井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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創造社会へのパスポート(井庭研スタンプラリー@ORF2013)

2013年11月22日・23日に東京ミッドタウンで開催されるORF(オープン・リサーチ・フォーラム)で、今年 井庭研は、展示ブースを会場全体に分散配置させることにしました。

そして、あちこちに点在している井庭研ブースを巡る「スタンプラリー」を実施します!

今年このような形態にするのには、ワケがあります。

現在、井庭研では20弱のプロジェクトが走っています。それらのプロジェクトのテーマはかなり幅広く、ORF会場でいうと全領域をカバーするくらいの多様なテーマがあるのです。

そうであるならば、それぞれのテーマを適した領域にきちんと置き、パターン・ランゲージの適用範囲の「幅広さ」を体感してもらいたい。そう考えたのです。

そこで、展示会場A〜Eのそれぞれの領域に井庭研ブースを配置しました。

名づけて「創造社会へのパスポート」。

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来場者の方には、井庭研特製のパスポートをお渡しします。

このパスポートを手に井庭研ブースを探し、研究の説明を聞いたら、そのブースのスタンプを押すことができます。

6カ所すべてのブースをまわると、素敵なプレゼントも用意していますよ!

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もちろん、発表形態だけでなく、発表内容も革新的・魅力的です。

今年も、まったく新しい領域のパターン・ランゲージや、パターン・ランゲージの活用方法やシステムなど、新しい成果が目白押しです。

創造的な未来に思いを馳せながら、ぜひ、井庭研ブースを巡っていただければと思います!

慶應義塾大学 SFC OPEN RESEARCH FORUM "創のbazaar"
2013年11月22日(金)・23日(土・祝)

東京ミッドタウン・ホール B1F
会場マップ→ http://orf.sfc.keio.ac.jp/jp/map

【ゾーンA】ユビキタス・インフラ・通信・技術—高信頼情報社会
A03 井庭崇研究室「創造社会へのパスポート:自発的な学び・成長を形づくる」

【ゾーンB】身体知・ヘルスケア・ライフサイエンス—健康高齢社会)
B04 井庭崇研究室「創造社会へのパスポート:状況に応じて臨機応変に行動する」

【ゾーンC】政策・文化・ガヴァナンス—国際戦略設計
C06 井庭崇研究室「創造社会へのパスポート:変わりゆく世界の中で自分らしく生きる」

【ゾーンD】社会・グローバル・地域・教育—社会イノベーション
D11 井庭崇研究室「創造社会へのパスポート:組織・コミュニティの言語をつくる」
D12 Generative Beauty Project「The 4th Place ~自分をかたちづくる第四の場所~」


【ゾーンE】デザイン・環境デザイン—環境共生
E09 井庭崇研究室「創造社会へのパスポート:つくり方をつくる・継承する」
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井庭研 必読文献リスト(2013年9月更新版)

「創造社会を支える方法・道具をつくる」研究活動を行う井庭研の必読文献50冊を選びました。井庭研の研究活動は、これらの文献で論じられていることや提唱されている概念をベースに行われています。よりよい成果を生み出すために、井庭研在籍中の早い段階でこれらの文献を読み進め、知識を身につけ、考えを深め、感覚を磨いてください。

遅くとも3年生の終わりまでに、すべての文献を読み終わることが、4年生の「卒業プロジェクト」開始の前提条件となります。また学年に関わらず、1年以上在籍して「自主プロジェクト」を立ち上げる場合にも、これらの文献を読んでいることが求められます。



以下のリストでは、【井庭研の基本の基本】、【パターン・ランゲージ】、【創造の理論と方法】、【知・芸術・社会】というカテゴリに分けて示してあります。また、文献ごとに、どのような観点で井庭研メンバーにとって重要なのかのポイントを書いておきました。読む時の参考にしてください。なお、邦訳が出ているものは訳書の情報を書いておきましたが、原著を英語で読むのでも構いません(歓迎します)。


井庭研の基本の基本】

1.『【リアリティ・プラス】パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)※深いところまで語っているので、何度も読み返してほしい。

2.『【リアリティ・プラス】社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)※特に序章と第2章(熊坂×井庭対談)はしっかり理解してほしい。

3.「自生的秩序の形成のための《メディア》デザイン──パターン・ランゲージは何をどのように支援するのか?」(井庭 崇, 『10+1 web site』, 2009年9月号: http://10plus1.jp/monthly/2009/09/post-2.php ) ※創造システムとパターン・ランゲージの関係について理解する。

4.『創造性とは何か』(川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)※創造においては、つくるもの(客体)だけでなく、つくる側(主体)も変化するということを理解する。


【パターン・ランゲージ】

(アレグザンダーの重要著作)

5.『時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993)※この本のもつ質感を味わいながら読んでほしい。時間をあけて何度か読み直すとよい。

6.『オレゴン大学の実験』(クリストファー・アレグザンダー他, 鹿島出版会, 1977)※「6つの原理」について理解し、自分の分野に引き寄せて考えてほしい。

7.『パタン・ランゲージによる住宅の生産』(クリストファー・アレグザンダー他, 鹿島出版会, 2013)※特に「アーキテクト・ビルダー」について理解し、自分の分野に引き寄せて考えてほしい。

8.『パタン・ランゲージ:環境設計の手引』(クリストファー・アレグザンダー他, 鹿島出版会, 1984)※建築の話だけれども、内容的に面白いので楽しく読める。町や建物を見る「認識のメガネ」を獲得するとともに、パターン・ランゲージの原典として記述や表現を学んでほしい。

9.『まちづくりの新しい理論』(クリストファー・アレグザンダー他, 鹿島出版会, 1989)※「成長する全体」をどう育てるのかについて、つかんでほしい。


(パターン・ランゲージの歴史)

10.『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡浩一郎, 技術評論社, 2009)※前半はアレグザンダーの考え方の変遷についての素晴らしいまとめになっている。後半のWikiやXPとのつながりも知ってほしい。

11.『クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』(スティーブン・グラボー, 工作舎, 1989)※アレグザンダーの探究をパラダイム・シフトとして捉えた好著。この本にしか書かれていない話なども多いので、何度も読み直してほしい。

12.「パターンの可能性:人文知とサイエンスの交差点」(井庭崇+江渡浩一郎+増田直紀+東浩紀+李明喜, 『思想地図β vol.1』, 東浩紀 編, 合同会社コンテクチュアズ, 2010)※ビッグデータと質の関係について、この鼎談を読んで、自分なりに考えてみてほしい。


(人間行為のパターン・ランゲージ)

13.『【パターン・ランゲージ・ブックス】プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)※井庭研3部作パターンの最初の出版物。つくり込み方を見てほしい。

14.『Fearless Change: Patterns for Introducing New Ideas』(Mary Lynn Manns, Linda Rising, Addison-Wesley, 2004)※組織変革のパターン・ランゲージ。アイデアを組織にどのように導入すればよいのか。文章や構成についても参考にしてほしい。

15.『Pedagogical Patterns: Advice for Educators』(Pedagogical Patterns Editorial Board, CreateSpace Independent Publishing Platform, 2012)※教え方についてのパターン・ランゲージ。英語でパターンをどのように書くのかについて、文章や構成を参考にしてほしい。


(アレグザンダーの最新著作)

16.『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)※「いきいきとしている」という全体をどのように捉えればよいのか。センターの概念と、それらが互いに強め合うやり方(15の基本特性)について理解する。

17.『The Nature of Order, Book 2: The Process of Creating Life』 (Christopher Alexander, The Center for Environmental Structure, 2003)※現在の構造を保全しながら変容していくシステムをイメージできるようになりたい。また、センターとパターンの関係についても理解したい。

18.『The Battle for the Life and Beauty of the Earth: A Struggle Between Two World-Systems』(Christopher Alexander, Oxford University Press, 2012) ※現代の資本主義的な「Bシステム」と、目指すべき「Aシステム」とは何かを理解する。


(アレグザンダーの過去の著作)

19.『形の合成に関するノート』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1978, 絶版)※難しいかもしれないが、「デザイン」とは何かや、「自覚的な文化」「無自覚な文化」などの考え方を理解してほしい。ダイアグラムをパターンと読み替えて読むとよいだろう。

20.「都市はツリーではない」(クリストファー・アレグザンダー, 『テクストとしての都市(別冊國文学・知の最前線)』(前田愛 編、學燈社、一九八四年)所収) ※「ツリー」と「セミラティス」の概念は理解しておきたい。


【創造の理論と方法】

(創造についての探究)

21.『アブダクション:仮説と発見の論理』(米盛裕二, 勁草書房, 2007)※チャールズ・サンダー・パースの「アブダクション」の概念を理解する。アブダクションとは、「演繹」(deduction)と「帰納」(induction)に並ぶ「発想」(abduction)の論理である。

22.『暗黙知の次元』(マイケル・ポランニー, ちくま学芸文庫, 筑摩書房, 2003) ※創造の背後にある暗黙知について理解する。ただし、表面的なレベルの理解で終わらないために、「松岡正剛の千夜千冊:1042夜」( http://1000ya.isis.ne.jp/1042.html )を参照して再読してほしい。

23.『源泉:知を創造するリーダーシップ』(ジョセフ・ジャウォースキー, 英治出版, 2013)※創造の際に、すべてが自ずと明らかになり「意思決定」はいらなくなる、とはどういうことかを知る。これは、「物語が自律的に育つ」ということや「つくっているものの要素(ピース)が然るべきところにはまる」という感覚と同義だと思われる。


(創造の現場)

24.『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです:村上春樹インタビュー集 1997-2011』(村上春樹, 文春文庫, 文藝春秋, 2011)※一人の作家がどのように創作を行っているのかを垣間みることができる。語られている作品についてではなく、創造に対する考えや感覚、方法に注目して読んでほしい。

25.『走ることについて語るときに僕の語ること』(村上春樹, 文春文庫, 2010)※創造のためのタフネス。「つくり続ける強さ」をどう身につけるか。

26.『感動をつくれますか?』(久石 譲, 角川oneテーマ21, 角川書店, 2006) ※継続して創造的な仕事をするためには何が必要かを学んでほしい。

27.『決断力』(羽生善治, 角川oneテーマ21, 角川書店, 2005)※「棋士は指し手に自分を表現する」という将棋の話から、創造性について学ぶ。


(言葉による表現)

28.『書きあぐねている人のための小説入門』(保坂 和志, 中央公論新社, 2008)※小説を書くとはどういうことかの話を通じて、パターン・ランゲージの質と表現を考える。

29.『言葉で世界を変えよう:万葉集から現代俳句へ』(茂木 健一郎, 黛 まどか, 東京書籍, 2010):俳句の世界を知ることで、パターン・ランゲージの質と表現を考える。

30.『名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方』(鈴木 康之, 日経ビジネス文庫, 日本経済新聞出版社, 2008)※人の心に響く言葉をどうつくるのか。


(創造の技法)

31.『発想法:創造性開発のために』(川喜田 二郎, 中公新書, 中央公論社, 1967)※井庭研でも多用している「KJ法」について、その考え方と方法についてきちんと理解する。

32.『シナリオ・プランニングの技法』(ピーター・シュワルツ, 東洋経済新報社, 2000, 絶版)※みんなで未来のヴィジョンをつくるということと、それによる組織学習について学ぶことで、パターン・ランゲージをつくる意義や可能性を考える。


(創造の支援)

33.『人を賢くする道具:ソフト・テクノロジーの心理学』(D.A.ノーマン, 新曜社, 1996)※パターン・ランゲージのような「内省」を促す道具をどうつくるのかを考えてほしい。

34.『新・コンピュータと教育』(佐伯 胖, 岩波新書, 2000, 絶版)※パターン・ランゲージやシステムによって、学びを支援するとはどういうことかについて理解する。

35.『マインドストーム:子供、コンピューター、そして強力なアイデア』 (シーモア・パパート, 未来社, 1982)※つくることによる学びと、デバッグの思想を知る。自分たちがつくっているパターン・ランゲージは、思考の「歯車」になることができるだろうか?


(文章の書き方)

36.『創造的論文の書き方』(伊丹敬之, 有斐閣, 2001)※研究とは何か、論文をどう書くのかについて書かれている。何度も読み直したい。

37.『「超」文章法』(野口悠紀夫, 中公新書, 2002)※何がメッセージ足りうるかについて書かれている。特に第1章は、文章を書くたびに読み直したい。

38.『考える技術・書く技術:問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント, ダイヤモンド社, 1999)※論理的に構成された文章はどう書くのかについて書かれている。論文を書くために必読。


【知・芸術・社会】

(自分の立ち位置を知る)

39.『未来を創るこころ』(石川 忠雄, 慶應義塾大学出版会, 1998)※SFCが創設された背景と、そこに込められた思いを知る。

40.「ディジタル・メディア時代における「知の原理」を探る: 知のStrategic Obscurantism」(井関 利明, 『メディアが変わる知が変わる:ネットワーク環境と知のコラボレーション』, 井上輝夫, 梅垣理郎 編, 有斐閣, 1998, p.3~p.40) ※

41.『社会科学をひらく』(イマニュエル・ウォーラーステイン+グルベンキアン委員会, 藤原書店, 1996, 絶版)※社会をめぐる学問が個別分野(ディシプリン)へ分化した歴史と、学際・超領域への流れを知る。


(歴史的変化)

42.『声の文化と文字の文化』(ウォルター・J.オング,藤原書店,1991)※文字が生まれる前の口頭の時代には、人びとはどのような力をもっていたのか。「リテラシー」に対する「オーラリティ」の考え方を理解する。

43.『ウェブ×ソーシャル×アメリカ:〈全球時代〉の構想力』(池田純一, 講談社現代新書, 2011)※パターン・ランゲージがアメリカで生まれた時代背景を知る。

44.『ハイ・コンセプト:「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク, 三笠書房, 2006)※この本で語られている、「情報社会」の次の「コンセプトの時代」というのは、「創造社会」と同じ方向性の未来像である。その時代に大切なことは何かを学ぶ。


(芸術と社会変革)

45.『虫眼とアニ眼』(養老 孟司, 宮崎 駿, 新潮文庫, 新潮社, 2008)※多岐にわたる話のなかで、いろいろ刺激を受けてください。

46.『芸術と政治をめぐる対話(エンデ全集16)』(ミヒャエル・エンデ, 岩波書店, 2002)※ファンタジー作家ミヒャエル・エンデと芸術家ヨーゼフ・ボイスの対話。エンデの言葉を味わうとともに、ボイスのいう「社会という芸術」「みんなが芸術家」という考えを知ることで、「創造社会」についての理解・想像が豊かになる。

47.『独立国家のつくりかた』(坂口 恭平, 講談社現代新書, 講談社, 2012) ※芸術と社会活動を重ねるとはどういうことか、実際に行動に移すことの力など、いろいろ刺激を受けてほしい。


(新しい科学・学問へ)

48.『科学の未来』(フリーマン・ダイソン, みすず書房, 2005)の第2章「科学」 ※「道具による科学革命」(tool-driven revolution)について知る。

49.『イメージの心理学』(河合隼雄, 青土社, 1991)※「個より普遍に至る道」という話、および深層心理学における方法から学ぶ。

50.『デカルトからベイトソンへ:世界の再魔術化』(モリス・バーマン, 国文社, 1989)※現代社会の根本の思想から問い直し、「参加」や「価値」ということについて位置づけ直している。難しい本だが、少しでもここから学びとってほしい。
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井庭研究会シラバス(2013年度秋学期)

Creative Media Lab:創造社会を支える方法・道具をつくる
Creative Media Lab: Designing Novel Methods and Tools for Creative Society
井庭 崇: A型(木曜4・5限)

【重要な日程】
2013年7月4日(木)井庭研説明会(6限)@ κ11教室
           ※エントリー希望者は必ず参加してください。
2013年7月11日(木):エントリー〆切
2013年7月17・18日(水・木):面接
2013年7月30日(火):学期末発表会 ※必ず参加してください。

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【目的・内容】
本研究会では、「創造社会」(Creative Society)の実現を支える方法・道具(Creative Media)をつくり、新しい時代の基盤をつくることを目指します。創造社会とは、「人々が、自分たちで自分たちの認識・モノ・仕組み、そして未来を創造する社会」のことです。創造社会の支援という大きなヴィジョンのもと、本研究会では、個別テーマごとにプロジェクトを組み、学生主導で研究活動を進めていきます。具体的には、創造を支援するための共通言語として「パターン・ランゲージ」を制作し、それを活用する実践活動を行うプロジェクトなどに取り組みます。

「創造社会」のイメージと、それを実現するための方法・道具づくりについては、論文「創造社会を支えるメディアとしての パターン・ランゲージ」、および 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著)の第2章(熊坂賢次×井庭崇 対談)で詳しく語っているので、そちらを読んでください。また、パターン・ランゲージについては、「パターン・ランゲージの考え方」、および、これまでに井庭研で制作してきた「ラーニング・パターン」「プレゼンテーション・パターン」「コラボレーション・パターン」を見てみてください。

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2013年度は現在 18のプロジェクトが動いており、そのうち8プロジェクトで新規生を募集します。新規生を募集するプロジェクトの一覧は、以下の通りです。

(1) Cooking Patterns Project
  料理に関するパターン・ランゲージの作成

(2) Survival Language Project
  大地震で生きのびるためのパターン・ランゲージの作成

(3) Creative Organization Project
  企業・組織の創造性を高めるための仕組みづくり

(4) Creative Education Project
  つくることによる学びを支援する教育の仕組みづくり

(5) Pattern Filming Project
  パターン・ランゲージの映像制作

(6) Generative Beauty Project
  いきいきとした美の発見を支援するWebシステムの開発

(7) Global Life Project
  グローバルな時代の生き方のパターン・ランゲージの作成

(8) “good old future” Project
  忘れられた日本的方法を未来に活かすためのパターン・ランゲージの作成


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プロジェクトの概要と募集内容は、以下のとおりです。


(1) Cooking Patterns Project(料理に関するパターン・ランゲージの作成)
料理や食に関するパターン・ランゲージを作成する。目指すのは、単に料理が上手くなるということではなく、現代社会における料理のあり方そのものを(よい方向に)変えることである。なお、このプロジェクトは2013年6月から始まった新しいプロジェクトである。
【募集】何かをつくることが好きな人で、料理に強い関心がある人。なかでも、自発性とこだわりを持っている人:2〜3名程度


(2) Survival Language Project(大地震で生きのびるためのパターン・ランゲージの作成)
本プロジェクトでは、大地震の際に生きのびることを支援するメディアとして、「大地震が起きる前の備え」、「起きたときにどうすべきか」、「発生後に何をすべきか」の知恵・教訓をパターン・ランゲージとして記述・制作する。そして、それがコミュニティ/社会に根付く「生きたランゲージ」となる仕組みづくりにも取り組みたい。
【募集】防災に関心・問題意識があり、新しい支援方法(パターン・ランゲージ)をつくることに一緒に挑戦したい人:2〜3名程度


(3) Creative Management Project(企業・組織の創造性を高めるための仕組みづくり)
本プロジェクトでは、企業・組織をより創造的な場とするために、その企業・組織のメンバーが自分たちのパターン・ランゲージをつくることで、その企業・組織における創造を支援するという仕組みを探究・提案する。また、実際に企業・組織においてファシリテーションを行い、企業・組織における新しい知の循環を支援する。
【募集】企業・組織の創造性を高めるためのパターン・ランゲージの活用可能性を一緒に探究したい人で、来年度以降も長期的に研究会に所属し、プロジェクトにしっかりコミットできる人:1〜2名程度


(4) Creative Education Project(つくることによる学びを支援する教育の仕組みづくり)
本プロジェクトでは、「クリエイティブ・ラーニング」(つくることによる学び)を促す教育とは何かを探究し、それを教育現場で行うための秘訣をパターン・ランゲージとして記述し、現場に導入・実践していく。クリエイティブ・ラーニングの教育については、論文「Pedagogical Patterns for Creative Learning」で論じているので読んでみてほしい。
【募集】学び手の創造性を育む新しい教育方法の探究・実現に取り組みたい人。パターン・ランゲージを用いて高校生の自己効力感を高めることに興味があり、その実践に参加したい人。教育に関心がある人で、パターンのイラストを描いてみたい人:2〜3名程度


(5) Pattern Filming Project(パターン・ランゲージの映像制作)
創造を支援するメディアとして「パターン・ランゲージ」の紹介や新しい表現として映像制作を行う。パターン・ランゲージについて、その歴史と背景にある思想、さらには最近の新しい動きについてのインタビューによるドキュメンタリー映像を制作・公開する。また、パターン・ランゲージの思想や世界観と合う映像をつくるために、メンバー自身、それらの深い理解をした上で、それを踏まえた表現を行う。
【募集】表現にこだわりがあり、実際につくることが出来る人。CGアニメーションやロゴモーションなどの表現が得意な人や、音響技術・編集技術の経験があり、表現にこだわりを持てる人。あるいは、自ら映像の企画をつくり、撮影から編集まで監督としてつくりあげることができる人。これから映像について学び監督を志望する人:2〜3名程度


(6) Generative Beauty Project(いきいきとした美の発見を支援するWebシステムの開発)
これまで井庭研で制作してきた「Generative Beauty Patterns」(いきいきと美しく生きるためのパターン・ランゲージ)を用いて、いきいきとした美の発見ツールによる女性の支援に取り組む。「Generative Beauty Patterns」は、女性が「いきいきと美しく生きる」ためのパターン・ランゲージである(プレスリリース参照)。本プロジェクトでは、いきいきとした美の発見を支援するシステムの開発を行う。
【募集】Ruby on Railsによるシステム開発の経験者、もしくはプログラミングが好きで得意な人:1〜2名程度


(7) Global Life Project(グローバルな時代の生き方のパターン・ランゲージの作成)
現在、情報技術等の進展によって、世界のグローバル化は大きく進んでいる。本プロジェクトでは「グローバルな時代に生きる」とはどういうことかを探究し、それをパターン・ランゲージとしてまとめることで、これからの生き方のデザイン(ライフ・デザイン)を支援したい。
【募集】グローバルとはどういうことかを考えていきたい人で、自発的に動くことができる人:1〜2名程度


(8) good old future Project(忘れられた日本的方法を未来に活かすためのパターン・ランゲージの作成)
日本は近代化の過程で、自分たちが古来からもっていた方法(考え方、制度、仕組み、生活様式)を西洋型の方法に置き換えてきた。これにより確かに近代化は進んだが、日本らしさや日本なりの優れた方法も失うことになった。本プロジェクトでは、忘れられた日本的方法を未来に活かすためのパターン・ランゲージの作成に取り組む。
【募集】日本研究をしたい人やパターン・ランゲージを用いた発想ワークショップを考案・実践してみたい人で、来年以降も長期的に取り組むことができる人:1〜2名程度


【受入予定人数】
新規 10名以内(現在、学部生38人在籍)


【履修条件】
  • 履修希望者は、2013年7月4日(木)6限に行われる「井庭研説明会」に必ず参加してください(κ11教室で行います)。各プロジェクトの説明と、プロジェクトメンバーとの最初の顔合わせを行います。

  • 面接を 2013年7月17日(水)・18日(木)に行います。

  • 履修許可になった人は、2013年7月30日(火)に行われる「学期末発表会」にも必ず出席してください。朝から夕方まで行います。


    【選考の日程と課題】
    2013年7月4日(木)井庭研説明会(6限)@ κ11教室
               ※エントリー希望者は必ず参加してください。
    2013年7月11日(木):エントリー〆切
    2013年7月17・18日(水・木):面接
    2013年7月30日(火):学期末発表会 ※必ず参加してください。


    履修希望者は、2013年7月4日(木)6限に行われる「井庭研説明会」(κ11教室)に参加し、プロジェクトメンバーとじっくり話した上で、以下のエントリー情報をメールで提出してください。

    エントリーメールの提出先: ilab-entry [at] sfc.keio.ac.jp
    メールのサブジェクト(件名): 井庭研2013秋 履修希望
    以下の内容を書いたファイル(PDFもしくはWord)を、メールに添付してください。

    井庭研2013秋 履修希望
    (1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名, 顔写真*
     *写真はスナップ写真等で構いません。説明会で個別に話した内容など、本人を特定する必要がある場合があります。
    (2) 自己紹介(適宜、写真や図などを入れてください)
    (3) 参加希望プロジェクト名
    (4) 志望理由、意気込み、自分が貢献できそうなこと・領域
    (5) 持っているスキル/得意なこと(グラフィックス・デザイン, 映像編集, 外国語, プログラミング, 音楽, スポーツなど, その他)
    (6) これまでに履修した井庭担当の授業(あれば)
    (7) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
    (8) これまでに所属した研究会(あれば)
    (9) 来学期、並行して所属する予定の研究会(あれば)


    【授業スケジュール】
  • 毎週のゼミ(木曜4・5限)では、重要文献の輪読のほか、プロジェクトの進捗報告等を行います。

  • プロジェクトは、それぞれ、ゼミの時間以外に最低週2回以上集まって活動をします。


    【教材・参考文献】
    井庭研における重要文献の一覧は、こちら(井庭研 必読文献一覧) を見てください。約50冊が、「パターン・ランゲージ」と「創造理論」「システム理論」「社会論」のカテゴリに分かれています。井庭研在籍中の早い段階でこれらの文献をすべて読み、知識を身につけ、考えを深めてください。これらの文献を読んでいることが、「自主プロジェクト」の立ち上げや「卒業プロジェクト」の受け入れの際に求められます。


    【評価方法】
    プロジェクトの成果と積極性、貢献度、および輪読での活躍等から総合的に評価します。


    【問い合わせ】
    来学期の井庭研究会についての質問・連絡は、 ilab-entry [at] sfc.keio.ac.jp までお願いします。

    なお、このシラバスは内容が更新されることがあります。公式シラバスと併せてその時点での最新版をチェックするようにしてください。
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    井庭研 新規メンバー募集 & 説明会のお知らせ(7/4 木)

    井庭崇研究会 新規メンバー募集!
    Creative Media Lab:創造社会を支える方法・道具をつくる

    井庭研では、この夏・秋から一緒に活動する新しいメンバーを募集します!

    この募集にあたり、履修希望者向けの説明会を行います。井庭研に興味がある人や参加したいと考えている人は、この説明会にぜひ来てください。

    ■ 井庭研説明会(2013年秋学期 新規希望)
    ■ 7月4日(木)18:10~ (κ11 教室にて)

    ※履修希望者は、必ずこの説明会に参加してください。この説明会に参加することが原則のエントリー条件になっています。

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    新規生を募集するプロジェクト

    現在、井庭研では18のプロジェクトが動いており、そのうち8プロジェクトで新規生を募集します。これらのプロジェクトのキーワードを上げると、以下のようになります。これらのキーワードにビビっと来たら、説明会へ。

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    新規生を募集するプロジェクトの一覧は、以下の通りです。

  • Cooking Patterns Project(料理に関するパターン・ランゲージの作成)
  • Survival Language Project(大地震で生きのびるためのパターン・ランゲージの作成)
  • Global Life Project(グローバルな時代の生き方のパターン・ランゲージの作成)
  • “good old future” Project(忘れられた日本的方法を未来に活かすためのパターン・ランゲージの作成)

  • Creative Organization Project(企業・組織の創造性を高めるための仕組みづくり)
  • Creative Education Project(つくることによる学びを支援する教育の仕組みづくり)
  • Generative Beauty Project(いきいきとした美の発見を支援するシステム開発)
  • Pattern Filming Project(パターン・ランゲージに関する映像制作)

    説明会では各プロジェクトの内容について、メンバーが紹介します。興味があるプロジェクトのメンバーと話す時間も設けます。


    世界で初めての「面白い」研究・活動に、一緒に取り組みましょう!
    井庭研説明会への参加、お待ちしています!

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    新刊『プレゼンテーション・パターン』(プレパタ)をよろしく!

    2月に新しく出した『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇+井庭研究室, 慶應義塾大学出版会)、出だしから売れ行き好調とのことです。

    書店でも、学術系出版社からの本としては珍しく、平積みや面出でたくさん置いていただいていることが多く、書店の方や出版社の方に感謝です。


    先日伺ったブックファースト新宿店さん(新宿駅西口)は、『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』の特設コーナーをつくっていただいていました!これは、とてもうれしいです!

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    丸善 丸の内本店では、プレゼンのコーナーのたくさん平積みだけでなく、店頭の棚にも面出で置いていただいていました! 入口を入ってすぐ右の棚です。店員さん、「普通と違うプレゼン本が出たなぁと思っていました」と。まさにその通り、異色な本です!

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    八重洲ブックセンター本店でも、2階にエスカレーターで上がってすぐの「ビジネス新刊・話題書」のコーナーに、面出で置いていただいていました。

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    これ以外の本屋さんでも、平積みしていただいている本屋さんが多くて、うれしいです。書店の方、どうぞよろしくお願いします。m(_ _)m

    Amazon.co.jp 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇+井庭研究室, 慶應義塾大学出版会)

    Amazon.co.jpでも、一時期、「ビジネス企画」ベストセラー1位となりました。現在は順位が下がってしまっているので、ぜひ、みなさんご購入を!(^_-)☆

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    ※書店での写真は、書店の方の許可を得て撮影しています。念のため付記。
    イベント・出版の告知と報告 | - | -

    パターン・ランゲージによる診断と、診断システム

    アレグザンダーの本『オレゴン大学の実験』には、「マスタープラン」に代わる「診断」の原理が論じられている。昨年から井庭研で取り組み始めている診断システムとの関係を考えてみたい。

    何かをつくるとき、マスタープラン、つまり基本計画をつくるのが一般的だが、そのようなマスタープランでは、ひとつの「全体」というものを創造できない、とアレグザンダーは言う。部分を集めた総体性(totality)を生み出すことはできても、全体性(whole)は創造できないという。

    全体性は有機的秩序としてのみ形成可能であり、有機的秩序は漸進的成長によって生み出される。アレグザンダーは有機的秩序を「部分の要求と全体の要求との間に完璧なる均衡が存在する場合に達成されるような秩序である」、漸進的成長とは「ごく小さな歩調で前進していくような成長」であると定義する。

    同書でアレグザンダーは「有機的秩序の原理」を提案する。

    「計画と施工は、全体を個別的な行為から徐々に生み出してゆくようなプロセスによって誘導されること。この目的を満たすため、コミュニティはいかなる形式の物理的マスタープランも採用しないこと。・・・」

    マスタープランのかわりに、「固定された未来のマップからではなく共有のパターン・ランゲージからコミュニティがその秩序を得ることを可能にする」プロセスを採用することを提案する。

    漸進的成長のプロセスにおいては、パターン・ランゲージが「設計を指導していく」。パターンとは、「その環境に繰り返し出現する可能性のある課題を表し、この課題の出現する背後の状況を記し、さらにこの課題を解決するのに必要なすべての建設や計画の一般的特質を提供するものである」とされる。

    アレグザンダーが提案するのは「自然界で解決される方法ときわめて類似した方法で課題を解決してゆく」方法である。つまり「有機体が統一的な全体を創造するため、漸進的プロセスをうまく導いてゆく」方法を採用しようというのだ。

    その方法というのが、「診断と部分的な治癒というプロセスで解決が施される」ということなのだ。「有機体は、その生命の始源から、一貫して自らの内的状態を監視し続けている」のであり、自らを「診断」(diagnosis)し続けているということになる。


    そして、「その診断に応じて、有機体は、このような状態を治癒するための成長のプロセスを動かし始める」のだ。この診断と成長は、初期の形成段階でも、成熟した後の維持においても言うことができる。それが「診断」と「治癒」(補修)のプロセスだ。

    アレグザンダーの提案は、この診断と修復をパターン・ランゲージを用いて行なうということだ。対象を「パターンごとに診断することが可能となる」のである。そして、対象における「そのパターンの健康状態」を表すマップを描くことができるという。

    ひとつのパターンによる診断結果をまとめた「パターン・マップ」をまとめた「合成マップ」(composite map)をつくれば、「有機体における監視プロセスと同じく、この合成マップで環境の成長と補修を誘導することができる」のである。

    「合成マップは、どこが比較的健康な状態であるか教えてくれる」とともに、「どの場所が簡単な修正を必要としているのか教える」。ほかにも「どこでパターンが新たに必要とされているか」も教えてくれる。つまり、生成的(generative)なのである。

    この診断マップはマスタープランとは異なる。「マスタープランは未来において何が正しいかを示すが、診断はいま現在において何が誤っているのかを示す」。つまり、マスタープランでは現在・現状が描かれず、ある目指すべき方向性が、いわば外から示されるのであるが、診断マップは現状を基点とする。

    そのため、どのように治癒・修復するのかは、自分で考えていく必要があるのであり、つまりは、自由に創造する余地があるということである。診断マップは「人びとの想像力に刺激を与え、現在の細部の欠陥をすべて修復するように物事を変えてゆく方法を発明するようにと、人びとに挑んでくる」のだ。



    さて、ここからアレグザンダーの本から少し離れて、井庭研で昨年から取り組み始めた診断システムの話との関係を考えてみたい。昨年11月のORF(オープン・リサーチ・フォーラム)で、Generative Beauty Patternsを用いた診断システムの展示を行った。

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    まず、そもそもなぜ、Generative Beauty Patternsという「いきいきと美しく生きる」ためのパターン・ランゲージなるものをつくったのかという話から始めよう。それは、どこかから調達したマスタープランでは「いきいきと美しく生きる」ことは実現できないと考えるからだ。

    「いきいきと美しく生きる」ということの全体性は、有機的秩序としてのみ形成可能であり、それは漸進的成長によって生み出される。つまり、どんなテクニックや方法も、いまの自分に合わないのであれば、全体性の成長には寄与しない。そうではなく、いまの自分を基点としなければならない。

    その漸進的成長による有機的秩序の実現のために、「理想的にはこうあるべき」という "固定された未来のマップからではなくパターン・ランゲージから自分でその秩序を得る" プロセスを支援する。これが、Generative Beauty Patternsが行なおうとしていること。

    そうなると、「いきいきと美しく生きる」ということが、いま現在の自分はどのように実現できているのか(裏返すと、何が実現できていないのか)を把握=診断する必要がある。診断なしに治癒・補修→成長はあり得ないからだ。

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    パターンの冊子を見ながら、自分で診断マップを描いてみるというのもよいだろう。その発想とやる気がある人はそういうことを自然とやると思うが、多くの人は、そうではない。なにかのきっかけがなければ、あるいは支援してくれる方法や道具がなければ、診断しようとは思わず、そのやり方もわからない。

    そこで、昨年僕らは、診断を支援するシステムのごく最初のプロトタイプをつくった。僕らが診断システムでやりたいことの、おそらく1%くらいしかできていないシステムだったが、実際につくってみて、多くの方に使ってもらうことで得たものは大きい。


    「Generative Beauty 診断」では、現在体験しているだろうパターンを、このようなレーダーチャートで表した。色が塗られている部分が現在の自分を表す部分である。そして実は重要なのは、色がついていない外部なのだ。

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    診断は表向きには「現在のあなたを把握するため診断をします」となっていて、その側面はたしかにある(顕在的機能)。しかし同時に、「なぜここが凹んでいるのだろう」とか「○○の軸が思ったほど伸びていない」ということにも目がいくようになっている。これが診断→補修→成長の誘発(潜在的機能)。

    「あなたはこうしなさい」とか「あなたはこのタイプなので、このロールモデルのやり方をしましょう」ということは言わない。それでは、漸進的成長による有機的秩序の形成にはつながらないからだ。

    現状肯定のために「現在のあなた」ということでレーダーチャートに自分ができている部分に色がついてカタチができる。そうして、区切りがなされると、その外部があることに気づき、ついついそこが気になってしまう。レコメンドは2つだけ。自発的に気になることの誘発。

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    アレグザンダーは、建築・環境が対象だったので、診断マップというのは、地理的な地図の上にパターンでの診断結果を色づけしたものだった。でも、僕らの対象は人間行為であり生き方なので、いわゆる(地理的な)「地図」ではなく、生き方のマップのなかにパターンで色をつけていくというイメージだ。


    パターン・ランゲージは、ただ存在するだけでなく、プロセスのなかに組み込まれなければ真の力は発揮し切れない。井庭研でここ数年やろうとしているのは、まさにそのことで、だからこそ対話ワークショップをやったり、診断システムをつくったりしてきた。

    これからの井庭研でやりたいことのひとつに「診断システムプロジェクト」があるのは、まさに、診断→補修(治癒)→成長というプロセスを支援するための方法と道具を開発したいと考えるため。Generative Beauty Patternsだけでなく、ラーニングもプレゼンもコラボも同じ。

    いま動いているGenerative Beauty Projectの新しい展開も、本質は、すべてこのプロセスのデザインと実践にある。診断システムのプロジェクトでも、ラーニング・パターンも、プレゼンテーション・パターンも、コラボレーション・パターンもこのプロセスを支援する方法・道具をつくりたいと思っている。

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    パターン・ランゲージ | - | -

    井庭研 新規履修の追加募集について(防災、政策、経営、Webアプリ、映像)

    井庭研「Creative Media Lab:創造社会を支える方法・道具をつくる」では、一部のプロジェクトで、追加募集を行います!

    2月2日(土)にSFCで行われる「井庭研カンファレンス」に参加し、説明を受けた上で、下記の要領でエントリーをしてください。


    【追加募集をするプロジェクトと欲しいメンバー】

    (1) Survival Language Project(大地震で生きのびるためのパターン・ランゲージの作成)
    →「防災」、特に個人や家族のレベルの防災対策・支援に関心がある人

    (4) Policy Language Project(政策デザインのためのパターン・ランゲージの作成 & 新しい政策形成の仕組みづくり)
    →「政策」についての勉強・研究をしてきた人

    (5) Creative Management Project(企業・組織の創造性を高めるための仕組みづくり)
    →「経営」についての勉強・研究をしてきた人、特に、「組織論」に興味がある人

    (8) Diagnosis Systems Project(漸進的成長を支援するパターン診断システムの構築)
    → 「Webアプリ」の開発ができる「技術系」の人

    (9) Pattern Filming Project(パターン・ランゲージに関する映像制作)
    →「映像」の撮影・編集等の「技術・スキル」を持っている人

    (A) ツッコミ・パターン プロジェクト(コミュニケーションを円滑にする"ツッコミ"のパターン・ランゲージの制作)
    →「コミュニケーションの支援」に興味がある人、もしくは「お笑い」が好きな人


    以下、追加募集があるプロジェクト紹介の抜粋です。(研究会全体についての説明等は、井庭研の研究会シラバスを必ずご覧ください。)


    (1) Survival Language Project(大地震で生きのびるためのパターン・ランゲージの作成)
    関東や東海での大地震が予想されているように、地震大国・日本ではこれからも大きな地震が起きることは間違いない。大地震はいつ起きるのかは事前には予測できず、突発的に起きる。しかも、起きたときにはその場で各自が意思決定をしなければ命の危険もある。そうであるにもかかわらず、日常生活のなかでは大地震への意識は徐々に薄れていき、備えも疎かになりがちである。そこで、本プロジェクトでは、大地震の際に生きのびることを支援するメディアとして、「大地震が起きる前の備え」、「起きたときにどうすべきか」、「発生後に何をすべきか」の知恵・教訓をパターン・ランゲージとして記述・制作する。そして、それがコミュニティ/社会に根付く「生きたランゲージ」となる仕組みづくりにも取り組みたい。過去の大地震から得られた教訓や知恵をイメージするためには、『地震イツモノート』(渥美 公秀 監修, 地震イツモプロジェクト 編)や『人が死なない防災』(片田 敏孝)などを読んでみてほしい。[2013年度からの新プロジェクト]

    (4) Policy Language Project(政策デザインのためのパターン・ランゲージの作成 & 新しい政策形成の仕組みづくり)
    これからの社会のあり方を考えるとき、政治システムだけに頼るのでは立ち行かないということが近年明らかになってきた。社会デザインのアイデアが枯渇している状況においては、「すべてを一部の人に任せて、承認だけする」というかたちではなく、自分たちでアイデアを出し、具体化し、政策にまとめていくことが必要となる。つまり、自分たちで自分たちの未来をデザインするためには、単に「要求する」のではなく「政策をつくる」まで行うことが求められるのである。しかし、政策をつくる上での様々な発想・思考については、共有されているわけではない。そこで、本プロジェクトでは、「社会の構造・仕組み」「政策」「政策形成プロセス」の観点から、政策デザインの秘訣をパターン・ランゲージとして記述する。この政策デザインのパターン・ランゲージを「政策言語」(policy language)と呼ぶことにしたい。そして、そのような政策言語の形成と活用を踏まえた政策立案プロセスを構想する。政策言語の考え方については、「竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(まとめ)」とその映像[前半, 後半]を見てみてほしい。[2013年度からの新プロジェクト]

    (5) Creative Management Project(企業・組織の創造性を高めるための仕組みづくり)
    企業・組織においては、メンバーが創造性を発揮してイノベーションを起すことが必要となっている。しかし、これまで「教え込む」かたちの制度・仕組みは整備されてきたが、創造性を高める制度・仕組みはほとんど実現されていない。本プロジェクトでは、企業・組織をより創造的な場とするために、その企業・組織のメンバーが自分たちのパターン・ランゲージをつくることで、その企業・組織における創造を支援するという仕組みを探究・提案する。また、実際に企業・組織においてファシリテーションを行い、企業・組織における新しい知の循環を支援する。このような取り組みに関連する話としては、「井庭崇氏×武田隆氏対談(前編):クリエイティブなコラボレーションの秘訣とは」「井庭崇氏×武田隆氏対談(後編):”誤解”が生み出すコラボレーションの秘密」、および(扱っている事例が古いが)「組織の課題はパターン・ランゲージで解決:SFC井庭崇研究室」で語っているので、それらを読んでほしい。[2012年度末からの新プロジェクト]

    (8) Diagnosis Systems Project(漸進的成長を支援するパターン診断システムの構築)
    建築における最初のパターン・ランゲージを提唱したクリストファー・アレグザンダーは、パターン・ランゲージを、少しずつ改良して成長させていく「漸進的成長」(piecemeal growth)のためのメディアだと捉えていた。彼のパターン・ランゲージの現実への応用を紹介している『オレゴン大学の実験』(クリストファー・アレグザンダー)では、「診断」と「修復」ということが強調された。本プロジェクトは、パターン・ランゲージを用いて自己診断をし、それを踏まえた漸進的成長を支援する情報システムの提案・開発を行う。扱うのは、井庭研パターン・ランゲージ3部作の「ラーニング・パターン」、「プレゼンテーション・パターン」、「コラボレーション・パターン」である。診断システムのイメージをつかむためには、「Generative Beauty 診断」(http://www.generativebeauty.jp のトップメニュー「Diagnosis」から辿れる)をやってみてほしい。[2012年度末からの新プロジェクト]

    (9) Pattern Filming Project(パターン・ランゲージに関する映像制作)
    創造を支援するメディアとして「パターン・ランゲージ」の方法は有力なものであるが、それについての解説・紹介は、これまで多くの場合専門書のなかでなされるだけであった。そのため、この新しい方法・道具の有用性・可能性を多くの人に理解してもらうのは難しく、その普及にも限界がある。そこで、パターン・ランゲージについて、その歴史と背景にある思想、さらには最近の新しい動きについてのドキュメンタリー映像を制作・公開する。具体的には、国内外の関係者へのインタビューを行い、それに英語・日本語の字幕をつけた上で公開していく。また、パターン・ランゲージの思想や世界観と合う映像をつくるために、メンバー自身、それらの深い理解をした上で、それを踏まえた表現を行う。パターン・ランゲージの歴史については『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡浩一郎)や「パターンランゲージ 3.0:新しい対象 × 新しい使い方 × 新しい作り方」にわかりやすくまとめられているので、読んでみてほしい。また、担当教員(井庭)がつくった映像「Holistic Pattern Mining (Collaboration Patterns Project)」が公開されているので、こちらも見てみてほしい。[2012年度秋学期からのプロジェクト]

    (A) ツッコミ・パターン プロジェクト(コミュニケーションを円滑にする"ツッコミ"のパターン・ランゲージの制作)
    コミュニケーションを円滑にする"ツッコミ"のコツについてのパターン・ランゲージを制作します。お笑いが好きな人でも、コミュニケーションに興味がある人でも、大募集です。[2013年度からの新・自主プロジェクト]


    【追加募集エントリー方法】

  • 研究会シラバスをしっかりと読み、2月2日(土)の井庭研カンファレンスに参加した上で、以下の情報を2月4日(月)までにメールで提出してください。

    エントリーメールの提出先: ilab-entry2012 [at] sfc.keio.ac.jp
    メールのサブジェクト(件名): 井庭研 履修希望(追加募集)
    以下の内容を書いたファイル(PDFもしくはWord)を、メールに添付してください。

    井庭研 履修希望
    (1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名, 顔写真*
     *写真はスナップ写真等で構いません。説明会や最終発表会の際にプロジェクトメンバーと個別に話すときに本人の特定が必要になるために提出してもらいます。
    (2) 自己紹介(適宜、写真や図などを入れてください)
    (3) 参加希望プロジェクト名
    (4) 志望理由、意気込み、自分が貢献できそうなこと・領域
    (5) 持っているスキル/得意なこと(グラフィックス・デザイン, 映像編集, 外国語, プログラミング, 音楽, スポーツなど, その他)
    (6) これまでに履修した井庭担当の授業(あれば)
    (7) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
    (8) これまでに所属した研究会(あれば)
    (9) 来学期、並行して所属する予定の研究会(あれば)
  • 井庭研だより | - | -

    2月2日(土)に、井庭研カンファレンスを開催します!

    2013年2月2日(土)に「井庭研カンファレンス」を開催します。

    今回は、今年度の研究発表と、来年度からのプロジェクト紹介を行います。

    また、現在制作中のパターン・ランゲージについてのドキュメンタリーのインタビュー映像の上映もあります。

    井庭研の活動や創造性の支援、パターン・ランゲージ等に興味がある方は、ぜひお越しください。

    来年度のプロジェクトに協力・コラボレーションしてくださる方も歓迎です。

    学内の学生はもちろんのこと、学外の一般の方の参加も歓迎です。(事前登録不要・無料)


    井庭研カンファレンス(2012年度秋学期)
    2013年2月2日(土)@ 大学院棟 τ11(タウ11)教室


    9:40- 開場
    10:00- 開会式

    10:05- 基調講演
    • 「クリエイティブ・メディアとしてのパターン・ランゲージ」(井庭 崇)

    10:30- 井庭研B2 研究発表(Part 1)
    • 「自分らしく生きる:人間行為にマスタープランはない」(仁科 里志)
    • 「イベントによるクリエイティブ思考の誘発」(青木 遊)

     ■ ドキュメンター・インタビュー映像上映(Part 1)

    11:40- 井庭研B2 研究発表(Part 2)
    • 「Pedagogical Patterns: A Pattern Language for Creative Learning」(瀬下 翔太, 小原 和也, 渋谷 岳史, 田下 光, 本田 卓也, 窪田 哲郎, 廣川 那佳)
    • 「Personal Culture Project:自生的な未来デザインのための仕組みづくり」(仲田 未佳)
    • 「Local Knowledge Patterns from Nepal: Pattern language for Fertile Living」(門谷 めぐみ)
    • 「Creating Generative Society by Fostering Social Entrepreneurship: A Need for Social Entrepreneurship Education and Change Making Patterns」(下向 依梨)

    (ランチ)※各自ご持参ください。

    13:30- 井庭研プロジェクト 成果報告
    • Collaboration Pattern Project
    • Generative Beauty Project

    14:10- 卒業プロジェクト研究発表
    • 「Creating a Generative Language for Living Lively and Beautiful: Lessons from the Generative Beauty Project」(荒尾 林子)
    • 「問題発見のためのパターン・ランゲージ:組織の未来を創造してきた経営者に学ぶ」(濱田 正大)
    • 「組織にパターン・ランゲージを活用する有用性:パターン・ランゲージ作成ワークショップを通して」(柳尾 庸介)
    • 「キャリアデザイン・パターンによる:創造的な「生き方」に向けた方法論探求」(小原 和也)


    15:20- 来年度の井庭研の新体制について

    15:25- コア・プロジェクト テーマ発表

    創造的な生き方 - Ways of Creative Living
    • Survival Language Project(大地震で生きのびるためのパターン・ランゲージの作成)
    • “good old future” Project(”なつかしい未来”をつくるためのパターン・ランゲージの作成)
    • Global Life Project(グローバルな時代の生き方のパターン・ランゲージの作成)

    創造的な社会のあり方 - Foundation for Creative Society
    • Policy Language Project(政策デザインのためのパターン・ランゲージと仕組みづくり)
    • Creative Management Project(企業・組織の創造性を高めるための仕組みづくり)
    • Creative Education Project(つくることによる学びの支援と仕組みづくり)

    漸進的成長の仕組み - Tools for Piecemeal Growth
    • Generative Beauty Project(いきいきとした美の発見を支援するシステムの開発)
    • Diagnosis Systems Project(漸進的成長を支援するパターン診断システムの構築)
    • Pattern Filming Project(パターン・ランゲージに関する映像制作)

    16:25- 自主プロジェクト テーマ発表
    • Change Making Project
    • Personal Culture Project
    • Career Design Pattern Project

    • Slow Fashion Pattern Project
    • Empathic Visual Design Pattern Project
    • Wedding Pattern Project

    • ツッコミ Pattern Project
    • Family Pattern Project
    • Produce Pattern Project

    ■ドキュメンター・インタビュー映像上映(Part 2)

    17:55- 閉会式
    18:30 終了

    ※発表順や時間は、変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。

    ※昼食の時間が短いため、サンドイッチやお弁当などを事前に購入・準備し、ご持参ください。会場でお召し上がりいただけます。


    SFCまでの交通アクセス
    http://www.sfc.keio.ac.jp/maps.html

    SFC キャンパスマップ
    http://www.sfc.keio.ac.jp/about_sfc/campus_map.html
    ※大学院棟 τ館は、この地図の(11)です。

    問い合わせ
    ilab [at] sfc.keio.ac.jp
    井庭研だより | - | -

    井庭研究会シラバス(2013年度春学期)※1/8 更新

    Creative Media Lab:創造社会を支える方法・道具をつくる
    (防災、日本的方法、グローバルな生き方、政策、経営、教育、美の支援、診断システム、映像)
    Creative Media Lab: Designing Novel Methods and Tools for Creative Society
    井庭 崇: A型(木曜4・5限)


    【重要な日程】
    2013年1月15日(火)井庭研説明会(6限)@ λ23教室 ※どちらかの説明会に参加が必須
    2013年1月21日(月)井庭研説明会(6限)@ λ23教室 ※どちらかの説明会に参加が必須
    2013年1月26日(土):一次エントリー〆切
    2013年2月2日(土):最終発表会 @ 大学院棟τ12教室 ※参加必須
    2013年2月4日(月):最終エントリー〆切
    2013年2月上中旬:面接


    【目的・内容】
    本研究会では、「創造社会」(Creative Society)の実現を支える方法・道具(Creative Media)をつくり、新しい時代の基盤をつくることを目指します。創造社会とは、「あらゆる人々が、自分たちで自分たちの認識・モノ・仕組み、そして未来を創造する社会」のことです。創造社会の支援という大きなヴィジョンのもと、本研究会では、個別テーマごとにプロジェクトを組み、学生主導で研究活動を進めていきます。具体的には、創造を支援するための共通言語として「パターン・ランゲージ」を制作し、それを活用する実践活動を行うプロジェクトなどを立ち上げます。

    「創造社会」のイメージと、それを実現するための方法・道具づくりについては、『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著)の第2章(熊坂賢次×井庭崇 対談)で詳しく語っているので、そちらを読んでください。また、パターン・ランゲージについては、「パターン・ランゲージの考え方」、および、これまでに井庭研で制作してきた「ラーニング・パターン」「プレゼンテーション・パターン」「コラボレーション・パターン」を見てみてください。

    本研究会のプロジェクトには、井庭研のミッションとして取り組む「コア・プロジェクト」と、メンバーの問題意識から自発的・自律的に進める「自主プロジェクト」があります。所属するメンバーは、そのどちらか、もしくは両方に参加します。「コア・プロジェクト」と「自主プロジェクト」の内容・進め方については、井庭研説明会と最終発表会で行うので、履修希望者はそれらに必ず参加してください。

    2013年度は、次の3カテゴリーに分かれる9つの「コア・プロジェクト」を実施します。

    ■ 創造的な生き方 ——— Ways of Creative Living
    (1) Survival Language Project(大地震で生きのびるためのパターン・ランゲージの作成)
    (2) Local Knowledge Project(忘れられた日本的方法を未来に活かすためのパターン・ランゲージの作成)
    (3) Global Life Project(グローバルな時代の生き方のパターン・ランゲージの作成)

    ■ 創造的な社会のあり方 ——— Foundation for Creative Society
    (4) Policy Language Project(政策デザインのためのパターン・ランゲージの作成 & 新しい政策形成の仕組みづくり)
    (5) Creative Management Project(企業・組織の創造性を高めるための仕組みづくり)
    (6) Creative Education Project(つくることによる学びを支援するパターン・ランゲージの作成 & 新しい教育の仕組みづくり)

    ■ 漸進的成長の仕組み ——— Tools for Piecemeal Growth
    (7) Generative Beauty Project(いきいきとした美の発見を支援するシステムとワークショップの開発)
    (8) Diagnosis Systems Project(漸進的成長を支援するパターン診断システムの構築)
    (9) Pattern Filming Project(パターン・ランゲージに関する映像制作)

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    各コア・プロジェクトの概要は、以下のとおりです。

    ■ 創造的な生き方 ——— Ways of Creative Living

    (1) Survival Language Project(大地震で生きのびるためのパターン・ランゲージの作成)
    関東や東海での大地震が予想されているように、地震大国・日本ではこれからも大きな地震が起きることは間違いない。大地震はいつ起きるのかは事前には予測できず、突発的に起きる。しかも、起きたときにはその場で各自が意思決定をしなければ命の危険もある。そうであるにもかかわらず、日常生活のなかでは大地震への意識は徐々に薄れていき、備えも疎かになりがちである。そこで、本プロジェクトでは、大地震の際に生きのびることを支援するメディアとして、「大地震が起きる前の備え」、「起きたときにどうすべきか」、「発生後に何をすべきか」の知恵・教訓をパターン・ランゲージとして記述・制作する。そして、それがコミュニティ/社会に根付く「生きたランゲージ」となる仕組みづくりにも取り組みたい。過去の大地震から得られた教訓や知恵をイメージするためには、『地震イツモノート』(渥美 公秀 監修, 地震イツモプロジェクト 編)や『人が死なない防災』(片田 敏孝)などを読んでみてほしい。[2013年度からの新プロジェクト]

    (2) Local Knowledge Project(忘れられた日本的方法を未来に活かすためのパターン・ランゲージの作成)
    日本は近代化の過程で、自分たちが古来からもっていた方法(考え方、制度、仕組み、生活様式)を西洋型の方法に置き換えてきた。これにより確かに近代化は進んだが、日本らしさや日本なりの優れた方法も失うことになった。そのため、今後日本が自らの未来をつくる際には、日本の風土や日本人の感覚に合う方法を再度編み出していかなければならない。そのとき、単に過去に戻ることはできないが、白紙からつくるというのも非現実的な話である。そこで、本プロジェクトでは、かつて日本にあった方法のなかから現代に取り入れるとよいと思われるものをパターン・ランゲージとして記述し、自分たちの未来をつくる際の発想支援を行いたい。対象とするのは、近代化以前の日本、つまり縄文から江戸までである。日本的方法をイメージするために、『地球を聴く』(坂本龍一,竹村真一)や『日本という方法』(松岡正剛)を、忘れられた過去の知恵を未来に活かすという発想を理解するために『時を超えた建設の道』(アレグザンダー)を読んでみてほしい。[2013年度からの新プロジェクト]

    (3) Global Life Project(グローバルな時代の生き方のパターン・ランゲージの作成)
    現在、情報技術等の進展によって、世界のグローバル化は大きく進んでいる。すべてが均質になるということはないが、グローバル化の潮流のなかで、それぞれの国や地域、そこに住む人たちの意識に様々な影響がでていることは確かである。しかし、日本人の多くは依然としてこれまで同様の感覚で物事を捉え、行動していることが多く、世界のなかでの日本の位置づけも変わりつつある。そのような状況は、「グローバルな時代を生きる」=「海外で住む」もしくは「海外と取引をする仕事をする」という狭い捉え方をしていることが原因となっているように思われる。しかも、「グローバル」ということは単に国際的であるということではなく、本来は「地球レベルの」という意味で自然とのかかわりも含まれるはずである。そこで、本プロジェクトでは「グローバルな時代に生きる」とはどういうことかを探究し、それをパターン・ランゲージとしてまとめることで、これからの生き方のデザイン(ライフ・デザイン)を支援したい。日本の内向きな現状についての危機感については、『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著)の第1章(宮台真司×井庭崇 対談)で語られているので、そちらを読んでみてほしい。[2013年度からの新プロジェクト]


    ■ 創造的な社会のあり方 ——— Foundation for Creative Society

    (4) Policy Language Project(政策デザインのためのパターン・ランゲージの作成 & 新しい政策形成の仕組みづくり)
    これからの社会のあり方を考えるとき、政治システムだけに頼るのでは立ち行かないということが近年明らかになってきた。社会デザインのアイデアが枯渇している状況においては、「すべてを一部の人に任せて、承認だけする」というかたちではなく、自分たちでアイデアを出し、具体化し、政策にまとめていくことが必要となる。つまり、自分たちで自分たちの未来をデザインするためには、単に「要求する」のではなく「政策をつくる」まで行うことが求められるのである。しかし、政策をつくる上での様々な発想・思考については、共有されているわけではない。そこで、本プロジェクトでは、「社会の構造・仕組み」「政策」「政策形成プロセス」の観点から、政策デザインの秘訣をパターン・ランゲージとして記述する。この政策デザインのパターン・ランゲージを「政策言語」(policy language)と呼ぶことにしたい。そして、そのような政策言語の形成と活用を踏まえた政策立案プロセスを構想する。政策言語の考え方については、「竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(まとめ)」とその映像[前半, 後半]を見てみてほしい。[2013年度からの新プロジェクト]

    (5) Creative Management Project(企業・組織の創造性を高めるための仕組みづくり)
    企業・組織においては、メンバーが創造性を発揮してイノベーションを起すことが必要となっている。しかし、これまで「教え込む」かたちの制度・仕組みは整備されてきたが、創造性を高める制度・仕組みはほとんど実現されていない。本プロジェクトでは、企業・組織をより創造的な場とするために、その企業・組織のメンバーが自分たちのパターン・ランゲージをつくることで、その企業・組織における創造を支援するという仕組みを探究・提案する。また、実際に企業・組織においてファシリテーションを行い、企業・組織における新しい知の循環を支援する。このような取り組みに関連する話としては、「井庭崇氏×武田隆氏対談(前編):クリエイティブなコラボレーションの秘訣とは」「井庭崇氏×武田隆氏対談(後編):”誤解”が生み出すコラボレーションの秘密」、および(扱っている事例が古いが)「組織の課題はパターン・ランゲージで解決:SFC井庭崇研究室」で語っているので、それらを読んでほしい。[2012年度末からの新プロジェクト]

    (6) Creative Education Project(つくることによる学びを支援するパターン・ランゲージの作成 & 新しい教育の仕組みづくり)
    新しいアイデアを考え、それを実現し、新しい時代を切り拓く人が育つためには、創造性を育む教育が重要だと言われて久しい。しかし、これまでの教育では、主に「知識を教え込む」というかたちで学びを提供してきたため、そこからのシフトが難しいというのが現状である。その背景には、「クリエイティブ・ラーニング」(つくることによる学び)のための方法論の欠如と、それを実施できる教員の少なさ、そして、現在の教育制度の縛りなどの問題がある。そこで、本プロジェクトでは、「クリエイティブ・ラーニング」を促す教育とは何かを探究し、それを教育現場で行うための秘訣をパターン・ランゲージとして記述し、現場に導入・実践していく。クリエイティブ・ラーニングとその教育については、「『コラボレーションによる学び』の場づくり:実践知の言語化による活動と学びの支援」、および、「Pedagogical Patterns for Creative Learning」で論じているので、それらを読んでみてほしい。[2012年度秋学期からのプロジェクト]


    ■漸進的成長の仕組み ——— Tools for Piecemeal Growth

    (7) Generative Beauty Project(いきいきとした美の発見を支援するシステムとワークショップの開発)
    これまで井庭研で制作してきた「Generative Beauty Patterns」(いきいきと美しく生きるためのパターン・ランゲージ)を用いて、いきいきとした美の発見ツールによる女性の支援に取り組む。「Generative Beauty Patterns」は、女性が「いきいきと美しく生きる」ためのパターン・ランゲージである。本プロジェクトでは、「いきいきと美しく生きる」という質感の共有によって、さまざまな女性たちをつなげる新しいメディアの構築を目指し、新しいタイプのWebアプリとワークショップを開発する。そのような活動を通じて、創造的・持続的に「いきいきと美しく生きる」女性を支援する仕組みをつくっていく。「Generative Beauty Patterns」については、Webサイト、および、プレスリリースを読んでみてほしい。「WWD http://Japan.com | BEAUTY「カネボウが慶應大学と共同で「パターン・ランゲージ」を制作」など、新聞・雑誌・Web等でも取り上げれているので、それらも参照してほしい。[2012年度秋学期からのプロジェクト]

    (8) Diagnosis Systems Project(漸進的成長を支援するパターン診断システムの構築)
    建築における最初のパターン・ランゲージを提唱したクリストファー・アレグザンダーは、パターン・ランゲージを、少しずつ改良して成長させていく「漸進的成長」(piecemeal growth)のためのメディアだと捉えていた。彼のパターン・ランゲージの現実への応用を紹介している『オレゴン大学の実験』(クリストファー・アレグザンダー)では、「診断」と「修復」ということが強調された。本プロジェクトは、パターン・ランゲージを用いて自己診断をし、それを踏まえた漸進的成長を支援する情報システムの提案・開発を行う。扱うのは、井庭研パターン・ランゲージ3部作の「ラーニング・パターン」、「プレゼンテーション・パターン」、「コラボレーション・パターン」である。診断システムのイメージをつかむためには、「Generative Beauty 診断」(http://www.generativebeauty.jp のトップメニュー「Diagnosis」から辿れる)をやってみてほしい。[2012年度末からの新プロジェクト]

    (9) Pattern Filming Project(パターン・ランゲージに関する映像制作)
    創造を支援するメディアとして「パターン・ランゲージ」の方法は有力なものであるが、それについての解説・紹介は、これまで多くの場合専門書のなかでなされるだけであった。そのため、この新しい方法・道具の有用性・可能性を多くの人に理解してもらうのは難しく、その普及にも限界がある。そこで、パターン・ランゲージについて、その歴史と背景にある思想、さらには最近の新しい動きについてのドキュメンタリー映像を制作・公開する。具体的には、国内外の関係者へのインタビューを行い、それに英語・日本語の字幕をつけた上で公開していく。また、パターン・ランゲージの思想や世界観と合う映像をつくるために、メンバー自身、それらの深い理解をした上で、それを踏まえた表現を行う。パターン・ランゲージの歴史については『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡浩一郎)や「パターンランゲージ 3.0:新しい対象 × 新しい使い方 × 新しい作り方」にわかりやすくまとめられているので、読んでみてほしい。また、担当教員(井庭)がつくった映像「Holistic Pattern Mining (Collaboration Patterns Project)」が公開されているので、こちらも見てみてほしい。[2012年度秋学期からのプロジェクト]


    このほか、継続生が立ち上げる「自主プロジェクト」もあります(詳しくは、井庭研説明会と最終発表会で紹介します)。新規生は、自分の興味・関心に合わせて上記の「コア・プロジェクト」、もしくは「自主プロジェクト」に参加することになります。

    2013年度からは、どのプロジェクトも井庭研メンバーだけではなく、井庭研外の方々と連携/コラボレーションしながら取り組んでいくという「セミ・オープン・コラボレーション」のスタイルで取り組んでいきます。このことは、2013年度からの井庭研究会の挑戦が、これまでの「自分たちでパターン・ランゲージをつくる」ことから「パターン・ランゲージをつくる人をつくる」へとシフトすることにも関係しています。今後は、井庭研究会のメンバーが専門家や現場の方々と連携/コラボレーションしながら、パターン・ランゲージをつくるという新しいフェーズへと入っていくのです。


    【受入予定人数】
    35名程度(新規受け入れは、新1〜3年生から10人程度の予定)。


    【履修条件】
  • 履修希望者は、2013年1月15日(火)6限と1月21日(月)6限に行われる「井庭研説明会」(のどちらか)に必ず参加してください(λ23教室で行います)。各プロジェクトの説明と、プロジェクトメンバーとの最初の顔合わせを行います。

  • また、2013年2月2日(土)に行われる「最終発表会」にも必ず出席してください。各プロジェクトの詳細の共有を行います(大学院棟τ12教室)。

  • プロジェクトを通年で進めるため、秋学期も必ず履修してください。

  • 研究に関連する概念・知識・スキルは授業で伝えるので、井庭担当科目でまだ履修していない科目がある場合には、研究会と並行して履修してください。2013年度春学期は、「社会システム理論」、「シミュレーション・デザイン」、「起業と経営」を担当します。


    【選考の日程と課題】
    2013年1月15日(火)井庭研説明会(6限)@ λ23教室 ※どちらかの説明会に参加必須
    2013年1月21日(月)井庭研説明会(6限)@ λ23教室 ※どちらかの説明会に参加必須
    2013年1月26日(土):一次エントリー〆切
    2013年2月2日(土):最終発表会 @ 大学院棟τ12教室 ※参加必須
    2013年2月4日(月):最終エントリー〆切
    2013年2月上中旬:面接

  • 本シラバスをしっかりと読んで内容を理解した上で、2013年1月15日(火)と1月21日(月)に開催される「井庭研説明会」(のどちらか)に必ず参加し、各プロジェクトの説明を受けてください。

  • その上で、以下の「一次エントリー」の情報を1月26日(土)までにメールで提出してください。「一次エントリー」をした人のみ、その先の選考プロセスに進むことができます。

    エントリーメールの提出先: ilab-entry2012 [at] sfc.keio.ac.jp
    メールのサブジェクト(件名): 井庭研 履修希望
    以下の内容を書いたファイル(PDFもしくはWord)を、メールに添付してください。

    井庭研 履修希望
    (1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名, 顔写真*
     *写真はスナップ写真等で構いません。説明会や最終発表会の際にプロジェクトメンバーと個別に話すときに本人の特定が必要になるために提出してもらいます。
    (2) 自己紹介(適宜、写真や図などを入れてください)
    (3) 参加希望プロジェクト名
    (4) 志望理由、意気込み、自分が貢献できそうなこと・領域
    (5) 持っているスキル/得意なこと(グラフィックス・デザイン, 映像編集, 外国語, プログラミング, 音楽, スポーツなど, その他)
    (6) これまでに履修した井庭担当の授業(あれば)
    (7) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
    (8) これまでに所属した研究会(あれば)
    (9) 来学期、並行して所属する予定の研究会(あれば)


  • 一次エントリー後、2013年2月2日(土)にSFCで開催される「最終発表会(+新規プロジェクト説明)」に必ず参加してください(大学院棟τ12教室)。そこで、プロジェクトの詳細の共有があります。

  • その後、2月4日(月)までに最終エントリーをメールで提出してください。最終エントリーについては、一次エントリー者に追って連絡をします。その後、2月上中旬に面接を行う予定です。


    【その他・留意点】
  • 履修希望者は、2013年1月15日(火)6限と1月21日(月)6限に行われる井庭研説明会と、2月2日(土)に一日かけて行われる最終発表会に必ず出席してください。そこで、各プロジェクトの説明と、プロジェクトメンバーとの顔合わせを行います(万が一これらに参加できないという場合には、選考プロセスで大きく不利になることをご了承ください)。

  • 自主プロジェクトのリーダーになるためには、1年以上井庭研に所属し、一定の条件を満たした場合に、担当教員と相談のうえ立ち上げることが求められます。まずは、プロジェクトに参加し、研究で必要となる知識やスキルを磨き、井庭研で求められる質のレベルを体感するようにしましょう。

  • 通年でプロジェクトを進めるため、原則として秋学期からの受け入れはしません(新1年生の例外を除く)。


    【授業スケジュール】
  • 毎週のゼミ(木曜4・5限)では、重要文献の輪読のほか、プロジェクトの進捗報告等を行います。

  • プロジェクトの集まりは、ゼミの時間以外に最低週2回は行ってください。


    【教材・参考文献】

    井庭研における重要文献の一覧は、こちら(井庭研 必読文献一覧) を見てください。約50冊が、「パターン・ランゲージ」と「創造理論」「システム理論」「社会論」のカテゴリに分かれています。井庭研在籍中の早い段階でこれらの文献をすべて読み、知識を身につけ、考えを深めてください。これらの文献を読んでいることが、「自主プロジェクト」の立ち上げや「卒業プロジェクト」の受け入れの際に求められます。


    【評価方法】
    プロジェクトの成果と積極性、貢献度、および輪読での活躍等から総合的に評価します。


    【問い合わせ】
    来学期の井庭研究会についての質問・連絡は、 ilab-entry2012 [at] sfc.keio.ac.jp までお願いします。

    ilab-orf2012.jpg
  • 井庭研だより | - | -

    井庭研 必読文献一覧(2012年12月現在)

    「創造社会を支える方法・道具をつくる」研究活動を行う井庭研において、必読だと思う文献を選び、リストをつくりました。

    ほかにも重要な文献はたくさんあるのですが、特に重要だと思う約50冊を厳選したつもりです。文献は、【パターン・ランゲージ】と、【創造理論】【システム理論】【社会論】のカテゴリに分かれています。

    井庭研在籍中の早い段階でこれらの文献をすべて読み、知識を身につけ、考えを深めてもらい、これらの文献を読んで理解していることが、「自主プロジェクト」の立ち上げや「卒業プロジェクト」の受け入れに求められます。


    【パターン・ランゲージ】

      (パターン・ランゲージの歴史)
    • 『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡浩一郎, 技術評論社, 2009)
    • 『クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』(スティーブン・グラボー, 工作舎, 1989)
    • 「パターンランゲージ 3.0:新しい対象 × 新しい使い方 × 新しい作り方」(井庭 崇, 情報処理, Vol.52 No.9, 2011)
    • 「パターンの可能性:人文知とサイエンスの交差点」(井庭崇+江渡浩一郎+増田直紀+東浩紀+李明喜, 『思想地図β vol1』, 東浩紀 編, 合同会社コンテクチュアズ, 2010)

      (建築のパターン・ランゲージ)
    • 『時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993)
    • 『パタン・ランゲージによる住宅の建設』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1991)※現在 絶版
    • 『パタン・ランゲージ:環境設計の手引』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1984)

      (デザイン原理と方法論)
    • 『形の合成に関するノート』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1978)※現在 絶版
    • "A city is not tree" (Christopher Alexander, Architectural Forum 122 April, 1965) [ クリストファー・アレグザンダー, 「都市はツリーではない」]
    • 『オレゴン大学の実験』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2000)※現在 絶版
    • 『まちづくりの新しい理論』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1989)

      (生と美の哲学)
    • 『The Nature of Order, BOOK ONE: The Phenomenon of Life』 (Christopher Alexander, The Center for Environmental Structure, 2002)
    • 『The Nature of Order, BOOK TWO: The Process of Creating Life』 (Christopher Alexander, The Center for Environmental Structure, 2003)
    • 『The Battle for the Life and Beauty of the Earth: A Struggle Between Two World-Systems』(Christopher Alexander, Oxford University Press, 2012)


    【創造理論】

      (創造性の理論的基礎)
    • 『創造性とは何か』(川喜田二郎, 詳伝社, 2010)
    • 『アブダクション:仮説と発見の論理』(米盛裕二, 勁草書房, 2007)
    • 『暗黙知の次元』(マイケル・ポランニー, ちくま学芸文庫, 筑摩書房, 2003)

      (創造の実際)
    • 『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです:村上春樹インタビュー集 1997-2011』(村上春樹, 文春文庫, 文藝春秋, 2011)
    • 『感動をつくれますか?』 (久石 譲, 角川oneテーマ21, 角川書店, 2006)
    • 『決断力』(羽生善治, 角川oneテーマ21, 角川書店, 2005)

      (創造支援の方法と道具)
    • 『発想法:創造性開発のために』(川喜田 二郎, 中公新書, 中央公論社, 1967
    • 『人を賢くする道具:ソフト・テクノロジーの心理学』(D.A.ノーマン, 新曜社, 1996)
    • 『マインドストーム:子供、コンピューター、そして強力なアイデア』(シーモア・パパート, 未来社, 1982)

      (創造の技術)
    • 『表現の技術:グッとくる映像にはルールがある』(高崎 卓馬, 電通, 2012)
    • 『名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方』(鈴木 康之, 日経ビジネス文庫, 日本経済新聞出版社, 2008)
    • 『芸術起業論』(村上隆, 幻冬社, 2006)

      (新しい創造)
    • 『シナリオ・プランニングの技法』(ピーター・シュワルツ, 東洋経済新報社, 2000)※現在 絶版
    • 『出現する未来』(ピーター・センゲ, C・オットー・シャーマー, ジョセフ・ジャウォースキー, ベティー・スー・フラワーズ, 講談社, 2006)
    • 『共生のデザイン:禅の発想が表現をひらく』(升野俊明,フィルムアート社,2011)


    【システム理論】

      (社会と創造のシステム理論)
    • 「自生的秩序の形成のための《メディア》デザイン──パターン・ランゲージは何をどのように支援するのか?」(井庭 崇, 『10+1 web site』, 2009年9月号) http://10plus1.jp/monthly/2009/09/post-2.php
    • 『【リアリティ・プラス】社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
    • "An Autopoietic Systems Theory for Creativity" (Takashi Iba, Procedia - Social and Behavioral Sciences, Vol.2, Issue 4, 2010, pp.6610-6625) http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1877042810011298

      (生命のシステム理論)
    • 『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』(井庭崇, 福原義久, NTT出版, 1998)
    • 『オートポイエーシス:生命システムとはなにか』(H.R. マトゥラーナ, F.J. ヴァレラ, 国文社, 1991)

      (社会のシステム理論)
    • 『社会システム理論〈上〉』(ニクラス・ルーマン, 恒星社厚生閣, 1993)
    • 『システム理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈1〉』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007)
    • 『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007)


    【社会論】

      (社会秩序の形成)
    • 『離脱・発言・忠誠:企業・組織・国家における衰退への反応』(A.O.ハーシュマン, ミネルヴァ書房, 2005)
    • 『法と立法と自由I:ルールと秩序(ハイエク全集 1-8 新版)』(F.A.ハイエク, 春秋社, 2007)
    • 『哲学論集(ハイエク全集 II-4)』(F.A.ハイエク, 春秋社, 2010)

      (情報社会)
    • 『情報社会学序説:ラストモダンの時代を生きる』(公文 俊平, NTT出版, 2004)
    • 『ウェブ×ソーシャル×アメリカ:〈全球時代〉の構想力』(池田純一, 講談社現代新書, 2011)
    • 『ised 情報社会の倫理と設計《設計篇》』(東 浩紀, 濱野 智史 編著, 河出書房新社, 2011)

      (人類社会の歴史的変化)
    • 『虫眼とアニ眼』(養老 孟司, 宮崎 駿, 新潮文庫, 新潮社, 2008)
    • 『声の文化と文字の文化』(ウォルター・J.オング,藤原書店,1991)
    • 『地球を聴く』(坂本龍一,竹村真一,日本経済新聞出版社,2012)

      (近代科学の先へ)
    • 『生きるとは、自分の物語をつくること』(小川洋子, 河合隼雄, 新潮文庫, 新潮社, 2011)
    • 『イメージの心理学』(河合隼雄, 青土社, 1991)
    • 『デカルトからベイトソンへ:世界の再魔術化』(モリス・バーマン, 国文社, 1989)

      (創造的な社会変革)
    • 『ハイ・コンセプト:「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク, 三笠書房, 2006)
    • 『芸術と政治をめぐる対話(エンデ全集16)』(ミヒャエル・エンデ, 岩波書店, 2002)
    • 『独立国家のつくりかた』(坂口 恭平, 講談社現代新書, 講談社, 2012)
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