井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

<< April 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

2011年度に僕が行った対談・鼎談の公開映像一覧

今年もたくさんの対談・鼎談を行いました(おつきあいいただいたみなさん、ありがとうございました!)。

その対談・鼎談のうち、SFC Global Campus(SFC-GC)のサイトで映像が公開されているものをリストアップしました。どなたでも無料でご覧になれますので、興味がある回があれば、ぜひどうぞ。リンクをクリックすると、ブラウザ上で映像再生が開始します。

■「“自分”から始まる学びの場のデザイン」
(市川 力さん × 今村 久美さん × 井庭 崇 鼎談, 2011年5月21日, 3時間)
→ 鼎談映像 《前半》《後半》

■「学びと創造の場づくり」
(中原 淳さん × 井庭 崇 対談, 2011年7月9日, 3時間)
→ 対談映像 《前半》《後半》

■「カオスの生成力」
(合原 一幸先生 × 木本 圭子さん × 井庭崇 鼎談, 2011年11月5日, 3時間)
→ 鼎談映像 《前半》《後半》

■「社会を変える仕組みをつくる」
(井上 英之さん × 中室 牧子さん × 井庭 崇 鼎談, 2011年11月12日, 3時間)
→ 鼎談映像 《前半》《後半》

■「内からのことばを生み出す」
(山田 ズーニーさん × 井庭崇 対談, 2011年11月28日, 1時間半)
対談映像

■「ユーザーエクスペリエンスデザイン」
(長谷川 敦士 さん × 井庭崇 対談, 2011年12月12日, 1時間半)
対談映像

■「デジタル・ファブリケーション、パターン・ランゲージ、複雑系」
(田中 浩也 さん × 井庭崇 対談, 2011年12月13日&20日, 計3時間)
→ 対談映像 《前半》《後半》
イベント・出版の告知と報告 | - | -

告知「井庭研B2(社会システム理論)オープンゼミ」

12月6日(火)と12月20日(火)の井庭研B2(社会システム理論)は「オープン・ゼミ」スタイルで行います。

この2回で扱うのは、最近発売された『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法【リアリティ・プラス】』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾出版会, 2011年11月)についてです。

  • 12月6日の範囲は、この本のプロローグ、序章、および 第1章(宮台×井庭対談)です。

  • 12月20日の範囲は、第2章(熊坂×井庭対談)、第3章(公文×井庭対談)、そしてエピローグです。


オープン・ゼミの参加条件は、この本『社会システム理論』の該当分野を事前に読んでくる、ということだけです。

この本について理解を深めたい人も、来学期から井庭研への参加を検討している人など、ぜひお越しください。


井庭研B2(社会システム理論)オープンゼミ
12月6日(火)&12月20日(火)
5限〜(16:30〜)
ι12(イオタ12)教室


RelityPlusCover420.jpg
イベント・出版の告知と報告 | - | -

ORF2011 井庭研ブースの発表内容

2011年11月22日(火)・23日(水・祝) に六本木ミッドタウンで開催される ORF2011 の井庭研の展示ブースでは、以下の発表を行います。

■展示B12 インターリアリティプロジェクト

  • How to Make a Pattern Language
      問題発見・問題解決を実践する知はどのようにつくられているのか?

  • Understanding Creative Society
      「コミュニケーションの連鎖」で捉える創造的コラボレーション

■展示B13 井庭崇研究会

  • Presentation Patterns
      創造的プレゼンテーションとはなにか?

  • Learning Patterns
      創造的な学びとはなにか?

ORF2011ilabPosters.jpg


ブースでは、『プレゼンテーション・パターン』冊子や、『ラーニング・パターン』日本語版冊子・英語版冊子、『The Chaos Book』冊子、『井庭研 学会発表論文集 2011』冊子などを配布します。←※『プレゼンテーション・パターン』冊子は、1日目ですべての在庫がなくなり、2日目の配布はなくなりました。申し訳ありません。


なお、本展示のカテゴリーは、「社会:地域・グローバル・公共/社会イノベーション」です。
井庭研だより | - | -

ORF2011 井庭研ブースで配布する論文集

PapersCollectionCover210.jpg
2011年11月22日(火)・23日(水・祝) に六本木ミッドタウンで開催される ORF2011 の井庭研の展示ブース(B12 および B13)では、以下の論文が収録された『井庭研究会 学会発表論文集 2011』を配布します。


展示B12
インターリアリティプロジェクト

展示B13
井庭崇研究会


『Iba Lab. Papers Collection ̶ 井庭研究会 学会発表論文集 2011』

【パターン・ランゲージ】
  • 「パターンランゲージ 3.0:新しい対象 × 新しい使い方 × 新しい作り方」(井庭 崇, 情報処理, Vol.52 No.9, 2011)
  • "How to Write Tacit Knowledge as a Pattern Language: Media Design for Spontaneous and Collaborative Communities" (Takashi Iba, Mami Sakamoto, & Toko Miyake, 2nd Conference on Collaborative Innovation Networks (COINs2010), 2010)
  • "Collaborative Mining and Writing of Design Knowledge" (Mami Sakamoto & Takashi Iba, 3rd Conference on Collaborative Innovation Networks (COINs2011), 2011)
  • 「『コラボレーションによる学び』の場づくり:実践知の言語化による活動と学びの支援」(井庭 崇, 人工知能学会誌 24(1), 70-77, 2009)
  • "Learning Patterns III: A Pattern Language for Creative Learning" (Takashi Iba & Mami Sakamoto, 18th Conference on Pattern Languages of Programs (PLoP11), 2011)
  • "Pedagogical Patterns for Creative Learning" (Takashi Iba, Chikara Ichikawa, Mami Sakamoto, & Tomohito Yamazaki, 18th Conference on Pattern Languages of Programs (PLoP11), 2011)
  • 「A Pattern Language for Child Rearing:育児のパターン・ランゲージ」(中條 紀子 & 井庭 崇, 2nd Asian Conference on Pattern Languages of Programs (Asian PLoP2011), 2011)

【創造システム理論】
  • 「自生的秩序の形成のための《メディア》デザイン:パターン・ランゲージは何をどのように支援するのか?」(井庭 崇, 10+1 web site, INAX Publishing, 2009 年9 月号)
  • "An Autopoietic Systems Theory for Creativity" (Takashi Iba, Procedia - Social and Behavioral Sciences, Vol.2, Issue 4, 2010, pp.6610-6625)
  • "Autopoietic Systems Diagram for Describing Creative Processes" (Takashi Iba, 2nd Conference on Collaborative Innovation Networks (COINs2010), 2010)

【複雑系/カオス/ネットワーク】
  • "The Origin of Diversity: Thinking with Chaotic Walk" (Takashi Iba & Kazeto Shimonishi, Unifying Themes in Complex Systems Volume VIII: Proceedings of the Eighth International Conference on Complex Systems, Sayama, H., Minai, A. A., Braha, D. and Bar-Yam, Y. eds., NECSI Knowledge Press, 2011, pp.447-461.)
  • "Hidden Order in Chaos: The Network-Analysis Approach To Dynamical Systems"
    (Takashi Iba & Kazeto Shimonishi, Unifying Themes in Complex Systems Volume VIII: Proceedings of the Eighth International Conference on Complex Systems, Sayama, H., Minai, A. A., Braha, D. and Bar-Yam, Y. eds., NECSI Knowledge Press, 2011, pp.769-783)
  • "Analyzing the Creative Editing Behavior of Wikipedia Editors Through Dynamic Social Network Analysis" (Takashi Iba, Keiichi Nemoto, Bernd Peters, & Peter A. Gloor, Procedia - Social and Behavioral Sciences, Vol.2, Issue 4, 2010, pp.6441-6456)
  • 「Wikipedia におけるコラボレーションネットワークの成長」(四元 菜つみ & 井庭 崇, 情報処理学会 第7 回ネットワーク生態学シンポジウム, 2011)
  • 「書籍販売における定常的パターンの形成原理」(北山 雄樹 & 井庭 崇, 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Notes 2011-MPS-82(20), 2011)

【エッセイ】
  • 「モバイル時代の英語力強化法:日本にいながらの環境構築」(井庭 崇, 人工知能学会誌 25(5), 2010, pp.710-714
このブログについて/近況 | - | -

井庭研 夏の特別研究プロジェクト2011 シラバス

下記の通り、夏の「特別研究プロジェクト」(井庭)を開催します。これは、夏休み中の正規の授業として開講されます(2単位)。参加希望の人は、メールにて連絡をください。

「 新しいシステム理論にもとづく社会研究【特別編】」(井庭 崇)

 本特別研究プロジェクトでは、社会学者ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」(Social Systems Theory)の理解を深めるため、『社会の芸術』を読み込みます。ルーマンの社会システム理論では、社会を「コミュニケーション」という出来事の生成・連鎖の視点で捉えます。そして、本来は生起しにくい社会的秩序が、いかにして生じ得るのかを考察します。この理論は、政治、経済、法、科学、教育、芸術、宗教、マスメディア、社会運動、組織、愛など、様々な社会現象の理解に用いられています。
 本プロジェクトでは、『社会の芸術』の日本語訳と英語訳の両方を読み、理論の内容理解だけでなく、社会システム理論にもとづく社会研究を英語で書くための力も身につけます。

『社会の芸術』(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2004)
第1章 知覚とコミュニケーション―形式の再生産について
第2章 ファースト・オーダーの観察とセカンド・オーダーの観察
第3章 メディアと形式
第4章 芸術の機能と芸術システムの分出
第5章 自己組織化―コード化とプログラム化
第6章 進化
第7章 自己記述

『Art as a Social System』(N. Luhmann, Stanford University Press, 2000)
Chapter 1. Perception and communication: the reproduction of forms
Chapter 2. Observation of the first and of the second order
Chapter 3. Medium and form
Chapter 4. The function of art and the differentiation of the art system
Chapter 5. Self-organization: coding and programming
Chapter 6. Evolution
Chapter 7. Self-description


【実施期間】
2011年 9月1日~3日、5日、13日、14日

【実施場所】
SFC

【参加条件】
「社会システム理論」の授業を履修済み、もしくは、プロジェクト開始前までに、SFC-GCで「社会システム理論」の映像を見て自習していること。

【評価方法】
文献読解・議論における積極性・貢献度、文献読解のまとめのレポート、および研究関連の諸活動から総合的に評価します。

【問い合わせ・連絡先】
ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp

【参考文献】
・『社会システム理論』〈上〉 〈下〉(ニクラス・ルーマン, 恒星社厚生閣, 1995)
・『Social Systems』(N. Luhmann, Stanford University Press, 1996)
・『社会の社会』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
・『システム理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈1〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2007)
・『社会理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈2〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2009)

Ilab2_2011s.jpg
井庭研だより | - | -

井庭研究会B2(2011年秋学期)シラバス

井庭崇研究会B2(火曜5限)

新しいシステム理論にもとづく社会研究
(コミュニケーションの連鎖の分析とメディア構築)

【Important Dates】

7月12日(火)5限 井庭研B2説明会@κ11。
7月22日(金) エントリー〆切
7月29・30日(金・土)面接


【目的・内容】

自分たちで自分たちの未来をデザインする―――― 社会が複雑化し多様化するなかで、いかにしてそれを実現するのか。これは現代社会が抱えている根本的な課題です。自己革新的な社会においては、自らヴィジョンを創造し、それを具現化する仕組みをデザインし、実践することが求められます。本研究会では、新しいシステム理論にもとづき、秩序形成の原理と新しい仕組みのデザイン/実践の方法を探究します。

本研究会は、「新しいシステム理論の探究」と「個人研究」の二本柱で構成されます。

「新しいシステム理論の探究」では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」(Social Systems Theory)に関する文献を読み込み、理解を深めます。この理論では、社会を「コミュニケーション」という出来事の生成・連鎖の視点で捉えます。そして、本来は生起しにくい社会的秩序が、いかにして生じ得るのかを考察します(より具体的に言うと、コミュニケーションの生成・連鎖を下支えしている「メディア」は何かを特定し、その働きを理解します)。この理論はこれまでにも、政治、経済、法、科学、教育、芸術、宗教、マスメディア、社会運動、組織、愛など、様々な社会現象の理解に用いられており、多様な社会現象を統一的な視点で理解し、比較検討できることがわかっています。2011年度春学期の輪読では『社会の社会』〈1〉 〈2〉を読みましたが、秋学期は『エコロジーのコミュニケーション』と『社会の科学』〈1〉 〈2〉等を読み、学問や大学の役割と可能性について議論できればと考えています。

「個人研究」では、各自の問題意識にもとづく研究に取り組みます。つまり、自分がどうしても取り組みたいテーマ、「研究への情熱」が持てるテーマについて、ルーマン理論から得た発想・分析枠組みなどを活かしながら分析・考察し、新しい仕組みの提案・実践に取り組みます。このほか必要に応じて複雑系(Complex Systems)の諸理論や創造システム理論(Creative Systems Theory)、さらには新しい研究方法(ネットワーク分析やモデリング・シミュレーション)を取り入れるなど、社会研究方法の革新にも取り組みます。

本研究会の参加者としては、これまで自分が取り組んできた研究対象を新しい視点で捉え直したい人、またはSFCらしい新しいアプローチで研究を始めたい人を歓迎します。どちらの場合でも、自分が取り組むテーマに対する「しっかりとした問題意識」と「研究遂行への強い意志」を求めます。


Ilab2_2011fall420.jpg


【授業スケジュール】

ゼミは、火曜5限に行います。
毎週のゼミでは、「輪読」や「個人研究レビュー」を行います。
●輪読では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」に関する文献を読み込み、理論の理解を深めます。
●個人研究レビューでは、各自の問題意識にもとづく個人研究の進捗状況を報告し、互いにコメント/アドバイスをし合います。


【履修条件】

● 個人研究で取り組みたいテーマが明確になっていること(具体的なイシューに落とし込めていること)。
● 個人研究によって付加価値のあるアウトプットを生み出す強い意志があること。
● 知的コミュニティとしての研究会を、自分たちでつくっていく意志があること。


【その他の留意点】

● 研究会に参加するメンバーはそれぞれ異なる研究対象領域をもつことになるので、各自の研究テーマそのものに関する知識(例えば、経営がテーマの場合、経営の理論や事例など)は自分で身につけてもらいます。
● ゼミの正規の時間よりも延長して活動を行います。また、ゼミ後に議論・交流のための食事会を開催します。ゼミの時間の後には、ほかの予定を入れないようにしてください。
● 井庭研究会B1との同時履修や、他の研究会との同時履修も歓迎します。
● 7月12日(火)5限に、κ11教室にて、担当教員と現役メンバーによる「井庭研B2説明会」を開催します。井庭研に興味がある人や迷っている人など、ぜひ来てください。
● 9月上旬から中旬にかけて、ルーマンの社会システム理論を学ぶための「特別研究プロジェクト」を開催予定です。詳細は追って連絡しますが、秋学期に先行してスタートできるので、可能であれば参加してください。


【予定受け入れ人数】

15名程度


【エントリー課題】

本シラバスをしっかりと読んで内容を理解した上で、以下のエントリー情報を7月22日(金)までにメールで提出してください。

エントリーメールの提出先: ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp
メールのサブジェクト(件名): 井庭研究会B2 履修希望

以下の内容を書いたエントリーレポート(PDF形式)を、メールで提出してください。

井庭研究会B2 履修希望
(1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名
(2) 問題意識と研究テーマ(社会のどの部分に問題を感じ、どのように解決したいと考えているのか?)
(3) 来学期、並行して所属する予定の研究会
(4) これまでに所属した研究会
(5) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
(6) これまでに履修した担当教員(井庭)の授業
(7) その他の自己紹介(やっていること、興味があること、将来の方向性、自己アピールなど)

※ (2)は、A4用紙で1枚程度でまとめてください。
※ (2)や(7)では、図や写真を用いて構いません。魅力的にアピールしてください。


以上のエントリー情報にもとづき、面接を行います。面接では、問題意識と研究計画がきちんと練られているかについて確認・議論します。


【評価方法】

日頃の文献読解・議論における積極性・貢献度、個人研究の成果、および研究会関連の諸活動から総合的に評価します。


【問い合わせ・連絡先】

ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp


【参考文献】

●『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007)[ N. Luhmann, Ecological Communication, University Of Chicago Press, 1989 ]
●『社会の科学』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
●『社会の教育システム』(ニクラス ルーマン, 東京大学出版会, 2004)

●『システム理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈1〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2007)
●『社会理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈2〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2009)
●『社会システム理論』〈上〉 〈下〉(ニクラス・ルーマン, 恒星社厚生閣, 1995) [ N. Luhmann, Social Systems, Stanford University Press, 1996 ]
●『社会の社会』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
●『近代の観察』(ニクラス・ルーマン, 法政大学出版局, 2003)[ N. Luhmann, Observations on Modernity, Stanford University Press, 1998 ]

●『創造的論文の書き方』(伊丹敬之, 有斐閣, 2001)
●『「超」文章法』(野口悠紀雄, 中央公論新社, 2002)
●『考える技術・書く技術:問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント, 新版, ダイヤモンド社, 1999) [ B. Minto, The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking, 3rd Revised ed, Financial Times Prentice Hall, 2008 ]

●「SFCの現場:井庭研究室」 http://www.sfc.keio.ac.jp/introducing_labs/index.html
井庭研だより | - | -

「社会システム理論」2011年度春学期シラバス

「社会システム理論」
(先端導入科目-総合政策-社会イノベーション:30080)
【開講】月曜日3時限@慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)
【担当】井庭 崇
※この授業の映像は、SFC-GC (Global Campus) で公開されます(各授業実施日の数日後にアップ予定)。
※東日本大震災の影響で、今年度春学期のSFCの授業は5月からの開始となります。そのため、授業が開講される曜日が一部変則的になっています。

■ 主題と目標/授業の手法など
この授業の目的は、社会を「システム」として捉える視点を身につけることです。ここで取り上げるのは、最新の「社会システム理論」(オートポイエーシスの社会システム理論)です。その理論では、社会はコミュニケーションがコミュニケーションを連鎖的に引き起こすことで成り立つシステムであると捉えます。このような捉え方で、社会学者ニクラス・ルーマンは、次のような問題に答えようとしました。「社会的な秩序はいかにして可能なのだろうか?」と。個々人は別々の意識をもち、自由に振る舞っているにもかかわらず、社会が成り立つ(現に動いている)、この不思議に取り組むのが、社会システム理論です。
 社会システム理論の捉え方によって、既存の社会諸科学では分析できない社会のダイナミックな側面を理解することができるようになります。また、個別の学問分野を超えた視点で社会を捉えることができるようになります。この理論を考案した社会学者ニクラス・ルーマンは、この社会システム理論を用いて、経済、政治、法、学術、教育、宗教、家族、愛などの幅広い対象を分析しています。総合政策学的な/超領域的なアプローチの新しい基礎論として、社会システム理論を一緒に探究しましょう。

■ 教材・参考文献
教科書として以下の書籍を指定します。各自授業進行に合わせて読んでください。
『Social Systems』 (N. Luhmann, Stanford University Press, 1996)

主要参考文献としては、以下のものを挙げておきます。
『システム理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈1〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2007)
『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007)

これ以外のルーマンの著作については、メディアセンターの授業指定図書棚に置いておきます。適宜、活用してください。

■ 提出課題・試験・成績評価の方法など
成績評価は、授業への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。

■ 履修上の注意
● 講義中のPCの使用を原則禁止とします。
● 2011年度春学期は学事日程変更により、5月22日(日)および7月18日(月・祝)にも授業があります。また、補講として5月21日(土)および7月9日(土)には、2コマ連続授業があります。これらに参加できることを確認のうえ、履修してください。

■ 履修制限
履修人数を制限する(最大約150人まで):初回授業時に志望理由を書いてもらいます。

授業計画
第1回 イントロダクション (5/9 月)
ニクラス・ルーマンの提唱した「社会システム理論」の魅力はどこにあるのでしょうか? また、物事をシステムとして抽象化して考えるということには、どのような意義があるのでしょうか? この授業の目的と内容、および進め方について説明します。

第2回 学びの対話ワークショップ (5/16 月)
各自の学び方とその経験について語り合うワークショップを行ないます(学びのパターン・ランゲージである『学習パターン』を、コミュニケーション・メディアとして用いて、「コミュニケーションの連鎖」を引き起こすワークショップです)。

第3・4回 ゲストスピーカー鼎談『“自分”から始まる学びの場のデザイン』(5/21 土)
ゲストスピーカーとして、東京コミュニティスクール校長の市川力さんと、カタリバ代表理事の今村久美さんをお呼びし、鼎談を行ないます。
※補講日 5月21日(土)3・4限に実施

第5回 ダブル・コンティンジェンシーと社会形成 (5/22 日)
人は自由な意志にもとづいて考え、行動しています。それにもかかわらず、社会はある秩序をもって成り立っています。このようなことはいかにして可能なのでしょうか? 授業では、出来事や選択が「別様でもあり得る」(コンティンジェントである)ということ、そして、複数の人が集ると、お互いに相手を予測できないために自分の行為を決定できないという「ダブル・コンティンジェンシー」の問題が発生することを理解します。そして、「ノイズからの秩序」という考え方を用いて、社会形成の仕組みについて考えます。

第6回 行為とコミュニケーション (5/23 月)
社会システム理論では、「コミュニケーション」は、従来の社会学でいう「行為」の延長線上にあるものではないと捉えます(つまり、単なる社会的行為や言語的行為ではないと捉えます)。それでは、いったいコミュニケーションとはどのような出来事なのでしょうか? 授業では、従来のような「情報の移転」という捉え方ではない新しい「コミュニケーション」の捉え方について理解します。そのうえで、「コミュニケーション」が「行為」とはどのように異なるのかについて考えていきます。

第7回 コミュニケーションの生成・連鎖としての社会システム (5/30 月)
社会システム理論では、社会の構成要素は人ではなく「コミュニケーション」であるといいます。ここに、社会の捉え方に関する理論的革新があります。それでは、コミュニケーションを中心として社会を捉えると、どのように捉えることができるのでしょうか? 授業では、社会をコミュニケーションの生成・連鎖として捉える視点、および、人間の思考を意識の生成・連鎖として捉える視点を身につけます。また、自分で自分を生み出し続けるシステムを理解するうえで重要な「自己言及」(自己準拠)や「オートポイエーシス」(自己生成)の概念を学びます。

※ 6/6 休講

第8回 コミュニケーションの不確実性とメディア (6/13 月)
コミュニケーションにはいろいろな不確実性が伴うため、本来は成立が困難なものです。それにもかかわらず、日常生活ではふつうにコミュニケーションが成り立っています。いったいどのような仕組みでコミュニケーションが実現できているのでしょうか? 授業では、コミュニケーションにまつわる三つの不確実性(他者理解の不確実性、到達の不確実性、コミュニケーション成果の不確実性)と、それらの不確実性を確実性へと変換するメディア(言語、拡充メディア、コミュニケーション・メディア)について理解します。

第9回 近代社会の機能分化とシステム類型 (6/20 月)
社会システム理論では、近代社会は、経済、法、学問、宗教など、機能的な分化が起こったと捉えます。つまり近代社会では、経済システム、法システム、学問システム、宗教システムなどがそれぞれ自律的に動いているということです。それぞれの機能システムは、どのようなコードで動いているのか、また、それがどのように発展してきたのかを見ていきます。また、社会システムのいくつかの類型(タイプ)、つまり「相互行為」、「組織」、「(全体)社会」、「社会運動」の特徴について概観します。

※ 6/27、7/4 休講

第10・11回 ゲストスピーカー対談『学びと創造の場づくり』 (7/9 土)
ゲストスピーカーとして、企業・組織における学習やコミュニケーション、リーダーシップについて研究している東京大学大学総合教育研究センターの中原淳さんをお呼びし、対談を行ないます。
※補講日 7月9日(土)3・4限に実施

第12回 オートポイエーシスの考え方 (7/11 月)
ルーマンが引き継ぎ、精緻化した「オートポイエーシス」の考え方について再考します。

第13回 期末発表会 Part 1 (7/18 月・祝)
各自の期末レポートの内容を発表してもらいます。

第14回 期末発表会 Part 2 (7/25 月)
各自の期末レポートの内容を発表してもらいます。
授業関連 | - | -

『芸術と政治をめぐる対話』(エンデ × ボイス)がかなり刺激的だった

Ende16Book150.jpg 『芸術と政治をめぐる対話(エンデ全集16)』(岩波書店, 1996)を読んだ。ドイツのファンタジー作家であるミヒャエル・エンデと、同じくドイツの現代美術家・社会活動家であるヨーゼフ・ボイスが行なった1985年の対談である。二人ともすでに亡くなっていることもあり、かなり貴重な記録だといえる。これが(ドイツ語ではなく)日本語で読めるというのは、実にうれしいことだ。

二人の話は最初から最後までほとんどすれ違ったまま進むのであるが、それゆえ、それぞれの考えが何度も違うかたちで語られていて興味深い。

ボイスは、社会という芸術作品をみんなでつくりあげる「社会芸術」というものを提唱する。芸術はこれからかたちを変えて「社会」をも作品とする段階にくる。そして、それは誰か一部の人間によってつくられるのではなく、全員がそれに関わり、いわば「社会芸術家」になる(ならなければならない)。そう語る。

これに対してエンデは、芸術というものをもっと狭く———といっても、僕たちが知っている常識的な範囲で———捉える立場をとる。芸術は美の領域での創造である。そして、未来へのひとつのお手本やスケッチとなるようなものを具体的なレベルで描くこと、そして、それによって何かを伝えるのではなく経験してもらうことこそが芸術にとって大切なのだ、と語る。

このように、定義も方向性も違っているわけだが、僕はそのどちらにも共感を覚えた。いや、「共感」という言葉では、うまく言い表せていないかもしれない。だって、僕が考えてきたことや考えていることが、まさにそこに文字として書かれていたのだから。

しかも興味深いことに、この対談のやりとりを読んで、3年前の自分と今の自分が対話しているような錯覚さえ覚えた。大雑把にいうならば、3年前の自分がボイスで、今がエンデだ。(恐れ多いが…^^;)

この対談には、魅力的で力がある言葉が詰まっている。少し紹介したい。

「私に言わせれば、創造的であるというのは、要するに、人間的であるということにほかならない。」(エンデ:p.19)

僕の研究の根本的な問いは「創造的とはどういうことか」というものであるが、それは「人間的である」ことだ、と最近行き着いた。要素に還元はできない。全体性との関係でしか定義できない何か。その点について、エンデは、次のように語る。

「美の領域で創造的であるというのが、芸術家の特性なのです。では、美とはなにか、もちろんそれは ———ほかのその種の概念とおなじく———定義できない。美の概念に境界はない。つねに新しくつくりあげられるしかないわけです。真理とはなにか、その定義も不可能です。善とはなにか、その定義も不可能です。ユニバーサルな概念ですからね。全体にかかわる概念ですからね。私に言わせれば、美というものはつねに、———まあ、これも言葉にすぎないわけですが———心、頭、感覚の全体性がうちたてられる場所に成立するのです。いいかえれば、人間がもとの全体性にもどされた場所で、成立するのです。」(エンデ:p.22)

科学哲学史を紐解けばわかるように、近代科学では真・善・美という概念は科学の世界から追放されてしまっている。それは、デカルトの要素還元的な分析アプローチの影響である。全体は部分に分けて考えられるべきであり、全体性というのは探究の対象とはならないのだ。それでは、全体性とは何なんだろうか。

「全体性とはなにか、それも定義できません。定義できれば、全体性でなくなってしまうわけですから。全体性というのは、特定できないものです。」(エンデ:p.23)

このエンデの言葉からもわかるように、全体性ということを考え始めると、途端に神秘主義的になってしまう。あるいは、宗教的な世界観に入ってしまう。僕が興味があるのは、宗教にもオカルトにもいかずに、この全体性の問題にアプローチすることはできないか、ということである。オートポイエーシスのシステム理論等によって、あるいはパターン・ランゲージ等の方法によってアプローチすることはできないか。

僕にとって、ニクラス・ルーマンは、全体性に対して動的な自己生成プロセスの観点からアプローチした理論家であり、クリストファー・アレグザンダーは、真・善・美を備えた全体性をつくるための方法について探究した方法論者であった。これらを新しいかたちで結合・融合・進化させることが僕のやりたいことになる。


そして、最近ますます興味が出てきた、主観/客観の二分法への疑問についても、エンデは次のように語る。

「純粋な客観性というニュートン流の真理の基準は、核物理学によって、疑問視されたわけです。……こんにちでは真理の概念は、かつて知恵と呼ばれていたものに、どんどん接近しているのです。つまり、自分で経験し、自分の内部にもっているものだけを、あなたは外部ででも認識できるのです。昔の自然科学は、事実を矛盾なく記述することを要求していましたが、こんにちでは、だれもそんなことを信じちゃいない。世界を客観的な世界と、主観的な世界に引き裂くというイデオロギーを、私たちはちょうど克服しようとしているところなんです。」(エンデ:p.85)

主観/客観の二分法をイデオロギーであると言い切ってしまうあたりが心地よい。

さらに、なぜ創造性の問題が今なお学問の世界で置き去りにされているのか、それについてもエンデは明快に語っている。

「自然科学の思考は、本質的に因果関係の論理にもとづいています。因果関係の論理がなければ、精確な自然科学は存在しない。さて、ところが人間は、一番人間的である場所で、つまり創造の場で、因果の鎖に縛られてはいません。縛られていたら、自由な創造がなくなります。だから創造は、自然科学の思考ではたいてい見落とされるわけです。因果の鎖とは縁がないので、証明できませんからね。」(エンデ:p.89)

僕の「創造システム理論」も、ここで指摘されているように、因果関係では捉えられないということが前提となっている。だからこそ僕は、オートポイエティックな———因果関係ではなく生産関係のネットワークの———システムとして創造を捉えたいと考えているわけだ。


以上、エンデの言葉を中心に紹介してきたが、エンデだけに共感したわけではない。ボイスの言葉にも、ぐっとくる言葉は多々あった。芸術の価値と使命という文脈で、ボイスは次のように語っている。

「理解できるものなんて、うんざりするほどあるよ。もちろんそれも大切だけどさ。だが芸術にとっては、理解できないほうが、ずっといい。人びとのなかに力を、想像とか直観にたいする力を呼びさまし、さらに、それ以上のことをするわけだから。それが僕の方法なんだ。」(ボイス:p.150)

これまで教育や文章で、とにかく徹底した「わかりやすさ」を追究してきた僕は、最近「わからない」という状況をつくることの大切さについて考えている。ここでボイスが語っていることは、先日池上高志さんが「メディアがつくる違和感」というフォーラムで、「ある種のクレイジーネスが必要だ」とか「わからなさ・違和感を生む」と言ったことと重なる。

そして、世界を変えるということについて。エンデは、新しい芸術作品が存在するだけで世界はすでに変わっているんだという立場をとるのに対し、ボイスの方はもっと過激だ。司会者が話を現実に引き寄せようとしたところ……

「いや、ともかく突撃しておくことが、とても重要なことなんだよ。でないといつだって、敷居のむこう側を見ることは不可能ということになる。『こいつはまずい、こいつはまずい』って、みんな嘆く。だが僕は、嘆こうなんて思わない。可能性はひとつしかない。で、それはいまの現実にたいするポジティブな提案にほかならない。」(ボイス:p.17)

ここで言わんとしていることは、わかる気がする。そうでもしなければ、社会はいつまでたっても「想像の圏外」に到達できない。

ボイスの過激さと、エンデの静かな力。どちらをとるかではなく、その両方が必要なのだと思う。

それにしても、このような話が1985年にすでに語られていたというのがすごい。それと同時に、こうやって語られていたにも関わらず、依然として世界が変わっていないはなぜなのか? その点についても考えながら、自らの道をしっかりと切り拓いていこうと、決意を新たにした。

  • 『芸術と政治をめぐる対話(エンデ全集16)』(岩波書店, 1996)
  • Joseph Beuys, Michael Ende, KUNST UND POLITIK: Ein Gespräch, FIU-Verlag, 1989
  • 最近読んだ本・面白そうな本 | - | -

    井庭研究会B2(2011年春学期)シラバス

    井庭崇研究会B2(火曜5限)

    新しいシステム理論にもとづく社会研究
    (コミュニケーションの連鎖の分析とメディア構築)


    【Important Dates】

    2011年
    1月13日(木) 5限 井庭研説明会
    1月22日(土) エントリー〆切
    1月27・28日(木・金) 面接
    1月29日(土) 井庭研最終発表会(2010年度)


    【目的・内容】

    自分たちで自分たちの未来をデザインする―――― 社会が複雑化し多様化するなかで、いかにしてそれを実現するのか。これは現代社会が抱えている根本的な課題です。自己革新的な社会においては、自らヴィジョンを創造し、それを具現化する仕組みをデザインし、実践することが求められます。本研究会では、新しいシステム理論にもとづき、秩序形成の原理と、新しい仕組みのデザイン/実践の方法を探究します。

    本研究会は、「新しいシステム理論の探究」「個人研究」の二本柱で構成されます。

    「新しいシステム理論の探究」では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」(Social Systems Theory)に関する文献を読み込み、理解を深めます。この理論では、社会を「コミュニケーション」という出来事の生成・連鎖の視点で捉えます。そして、本来は生起しにくい社会的秩序が、いかにして生じ得るのかを考察します(より具体的に言うと、コミュニケーションの生成・連鎖を下支えしている「メディア」は何かを特定し、その働きを理解します)。この理論はこれまでにも、政治、経済、法、科学、教育、芸術、宗教、マスメディア、社会運動、組織、愛など、様々な社会現象の理解に用いられており、多様な社会現象を統一的な視点で理解し、比較検討できることがわかっています。

    「個人研究」では、各自の問題意識にもとづく研究に取り組みます。つまり、自分がどうしても取り組みたいテーマ、「研究への情熱」が持てるテーマについて、システム理論にもとづいて分析・考察し、新しい仕組みの提案・実践に取り組みます。このほか必要に応じて複雑系(Complex Systems)の諸理論や研究方法(ネットワーク分析やモデリング・シミュレーション)を取り入れるなど、社会研究方法の革新にも取り組みます。

    本研究会の参加者としては、これまで自分が取り組んできた研究対象を新しい視点で捉え直したい人、またはSFCらしい新しいアプローチで研究を始めたい人を歓迎します。どちらの場合でも、自分が取り組むテーマに対する「しっかりとした問題意識」と「研究遂行への強い意志」を求めます。

    Ilab2_2011s.jpg


    【授業スケジュール】

    ゼミは、火曜5限を予定しています。
    毎週のゼミでは、「輪読」と「個人研究レビュー」を行います。

    ● 輪読では、ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」に関する文献を読み込み、理論の理解を深めます。
    ● 個人研究レビューでは、各自の問題意識にもとづく個人研究の進捗状況を報告し、互いにコメント/アドバイスをし合います。


    【履修条件】

    ● 個人研究で取り組みたいテーマが明確になっていること(具体的なイシューに落とし込めていること)。
    ● 個人研究によって付加価値のあるアウトプットを生み出す強い意志があること。
    ● 知的コミュニティとしての研究会を、自分たちでつくっていく意志があること。


    【その他の留意点】

    ● 研究会に参加するメンバーはそれぞれ異なる研究対象領域をもつことになるので、各自の研究テーマそのものに関する知識(例えば、経営がテーマの場合、経営の理論や事例など)は自分で身につけてもらいます。
    ● ゼミの時間は延長することがあります。また、ゼミ後に議論・交流のための食事会を開催します。ゼミの時間の後には他の予定を入れないようにしてください。
    ● 井庭研究会B1との同時履修や、他の研究会との同時履修も歓迎します。
    ● 履修希望者は、1月29日(土)に開催される井庭研最終発表会(2010年度)に参加してください。


    【予定受け入れ人数】

    10人程度


    【エントリー課題】

    本シラバスをしっかりと読んで内容を理解した上で、以下のエントリー情報を1月22日(土)までにメールで提出してください。

    エントリーメールの提出先: ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp
    メールのサブジェクト(件名): 井庭研究会B2 履修希望

    以下の内容を書いた文書ファイル(WordもしくはPDFファイル)を、メールに添付してください。

    井庭研究会B2 履修希望
    (1) 氏名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名
    (2) 問題意識と研究テーマ(社会のどの部分に問題を感じ、どのように解決したいと考えているのか?)
    (3) 来学期、並行して所属する予定の研究会
    (4) これまでに所属した研究会
    (5) これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
    (6) これまでに履修した担当教員(井庭)の授業
    (7) その他の自己紹介(やっていること、興味があること、将来の方向性、自己アピールなど)

    ※ (2)は、A4用紙で1枚程度でまとめてください。
    ※ (2)と(7)では、図や写真を用いて構いません。

    以上のエントリー情報にもとづき、面接を行ないます。


    【評価方法】

    日頃の文献読解・議論における積極性・貢献度、個人研究の成果、および研究会関連の諸活動から総合的に評価します。


    【関連科目】

    30080:社会システム理論
    14160:シミュレーションデザイン
    30120:ネットワーク分析
    30070:現代社会理論
    30090:社会構造分析
    30100:社会関係分析


    【関連プロジェクト】

    井庭研究会B1:パターン・ランゲージによる実践知の言語化プロジェクト (魅力があり、想像力をかきたて、人を動かす「ことば」の探究)
    ● 大学院プロジェクト:インターリアリティ


    【研究会ホームページ】

    http://ilab.sfc.keio.ac.jp/


    【問い合わせ・連絡先】

    ilab-entry2011 [at] sfc.keio.ac.jp


    【参考文献】

    ●『社会システム理論』〈上〉 〈下〉(ニクラス・ルーマン, 恒星社厚生閣, 1995) [ N. Luhmann, Social Systems, Stanford University Press, 1996 ]
    ●『社会の社会』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
    ●『社会の科学』〈1〉 〈2〉(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2009)
    ●『社会の経済』(ニクラス ルーマン, 文眞堂, 1991)
    ●『社会の法』〈1〉 〈2〉(ニクラス・ルーマン, 法政大学出版局, 2003) [ N. Luhmann, Law as a Social System, Oxford University Press, 2008 ]
    ●『社会の芸術』(ニクラス ルーマン, 法政大学出版局, 2004) [ N. Luhmann, Art as a Social System, Stanford University Press, 2000 ]
    ●『社会の教育システム』(ニクラス ルーマン, 東京大学出版会, 2004)
    ●『マスメディアのリアリティ』(ニクラス・ルーマン, 木鐸社, 2005) [ N. Luhmann, The Reality of the Mass Media, Stanford University Press, 2000 ]
    ●『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007)[ N. Luhmann, Ecological Communication, University Of Chicago Press, 1989 ]
    ●『情熱としての愛:親密さのコード化』(ニクラス・ルーマン, 木鐸社, 2005)[ N. Luhmann, Love as Passion: The Codification of Intimacy, Stanford University Press, 1998 ]
    ●『福祉国家における政治理論』(ニクラス・ルーマン, 勁草書房, 2007)
    [ N. Luhmann, Political Theory in the Welfare State, Walter De Gruyter Inc, 1990 ]
    ●『信頼:社会的な複雑性の縮減メカニズム』(ニクラス ルーマン, 勁草書房, 1990) [ N. Luhmann, Trust and Power, Wiley, 1979 ]
    ●『権力』(ニクラス・ルーマン, 勁草書房, 1986) [ N. Luhmann, Trust and Power, Wiley, 1979 ]
    ●『宗教社会学:宗教の機能』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 1999)[ N. Luhmann, Religious Dogmatics and the Evolution of Societies, Edwin Mellen Press, 1984 ]
    ●『近代の観察』(ニクラス・ルーマン, 法政大学出版局, 2003)[ N. Luhmann, Observations on Modernity, Stanford University Press, 1998 ]
    ●『ポストヒューマンの人間論:後期ルーマン論集』(ニクラス ルーマン, 東京大学出版会, 2007)
    ●『システム理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈1〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社 (2007)[ N. Luhmann, Introduction to Systems Theory, Polity, 2011 ]
    ●『社会理論入門:ニクラス・ルーマン講義録〈2〉』(ニクラス ルーマン, 新泉社, 2009)
    ●『批判理論と社会システム理論:ハーバーマス=ルーマン論争』(ユルゲン・ハーバーマス, ニクラス・ルーマン, 木鐸社, 1984)

    ●『オートポイエーシス:生命システムとはなにか』(H.R.マトゥラーナ, F.J.ヴァレラ, 国文社, 1991) [ H. R. Maturana, F. J. Varela, Autopoiesis and Cognition: The Realization of the Living, Springer, 1980 ]
    ●『知恵の樹:生きている世界はどのようにして生まれるのか』(ウンベルト・マトゥラーナ, フランシスコ・バレーラ, 筑摩書房, 1997) [ H. R. Maturana, F. J. Varela, Tree of Knowledge: The Biological Roots of Human Understanding, Shambhala, 1987/1992 ]

    ●『社会学的想像力』(ミルズ, 新装版, 紀伊国屋書店, 1995) [ C. W. Mills, The Sociological Imagination, Oxford University Press, 2000 ]
    ●『ised 情報社会の倫理と設計:設計篇』(東 浩紀, 濱野 智史 編, 河出書房新社, 2010)

    ●『創造的論文の書き方』(伊丹敬之, 有斐閣, 2001)
    ●『創造の方法学』(高根 正昭, 講談社, 1979)
    ●『考える技術・書く技術:問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント, 新版, ダイヤモンド社, 1999) [ B. Minto, The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking, 3rd Revised ed, Financial Times Prentice Hall, 2008 ]
    井庭研だより | - | -

    「社会システム理論入門」ブログ

    ニクラス・ルーマンの社会システム理論の入門的解説のためのブログを立ち上げた。ルーマンの理論や、新しい社会の捉え方に興味がある人は、ぜひ読んでみてください。

    社会システム理論入門 ( http://socialsystemstheory.blogspot.com/ )
    ニクラス・ルーマンの「社会システム理論」についての、井庭崇の理解・解釈にもとづく入門的解説。

    SocialSystemsBlog.jpg
    社会システム理論 | - | -
    CATEGORIES
    NEW ENTRIES
    RECOMMEND
    ARCHIVES
    PROFILE
    OTHER