浩一郎, 技術評論社, 2009)
● M. Lynn Manns, L. Rising, Fearless Change: Patterns for Introducing New Ideas, Addison-Wesley, 2004

●『暗黙知の次元』(マイケル・ポランニー, 筑摩書房, 2003)[ M. Polanyi, The Tacit Dimension, Reissue edition, University Of Chicago Press, 2009 (1966) ]
●『アブダクション:仮説と発見の論理』(米盛裕二, 勁草書房, 2007)
●『発想する会社!:世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』(トム・ケリー, ジョナサン・リットマン, 早川書房, 2002)[ Thomas Kelley, Jonathan Littman, The Art of Innovation: Success Through Innovation the IDEO Way, Profile Business, 2002 ]

●『Learning Patterns: A Pattern Language for Active Learners at SFC 2009』(学習パターンプロジェクト, 慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学学部, 2009)※ http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/
●「自生的秩序の形成のための《メディア》デザイン──パターン・ランゲージは何をどのように支援するのか?」(井庭 崇, 『10+1 web site』, 2009年9月号)※ http://tenplusone.inax.co.jp/monthly/2009/09/post-2.php
●「『コラボレーションによる学び』の場づくり:実践知の言語化による活動と学びの支援」(井庭 崇, 人工知能学会誌 24(1), 70-77, 2009) http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/papers/2009JSAI.pdf

●「コラボでつくる! ―――コミュニケーションの連鎖による創発」(井庭 崇,『創発する社会』,國領 二郎(編著),日経BP企画,2006,p.68-85)
●Takashi Iba, "An Autopoietic Systems Theory for Creativity," Procedia - Social and Behavioral Sciences, Vol.2, Issue 4, 2010, Pages 6610-6625 http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1877042810011298

●「SFCの現場:井庭研究室」 http://www.sfc.keio.ac.jp/introducing_labs/index.html
井庭研だより | - | -
CATEGORIES
NEW ENTRIES
RECOMMEND
ARCHIVES
PROFILE
OTHER