井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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プレパタ作成物語 第7話(7月4日:「パターンの種」づくり 2日目)

2011年7月4日(月)のゼミの時間は、引き続き、「パターンの種」をつくることに取り組んだ。今回も、僕が国際学会出張で不在にしていたため、学生メンバーのみで行った。

この日の目標は、すべての「パターンの種」のSolutionを書くということ。

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まずは、「わかりやすいビジュアル」から。

「わかりやすいビジュアル」= 頭に入りやすいビジュアルを作る

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そして、「こだわり抜く」、「詰め」、「アンテナを張る」、「対等!」、「生き方そのもの」と話し合いを続けていく。

「こだわり抜く」= 納得いくまでスライドの内容をブラッシュアップ!!
「詰め」= 体に叩きこめ!意識を本番へ!ラストスパートッ!
「アンテナを張る」= 常にアンテナを張ってプレゼンに活かせる素材は仕入れる。
「対等!」= 聞き手に聞いてもらっているという意識を持つ。
「生き方そのもの」= (先生と相談が必要)

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さらに、「人に優しく」。

「人に優しく」= 「自分」がではなく「聞き手」が分かる表現にする。

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「For You」は一筋縄ではいかなかった。「一度、全部グループを見直そう!!」ということで、KJ法の結果に戻り、話し直すことに。

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特に問題となったのは、「For You」というパターンが「人に優しく」と似ているということ。それらは同じなのか、違うのか? ちなみに、「For You」は最終的に「心に響くプレゼント」に、「人に優しく」は「ことば探し」になるパターンの種である(最終段階で意味も変わった)。

後に「心に響くプレゼント」というコアな位置づけのパターンになる「For You」も、この段階では、他のパターンと同じレベルの位置づけだったため、似ていることが問題だと考えられたのだ。

「For You」= 聞き手を事前に把握し、それに合わせて情報を整理する。

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「無駄をなくす」、「不快感を与えない」、「言い訳しない」、「魅せ方の美学」、「見せ方のキホン」と、順に話していく。

「無駄をなくす」= 聞き手が退屈だと思う話をなくし、聞き手の聞く気をそがないようにする。
「不快感を与えない」= 聞き手の聞く気をそがないように、内容以外で悪目立ちしないようにする。
「言い訳しない」= 弱気な発言をしない。
「魅せ方の美学」= 視覚的にも内容的にもどう魅了するかを考え追い求める。
「見せ方のキホン」= まずはここから!!!文字選びから図・写真の大きさまでしっかりと。

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このあたりで、疲労がピークに達した、とログに記録が残っている。それでも、考え続け、話し続ける。「適切な情報量」、「オリジナル感」、「きっかけを与える」、「持って帰る」、「じらし」。このあたりから、BGMをLady GAGAにしたようだ。

「適切な情報量」= スライドと口頭の情報量のバランスを適切に。
「オリジナル感」= 型を参考にしつつ、自分らしさを出す!
「きっかけを与える」= 聞き手の視野を広げ、次の行動に結びつくようなきっかけを与えよう!!
「持って帰る」= プレゼンが終わってからも聞き手がプレゼンを思い出せるような工夫をする。
「じらし」= 相手に考えさせる要素をほんのちょっとだけ入れる。

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この日の夕食はピザ! 疲れすぎて、みんなちょっとテンションがおかしい。

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そして、ピザを食べたあとも、再び議論。「ストーリー&メッセージ」、「ワクわくさせる」、「想い」について話し合った。

「ストーリー&メッセージ」= 伝えたいメッセージをひとつ決め、流れのあるストーリーを作る。
「ワクわくさせる」= 聞き手の知的好奇心を刺激するような情報を入れる。
「想い」= 大事なのは伝えたいという想いなのである。

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今日は全て終らせるつもりだったが、目標達成ならず。8個残ってしまった。短い時間で適当に終わらせるのが嫌だったので、次週に持ち越すという判断をしたらしい。

最後に少しだけ研究室の掃除をして、研究室を出たのは、22時15分。おつかれさまでした!
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プレパタ作成物語 第6話(6月27日:「パターンの種」づくり 1日目)

2011年6月27日(月)のゼミの時間から、前の週までのKJ法で得られた結果をもとに、「パターンの種」をつくるという作業が始まった。ただし、この回と次の回は、僕が国際学会出張で不在にしていたため、学生メンバーのみで行った。

今回は、どうやるかも含めてかなり悩んだようである。ログの冒頭には、次のような状況が描かれている。引用しよう。

各パターンのソリューションを考える
…とはいいつつどうすればいいか、いきづまる。
この際、やり方を自分達で決めてしまおうか!
学習パターンの冊子を参照してみる。
時差を感じる。先生ボストンだー!
とりあえずやってみよう。
机にポストイットの内容を貼って案出し。

その上で、「わくわくさせる」について話し合ったようだ。しかし、その後、次のようなことが記されている。

なんだかうまくいかないのでやり方変える!!
→まとめの言葉(ポストイットの集合体)をホワイトボードに書いて、やりやすそうなものからやってみる。全部で43個(+細かいもの5つ)結構多い!!
具体的な行動があるものほうがやりやすい。

そして、さらに、「やり方を変えよう!それぞれがいくつかのsolutionを考える!それからみなで出そう!」ということに。

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こうして、一人ひとつずつ担当し、「終わりが始まり」、「環境チェック」、「メリハリ」、「自信感」、「話し方の基本」、「イメージしやすく」が話し合われた。

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それぞれのパターンのSolution案は、次のようになった。

「終わりが始まり」= 意識して聞き手の反応や質問から新しい視点を得て、次に活かす
「環境チェック」= プレゼン流れを止めないために会場の設備を事前にチェックする
「メリハリ」= 抑揚のある話し方をして重要な点をわかりやすくする
「自信感」= 自信のある態度でプレゼンの見栄えがぐんと変わる
「話し方の基本」= まずはここから!!話し方の基本を忘れずに
「イメージしやすく」= 聞き手にとってイメージしやすい工夫をする


この日の夕食は、レストラン「アローム」の出前弁当。BGMは、Lady GAGAとパラレルワールドだったそうだ。

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こうしてこの日が終わり、次の週に全パターンのSolutionをつくるということを目指して、「全パターンのSolutionを考えてくる」のと、「付箋の位置が適切かどうかをチェックしてくる」ということが、次週までの宿題となった。


出張先の米国ボストンでログを読んだ僕は、次のようなメールを送った。

井庭です。

ログ、ありがとう。

twtitterとあわせて、状況が目に浮かびました。
おつかれさま!

このフェーズは、どうすればいいのか不透明なのと、
生みの苦しみとが両方あって、とても苦しいフェーズだよね。
まだ明確な方法論がない領域なのだ。

なので、そんな日に僕が参加できず、ごめんね。m(_ _)m
プロジェクトの一参加者として。


でも。逆に、今日、僕がそこにいなくてよかったな、
とも思いました。

みんなとても苦しかっただろうけれども、僕がいたら、
なんとなく僕が流れをつくったりして、その結果、
自分たちのやっていることに自覚的でないまま、
前に進んでしまったかもしれない。

僕なしで、自分たちで「切り拓く」感じ、少しつかんで
もらえたんじゃないかな。

フロンティアを切り拓くってのは、いつも、そういう
地べたを這い回るような、ベタな努力です。
さらっとクールにかっこよく、なんて感じではない。
どうやればいいのかということも不透明だし、それを
模索するのが、まさに生みの苦しみです。
(その結果は、スカッとするよ。そこは希望をもって!^^)


研究会の宿題というのも、ここで慣れてください。

パターン・ランゲージを書くというのは、いつも、
こういう宿題が伴います。

この各自の宿題 + 研究会でのライターズワークショップ
という感じで進めるので、ようやく、宿題ができる
段階になったということは、喜ばしいことです。

ようやく、ここまで来た。
やっと、来れた。


各自がフルに思考を回転させ、会ったときには、コミュニケーション
の連鎖をフルに回転させ、そのなかで、創造を、クリエイティブな
プロセスをみんなで回していくんです。

苦しみましょう!
楽しみましょう!


ちょっと遠いところからのメールでした。

おつかれさま! & ありがとう!

井庭 崇
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