井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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2013年1〜4月活動記録

ここ数年、年末に「○○年を振り返る:成果発表・活動等一覧」というのをまとめているが、今年はこまめに活動記録をつけておくことにする。今年はいろいろあって、年末に一気にまとめると苦労しそうなので。

ちなみに、この年末の一覧記録は最近の僕の発表情報がまとまっているし、論文やスライドへのリンク等もあるので便利。僕の研究の変遷もよくわかる。
2012年 / 2011年 / 2010年]

というわけで、今年 2013年1〜4月の発表・活動記録のメモ。


書籍

  • 井庭崇, 井庭研究室, 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』, 慶應義塾大学出版会, 2013年2月出版社HP / Amazon


    講演

  • 井庭崇, 「パターン・ランゲージによる自生的秩序の支援」, World IA Day 2013, 2013年2月 【Slide

  • 井庭崇, 「創造社会を加速させるクリエイティブ・メディア:パターン・ランゲージの新しい可能性」, ゲンロンカフェ, 2013年4月 【Slide


    井庭研レクチャーズ

  • 井庭崇, 「パターン・ランゲージは いかにして創造性を支援するのか?」, 井庭研カンファレンス2013, 2013年2月 【Slide

  • 井庭崇, 「未来を思い描く方法」, 井庭研レクチャーズ Vol.1, 2013年4月 【Slide / Video


    記事・書籍等で紹介していただいたもの

  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』の紹介, Book Reviews [目利きのお気に入り], 『週刊ダイヤモンド』2013年3月2日特大号, 2013年2月

  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』の紹介, Book | 新刊, 『日経ビジネスアソシエ』, 2013年4月号, 2013年3月

  • 連載「現場で学ぶ イノベーションシンキング」(原尻淳一さん)第1回「『パターン・ランゲージ』で多様なメンバーの共通言語を作る」, 『日経ビジネス アソシエ』2013年5月号, 2013年4月

  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』の紹介, メルマガ:結城浩の「コミュニケーションの心がけ」, 2013年4月16日号(Vol.055), 2013年4月


    書店フェア

  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』フェア, 代官山 蔦屋書店(1号館1Fのビジネス書コーナー付近), 2013年4月 【情報


    大学内ワークショップ

  • 井庭 崇+土肥 梨恵子, 学びのデザイン・ワークショップ 第1回, 2013年4月 ※ラーニング・パターンを用いたワークショップ

  • 井庭 崇+土肥 梨恵子, 学びのデザイン・ワークショップ 第2回, 2013年4月 ※ラーニング・パターンを用いたワークショップ

  • 井庭 崇+井庭研究室, コラボレーションの対話ワークショップ @「社会システム理論」(慶應義塾大学SFC 2013年度春学期), 2013年4月 ※コラボレーション・パターンを用いたワークショップ

  • 井庭 崇+井庭研究室, コラボレーションの振り返りワークショップ @「シミュレーションデザイン」(慶應義塾大学SFC 2013年度春学期), 2013年4月 ※コラボレーション・パターンを用いたワークショップ

  • 井庭 崇, 学びのデザイン・ワークショップ @井庭研究会(慶應義塾大学SFC 2013年度春学期), 2013年4月 ※ラーニング・パターンを用いたワークショップ

  • 井庭 崇+井庭研究室, 学びの対話ワークショップ @「総合政策学の創造」(慶應義塾大学SFC 2013年度春学期), 2013年4月 ※ラーニング・パターンを用いたワークショップ

  • 井庭 崇+井庭研究室, 学びの対話ワークショップ @「環境情報学の創造」(慶應義塾大学SFC 2013年度春学期), 2013年4月 ※ラーニング・パターンを用いたワークショップ

  • 井庭 崇+井庭研究室, 「起業と経営」パターンによる対話ワークショップ @「起業と経営」(慶應義塾大学SFC 2013年度春学期), 2013年4月 ※「起業と経営」パターンを用いたワークショップ


    担当授業

    「社会システム理論」(井庭 崇 & 古川園 智樹, 慶應義塾大学SFC 2013年度春学期)【Syllabus

    「シミュレーションデザイン」(井庭 崇 & 古川園 智樹, 慶應義塾大学SFC 2013年度春学期)【Syllabus

    「起業と経営」(竹中 平蔵 & 井庭 崇, 慶應義塾大学 G-SEC設置科目 2013年度春学期)【Syllabus


    企業内講演

  • D社 講演&ワークショップ, 2013年2〜3月

  • K社 講演&ワークショップ, 2013年2, 3月

  • 美容関連勉強会での講演, 2013年3月

  • W社 講演, 2013年4月


    音楽

  • 教職員バンド 送別ライブ(with 村井純学部長、国領二郎学部長、職員の方々), R・TRIP・BAR, 2013年3月
  • このブログについて/近況 | - | -

    「起業と経営」課題:ひとつめの問題解決

    2013年度春学期開講の「起業と経営」(竹中平蔵、井庭崇)の第1回に、佐野陽光さんから「1週間以内に、何でもよいので、ひとつ問題解決をする」という課題が出されました。

    先週から今週にかけて履修申告の時期ということもあるので、初回授業から1週間ではなく、2週間とり、4月25日(木)23:00までに、その結果を報告してもらうことにしたいと思います。

    初回からの2週間の間に、自分が「何の問題」を「どのように解決」したのか、そして「その結果どうなったのか」を書いたレポートを提出してください。

    ここでいう「解決」というのは、単に「解決策を考えた」ということではなく、実践し、その問題が実際に解決された・解消されたということを意味しています。

    単に「○○するということを提案する」「○○というアイデアを考えた」ということでは、解決ではありません。

    短い期間で解決できる小さな問題で構いませんので、考えた解決策の実践までを含めてコンプリートしてください。

    それでは、報告、楽しみにしています。

    提出先:SFC-SFS
    期限:2013年4月25日(木)23:00
    形式:A4用紙1枚
    ファイル:doc、docx、pdf
    レポートタイトル:※解決した問題を書いてください。
    情報:学部、学年、学籍番号、名前を明記してください。
    授業関連 | - | -

    2013年度春学期「起業と経営」の履修申告方法について

    2013年度春学期開講の「起業と経営」(竹中平蔵、井庭崇)は、「グローバルセキュリティ研究所設置科目」になります。

    そのため、履修申告の際には、通常のSFC科目とは異なる見つけ方をしなければなりません。

    設置学部で「グローバルセキュリティ研究所」を選び、「[B欄:21] 他学部等設置科目」として履修申告してください。

    履修申告のメイン画面にて、上部「設置学部(研究科)・諸研究所・学科(専攻):」の欄で、「グローバルセキュリティ研究所」を選択し、金曜日で検索をかけてみてください。5限に「起業と経営」が表示されるはずです。

    また、他学部設置科目としての履修になるので、分野の欄を変更する必要があります。
    そのときの履修申告に関する注意が http://www.gakuji.keio.ac.jp/sfc/3946mc00000286sv.html にも掲載されていますので、併せて確認したうえで、履修申告をしてください。
    授業関連 | - | -

    応急処置的な社会から、自己革新的で創造的な社会へ

    いま私たちが感じている閉塞感がどこから来るのかを辿っていくと、その根本には、現在の社会が「応急処置的な社会」であるという点に行き着くように思う。

    日々目新しい商品やサービス、情報が生まれてはいるものの、根本的なところで新しいものを「つくる」こと、そして既存のものを「つくり直す」ということが回避される。そのための議論もいつのまにか封じ込められ、とりあえず問題を大きくしないためのパッチを当てて、やり過ごされる。

    この傾向は社会全体に言えるだけでなく、組織やコミュニティにおいても同様である。状況が変わり、新しい問題が生じていても、私たちは依然として過去の仕組みや考え方にしがみつき、そこから離れることがますます難しくなっている。


    これは、個々人の意識・意欲の衰弱であるとともに、そのような逸脱を引き戻す社会・組織的な引力によるものだと考えることができる。応急処置的な社会・組織では、いくつかの理由によって、「つくる」こと、「つくり直す」ことが回避・封印される。

    第一に、「過去の成功」によるものが、まだそれなりに機能しているという理由である。「これはこれで、なかなかうまくできている。歴史的にも実証されてきた。新しいものがよりよいとは限らないよ。」というわけである。

    第二に、変革には「コスト」が膨大にかかるという理由である。「すでに今あるのだから、よいではないか。これを捨てて新しいものをつくるのは、とてもコストがかかって大変だよ。お金も、時間も、労力もかかる。」ということになる。

    第三に、どのようにつくるのかという「方法の忘却」という理由もある。「あのころは必死だったから、無我夢中でつくったものだ。でもね、もうああいうのは、おすすめできない。そもそもどうやってつくったのか、思い出せないよ。とにかく、ああいうのはあのときだけでいい。」と言われてしまい、それ以上話が続かない。


    このような理由で、新しいものを「つくる」ことや、既存のものを「つくり直す」ことへの道が封じられることになる。抜本的な改革は先送りされ、応急処置的にパッチを当てて、なんとかその場をしのぐということになる。

    個々人にとっても、心のどこかで、「まあ、たしかに現存のものでも、まだなんとかなる」という気持ちがあり、何か大きなアクションに移そうという気も起きない。こうして、不満や違和感を感じながらも、時間だけが過ぎていく。


    このまま行くと、私たちの未来はどうなってしまうのだろうか。

    当然、古い制度・仕組みにがんじがらめになったまま、そこから抜け出せないという未来が見えてくる。しかも、現在の仕組みをつくった世代が引退すれば、当然後に残るのは、自分たちの社会・組織を「つくったことがない世代」である。こうして、社会・組織から「つくる能力・経験」の喪失が起きてしまうと、そこから抜け出すことはより一層難しくなる。

    なんとか低空飛行を続けることができるかもしれないが、社会的破綻へと至る可能性も否定できない。


    私たちは、そのようなシナリオとは別の未来を生きることはできないのだろうか?


    こういうとき、いつも私の頭をよぎるのは、アラン・ケイの次の言葉である。

    「未来を予測する最善の方法は、自ら未来をつくるということである」
    (The best way to predict the future is to invent it.)

    この言葉に象徴されるように、現在の延長線上の未来を見て、それをただただ傍観者として眺めているのではなく、自ら積極的に未来にコミットしていくという姿勢が大切だろう。

    自分がコミットするのであれば、どのような未来がよいだろうか?

    ここでは、そのポジティブな未来シナリオを描いてみることにしたい。

    まだ漠然としていて、具体性に欠けるシナリオではある。しかし、そういうことを語り始めることこそが、今まさに必要なことなのだと思う。


    そのポジティブな未来とは、「自己革新的で創造的な社会」である。

    自分たちで自分たちの仕組みをつくり、つくり直していく社会 ——— このような社会を「創造社会」(Creative Society)と呼ぶことにしたい。

    創造社会では、多くの人が、自分たちで自分たちのモノ、認識、仕組みをつくる。現在、誰もが生活や仕事のなかでコミュニケーションを行なっているように、創造社会では誰もがクリエイションをごく当たり前のこととして行なうようになる。

    これまで、何かを消費し、コミュニケーションをすることが生活・人生の豊かさであったのと同じように、何かをつくるということが、生活や人生の豊かさを象徴するようになる。


    このような創造社会では、つくるための「道具」が整備されていく。誰でも自分の思い描いたものをつくり出すことができる道具を手に入れるようになる。

    そして、それを複数人でコラボレーションしながらつくるための「場」も用意される。これにはリアルな場もあれば、ヴァーチャルなプラットフォームの場合もある。

    さらに、「つくる能力の共有・継承」も行なわれるようになる。どのようなつくればよいのかというノウハウがマニュアルやレシピとして共有されるだけでなく、良質なものを生み出すためにどのような発想・視点・感覚でつくればよいのかというコツも共有・継承されることになる。

    このような未来に向かうような準備・仕込みをすることで、現在の延長である暗い道からテイクオフすることができるのではないだろうか。


    上述のなかで最も難しいのが、一番最後に挙げた「良質なものを生み出すための発想・視点・感覚の共有・継承」である。

    マニュアルがあるだけでは、必ずしも「うまく」実践することはできない。レシピがあるだけでは、つくることはできたとしても、「感動的な」ものをつくることができるようになるわけではない。「良質なものを生み出すための発想・視点・感覚の共有・継承」が必要なのだ。しかし、そのような方法論は整備されていない。そのためのイノベーションが、今まさに求められているのである。


    私は、この「良質なものを生み出すための発想・視点・感覚の共有・継承」のために、「パターン・ランゲージ」という方法が役に立つと見ている。

    パターン・ランゲージとは、いきいきとした良質なものを生みだすための生成的な言語である。

    もともとは「いきいきとした質をもつ街や住まい」のつくり方の記述方法として考案されたものだが、その後、ソフトウェアや人間行為のデザインに応用された方法である。

    パターン・ランゲージでは、個々の創造領域において「質がよいとはどういうことか」、そして「それをどのようにつくることができるのか」ということが記述される。その実践的な力やセンスを、生成的(generative)な側面に着目して取り出し、共有・継承していく ——— それがパターン・ランゲージが目指すところである。

    生成的な側面に着目するというのは、生み出された「結果」に見られる共通点を抽出するのではなく、良質な結果を生み出す「プロセス」における共通点を抽出するということを意味している。それゆえ、「パターン・ラゲージ」の「パターン」とは、結果(生み出されたもの)におけるパターンではなく、生成におけるパターンのことを指しているのである。パターン・ランゲージでは、生成のパターンを記述・共有することによって、生成の実践が支援されるのである。


    このような生成的な側面に着目して「過去の成功」を読み解き、パターンという小さな単位にまとめ、それを踏まえて「つくる」「つくり直す」ことができるようになれば、ゼロから始めるのとは異なり、成功確率の面でもコストの面でも実行可能性への期待が持てるようになる。また、その時代その時代の方法が明示化され、共有・継承されていくことによって、社会・組織における「つくる」「つくり直す」能力の再生産が可能になる。


    以上のような考えのもと、パターン・ランゲージというメディアによって、現在の「応急処置的な社会」を脱し、「自己革新的で創造的な社会」へと向かうことの後押しができるのではないか ——— そのような思いで、私(たち)は、日々、パターン・ランゲージの研究に取り組んでいる。
    創造社会論 | - | -

    SFC「起業と経営」(2013春)初回授業より前に提出してもらうもの

    2013年度春学期の「起業と経営」の授業では、初回授業より前に提出してもらうものがあります。


    第1回 に向けて:佐野陽光さんへの質問

    「起業と経営」の授業第1回のゲストである佐野陽光さん(クックパッド株式会社 Founder & 取締役)のことを簡単にリサーチした上で、佐野さんへの質問を提出してください。
    (この質問にもとづいて、第1回目の講演をしていただきます。)

    〆切:2013年4月9日(火)23:59

    提出先:SFC-SFS上の授業ページの課題提出コーナー

    ※ My時間割にこの科目を登録してください。
    ※ 他学部からの履修でSFC-SFSにアクセスできない人は、 entre-staff[at]sfc.keio.ac.jp (授業SA)までメールで提出してください(アドレスの[at]を@に換えてください。)


    なお、リサーチしたものをレポート等に書いて提出する必要はありません。提出してほしいのは、佐野さんへの質問文のみです。
    授業関連 | - | -

    授業シラバス「起業と経営」(2013年度春学期@SFC)

    今年の「起業と経営」(Entrepreneuship and Management)の授業では、SFCの卒業生たちの話を聞きながら、自分が「心からやりたいこと」を見つけることに取り組みます。

    「起業と経営」(SFC設置の諸研究所科目)
    2013年度 春学期 金曜日5時限(2単位)
    担当教員 竹中 平蔵, 井庭 崇


    【主題と目標/授業の手法など】

    この講座を通じて考えてほしいのは、「心からやりたいこと」をやり抜く人生、そして「心からやりたいこと」を実現する手段としての「起業」ということについてです。そして皆さんには、この講座を受けているあいだに、自分が「心からやりたいこと」を見つけてほしいと思います。

    この目的のために、本講座では、自分の事業を起業して第一線で活躍しているSFC の卒業生を、毎週ゲストとしてお迎えします。自分たちと同じ環境で学び、人生を切り拓いていった先輩たちの話を聞くことで、自分自身のことを考えるきっかけにしてください。

    授業では、いわゆる講演のスタイルはとりません。履修者は、毎週必ず次回のゲストについてリサーチをして、事前に質問を提出してもらいます。ゲストスピーカーの方には、当日、その質問に答えるかたちでお話をしていただきます。単に、受動的に話を聞くのではなく、自らの生き方をデザインするために必要な考えを集めるつもりで参加してほしいと思います。

    先輩たちの話を受け、自分が「心からやりたいこと」を見つけることが、この講座で学ぶ側の責任です。

    自分が「心からやりたいこと」は何でしょうか? そして、それを実現するためには、どうしたらよいのでしょうか?仲間と一緒に考えていきましょう。

    (本講座は、今年度が開講最終年度となります。)


    【授業計画】

    第1回 オリエンテーション+ 佐野 陽光さんの挑戦
    ゲスト:佐野 陽光さん(クックパッド株式会社 Founder & 取締役)
    担当:竹中 平蔵, 井庭 崇

    第2回 「心からやりたいこと」をみつけるということ
    担当:竹中 平蔵, 井庭 崇

    第3回 対話ワークショップ
    起業に関するパターン・ランゲージを用いた対話ワークショップを行います。
    担当:井庭 崇

    第4回 宮治 勇輔さんの挑戦
    ゲスト:宮治 勇輔さん(株式会社みやじ豚 代表取締役社長、NPO法人農家のこせがれネットワーク 代表理事CEO)
    担当:竹中 平蔵, 井庭 崇

    第5回 山田 貴子さんの挑戦
    ゲスト:山田 貴子さん(株式会社ワクワーク・イングリッシュ 代表取締役)
    担当:井庭崇

    第6回 今村 久美さんの挑戦
    ゲスト:今村 久美さん(NPO カタリバ代表理事)
    担当:井庭 崇

    第7回 青柳 直樹さんの挑戦
    ゲスト:青柳 直樹さん(グリー株式会社 取締役執行役員常務北米事業本部長)
    担当:井庭 崇

    第8回 山口 絵理子さん・山崎 大祐さんの挑戦
    ゲスト:山口 絵理子さん(株式会社マザーハウス 代表取締役 兼 デザイナー) & 山崎 大祐さん(株式会社マザーハウス 取締役副社長)
    担当:井庭 崇

    第9回 佐藤 輝英さんの挑戦
    ゲスト:佐藤 輝英さん(株式会社ネットプライス・ドットコム 代表取締役社長 兼 グループCEO)
    担当:井庭 崇

    第10回 対話ワークショップ
    自らの「心からやりたいこと」について語り合います。
    担当:竹中 平蔵、井庭 崇

    第11回 柳澤 大輔さんの挑戦
    ゲスト:柳澤 大輔さん(株式会社カヤック 代表取締役CEO)
    担当:井庭 崇

    第12回 小林 正忠さんの挑戦
    ゲスト:小林 正忠さん(楽天株式会社 取締役常務執行役員)
    担当:井庭 崇

    第13回 対話ワークショップ
    自らの「心からやりたいこと」について語り合います。
    担当:竹中 平蔵

    第14回 総括
    授業を振り返り、総括します。
    担当:竹中 平蔵, 井庭 崇

    第15回 質疑応答
    授業に関する質問や相談を受けます。
    担当:井庭 崇

    【教材・参考文献】

  • 『湘南の風に吹かれて豚を売る』(宮治 勇輔, かんき出版, 2009)
  • 『「カタリバ」という授業:社会起業家と学生が生み出す“つながりづくり” の場としくみ』(上阪 徹, 英治出版, 2010)
  • 『裸でも生きる:25歳女性起業家の号泣戦記』(山口 絵理子, 講談社, 2007)
  • 『裸でも生きる2:私は歩き続ける』(山口 絵理子, 講談社, 2009)
  • 『自分思考』(山口 絵理子, 講談社, 2011)
  • 『面白法人カヤック会社案内』(柳澤 大輔, プレジデント社, 2008)
  • 『この「社則」、効果あり。』(柳澤 大輔, 祥伝社, 2008)
  • 『アイデアは考えるな。』(柳澤 大輔, 日経BP 社, 2009)
  • 『空飛ぶ思考法』(柳澤 大輔, サンマーク出版, 2010)
  • 『600 万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス』(上阪 徹, 角川SS コミュニケーションズ, 2009)
  • 『未来を創る大学:慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)挑戦の軌跡』(孫福 弘, 小島 朋之, 熊坂 賢次編著, 慶應義塾大学出版会, 2004)


    【履修上の注意】

    ●毎週、期日までに次回のゲストについてのリサーチをして、質問を提出してもらいます。
    ●学期中に、自分が「心からやりたいこと」を見つけてもらいます。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    出席状況、宿題(ゲストへの質問等)、授業への貢献、期末レポート

    【履修者制限】

    履修人数を制限する。受入学生数(予定):約 370 人
    初回授業において志望理由・決意表明を書いてもらいます。
  • 授業関連 | - | -

    授業シラバス「社会システム理論」(2013年度春学期@SFC)

    今年の「社会システム理論」の授業では、ニクラス・ルーマンの『社会システム理論』を日本語でじっくり読み込みます。

    「社会システム理論」(先端導入科目-総合政策-社会イノベーション)
    2013年度 春学期 木曜日2時限(2単位)
    担当教員 井庭 崇, 古川園 智樹


    【主題と目標/授業の手法など】

    本講義では、物事を「システム」として捉える視点を身につけることを目指します。

     本講義で取り上げるのは、「社会システム理論」(オートポイエーシスの社会システム理論)です。その理論では、社会はコミュニケーションがコミュニケーションを連鎖的に引き起こすことで成り立つシステムであると捉えます。このような捉え方で、社会学者ニクラス・ルーマンは、次のような問題に答えようとしました。「社会的な秩序はいかにして可能なのだろうか?」と。個々人は別々の意識をもち、自由に振る舞っているにもかかわらず、社会が成り立つ(現に動いている)、この不思議に取り組むのが、社会システム理論です。

     社会システム理論の捉え方によって、既存の社会諸科学では分析できない社会のダイナミックな側面を理解することができるようになります。また、個別の学問分野を超えた視点で社会を捉えることができるようになります。この理論を考案した社会学者ニクラス・ルーマンは、この社会システム理論を用いて、経済、政治、法、学術、教育、宗教、家族、愛などの幅広い対象を分析しました。この授業では、さらに、創造のシステム理論やパターン・ランゲージなど、新しい領域への展開方法についても取り上げたいと思います。

    社会システム理論は非常に難解な理論ですが、授業ではできる限り噛み砕いてわかりやすく説明します。また、話し合いや演習の時間も設け、コミュニケーションの連鎖によって学ぶ場にしたいと思っています。前提知識等は必要ありません。学年も問いません。社会や物事のダイナミックな側面を捉えたいと思っている人は、ぜひ一緒に学びましょう。


    【授業計画】

    第1回 イントロダクション
    ニクラス・ルーマンの提唱した「社会システム理論」の魅力はどこにあるのでしょうか? また、この理論はどのような可能性を秘めているのでしょうか? 授業では、ルーマンの社会システム理論について概観し、社会科学における「超領域的」(トランスディシプリナリ)なアプローチの基礎論としての可能性について考えていきます。

    第2回 コラボレーションについての対話
    コラボレーションとは、複数の人々が、ひとりでは決して到達できないような付加価値を生み出す協働作業のことです。創造的なコラボレーションが行われている組織やチームでは、そのコミュニケーションの流れに「勢い」が生まれ、連鎖的に共鳴・増幅していきます。このような流れに身を委ね、コミュニケーションのパスをつないでいくと、思いもかけない飛躍的なアイデアやイノベーションが生まれることがあります。自分たちのこれまでのコラボレーションの経験について、「コラボレーション・パターン」を用いて語り合います。

    第3回 ダブル・コンティンジェンシーと社会形成
    人は自由な意志にもとづいて考え、行動しています。それにもかかわらず、社会はある秩序をもって成り立っています。このようなことはいかにして可能なのでしょうか? 授業では、出来事や選択が「別様でもあり得る」(コンティンジェントである)ということ、そして、複数の人が集ると、お互いに相手を予測できないために自分の行為を決定できないという「ダブル・コンティンジェンシー」の問題が発生することを理解します。そして、「ノイズからの秩序」という考え方を用いて、社会形成の仕組みについて考えます。

    第4回 行為とコミュニケーション
    社会システム理論では、「コミュニケーション」は、従来の社会学でいう「行為」の延長線上にあるものではないと捉えます(つまり、単なる社会的行為や言語的行為ではないと捉えます)。それでは、いったいコミュニケーションとはどのような出来事なのでしょうか? 授業では、従来のような「情報の移転」という捉え方ではない新しい「コミュニケーション」の捉え方について理解します。そのうえで、「コミュニケーション」が「行為」とはどのように異なるのかについて考えていきます。


    第5回 コミュニケーションの不確実性とメディア
    コミュニケーションにはいろいろな不確実性が伴うため、本来は成立が困難なものです。それにもかかわらず、日常生活ではふつうにコミュニケーションが成り立っています。いったいどのような仕組みでコミュニケーションが実現できているのでしょうか? 授業では、コミュニケーションにまつわる三つの不確実性(他者理解の不確実性、到達の不確実性、コミュニケーション成果の不確実性)と、それらの不確実性を確実性へと変換するメディア(言語、拡充メディア、コミュニケーション・メディア)について理解します。

    第6回 コミュニケーションの生成・連鎖としての社会システム
    社会システム理論では、社会の構成要素は人ではなく「コミュニケーション」であるといいます。ここに、社会の捉え方に関する理論的革新があります。それでは、コミュニケーションを中心として社会を捉えると、どのように捉えることができるのでしょうか? 授業では、社会をコミュニケーションの生成・連鎖として捉える視点を身につけます。また、自分で自分を生み出し続けるシステムを理解するうえで重要な「自己言及」(自己準拠)や「オートポイエーシス」(自己生成)の概念についても学びます。

    第7回 社会システムの閉鎖性/開放性と環境
    自分で自分を生み出すオートポイエーシス(自己生成)のシステムは、ある種の閉鎖性と、ある種の開放性を併せ持っています。システムの閉鎖性と開放性は本来、対をなす概念でしたが、その両方をもつとはどういうことなのでしょうか? 授業では、システムの作動上の閉鎖性と、そのうえでの開放性について理解します。また、「環境」の概念や、システムと環境の関係についても理解します。

    第8回 意識の連鎖としての心的システム
    社会システム理論では、人間の思考も、オートポイエーシス(自己生成)のシステムとして捉えられます。それはどのようなシステムなのでしょうか? また、社会システムとの関係はどうなっているのでしょうか? 授業では、意識が意識を生み出し連鎖することで成り立つ「心的システム」について考えます。そして、複数の心的システムはお互いに到達することができないことから、コミュニケーションが不可欠となるということを理解します。また、心的システムと社会システムとの関係についても考えていきます。

    第9回 近代社会の機能システム
    社会システム理論では、近代社会は、経済、法、学問、宗教など、機能的な分化が起こったと捉えます。つまり近代社会では、経済システム、法システム、学問システム、宗教システムなどがそれぞれ自律的に動いているということです。それぞれの機能システムは、どのようなコードで動いているのか、そして、近代社会とはいかなる時代なのかについて考えます。

    第10回 システム間の構造的カップリング
    それでは、機能分化したシステムは、お互いにどのような関係性にあるのでしょうか? 授業では、全体と機能分化したシステムの関係を理解し、さらに、機能分化したシステム同士の関係性を捉えるための「構造的カップリング」の概念を学びます。

    第11回 オートポイエーシス
    ルーマンは社会を、自分で自分自身を生み出す「オートポイエーシス」の特徴をもつシステムだと捉えましたが、その「オートポイエーシス」の概念は、もともとは生命システムの理論として提唱されました。この回では、システム理論の観点から、オートポイエーシスの概念についてさらに深く理解します。

    第12回 創造システム
    ルーマンのシステム理論を参考につくられた「創造システム理論」(井庭 崇)について取り上げます。その理論の内容とともに、その理論がどのようなプロセスによって構築されてきたのかについてもお話しします。

    第13回 パターン・ランゲージはいかなるメディアか
    「いきいきとした質」を生み出すための言語「パターン・ランゲージ」が、社会システム理論/創造システム理論では、どのようなメディアとして捉えられるのかについて考えます。

    第14回 総括
    これまでの授業を振り返り、総括をします。

    第15回 質疑応答
    授業に関する質疑応答を受けます。


    【教材・参考文献】

    教科書として以下の3冊の書籍を指定します。履修者は各自購入し、授業進行にあわせて読んでもらいます(サマリーを宿題として提出)。輪読の際に線を引きながら読むので、借りるのではなく購入するようにしてください。

  • 『【リアリティ・プラス】社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
  • 『社会システム理論〈上〉』(ニクラス・ルーマン, 恒星社厚生閣, 1993)
  • 『GLU:ニクラス・ルーマン社会システム理論用語集』(クラウディオ・バラルディ, ジャンカルロ・コルシ, エレーナ・エスポジト, 国文社, 2013)


    以下は、授業に関連する参考文献です。
  • 「コラボレーション・パターン」(井庭研究室 コラボレーション・パターン プロジェクト) http://collabpatterns.sfc.keio.ac.jp
  • 「自生的秩序の形成のための《メディア》デザイン──パターン・ランゲージは何をどのように支援するのか?」(井庭 崇, 『10+1 web site』, 2009年9月号) http://10plus1.jp/monthly/2009/09/post-2.php
  • "An Autopoietic Systems Theory for Creativity" (Takashi Iba, Procedia - Social and Behavioral Sciences, Vol.2, Issue 4, 2010, pp.6610-6625) http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1877042810011298
  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)

    【履修上の注意】

    ●毎週、文献を読み、そのサマリーを提出するという宿題を出します。
    ●この授業で読む文献は、とても難解な文章・理論です。それに食らいついて理解しようというガッツがある人だけ履修してください。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績評価は、授業中の議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。

    【履修者制限】

    履修人数を制限する。受入学生数(予定):約 150 人
    選抜方法と時期:初回に履修志望を書いてもらいます。
  • 授業関連 | - | -

    授業シラバス「シミュレーションデザイン」(2013年度春学期@SFC)

    今年の「シミュレーションデザイン」の授業では、アレグザンダーの『The Nature of Order』を読み込み、複雑系科学の概念・理論との関係を考えます。パターン・ランゲージの背後にある思想について一緒に学びましょう。


    「シミュレーションデザイン」(創造技法科目-ナレッジスキル)
    2013年度 春学期 金曜日2・3時限(4単位)
    担当教員 井庭 崇, 古川園 智樹

    【主題と目標/授業の手法など】

    複雑で動的に変化するシステムを理解し、生み出すためには、それに見合う概念と方法が必要になります。本授業で取り上げるのは、複雑系科学と、クリストファー・アレグザンダーの秩序形成の理論です。複雑系科学は、生命、知能、社会をシステムとして理解するための概念と方法を生み出している分野です。他方、クリストファー・アレグザンダーは、パターン・ランゲージという知識共有の方法を生み出した建築家ですが、生成的な秩序形成の理論化にも取り組んでいます。それぞれの理論・方法についての理解を深めながら、その関係性について考えます。


    【授業計画】

    第1回 イントロダクション
    授業の内容、進め方について説明します。

    第2回 複雑系、シミュレーション、パターン・ランゲージ
    『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』第1章(『複雑系』とは何か?)、第2章(『複雑系』科学の位置)、第3章(『複雑系』科学の方法論)

    第3回 時を超えた建設の道(1)
    『時を超えた建設の道』第1章~第13章
    『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』第4章(フラクタル)

    第4回 時を超えた建設の道(2)
    『時を超えた建設の道』第14章~第27章
    『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』第6章(カオス)

    第5回 新しいまちづくりの理論
    『新しいまちづくりの理論』
    『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』第7章(カオスの縁)

    第6回 The Nature of Order(1)+人工生命
    『The Nature of Order, BOOK ONE』
    Prologue: The Art of Building and the Nature of The Universe
    Preface
    Chap.1: The Phenomenon of Life
    『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』第13章(人工生命)

    第7回 The Nature of Order(2)+並列処理
    『The Nature of Order, BOOK ONE』
    Chap.2: Degrees of Life
    Chap.3: Wholeness and the Theory of Centers
    並列処理(N-Queen問題)

    第8回 The Nature of Order(3)+学習
    『The Nature of Order, BOOK ONE』
    Chap.4: How Life comes from Wholeness
    『The Nature of Order, BOOK TWO』
    Chap.14: Deep Feeling
    『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』第11章(ニューラルネットワーク)

    第9回 The Nature of Order(4)+進化
    『The Nature of Order, BOOK ONE』
    Chap.5: Fifteen Fundamental Properties
    Chap.6: The Fifteen Properties in Nature
    『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』第9章(進化と遺伝的アルゴリズム)

    第10回 The Nature of Order(5)+カオスの足あと
    『The Nature of Order, BOOK TWO』
    Chap.13: Patterns: Generic Rules for Making Centers
    カオスの足あと(ChaoticWalk)

    第11回 The Nature of Order(6)+ネットワーク科学
    『The Nature of Order, BOOK ONE』
    Chap.5: Fifteen Fundamental Properties
    Chap.6: The Fifteen Properties in Nature
    ネットワーク科学(スモールワールドネットワーク、スケールフリーネットワーク)

    第12回 The Nature of Order(7)+復習
    『The Nature of Order, BOOK TWO』
    Author's Note: The Concept of Living Structure
    Preface: On Process
    Chap.2: Structure-Preserving Transformations
    これまでの復習

    第13回 The Nature of Order(8)+復習
    『The Nature of Order, BOOK TWO』
    Chap.3: Structure-Preserving Transformations in Traditional Society
    Chap.4: Structure-Destroying Transformations in Modern Society
    これまでの復習

    第14回 総括
    これまでの授業を振り返り、総括をします。

    第15回 質疑応答
    授業に関する質疑応答を受けます。


    【教材・参考文献】

    教科書として以下の5冊の書籍を指定します。履修者は各自購入し、授業進行にあわせて読んでもらいます(サマリーを宿題として提出)。輪読の際に線を引きながら読むので、借りるのではなく購入するようにしてください。

  • 『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』(井庭 崇, 福原 義久, NTT出版, 1998)
  • 『時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993)
  • 『まちづくりの新しい理論』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1989)
  • 『The Nature of Order, BOOK ONE: The Phenomenon of Life』 (Christopher Alexander, The Center for Environmental Structure, 2002)
  • 『The Nature of Order, BOOK TWO: The Process of Creating Life』 (Christopher Alexander, The Center for Environmental Structure, 2003)


    【履修上の注意】

    ●毎回、かなりの分量の文献を読み込んでいきます。きちんと読んできてください。
    ●文献を読み、サマリーを提出するという宿題を毎出提出してもらいます。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績評価は、授業中の議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。


    【履修者制限】

    履修人数を制限する。受入学生数(予定):約 60 人
    選抜方法と時期:初回に履修志望を書いてもらいます。
  • 授業関連 | - | -

    パターン・マイニングの3つのアプローチ

    僕がこれまでに行なってきたパターン・ランゲージ制作の経験からいうと、パターン・マイニング(パターンの掘り起こし)のアプローチには大きく分けて3つある。その3つとは、「リフレクティブ・マイニング」「インタラクティブ・マイニング」「ホリスティック・マイニング」である。


    リフレクティブ・マイニング(Reflective Mining)

    ひとつめの「リフレクティブ・マイニング」では、自分の経験を振り返って、実践知を掘り起こしていくというもの。自分の実践におけるコツのなかで、他の人に伝えるべきことは何かを考え、「どういう状況でどういう問題が起きるから、どうするのがよいのか(解決)」ということを書き出していく。

    このリフレクティブ・マイニングで、僕(たち)が制作したパターンには、対話ワークショップ・デザインのパターン(EuroPLoP2012)、パターン・イラストのパターン(PLoP2012)、ホリスティック・マイニングのパターン(PLoP2012)などがある。


    インタラクティブ・マイニング(Interactive Mining)

    ふたつめの「インタラクティブ・マイニング」では、その領域の実践者にインタビューをしながら、パターンを作成していく。実践者にこだわりのコツを語ってもらい、「それ(解決)をするのは、どんな問題を解決するためなのか?」そして「その問題はどういう状況で生じるのか?」を聞き出していく。

    インタビュアーは単なる聞き手でなく、パターンに必要な情報を掘り起こすための質問や共感、考えの提示をする。「なるほど、それはこういうことですか?」「僕もそういう経験があります。…」というように、インタビューイーと語り合う役割をする。「インタラクティブ」という理由はそこにある。

    僕らがインタラクティブ・マイニングで制作したパターン・ランゲージは、クリエイティブ・ラーニング教育のためのパターン(PLoP2011)や、チェンジメイキング・パターン(EuroPLoP2012、PLoP2012)など。

    img314_InquiryBasedLearningPatterns.jpg


    ホリスティック・マイニング(Holistic Mining)

    みっつめの「ホリスティック・マイニング」は、複数人で、自分たちがもっているその領域の実践的なコツを徹底的に挙げ、それをまとめて全体像をつかんだ上で、個々のパターンに切り分けていくという方法。全体と部分の調整・修正を行ったり来たりしてつくるので、ホリスティック(全体論的)という。

    このホリスティック・マイニングで制作したものには、ラーニング・パターン(PLoP2009, AsianPLoP2010)、プレゼンテーション・パターン(EuroPLoP2012)、コラボレーション・パターン(EuroPLoP2013)、Generative Beauty Patterns(PLoP2012)がある。

    0521-7.jpg


    これら3つのいずれかのアプローチで「パターンの種」が得られたら、それをもとにパターンを執筆する「パターン・ライティング」のフェーズへと移ることになる。
    パターン・ランゲージ | - | -

    『プレゼンテーション・パターン』(プレパタ)の続報!

    2月に出した『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇+井庭研究室, 慶應義塾大学出版会)についての続報です。

    先日、代官山の蔦屋書店さんに行ってきました。「ビジネス」コーナーに、ものすごくたくさん平積みしていただいていました!売れ行き好調とのこと!(ドラッカーの隣でドキドキです。)

    TsutayaBookshelf.jpg

    Tsutaya.jpg


    三省堂の神保町本店さんに伺ったときには、ビジネス書の階の平積みだけでなく、1階店頭の新刊・話題書コーナーにも平積みしてありました。ありがとうございます。

    Sanseido.jpg


    僕がよく行く有隣堂 戸塚モディ店では、ビジネス書のコーナーに面出しで置いていただいていました! アネット・シモンズのストーリーテリング本の横というのが、また、いいですね。

    Yurindo.jpg


    最近でも、まだ平積みしていただいていて、とてもうれしい限りです。書店の方、まだまだよろしくお願いします。


    今日Amazon.co.jpを見てみたら、「ビジネス企画 の 一番ギフトとして贈られている商品」の1位になっていました!ギフトとして贈っていただいているなんて、とてもうれしいです!

    AmazonGift.jpeg


    Amazon.co.jp 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇+井庭研究室, 慶應義塾大学出版会)


    ※書店での写真は、書店の方の許可を得て撮影しています。念のため付記。
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