井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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2019年を振り返る:成果発表・活動等一覧

2019年の最初には、僕のこれまでの教育実践・教育論の集大成と言える『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』を出版することができました。とても力を注いだので、序章が200ページもある「変」な本になりましたが、この本を世の中に届けることができて、本当によかったと思っています。これからの教育と社会について考えるために、ぜひ多くの人に読んでいただきたい一冊です。

また、夏には、秋田喜代美先生(東京大学教育学部長)たちと一緒につくったパターン・ランゲージの書籍『園づくりのことば:保育をつなぐミドルリーダーの秘訣』を出版することができました。

国際学会では、例年通り、井庭研メンバーと多くの論文を発表しましたが、僕は『クリエイティブ・ラーニング』序章を4本の英語論文として発表しました。今年は、中学生の娘と学会論文を書き、一緒にドイツの学会に参加したのも、よい思い出です。

2019年前半は、2018年夏からのサバティカルの後半戦ということで、単著執筆のための研究に専念しました。この本はいまも鋭意執筆中なのですが、自分にとってもこれまでのパターン・ランゲージ研究の集大成となる大著になります。こちらは引き続きがんばります。

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Books

  • 井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』, 慶應義塾大学出版会, 2019年

  • 井庭 崇, 中川 敬文, 『おもてなしデザイン・パターン:インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』, 翔泳社, 2019年

  • 井庭 崇, 秋田 喜代美 編著, 野澤 祥子, 天野 美和子, 宮田 まり子, 『園づくりのことば:保育をつなぐミドルリーダーの秘訣』, 丸善出版, 2019年

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    Pattern Languages

  • 「おもてなしデザイン・パターン:インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28」(書籍カード

  • 「園づくりのことば:保育をつなぐミドルリーダーの秘訣」(書籍カード

  • 「探究PLカード:創造的探究のためのパターン・ランゲージ」(ベネッセ教材『探究ナビ』付属カード) / 「探究パターン・カード」(クリエイティブシフト一般販売カード)

  • 「アクティブ・ラーニング支援パターン・カード」(クリエイティブシフト一般販売カード)

  • 「感性科学マーケティング・パターン:実践・習得のコツのことば」 ※現在は、オラクルひと・しくみ研究所よりワクワク系マーケティング実践会会員向けに提供

  • 「ともに生きることば:最期までその人らしく生きる支援のためのヒント」(試作版 バージョン0.6)※今年は、Keio SFC Open Research Forum 2019 (ORF2019)にて限定配布

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    Style Language

  • 「日本の楽しみ方のスタイル・ランゲージ」


    Magazine

  • 井庭 崇, 【巻頭インタビュー】「改めて、「対話」とは何か」, 月刊『教職研修』2019年7月号


    Web Interview

  • 井庭 崇 × 市川 力, 「『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』 井庭崇氏×市川力氏 出版記念対談 <前編>クリエイティブな時代に向けた新しい教育観、クリエイティブ・ラーニングとは」, CreativeShiftインタビュー, 2019年7月

  • 井庭 崇 × 市川 力, 「『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』 井庭崇氏×市川力氏 出版記念対談 <後編>クリエイティブ・ラーニングを生み出すジェネレーター」, CreativeShiftインタビュー, 2019年8月


    Conference Keynote

  • Takashi Iba, “Creating Pattern Languages for Creating a Future where We Can Live Well”, INTERSECTION19 (Designing Enterprises for Better Futures), Lisbon, Portugal, 2019年9月 【スライド

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    Conference Papers

  • Takashi Iba, Konomi Munakata, “Pattern Language and the Future of Education in Light of Constructivist Learning Theories, Part 1: Consideration with Generic Epistemology by Jean Piaget“, 24th European Conference on Pattern Languages of Programs (EuroPLoP2019), 2019

  • Takashi Iba, Aimi Burgoyne, “Pattern Language and the Future of Education in Light of Constructivist Learning Theories, Part 2: The Social Constructivism of Lev Vygotsky”, 24th European Conference on Pattern Languages of Programs (EuroPLoP2019), 2019

  • Haruka Iba, Takashi Iba, “A Pattern Language for Improving Foreign Language Skills when Studying Abroad”, 24th European Conference on Pattern Languages of Programs (EuroPLoP2019), 2019

  • Yuka Banno, Tomoki Kaneko, Takashi Iba, “A Proposal of Modular-Structured Pattern Language: Based on Pattern Language for End of Life Care”, 24th European Conference on Pattern Languages of Programs (EuroPLoP2019), 2019

  • Karin Iwata, Hinako Ando, Takashi Iba, “Patterns for Well-being in Life: 9 patterns for Being with others”, 24th European Conference on Pattern Languages of Programs (EuroPLoP2019), 2019

  • Takashi Iba, Aimi Burgoyne, “Pattern Language and the Future of Education in Light of Constructivist Learning Theories, Part 3: Consideration with John Dewey’s Concept of Pragmatism”, 26th Conference on Pattern Language of Programs (PLoP2019), 2019

  • Takashi Iba, Karin Iwata, “Pattern Language and the Future of Education in Light of Constructivist Learning Theories, Part 4: Consideration with Constructionism of Seymour Papert”, 26th Conference on Pattern Language of Programs (PLoP2019), 2019

  • Ryohei Suzuki, Mitane Umewaka, Yumiko Shimokawa, Takashi Iba, “A Pattern Language for Composing Film Music”, 26th Conference on Pattern Language of Programs (PLoP2019), 2019

  • Ryusei Murasawa, Misaki Yamakage, Rioja Kuroda, Yumiko Shimokawa, Aimi Burgoyne, Hiromu Kasahara, Takashi Iba, “A Style Language for Enjoying Japan”, 26th Conference on Pattern Language of Programs (PLoP2019), 2019

  • Hinako Ando, Karin Iwata, Rei Kono, Kohki Ogawa, Takashi Maeno, Takashi Iba, “Patterns for Well-being in Life - 9 Patterns for Loving the World”, 26th Conference on Pattern Language of Programs (PLoP2019), 2019

  • Yuki Kawabe, Takashi Iba, “An Ecosystem for Collaborative Pattern Language Acquisition”, COINs (Collaborative Innovation Networks) Conference 2019, 2019


    Talk Sessions

  • 井庭 崇, 「パターン・ランゲージがひらく世界観:多様な東洋と西洋の哲学の融合的展開」, 井庭研2018年度最終発表会 基調講演, 2019年1月

  • 村山 慶輔, 井庭 崇, 中川 敬文, 「インバウンド時代のビジネス成功のヒントを「創造的おもてなし」から学ぶ」, 新宿 INBOUND LEAGUE, 2019年2月

  • 井庭 崇 × 市川 力, 「面白がる力を育む:これからの創造的な生き方と世界観」, 有隣堂 アトレ目黒店, 2019年2月

  • 井庭 崇, 「未来をつくる言葉をつくる」, Portland Japanese Garden, 2019年5月

  • 井庭 崇, 「未来をつくることば:創造社会を支えるパターン・ランゲージ」, 人事院公務員研修(3年目フォローアップ研修), 2019年10月

  • Takashi Iba, “Creating Pattern Languages for Creating a Future where We Can Live Well”, Designing SFC Spirits, 慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス), 2019年10月 【スライド / 映像】

  • 井庭 崇, 「探究PLカードを活用し、生徒の『振り返り』を深める」, 探究ナビオンライン勉強会, 2019年10月

  • 井庭 崇, 「クリエイティブ・ラーニング:これからの学びと、学校・書店・図書館の新しい役割」, 図書館総合展2019, 2019年11月 【スライド / 映像

  • 井庭 崇, 「パターン・ランゲージとは何か」, ワクワク系マーケティング実践・習得のコツを掴むセミナー, 2019年11月

  • 井庭 崇, 阿部 有里, 鎌田 安里紗, 長井 雅史, 金子 智紀, 「パターン・ランゲージの使い方徹底解説&体験ワークショップ」, Keio SFC Open Research Forum 2019, 東京ミッドタウン, 2019年11月 【映像】

  • 井庭崇, 熊坂賢次, 田中浩也, 石川初, 市川力, 小阪裕司, ACCI BABA, 小島希世子, 「クリエイティブ・ラーニング(創造的な学び)とは:考え方と実践事例」, Keio SFC Open Research Forum 2019, 東京ミッドタウン, 2019年11月 【映像】

  • 井庭 崇, 「創造社会の学び:クリエイティブ・ラーニングの世界」, DeST - こどもとデザインとまなび, 2019年12月

  • 井庭 崇, 「開かれた対話の心得:オープンダイアローグのパターン・ランゲージを体験する」, 日本コーチ協会 第21回年次大会

  • 井庭 崇, 「探究の学習効果をメタ認知する - パターン・ランゲージの活用」, 第2回ESIBLA教育フォーラム, 2019年12月


    Workshops

  • 井庭 崇+井庭研究室,「「日本の楽しみ方のスタイル・ランゲージ」を用いた観光デザイン・ワークショップ」2019年2月

  • Yusuke Shimoda, Aimi Burgoyne, Shuichiro Ando, Ryusei Murasawa, Misaki Yamakage, Rioja Kuroda, Yumiko Shimokawa, Hiromu Kasahara, Takashi Iba, "Idea Mining Workshop Using A Style Language for Enjoying Japan", 8th Asian Conference on Pattern Languages of Programs (AsianPLoP 2019), 2019年3月

  • Konomi Munakata, Tomoki Kaneko, Takashi Iba, “Pattern Illustrating Workshop”, 24th European Conference on Pattern Languages of Programs (EuroPLoP2019), 2019年7月

  • 井庭研究室, 「CDGs(Creative Development Goals)をみんなでつくろう」, Keio SFC Open Research Forum 2019, 東京ミッドタウン, 2019年11月


    Lectures

  • 「Designing SFC Spirits」(SFCスピリッツの創造), 慶應義塾大学SFC

  • 「ワークショップデザイン」, 慶應義塾大学SFC

  • 「ラディカル・スクール・デザイン」, 慶應義塾大学 政策・メディア研究科


    Conference Committee

  • Program Committee, AsianPLoP2019

  • Program Committee, EuroPLoP2019

  • Steering Committee, COINs2019

  • Program Committee, PLoP2019


    おまけ

  • 「日々の料理をつくる」※夏から、料理を始めました。その記録。
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    「2年後」の決意

    ちょうど2年前の今日、僕は脳出血で救急車で病院に運ばれ、入院した。その日は、なんてことない日だった。自宅の書斎で英語論文の仕上げ修正を行なっていた。そのあと大学で研究会(ゼミ)があり、その後、夕方からイベント登壇して対談の予定だった。その頃、いつものように毎日たくさん仕事し、とても疲れていた。その日、妻は、様子のおかしい僕を見て、もう仕事に復帰できないだろうと感じたという。それほどのひど状態だったということだ。

    脳出血の原因は最終的には特定できていないのであるが、状況から判断するに「疲れて血圧が高めだったところに、ストレスでさらに血圧が上がり出血したのではないか」というのが、最終的な診断だ。右脳の出血だった。僕が得意な領域を司る右脳。

    実は、救急車で運ばれたときも、入院したときも、僕自身はほとんど自覚症状がなく、「今日登壇の予定だったのに、対談相手と来場者に申し訳ない」ということと「来週、楽しみにしていた忘年会の予定があったのに、行けなそうで残念だなぁ」くらいの気持ちだった。でも、周囲に言わせれば、僕が話すとろれつがまわっていない(らしい)し、文字でのメッセージや投稿は、誤字脱字が相当ひどかった(これはあとで自分でも確認できた)。担当医師いわく、出血した箇所がマシだったので「この程度で済んだのだ」ということだった。

    そんなわけで、ことの重大さを自分が本当に実感したのは少し経ってからのことだった。後遺症は、左半身の麻痺、左半空間無視(視野では見えているのに認識の際に取りこぼされる)、高次脳機能障害。舌が思うように動かず、しゃべりは相当ゆっくりになり、元気がない。ちょっとしたことを忘れやすく、同時に複雑なことを並行してすることが困難になった。電車は逆方向に乗ってしまうし、降り損ねたり、違う駅であると気づかずに改札を出てから見知らぬ景色に呆然としたりする。僕の脳のなかでは、出血によってその周囲の脳細胞が死んでしまい、いろいろ不都合が起こっていた。認知症の方とその家族のためにつくったパターン・ランゲージ『旅のことば』が、自分自身と家族にとても役だったし、救いになった。

    その後3ヶ月は仕事は休ませてもらい週5のリハビリに通い、そのあとさらに3ヶ月は、最低限の仕事を再開しながら、週2〜3でリハビリを続けた。半空間無視があったので、運転免許は一度止まり、移動もしんどくなった(その後、リハビリが進んでから、医師の診断と運転試験場での操作検査の結果、許可が得られた)。

    幸いにも、倒れたあと約半年後(2018年8月)から1年間はサバティカル(在外研究)が決まっていたので、日本を離れ、米国オレゴン州ポートランドで研究に集中するという期間に入った。今回は、このような経緯もあったので、自分のペースで、休み休み研究・執筆をした。これも一緒のリハビリのようなもので、少しずつ少しずつできるようにしていった。

    それでも、30分集中して読書したり執筆したら、脳がオーバーヒートして、つっかえた感じで重く(痛く)なり、20分くらい横になって少しうとうとしないといけないような状況は、そのときも、いまもある。2019年末の今でも、そういう状態なのだ。

    ポートランドでは郊外に住んでいたこともあり、日本とはぜんぜん異なり、時間がとてもゆっくりと穏やかに流れていた。そのような環境で自分のペースで仕事ができたのは、僕の身体・精神的にもとてもありがたいことであった。話すことも、以前のようには楽ではないし、うまく舌がまわらない感じが(本人には)するのであるが、スピードはだいぶ戻った。1年間のサバティカルの期間はとても助かった。

    そういう生活を、サバティカル終了後(2019年8月〜)、日本でも心がけなければならない。予定が増えないように結構気をつけていたが、やっぱり実際には難しかった。実は、大学の執行部は、僕のことを心配して、重たい仕事を外してくれている(とてもありがたいことだ)。井庭研のメンバー(学生)たちも、僕のことを気遣ってくれている。みんな本当にやさしく、ありがたい。さっきも書いたが、依然として、後遺症を抱えた身なので。

    しかし、僕の状況を(おそらく)知らない外部の人たちは、どんどん依頼や打ち合わせや相談や面会を求めてくる。僕はもともと、そういうお願いには応えたいという気持ちが根底にある。そんなわけで、以前はすべて受けてきたし、相談にもほぼすべて乗ってきた。しかし、それゆえ、ひどく疲れ、ストレスが高まり、倒れたわけだ。なので、その応えたいという気持ちを抑えて、きちんといますべき対応をしていかなければならない。しかし、実際には、かなり控えるつもりでいた登壇や打ち合わせや相談や面会は、あれよあれよと膨れ上がり、倒れる前のように、ひどく疲れる生活に逆戻りしてしまった。このままでは本当にもたない。かなり厳しい状態だ。

    いまは薬を飲んでいるからとはいえ(入院後から2年間、血圧を下げる降圧剤を毎日飲んでいる)、以前と同じような生活をしていたら、また倒れてしまう。「二度目は一度目のようには軽くはなく、致命的になりやすい」と言われているし、本当に気をつけなければならない。このままでは、本当に死んでしまう。このような生活をしていてはだめなのだ。

    倒れてから2年目の今日。改めて心に誓う。来年は、本当に自分が疲れるような仕事・予定を入れないようにする。徹底的に排除する。たとえば、人に会うのはとても疲れるのだ。そして、予定にがんじがらめにならないように、ざっくりとしたスケジュールだけにして、細かく予定を入れ込まない。これは本当に死守しなければならない。

    そのことで「自分勝手な人だ」と思われても構わない。そんな人にそう思われないということよりも、死なずに生き続けることの方が圧倒的に重要だからだ(本当に近く理解してくれている人ならば、そんなことを思わないだろう)。「嫌われてもよい」という覚悟が今の僕には必要だ。そもそも八方美人的に誰にでもよい顔はできないのだ(つい、そうしようとしてしまって、自分の事情を後回しにしたりしわ寄せしてしまったりするが)。

    つまり、みんなに「いい人」であるのをやめようと思う。「いい人」であろうとして、死んでしまっては、「いい人」の「人」が抜けて、ただの「いい」だけになる。そんなこと、ぜんぜん意味がない。

    幸い、なんでも自分でやってしまおうとしがちな僕も、倒れてからは仲間により頼ざるを得なくなり、その結果、いろいろなことを仲間に委ねることができるようになった。そして、よいことに、それがかなりよい感じだということだ。だから、僕がこれまで一人でやってきたようなことも、いまはチームでしているし、そのことに新しい可能性を感じている。

    それゆえ、来年は、こういうことにしたい。

    講演やワークショップの機会自体はありがたいものも多いのだか、以上の理由により、講演やワークショップは僕自身がするのではなく、チームで受け、仲間にしてもらうようにする。さらに、僕やメンバーが予定でがんじがらめにならないように、講演に向けての打ち合わせは一切やらない。そういう事前打ち合わせをしないと不安な人・うまく実施できない組織からの依頼は受けないことにする。要望があるなら、メールでもらえれば十分。相談・面談なども、僕は受けない。仕事になるなら、チームですることになるので、僕でなくメンバーと打ち合わせてもらう。その人に応えたいとは思うが、それによって、本を書く時間が減れば、多くの人に届けることができなくなってしまう。だから、僕がやるべきことの全体を踏まえると、そうさせてもらいたい。

    得意なことはストレスを感じないし、疲れもたまりにくい。そのため、これからは、自分の得意なこと(周囲から見て得意そうなところではなく、僕がやりたいと思える得意なこと)に特化して、仕事を相当コントロールしていく。正直なところ、いまどんな小さな仕事でも、自分の命を削って差し出している気持ちが強い。みなさんにとってはたいしたことのない打ち合わせだとしても。だから、自分の時間と労力をどこにかけるべきかをかなり厳選し、大切にしていきたいと思う。

    このことを、自分自身、改めて決心するとともに、周囲・つながりのある人にも、しっかり伝えておきたい。みなさん、よろしくお願いします。

    p.s. なお、料理をしたり家事をしたり家庭菜園をしたりというのは、根を詰めることのないようにするための手段になっていて、集中していた頭を休め、身体の姿勢・動きを変えるためによい。「仕事」ばかりの日々に、ちゃんと「生活」を入れることは、今の僕にとってよいことだと感じている。どれも僕が疲れる対人的なものではなく、一人作業であるというのが、またよい。
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    SFC「創造社会論」対談映像 2014〜2018

    慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の授業「創造社会論」(担当:井庭 崇)では、毎週、これからの社会をつくる創造的な活動・生き方をしているゲストをお呼びして、対談をしてきました。

    この授業は、教員やゲストのモノローグではなく、その場で生成される「ダイアローグ」(対話)を聞き、参加するなかで学ぶという授業。そして、最後にはそれを、今後自分が実践したり語ったりしやすいパターン・ランゲージの形式でまとめるという授業です。

    2014年から始まり、5年行い、34回 計38人のゲストの方と語り合いました。

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    この授業は、すべての回の映像が公開されています。

    興味があるところから、ぜひご覧ください。

  • 「創造社会とパターン・ランゲージ」
    
井庭 崇 レクチャー (2017年4月)【映像:前半/ 後半】


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  • 「デザイン」
    水野 大二郎 × 井庭 崇 対談 (2014年4月)【映像:前半/ 後半

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  • 「空間」
    中川 敬文 × 井庭 崇 対談(2014年4月)【映像:前半/ 後半

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  • 「商い」
    小阪 裕司 × 井庭 崇 対談 (2014年4月)【映像:前半/ 後半

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  • 「教育」
    市川 力 × 井庭 崇 対談 (2014年5月)【映像:前半/ 後半

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  • 「地域」
    飯盛 義徳 × 井庭 崇 対談 (2014年5月 【映像:前半/ 後半

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  • 「文化」
    ドミニク・チェン × 井庭 崇 対談(2014年5月) 【映像:前半/ 後半

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  • 「生き方」
    四角 大輔 × 井庭 崇 対談(2014年5月)【映像:前半/ 後半

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  • 「Fab」
    田中 浩也 × 井庭 崇 対談 (2015年4月)【映像:前半/ 後半

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  • 「Algorithmic Design」
    松川 昌平 × 井庭 崇 対談 (2015年4月)【映像:前半/ 後半

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  • 「Internet」
    村井 純 × 井庭 崇 対談 (2015年4月) 【映像:前半/ 後半

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  • 「Community」
    加藤 文俊 × 井庭 崇 対談 (2015年4月)【映像:前半/ 後半

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  • 「Self-Build」
    小林 博人 × 井庭 崇 対談 (2015年4月)【映像:前半/ 後半

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  • 「Learning & Expertise」
    今井 むつみ × 井庭 崇 対談 (2015年5月) 【映像:前半/ 後半

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  • 「Mindfulness & Self-Management」
    井上 英之 × 井庭 崇 対談 (2015年5月) 【映像:前半/ 後半

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  • 「エネルギー・デザイン」
    オオニシ タクヤ × 井庭 崇 対談 (2016年4月)【映像:前半/後半

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  • 「高齢化社会の生き方」
    下河原 忠道 × 井庭 崇 対談 (2016年4月)【映像:前半/後半

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  • 「ソーシャル・ビジネス」
    山崎 大祐 × 井庭 崇 対談 (2016年4月)【映像:前半/後半

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  • 「ナチュラル & クッキング」
    鎌田 安里紗 × 伊作 太一 × 井庭 崇 鼎談 (2016年5月)【映像:前半/後半

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  • 「教育改革」
    鈴木 寛 × 井庭 崇 対談 (2016年5月)【映像:前半/後半

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  • 「学びの場づくり」
    岩瀬 直樹 × 井庭 崇 対談 (2016年5月)【映像:前半/後半

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  • 「超福祉とFab看護」
    須藤 シンジ × 宮川 祥子 × 井庭 崇 鼎談 (2016年6月)【映像:前半/後半

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  • 「ゆるい創発」
    若新 雄純 × 熊坂 賢次 × 井庭 崇 鼎談(2017年4月)【映像:前半/後半

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  • 「越境する生き方」
    蛭間 芳樹 × 三浦 英雄 × 井庭 崇 鼎談 (2017年5月)【映像:前半/後半

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  • 「組織と働き方のKAIZEN」
    須藤 憲司 × 井庭 崇 対談(2017年4月)【映像:前半/後半

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  • 「マインドフルネスと仏教3.0」

    山下 良道 × 井庭 崇 対談(2017年5月)【映像:前半/後半

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  • 「ひとりひとりが生きる介護」
    加藤 忠相 × 井庭 崇 対談(2017年5月)【映像:前半/後半

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  • 「これからの食とエネルギー」
    大津 愛梨 × 井庭 崇 対談(2017年6月)【映像:前半/後半

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  • 「日本中を楽しみ尽くす」
    加藤 史子 × 井庭 崇 対談(2018年4月)【映像:前半/後半

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  • 「これからの教育の哲学」
    苫野 一徳 × 井庭 崇 対談(2018年4月)【映像:前半/後半

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  • 「言葉を編む、世界をつくる」
    山本 貴光 × 井庭 崇 対談(2018年4月)【映像:前半/後半

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  • 「下宿 = 地方から考える教育の未来」
    瀬下 翔太 × 井庭 崇 対談(2018年5月)【映像:前半/後半

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  • 「これからの生き方・働き方」
    尾原 和啓 × 井庭 崇 対談(2018年5月)【映像:前半/後半
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  • 「新しい普通をつくる」
    本城 慎之介 × 井庭 崇 対談(2018年5月)【映像:前半/後半

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  • 「音楽をめぐる創造性」
    渡邊 崇 × 井庭 崇 対談(2018年5月)【映像:前半/後半

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  • 創造社会論2014 【授業ページ
  • 創造社会論2015 【授業ページ
  • 創造社会論2016 【授業ページ
  • 創造社会論2017 【授業ページ
  • 創造社会論2018 【授業ページ
  • 創造社会論 | - | -

    これからの図書館・書店の攻め方・魅せ方を実践してみる!11/22-23@六本木

    今週11/22(金)・23(土・祝)に六本木で開催される SFC Open Research Forum (ORF2019) の井庭研ブースでは、「クリエイティブ・ラーニング図書館」ということで、僕らが考えるこれからの創造的な時代における図書館・書店の攻め方・魅せ方を実践してみます。

    このクリエイティブ・ラーニング図書館では、創造社会と創造的な学びに関係する書籍を集めたライブラリなのですが、一般的な図書分類で言うと、あちこちに分散してしまう本たちを、創造的な「未来のかけら」を感じられるものとして、集めて棚をつくっています。この棚づくり自体が、新しいコンセプトでつくられた図書館・書店の未来像を予感させるものになると思います。

    このような「独自に攻めた棚のつくり方」「本の魅せ方」こそが、これからの図書館・書店には必要ではないか、という僕らなりの問題提起を込めた企画なのです。先日の図書館総合展の講演でも語りましたが、図書館や書店が、既存の(過去の)図書分類やコードに囚われていては、魅力的な場にはなれないと僕は考えています。

    確かに一つの分類基準に従っていれば、効率的に探すことができるし、自分で考えて分類する労力もなくて済みます。しかし、そういう「わかりやすく効率的」にとどまっている限り、図書館や書店という場は、過去のストックを置いている場ということになってしまってうのではないか(分類管理・検索はコンピュータでできますから、もはや棚でそれをやる必要はありません)。

    司書さんも書店員さんも、もっと自分たちの感覚で未来を取り入れ、攻める棚・魅せ方をつくるべきではないか。そうすれば、図書館や書店がもっとクリエイティビティを刺激するワクワクする空間になれると思うのです。

    そのような思いを体現した企画が、今回の「クリエイティブ・ラーニング図書館」です。その未来像を自分たちでプロトタイプ・実験としてやってみよう、というわけです。

    さらに、今回置く本には、どういう意味でこの本が重要なのかを井庭研メンバーが書いたオリジナルの「帯」をつけてあります。店員のおすすめPOPの帯版です。そして、実は、帯の半分は井庭研メンバーのおすすめコメントが書いてありますが、残りの半分は白紙になっていて、そこには、来場者がその本の良さについて書き込めるようになっています。

    ただ本を探して読むだけでなく、参加し、書き加えることができる本の場所です。また、本だけでなく、創造実践を支援するパターン・カードも棚に置きます。

    これからの図書館・書店は、調べたり知識伝達する場ではなく、創造性を誘発し、創造的な活動を支援する場になる。そのために、棚のつくり方・置くものはこういうふうにすべきではないか。この、僕らが考える未来の図書館・書店のあるべき姿を、ぜひ見て体験しに来てください。

    SFC Open Research Forum (ORF2019)
    東京ミッドタウン・イーストB1F ホールA
    展示ブース No.E01:井庭崇研究室
    https://orf.sfc.keio.ac.jp/2019/exhibition/e01/

    Creative Learning Library

    Original Book Belt

    Creative Society
    イベント・出版の告知と報告 | - | -

    CDGs(Creative Development Goals)をみんなでつくる!11/22-23@六本木

    今週11/22(金)・23(土・祝)に六本木で開催される SFC Open Research Forum (ORF2019) の井庭研ブースでは、いま巷で話題になっている「SDGs(Sustainable Development Goals)」を超えて、これからの創造的な時代に向けての開発目標「CDGs(Creative Development Goals)」をみんなでつくってみよう、という企画を実施します。


    CDGs


    今年のORFの全体テーマが「Beyond SDGs - SDGsの次の社会」なのですが、それに僕らなりに直球で応える企画だと言えます。今年僕らは、展示会場のエントランスの目の前の一等地でやらせていただくことになりました(ちなみに、お隣は、日頃SDGsを推進していて、今回実行委員長でもある蟹江さんの研究会のブースです、よろしくお願いします)。

    世界中のみんなで目指すべきことは、Sustainableはもちろんですが、それだけでなく、Creativeということも考えるべきではないか。かつてミヒャエル・エンデは、「創造的であるというのは、要するに、人間的であるということにほかならない」と述べました。「創造的である」ということは、一部の特殊な職種の人に限った話ではなく、この世界にいるすべての人の話なのです。

    一人ひとりの日常的な自然な創造性(Natural Creativity) について、AI(Artificial Intelligence)の時代だからこそ、考えてみたい。そんな思いから、Creativeな未来に向けての17の開発目標CDGsを、2日間来場者とともにつくっていきます。


    SFC Open Research Forum (ORF2019)
    2019年11月22日(金)・23日(土・祝)
    東京ミッドタウン・イーストB1F ホールA
    展示ブース No.E01:井庭崇研究室
    https://orf.sfc.keio.ac.jp/2019/exhibition/e01/
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    井庭研(2019秋学期):1年生を中心として追加募集!

    井庭研では、1年生を中心として、新規メンバーの追加募集を行います。9⽉10⽇(火)までの早めのタイミングで、メールでエントリーをしてください。

    井庭研シラバス(2019年度秋学期)
    Natural & Creative Living Lab - 未来をつくる言葉をつくる(井庭研)

    担当:井庭 崇(総合政策学部教授)
    研究会タイプ:A型(4単位)

    2019年9⽉10⽇(火):追加エントリー〆切

    担当教員の井庭が、昨年からサバティカル(在外研究期間)で海外にいましたが、夏には帰国し、秋学期からは通常の体制に戻ります。このタイミングで、新たに魅力的なプロジェクトをいろいろ立ち上げます。そのプロジェクトを出発点として、今後も一緒に研究に取り組んでいくメンバーを募集します。

    (A) 「クリエイティブ・マネジメント」プロジェクト
    (UDS株式会社との創造的経営のパターン・ランゲージ作成の共同研究)

    (B) 「共創まちづくり」プロジェクト
    (元・ポートランド市開発局の山崎満広さんとの米国ポートランドのコミュニティ形成・まちづくりから学ぶパターン・ランゲージ作成の共同研究)

    (C) 「イノベーション社会実装」プロジェクト
    (村井純さんとの
イノベーションの実現と普及のパターン・ランゲージ作成の共同研究)

    (D) 「アカデミック・ライティング」プロジェクト
    (論文の書き方の基本と秘訣のパターン・ランゲージ作成の研究)

    このほか、この春から「これからの訪問看護」のパターン・ランゲージ作成のプロジェクトが、看護医療学部生たちとともに進行中です。そのプロジェクトに参加希望の人も募集します(看護医療学部生、大歓迎です)。

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    【研究テーマ】

    井庭研では、情報社会の次に来るこれからの社会を「創造社会」(Creative Society)と考え、創造的で豊かな生き方を実践・支援するための研究を行なっています。

    井庭研で 「創造的」(creative) というとき、それは「発見の連鎖」をつないでいくということを意味しています。日常的な創造性でも、専門的な創造性でも、小さな発見が次々と生じているような状態を「創造的」だと捉えます。そのような「発見の連鎖」が起きている状況では、つくり手も想定していなかったような展開が生まれ、その経験を通してつくり手は変化・成長します。つくることは探究することであり、学ぶこと、そして変化することなのです。

    このような創造的な活動がいろいろな分野で起きやすくなるための支援の研究が、井庭研で取り組んでいることです。具体的にどのようなテーマの研究を行うのかは毎年変わります(今年秋に立ち上がるプロジェクトについては、下記の【プロジェクト】を参照)。

    井庭研では、 一人ひとりがもっているナチュラルな創造性(Natural Creativity)の力を信じ、それがより発揮されることを目指しています。かつて、作家のミヒャエル・エンデは、「創造的であるというのは、要するに、人間的であるということにほかならない。」と語りました。井庭研ではさらに、創造的であることは人間的であり、そしてそれは自然(ナチュラル)なことである、と考えています。人為的・作為的な創造行為ではなく、より自然のあり方・かたちに近い創造性のあり方(無我の創造)と生き方を探究しています。


    【アプローチ】

    そのような未来に向けての転換・変化のためには、思想と理論方法論道具を駆使していく必要があります。井庭研究室では、「プラグマティズム」などの思想とともに、「システム理論」や「創造性」、「学び」の理論等を踏まえながら、日常的な創造的活動を支援する「パターン・ランゲージ」という「メディア」をつくり、その方法論を開発することで、創造的で豊かな生き方ができる社会へのシフトを目指します。

    パターン・ランゲージ(Pattern Language) は、物事の秘訣や経験則、コツを言語化して共有する方法です。もともとは、建築やソフトウェアのデザイン(設計)の知を言語化する方法として考案・発展してきたものですが、井庭研では人間行為の経験則を言語化する方法として応用してきました。学び、プレゼンテーション、コラボレーション、企画、料理、暮らしのデザインなど、井庭研ではこれまでに70種類以上の領域で1700パターン以上をつくってきました。パターン・ランゲージの使い方については、「対話」のメディアとして用いるということを提案し、実践してきました。いろいろな実践領域のパターン・ランゲージをつくるということは、新しい分野を始める支援をするということで、ソフトな社会インフラをつくっている、と言うことができます。

    井庭研では、パターン・ランゲージの作成に加えて、ワークショップを設計・実施したり、日常の環境に埋め込むための新しいメディアのデザインなども行うことで、よりナチュラルでクリエイティブな生き方を支援し、そのための社会の変化を促すことに取り組んでいきます。

    そして、そのような創造実践の研究活動を通じて、物事への理解を深め、力を養っていく「クリエイティブ・ラーニング」(創造的な学び、つくることによる学び)を実践します。日頃の活動については、井庭研のFacebookグループ(https://www.facebook.com/ilabsfc/)で写真とともに紹介しているので、そちらも併せて見てみてください。

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    【プロジェクト】

    2019年秋学期から、以下の4つのプロジェクトが始動します。

    (A)「クリエイティブ・マネジメント」プロジェクト
    
魅力的な事業コンセプト、メンバーの強みを活かした組織づくり、創造的人材育成などのクリエイティブ・マネジメント(創造的経営)のパターン・ランゲージを作成する(UDS株式会社との共同研究)。『プロジェクト・デザイン・パターン』と『おもてなしデザイン・パターン』に続くパターン・ランゲージ作成共同研究第三弾。最終成果物は書籍化する予定。

    (B)「共創まちづくり」プロジェクト
    
ポートランドのまちづくりから学ぶ、コミュニティによるエコでクリエイティブな街のつくり方のパターン・ランゲージを作成する(元・ポートランド市開発局の山崎満広さんと共同研究)。山崎さんは『ポートランド:世界で一番住みたい街をつくる』や『ポートランド・メイカーズ:クリエイティブコミュニティのつくり方』の著者でもある。最終成果物は書籍化を目指している。

    (C)「イノベーション社会実装」プロジェクト
    
イノベーションの実現と普及の方法について、インターネットのWIDEプロジェクトの事例から学び、パターン・ランゲージを作成する(村井純さん・村井研との共同研究)。WIDEについては『日本でインターネットはどのように創られたのか?:WIDEプロジェクト20年の挑戦の記録』などを参照。最終成果物は書籍化を目指している。

    (D)「アカデミック・ライティング」プロジェクト
    論文の書き方の基本と秘訣をまとめたパターン・ランゲージを作成する。井庭研で繰り返し読んでいる『創造的論文の書き方』(伊丹 敬之)や『考える技術・書く技術:問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント)などの重要文献も踏まえつつ、文章・論文執筆の基本から、よりよい論文を書くための秘訣を探究する。最終成果物は書籍化を目指している。

    このほか、この春から「これからの訪問看護」についての対話のツール(パターン・ランゲージ)をつくるプロジェクトが、看護医療学部生たちとともに進行中です。こちらは、看護医療学部の授業等も考慮し、上記のプロジェクトとは異なる時間帯で活動しています。詳しくは説明会や今後のやりとりのなかで聞いてください。

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    【運営方針】

    各自どれかひとつのプロジェクトに参加し、研究に取り組みます。 各プロジェクトは、複数人で構成され、成果を生み出すためのチームとして、ともに助け合い、高め合い、学び合いながら、研究に取り組みます。

    井庭研の大きな特徴として、学部生でも自分たちの研究成果を論文にまとめ、国際学会で数多く発表しているということがあります。例えば、2018年度は、計14本の論⽂を書き、それをドイツ、アメリカ、中国等で開催された国際学会で発表してきました。また、国際学会でのワークショップも8本行いました。そのほとんどで、学部 2年⽣〜4年⽣が活躍しています。2019年度はドイツ、カナダ、ポーランド等で国際学会発表を行う予定です。このように学部生のうちから、学術的な海外のコミュニティを経験できるというのも、井庭研の特徴・魅力のひとつです。

    また、研究成果を書籍として出版することもあります。井庭研では、そのくらい本格的に研究・実践に取り組んでいます。まさに、井庭研がSFC生活の中心となるような活動量です。そういう本格的な研究・実践に一緒に取り組みたいという人を募集します。

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    【履修条件】

  • 知的な好奇心と、創造への情熱を持っている多様な人を募集します。
  • 井庭研での研究・活動に積極的かつ徹底的に取り組もうという気持ちがあること。
  • 個々の研究だけでなく、「知的・創造的なコミュニティとしての井庭研」を一緒につくっていく意志があること。


    【その他・留意事項】

  • 井庭研では、たくさん本を読みます。難しいものもたくさん読みます。それは、知識を身につけるというだけでなく、考え方の型を知り、考える力をつけるためでもあります。さらに、他のメンバーとの共通認識を持ち、共通言語で話すことができるようになるためでもあります。創造の基盤となるのです。

  • 井庭研では、たくさん話して、たくさん手を動かします。文献を読んで考えるということはたくさんやりますが、それだけでは足りません。他のメンバーと議論し、ともに考え、一緒につくっていく、ということによって、一人ひとりの限界を超えることができます。こうして、ようやく《世界を変える力》をもつものをつくることができるのです。

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    【授業スケジュール】

    井庭研では、どっぷりと浸かって日々一緒に活動に取り組むことが大切だと考えています。大学生活の・時間割上の一部の時間を井庭研の活動に当てるというよりは、 井庭研が大学生活のベースになるということです。井庭研に入るということは、SFCでの「ホーム」ができるということもあるのです。創造的な活動とその社会的な変革は、毎週数時間集まって作業するというだけでは成り立ちません。いつも、どこにいても考え、アンテナを張り、必要なときに必要なだけ手を動かすことが不可欠です。そのため、自分の生活の一部を埋めるような感覚ではなく、生活の全体に重なり、日々の土台となるようなイメージをもってもらえればと思います。

    そのなかでも、全員で集まって活動する時間も、しっかりとります。各自が準備をしたり勉強したりする時間とは別に、みんなで集まって話し合ったり、作業を進める時間が必要だからです。井庭研では、 水曜の3限から夜までと、木曜の4限から夜までの時間は、メンバー全員で集まって活動する 《まとまった時間》 としています。これらの時間は、授業や他の予定を入れないようにしてください。


    【評価方法】

    研究・実践活動への貢献度、および研究室に関する諸活動から総合的に評価します。

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    【追加エントリー課題】

    9⽉10⽇(火)までの早めのタイミングで、指定の内容を書いたメールを提出してください。

    エントリーメールの提出先: ilab-entry[at]sfc.keio.ac.jp ([at]を@に変えてください)

    メールのサブジェクト(件名): 井庭研(2019秋) 履修希望

    以下の内容を書いたファイル(PDF)を、メールに添付してください。

    井庭研(2019秋) 履修希望

    1. ⽒名(ふりがな), 学部, 学年, 学籍番号, ログイン名, 顔写真 (写真はスナップ写真等で構いません)
    2. ⾃⼰紹介と日頃の興味・関⼼(イメージしやすいように、適宜、写真や絵などを入れてください)
    3. 井庭研の志望理由
    4. 秋学期に参加したいプロジェクト
    5. 持っているスキル/得意なこと(グラフィックス・デザイン, 映像編集, 外国語, プログラミング, ⾳楽, その他)
    6. これまでに履修した井庭担当の授業(あれば)
    7. これまでに履修した授業のなかで、お気に入りのもの(複数可)
    8. これまでに所属した研究会と、来学期、並⾏して所属することを考えている研究会(あれば)


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    【教材・参考文献】

    継続メンバーは、これまでに以下の本を読んでいます。これらの本も含め、いろいろと読んでいくことになります。

  • クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019)
  • パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語』 (井庭 崇 編著, 中埜 博, 江渡 浩一郎, 中西 泰人, 竹中 平蔵, 羽生田 栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
  • プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)
  • おもてなしデザイン・パターン:インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』(井庭 崇, 中川 敬文, 翔泳社, 2019)
  • 対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』(井庭 崇, 長井 雅史, 丸善出版, 2018)
  • 旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』 (井庭 崇, 岡田 誠 編著, 慶應義塾大学 井庭崇研究室, 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ, 丸善出版, 2015)
  • プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』 (井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 時を超えた建設の道』 (クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993)
  • クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』(スティーブン・グラボー, 工作舎, 1989)
  • ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)
  • 創造性とは何か』 (川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
  • ニクラス・ルーマン入門:社会システム理論とは何か』(クリスティアン・ボルフ, 新泉社, 2014)
  • オープンダイアローグとは何か』 (斎藤環 著+訳, 医学書院, 2015)
  • プラグマティズム入門』 (伊藤 邦武, ちくま新書, 筑摩書房, 2016)
  • 感動をつくれますか?』 (久石 譲, 角川oneテーマ21, 角川書店, 2006)
  • 夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです:村上春樹インタビュー集 1997-2011』 (村上春樹, 文春文庫,文藝春秋, 2011)
  • 創造的論文の書き方』 (伊丹 敬之, 有斐閣, 2001)
  • 考える技術・書く技術:問題解決力を伸ばすピラミッド原則』(バーバラ・ミント, ダイヤモンド社, 1999)

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    慶應義塾大学SFC「クリエイティブ・ラーニング・ラボ」スタート!

    慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)に「クリエイティブ・ラーニング・ラボ」(Creative Learning Lab)を立ち上げます! 慶應義塾大学SFC研究所の正式なラボラトリー※ として設置承認されました。

    SFCの3学部・2研究科にまたがる多様な分野の、最高に魅力的なメンバーとともに取り組み、僕が代表を務めます。

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    【クリエイティブ・ラーニング・ラボ 構成メンバー】

  • 井庭 崇(総合政策学部 教授:創造実践学, パターン・ランゲージ, システム理論)*ラボ代表
  • 鈴木 寛(総合政策学部 教授:教育政策, コミュニティ・ソリューション)
  • 今井 むつみ(環境情報学部 教授:認知科学)
  • 村井 純(環境情報学部 教授:インターネット, グローバル・インフラ)
  • 田中 浩也(環境情報学部 教授:パーソナル・ファブリケーション, ソーシャル・ファブリケーション)
  • 石川 初(政策・メディア研究科 教授:ランドスケープ・アーキテクチャ, 地理教育)
  • 小林 博人(政策・メディア研究科 教授:建築・都市地方設計, まちづくり, Student Build Campus)
  • 宮川 祥子 (看護医療学部 准教授:ヘルスケア情報学, FABナース)
  • 堀田 聰子(健康マネジメント研究科 教授:ケア人材政策, 人的資源管理, 地域包括ケア)
  • 熊坂 賢次(慶應義塾大学 名誉教授:ライフスタイル論, ネットワーク社会論)
  • 小林 正忠(慶應義塾大学SFC 特別招聘教授, 楽天株式会社 常務執行役員CPO (Chief People Officer))
  • 江渡 浩一郎(慶應義塾大学SFC 特別招聘教授, メディア・アーティスト, 産業技術総合研究所 人間拡張研究センター 主任研究員)


    「クリエイティブ・ラーニング」(創造的な学び)は、「つくることによる学び」(learning by creating)、そして「つくるなかでの学び」(learning through creating)です。何かを生み出す創造実践に取り組むなかで、対象への理解や自分への理解が深め、新たな発見も得ながら、自分のなかで知識を構成していくという学びのあり方です。

    このような「クリエイティブ・ラーニング」の考え方は、まずは学校教育において、これからのあり方を考えるためにとても重要です。しかしながら、それにとどまらず、家庭、職場、地域、国際関係、物事への関わり・態度、人間関係、well-being、生き方などにおいても、とても重要な変革をもたらすものだと思っています。

    本ラボでは、僕たちの研究のあり方も「クリエイティブ・ラーニング」を体現するような、実際の取り組みのなかで理解を深め、知識を構成していくような実践研究を大切にしていきたいと思います。

    僕自身は、創造実践の理論・哲学とパターン・ランゲージの方法で研究していきますが、それぞれのメンバーはそれぞれのアプローチ、方法論、対象で、「クリエイティブ・ラーニング」のもつ可能性について探究していきます。
    また、世の中における実践・支援を実現・加速させるための試みもいろいろ仕掛けていきたいと思っており、そのための共同研究や、趣旨・活動に賛同していただける方の寄付も受けていきたいと思っています。みなさま、ぜひご紹介・お声がけいただければと思います。
    どうぞよろしくお願いいたします!

    なお、クリエイティブ・ラーニングについては、今年出したこの書籍をご覧ください。

    『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019年2月)

    ※SFC研究所ラボについて
    SFC研究所では2001年から、先端的研究ミッションを持つ研究グループである「ラボラトリ(ラボ)」を設けています。ラボは同じ研究テーマを持つSFC研究所内の研究者により、横断的・融合的に構成された組織であり、研究ミッションの特定により、各ラボの研究活動目標、研究対象、活動領域をより明らかにし、国内外の民間企業や研究所、国、地方自治体、他大学などとの研究交流を促進することを目的としています。
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    慶應義塾大学SFC大学院AP「ラディカル・スクール・デザイン」2019シラバス

    「ラディカル・スクール・デザイン」(Radical School Design)
    慶應義塾大学SFC大学院 政策・メディア研究科 ACADEMIC PROJECT
    担当教員:井庭崇, 神保謙, 鈴木寛, 田中浩也, 玉村雅敏, 脇田玲, 矢作尚久, 藤井進也, (仲谷正史)
    開講:2019年度秋学期 特定期間集中
    単位:プロジェクト科目 1単位

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    【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

    「教育者は他のどのような職業人よりも、遠い将来を見定めることにかかわっている」- かつて、実践的な教育哲学者ジョン・デューイは、このように述べた。SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)は創設時から、未来を見据えたラディカルな教育改革を創造実践してきた。正しくも「実験キャンパス」と位置づけられたこのキャンパスで生まれた新しい仕組みは、他の大学を始めとする教育機関に広がってきた。

    創立30周年を前に、私たちは再び、未来を見据えたラディカル(根源的かつ革新的)な学校・教育のあり方を構想し、先導的に進んでいくべきであると考える。このような問題意識のもと、本アカデミックプロジェクトでは、いわゆる教育研究ではなく、多様な視点でこれからの未来を想像し、それを見据えた大胆な発想の学校・教育のあり方・仕組みを模索・創造する。教員と学生のコラボレーションにより、これまでのSFCの延長でもなく、どこか海外にあるものの真似でもない、本当に新しいこれからの学校・教育のあり方を空想し、デザインし、実験し、表現することに取り組む。

    *   *   *

    今から30数年前、新しい学部をつくることを構想した石川 忠雄は、これからの教育について次のように考えていた。

    「過去に経験のあることが起こるのならば、過去の経験によって処理をすればよろしいのですが、過去に経験のないようなことが起こってきますと、過去の経験だけで問題を処理することはできません。したがって、当然そこではものを考えることによって、その問題を処理し、打開していくという方策をとらざるを得なくなります。……… 知識は非常に大切ですが、それだけでは間に合いません。どうしても豊かな発想で問題を発見し、分析し、推理し、判断して、実行をすることが必要になります。……… 人間が経験のない新しい現象に対応する時に使う最も重要な能力であります、『ものを考える力』を強くするという教育をどうしてもしなければならないと思います」(石川 忠雄, 『未来を創るこころ』, 1998)

    また、別のインタビューではSFCの意義について、次のように語っている。

    「藤沢みたいなところのもともとの考え方は、従来の考え方とは違うんだよね。古い学問やるんなら三田に来てやったらいい。だけど、あそこでは新しいメソドロジーで学問を展開しようという野心があったんだな。」(石川 忠雄, 相田研究会制作「SFCキャンパス革命」, 2000)

    総合政策学部初代学部長の加藤寛は、SFCのミッションを「知の再編成」とし、次のように述べている。

    「藤沢キャンパスでは …… 近代西欧が生み出した、『観照の知』、『分析の知』にあえて挑戦し、主体と客体が互いに変化する中で、問題を発見し、解決し、デザインする、『行動の知』を追求するのである。」(加藤 寛, 『慶應湘南藤沢キャンパスの挑戦』, 1992)

    2002年に書かれた「SFC21世紀グランドデザイン素案」においても、SFCの特徴として先端性と実験する精神が再確認されている。

    「SFCは、そこで実践されることが研究であれ教育であれ、つねに『先端性』にいさぎよく徹することこそ、SFCの使命であると確信しています。『実験する精神』で未知の領域に果敢に挑戦することにこそ、SFCの使命があると思います。またかつてのように、あらゆる意味で境界が明確であった二〇世紀的社会では、学問的なディシプリンに典型的にみられるように、分化と統合という方法が妥当有効であったのでしょう。しかし、今すでに展開されつつあるすべての境界が曖昧なネットワーク環境にあっては、新しい方法への模索が開始されなければならないはずです。ここでは先端性と表裏の関係として、融合という方法が価値あるものだと思います。」(小島 朋之, 熊坂 賢次, 徳田 英幸,『未来を創る大学』, 2004 所収)

    政策・メディア研究科の創設時(1994年)には、次のような目標も掲げられていたという。

    「新大学院構想委員会に期待された基本的な目標は、『今後の変化する社会において、「社会変革と自己変革を連動させることのできる競争力のある個人」を生み出す』ことは、いかにして可能なのか、そしてそれを保証する制度としての新大学院とは何かを追求することだった。」(孫福 弘, 小島 朋之, 熊坂 賢次 編著, 『未来を創る大学』, 2004 所収)

    そして、SFCについての本『未来を創る大学』では、次のような宣言が刻まれている。

    「SFCはこれからも、『未来を創る大学』として挑戦し続ける。」(孫福 弘, 小島 朋之, 熊坂 賢次 編著,『未来を創る大学』, 2004)

    *   *   *

    それでは、このような先端性と実験する精神にもとづく、これからの教育とはどのようなものになるのだろうか?

    本アカデミック・プロジェクトでは、これからの大学・学校・教育のあり方と仕組みについて、SFCを具体的ケースとして、大胆に構想し、実験しながら、実行可能な具体案としてつくり込むことに取り組む。


    【本年度の詳細 研究項目・スケジュール】

    学期中に何度か全体で集まる(いまのところ水曜日の夜を想定している)ほか、教員を含む小さなチームで活動をしていく。また、土曜日などに集中して発表・議論する場も設ける予定である。本アカデミック・プロジェクトは今学期からのスタートなので、ミーティングやプロジェクトのあり方・進め方・仕組みも、柔軟に創造的にアレンジしながら進めていきたい。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    チームでのプロジェクト活動のプロセスおよび成果、他のチームへのフィードバックや議論などにより総合的に判断する。


    【履修条件】

    与えられるものから学ぶのではなく、小さなチームで活動して成果を生み出していくなかで学んでいくスタイルをとる。各自の積極的な参加・貢献が求められるので、そのことを理解した上で履修してほしい。


    【履修上の注意】

  • 初回ミーティングの時間・場所については、SFC-SFS経由で連絡するので、この科目を登録しておくこと。


    【関連科目】
  • スチューデントビルドキャンパス(SBC)入門
  • スチューデントビルドキャンパス(SBC)実践
  • SFCスピリッツの創造
  • 創造社会論


    【教材・参考文献】

  • 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019)
  • 『未来を創る大学:慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)挑戦の軌跡』(孫福 弘, 小島 朋之, 熊坂 賢次, 慶應義塾大学出版会, 2004)
  • 『未来を創るこころ』(石川 忠雄, 慶應義塾大学出版会, 1998)
  • 『慶應湘南藤沢キャンパスの挑戦:きみたちは未来からの留学生』(加藤 寛, 東洋経済新報社, 1992)
  • 『教育改革論』(加藤 寛, 丸善, 1996)
  • 「ディジタル・メディア時代における「知の原理」を探る: 知のStrategic Obscurantism」(井関 利明, 『メディアが変わる知が変わる:ネットワーク環境と知のコラボレーション』, 井上輝夫, 梅垣理郎 編, 有斐閣, 1998, p.3~40)
  • 『社会科学をひらく』(イマニュエル・ウォーラーステイン+グルベンキアン委員会, 藤原書店, 1996)
  • 『KEIO SFC REVIEW No.32-33合併号、特集:未来を創造せよ!- SFC新カリキュラムの全貌』(湘南藤沢学会, 2007)
  • 『x‐DESIGN:未来をプロトタイピングするために』(山中 俊治, 脇田 玲, 田中 浩也 編著, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 「SFC Culture Language:SFC らしさを表す言葉たち」(井庭崇研究室, 2015) https://culture.sfc.keio.ac.jp
  • 『教育の未来』(ジャン・ピアジェ, 法政大学出版局, 1982)
  • 『経験と教育』(ジョン・デューイ, 講談社, 2004)
  • 『民主主義と教育』(J・デューイ, 人間の科学新社, 2017)
  • 『探求の共同体:考えるための教室』(マシュー・リップマン, 玉川大学出版部, 2014)
  • 『川喜田二郎著作集 (第8巻) 移動大学の実験』(川喜田 二郎, 中央公論社, 1997)
  • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
  • 『パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜 博, 江渡 浩一郎, 中西 泰人, 竹中 平蔵, 羽生田 栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)
  • 『創造性とは何か』(川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
  • 『ハイ・コンセプト:「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク, 三笠書房, 2006)
  • 『独立国家のつくりかた』(坂口 恭平, 講談社現代新書, 講談社, 2012)
  • 『民主主義のつくり方』(宇野 重規, 筑摩書房, 2013)


    【連絡先】

    rsd [at] sfc.keio.ac.jp ( [at] を@に置き換えてください)
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    Seminar Syllabus: Iba Lab B (GIGA), 2019 Fall

    Iba Lab B (GIGA)
    Translating Pattern Languages into Various Languages

    (Wednesday 2nd period, 2019 Fall semester)
    Entry submission deadline: July 27

    We live in a complex and changing society, and the future will be determined by and based on our current actions and experiences. Therefore, methodologies and tools regarding the creation of a future where we can live well are significant. The research conducted in Iba lab consists of creating and sharing “pattern languages” throughout the world as these sorts of methodologies and tools.

    Pattern language is the method of and the tool for identifying common patterns of good practices embedded in specific domains and sharing this wisdom with others. It was originally proposed in the domain of architecture in the 1970s and has since been applied to various other domains such as software development, education and organizations.

    For the past 10 years, Iba Lab has created over 60 pattern languages on diverse topics that provide tacit practical knowledge of creative human actions, comprising over 1700 patterns in total. Topics include the following: learning, collaboration, presentation, project design, open dialogue, education, reading, cooking, living well with dementia, living well with working and parenting, employment of people with disabilities, welfare innovation, management of child care, social entrepreneurs, value-creation marketing, change making, community innovation, hospitality, life transition, beauty in everyday life, natural living, disaster prevention and public policy design. These pattern languages have been practically utilized to improve practices and generate dialogues among people in various organizations and communities.

    csbooks440.png

    Some of these pattern languages have been translated to languages such as Traditional Chinese, Korean and German and published as books overseas. An even larger number of these pattern languages have been published in English and are being used in other countries, with one even being written about in a newspaper in the UK. Our pattern languages are known throughout the world and have gathered many fans. However, with the majority of our pattern languages only available in Japanese or English, we are not yet able to reach out to the ordinary people of many countries.
    foreignlanguage440.png

    In Iba Lab B (GIGA), we plan to work on improving this current situation by translating Iba Lab’s existing pattern languages. The translating of works of art are fundamentally considered to be “re-creations,” a work in one language re-created into a different language. García Márquez, the prominent novelist who received the Nobel Prize in Literature 1982, said “A good translation is always a re-creation in another language.” Because pattern languages are “languages,” this concept of “re-creating” the language is even more significant.

    In Iba Lab B (GIGA), students will learn the knowledge necessary for creating pattern languages (which are essential in re-creation as well) and in addition, work on actually translating pattern languages. There are two main types translating that will take place: (1) Translating from English (or Japanese) to Another Language, and (2) Translating from Japanese to English.

    (1) Translating from English (or Japanese) to Another Language
    This is for students whose native tongue is neither Japanese nor English. You will translate pattern languages written in English (or Japanese) to languages such as Chinese, Korean, Vietnamese, Malay, Indonesian, Thai, German, French, Spanish, Russian, etc. and gather the finished translation into a booklet. We will then continue by sharing and using these translations in countries or regions that use that language and, if possible, publishing them overseas. Additionally, we would like to hold dialogue workshops both in Japan and overseas using these translated pattern languages.

    (2) Translating from Japanese to English
    This is for students who can fluently read Japanese. You will translate pattern languages written in Japanese to English. We will aim to publish these English translations as books. Additionally, we would like to hold dialogue workshops both in Japan and overseas using these translated pattern languages.

    IbaLab_B440.png

    Iba Lab puts an emphasis of a learning style we call “Creative Learning,” in other words, “learning by creating” and “learning through creating.” This is a learning style in which, by taking part in a creative practice where one makes something, one can construct knowledge within themselves while deepening their understanding of things and gaining new ideas. In Iba Lab B (GIGA), we will deepen our understandings of what pattern languages are and what is important in making them by translating (re-creating).

    If anyone would like to create their own original pattern language after gaining experiences re-creating with translations, you can consult with Prof. Iba about when and how that can be done.

    Number of Students
    15

    Requirement
    The theme for our lab is creativity. We are looking for prospective lab members who are willing to commit creatively to the future!

    Class Schedule
  • Official meeting will be on 2nd period of Wednesday.
  • Members are required to work on their projects outside of class time.

    Special Note
  • With regards to the timing of enrollment, we highly encourage students to join during their early years at SFC (1st years and 2nd years are welcome). Joining early will allow students to gain research experience and get more opportunities. We are looking for members who are willing to study together with us in a long perspective. Breakthrough in knowledge and skills can be expected through long-term commitment.

  • Join us on opportunities to go on overseas trips to attend workshops and academic conferences. This year we will be visiting Germany in July, Canada and Poland in October.

    Screening Schedule
    Entry submission deadline: July 27

    Entry Assignment
    After reading through this syllabus thoroughly, please submit the entry assignment described below via email by July 27.

    Email to: ilab-entry [at] sfc.keio.ac.jp (Please change [at] to @)
    Subject: Iba Lab B (2019 Fall) Entry

    Please attach your entry assignment in a Word, Pages or PDF file.

    Iba Lab B (2019 Fall) Entry
    1. Name, Faculty, Grade, Student ID, e-mail address
    2. Profile photo
    3. introduction of yourself (interests, future visions, Circles, activities, any other points to sell)
    4. Reason for your entry into Iba Lab, and your enthusiasm towards the research activity in Iba Lab
    5. Your native language and languages you can write well
    6. Skills/ things you are good at (graphic design, film editing, programming, music, etc.)
    7. Courses by Prof. Iba which you have taken before (if any)
    8. Favorite classes you've taken so far (Multiple answers are welcome)
    9. Labs (Kenkyukai) you have been a part of (if any)
    10. Other Labs (Kenkyukai) you are planning on joining next semester (if any)

    Assesment Method
    Grading will be based on participation, project, and final product.

    Materials & Reading List
    References

  • Pattern Languages Iba Lab created and published in English

  • Pattern Languages Iba Lab created and published in other languages

  • Important Introductory Papers from Iba Lab
    Other papers and information is provided at this page.

    Related Courses
    PATTERN LANGUAGE (GIGA)
    Iba Lab A: Natural & Creative Living Lab (in Japanese)

    Contact
    ilab-entry [at] sfc.keio.ac.jp

    Iba Lab B (GIGA) - Translating Pattern Languages into Various Languages
  • 井庭研だより | - | -

    慶應義塾大学SFC「クリエイティブ・ラーニング・ラボ」スタート!

    SFCに「クリエイティブ・ラーニング・ラボ」(Creative Learning Lab)を立ち上げます! 慶應義塾大学SFC研究所の正式なラボラトリー※ として設置承認されました。

    SFCの3学部・2研究科にまたがる多様な分野の、最高に魅力的なメンバーとともに取り組み、僕が代表を務めます。

    【クリエイティブ・ラーニング・ラボ 構成メンバー】
    井庭 崇(総合政策学部 教授:創造実践学, パターン・ランゲージ, システム理論)*ラボ代表
    鈴木 寛(総合政策学部 教授:教育政策, コミュニティ・ソリューション)
    今井 むつみ(環境情報学部 教授:認知科学)
    村井 純(環境情報学部 教授:インターネット, グローバル・インフラ)
    田中 浩也(環境情報学部 教授:パーソナル・ファブリケーション, ソーシャル・ファブリケーション)
    石川 初(政策・メディア研究科 教授:ランドスケープ・アーキテクチャ, 地理教育)
    小林 博人(政策・メディア研究科 教授:建築・都市地方設計, まちづくり, Student Build Campus)
    宮川 祥子 (看護医療学部 准教授:ヘルスケア情報学, FABナース)
    堀田 聰子(健康マネジメント研究科 教授:ケア人材政策, 人的資源管理, 地域包括ケア)
    熊坂 賢次(慶應義塾大学 名誉教授:ライフスタイル論, ネットワーク社会論)
    小林 正忠(慶應義塾大学SFC 特別招聘教授, 楽天株式会社 常務執行役員CPO (Chief People Officer))
    江渡 浩一郎(慶應義塾大学SFC 特別招聘教授, メディア・アーティスト, 産業技術総合研究所 人間拡張研究センター 主任研究員)


    「クリエイティブ・ラーニング」(創造的な学び)は、「つくることによる学び」(learning by creating)、そして「つくるなかでの学び」(learning through creating)です。何かを生み出す創造実践に取り組むなかで、対象への理解や自分への理解が深め、新たな発見も得ながら、自分のなかで知識を構成していくという学びのあり方です。

    このような「クリエイティブ・ラーニング」の考え方は、まずは学校教育において、これからのあり方を考えるためにとても重要です。しかしながら、それにとどまらず、家庭、職場、地域、国際関係、物事への関わり・態度、人間関係、well-being、生き方などにおいても、とても重要な変革をもたらすものだと思っています。

    本ラボでは、僕たちの研究のあり方も「クリエイティブ・ラーニング」を体現するような、実際の取り組みのなかで理解を深め、知識を構成していくような実践研究を大切にしていきたいと思います。

    僕は、創造実践の理論・哲学とパターン・ランゲージの方法で研究していきますが、それぞれのメンバーはそれぞれのアプローチ、方法論、対象で、「クリエイティブ・ラーニング」のもつ可能性について探究していきます。

    また、世の中における実践・支援を実現・加速させるための試みもいろいろ仕掛けていきたいと思っており、そのための共同研究や、趣旨・活動に賛同していただける方の寄付も受けていきたいと思っています。みなさま、ぜひご紹介・お声がけいただければと思います。

    どうぞよろしくお願いいたします!


    なお、クリエイティブ・ラーニングについては、今年出したこの書籍をご覧ください。

    『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019年2月)


    ※SFC研究所ラボについて
    SFC研究所では2001年から、先端的研究ミッションを持つ研究グループである「ラボラトリ(ラボ)」を設けています。ラボは同じ研究テーマを持つSFC研究所内の研究者により、横断的・融合的に構成された組織であり、研究ミッションの特定により、各ラボの研究活動目標、研究対象、活動領域をより明らかにし、国内外の民間企業や研究所、国、地方自治体、他大学などとの研究交流を促進することを目的としています。詳しくは、こちらをご覧ください。
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