井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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2011年度春学期SFC 井庭対談・鼎談一覧【更新版】

2011年度春学期に僕が計画・予定している対談・鼎談は以下のとおりです。
魅力的なゲストをお迎えして、語り合いたいと思います!

興味がある方は、スケジュール空けておいてください。
聴講希望の方も、当日、直接会場にお越し下さい。
(変更が生じた場合など、最新情報はこのブログでお知らせします。)


■ 江渡 浩一郎 × 井庭 崇 対談
「パターン・ランゲージの思想と展開」

5月23日(月)5限(16:30〜) @ SFC ε12教室
※当初5月16日に予定されていましたが、5月23日に変更となりました。

産業技術総合研究所研究員/メディア・アーティストの江渡 浩一郎さんをお呼びし、パターン・ランゲージの基本的な考え方とその魅力について、対談を行ないます。江渡さんには、『パターン、Wiki、XP ̶ 時を超えた創造の原則』に書かれた内容もご紹介いただく予定です。※「井庭研究会B1」の一環


■ 市川 力 × 今村 久美 × 井庭 崇 鼎談
「“自分”から始まる学びの場のデザイン」

5月21日(土)3・4限(13:00〜16:30) @ SFC大学院棟 τ11教室

東京コミュニティスクール校長の市川 力さんと、カタリバ代表理事の今村 久美さんをお呼びし、コミュニケーションの連鎖を誘発する「新しい学びの場づくり」に関する鼎談を行ないます。 ※「社会システム理論」の一環


■ 武田 隆 × 井庭 崇 対談
「ネットコミュニティによる新しいマーケティング」

5月24日(火)5限(16:30〜) @ SFC κ11教室

CGM(コンシューマ・ジェネレイテッド・メディア)をマーケティングに活用しているエイベック研究所の代表取締役 武田 隆さんをお呼びし、コミュニケーションの連鎖の誘発による「新しいマーケティング」についての対談を行ないます。武田さんには、エイベック研究所の実践事例についてもご紹介いただく予定です。 ※「井庭研究会B2」の一環


■ 相磯 秀夫 × 井庭 崇 対談
「テクノロジー・人間・社会の関係性とそのデザイン」

6月18日(土)3・4限(13:00〜16:30) @ SFC大学院棟 τ11教室

SFC環境情報学部の初代学部長である 相磯 秀夫先生(慶應義塾大学名誉教授)をお呼びし、情報技術と人間・社会との関係を理解し、デザインする学問について対談を行います。※「シミュレーションデザイン」の一環


■ 中原 淳 × 井庭 崇 対談
「学びと創造の場づくり」

7月9日(土)3・4限(13:00〜16:30) @ SFC大学院棟 τ11教室

企業・組織における学習やコミュニケーションについて研究している中原 淳さん(東京大学 大学総合教育研究センター准教授)をお呼びし、対談を行ないます。※「社会システム理論」の一環


僕も今から楽しみです。ゲストスピーカーのみなさん、どうぞよろしくお願いします!
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講演告知「自律的な学びのデザインと誘発 ― 学びのパターン・ランゲージ」

来週、東京ファッションタウンで開催されるテクノロジー・カンファレンス「QCon Tokyo 2011」( http://qcontokyo.com/ )で講演をすることになりました。

4月12日(火) 13:00-13:50 @東京ファッションタウン
「自律的な学びのデザインと誘発 ― 学びのパターン・ランゲージ」(井庭 崇)


「自律的な学びのデザインと誘発 ― 学びのパターン・ランゲージ」
物事のあり方や技術が日々変化する社会においては、組織も個人も学び続けることが求められます。しかし、どのように学べばよいのか(how to learn)や、学びをどのように支援すればよいのか(how to support for learning)は、必ずしも明らかではありません。そこで本講演では、パターン・ランゲージの方法を応用した、自律的な学びをデザインするためのパターン・ランゲージ「学習パターン」を紹介します。自らの向上を目指している方や、場づくり・制度づくりを行なっている方の参加をお待ちしています。

井庭 崇 (Takashi Iba)
慶應義塾大学 総合政策学部 准教授
2003年慶應義塾大学政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。慶應義塾大学総合政策学部専任講師、マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院 Center for Collective Intelligence 客員研究員等を経て、2010年より現職。システム理論と方法論の観点から創造性について研究し、いろいろな分野での「方法のイノベーション」に取り組む。特に最近は、新しい領域へのパターン・ランゲージ手法の応用・制作を行なっている。共著書に『複雑系入門』(NTT出版)、『ised 情報社会の倫理と設計』(河出書房新社)など。
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講演・対談「コミュニケーション・ランゲージ」(難波 和彦 × 井庭 崇)

明日2月14日(月)、建築家/東大名誉教授の難波和彦先生と対談する機会をいただきました。

難波和彦先生は、「箱の家」シリーズの住宅等で有名な建築家ですが、クリストファー・アレグザンダーの日本での建築プロジェクトに参加したり『まちづくりの新しい理論』の翻訳も手がけるなど、アレグザンダーの影響を受けながらご自身で独自の展開をされている方でもあります。

DIEP : 環境工学×建築デザイン研究会 第1回レクチャー
「コミュニケーション・ランゲージ」(難波 和彦 × 井庭 崇)
日程:2011年2月14日(月) 13:00~15:00
場所:東京大学本郷キャンパス 山上会館 001会議室
詳しくは、 http://d.hatena.ne.jp/DIEP2011/ 参照。


難波和彦先生の講演は『パタン・ランゲージから「箱の家」へ』という題目で、アレグザンダーの理論展開と「箱の家」に埋め込まれたパタン・ランゲージについての話をされる予定とのことです。

僕の講演は『方法としてのパターン・ランゲージ:学習パターンを事例として』ということで、パターン・ランゲージの方法の新しい分野へ応用について、これまでの自らの実践を交えて話したいと思っています。

アレグザンダーとパターンの話をするので、興味がある方はぜひお越しください。


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井庭研究会 2010年度最終発表会【最終案内】

明日1月29日(土)に開催する「井庭研究会 2010年度最終発表会」の最終案内です。

★ キーノート・スピーチ(基調講演)のみ、USTREAMで映像配信します。
→ 井庭研チャンネル http://www.ustream.tv/channel/井庭研

★ 本発表会の公式twitterハッシュタグが決まりました。
#ilab2011

★ 開場時間の10時から、コーヒーとお菓子を用意しております。
早く到着された方は会場で談話等、お楽しみください。


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井庭研究会 2010年度最終発表会
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日時:2011年1月29日(土)
時間:10:00開場、10:30開始~17:00終了
会場:慶應義塾大学SFC 大学院棟 τ 11(タウ11)


■ 開場→コーヒーサービス(10:00~10:30)

■ 開会式(10:30~10:40)
 ・開会の辞(井庭 崇)

■ キーノート(10:40~11:30)
 ・「リアリティの把握と参加:デカルト的パラダイムを超えて」(井庭 崇)
   ※ USTREAM配信( http://www.ustream.tv/channel/井庭研

  ー小休憩 ー

■ プロジェクト発表(11:40~12:40)
 ・「カテゴリからみたWikipediaの編集者の記事選択」(馬塲 孝通, 村松 大輝)
 ・「Characteristics behind Productive Collaboration in Wikipedia: Concerning Japanese, English, and Vietnamese Articles」(Natsumi Yostumoto, Ko Matsuzuka, Bui Hong Ha)
 ・「パターン・ランゲージを学ぶためのカードゲームの提案:学習パターンを事例として」(坂本 麻美, 藤井 俊輔, 河野 裕介)

  ー 昼休み ー

■ リフレッシュセッション(13:40~14:10)
 ・学習パターンカードゲーム

   ー小休憩ー

■ 修論発表(14:15~15:45)
 ・「成長するネットコミュニティにおける参加パターンの分析:料理レシピサイトを事例に」(加藤 剛)
 ・「書籍販売における定常的パターンの形成原理」(北山 雄樹)
 ・「育児にひそむ問題発見・問題解決:語りのメディアとしてのパターン・ランゲージ」(中條 紀子)

  ー小休憩ー

■ 修士発表(15:55~16:20)
 ・「集合知パターン試論:戦略策定におけるweb上の集合知活用に向けて」(清水 たくみ)

■卒論発表(16:20~16:45)
 ・「Evolving Collaboration Networks in Japanese Wikipedia」(Natsumi Yotsumoto)

■ 閉会式(16:45~17:00)
 ・閉会の辞(井庭 崇)

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【会場案内】

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC) 大学院棟 τ11

キャンパスまでのアクセス → http://www.sfc.keio.ac.jp/maps.html
※小田急線 湘南台駅からバス、もしくは、JR辻堂駅からバスとなります。

キャンパスマップ → http://www.sfc.keio.ac.jp/about_sfc/campus_map.html
※ 大学院棟は、キャンパスマップの (11) です。

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井庭研究会 2010年度最終発表会 プログラム

来週土曜日(1月29日)に開催する「井庭研究会 2010年度最終発表会」のプログラムが確定しました。

学内外の方はどなたでも聴講できます。資料準備等の関係で、事前に ilab [atmark] sfc.keio.ac.jp にメールでご連絡いただければと思います。

井庭研最終発表会として初の試みですが、僕が最近考えている最先端の話を紹介する「キーノート」(基調講演)をやることにしました。こちらもお楽しみに。


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井庭研究会 2010年度最終発表会
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日時:2011年1月29日(土)
時間:10:00開場、10:30開始~17:00終了
会場:慶應義塾大学SFC 大学院棟 τ 11(タウ11)


【プログラム】

■ 開会式(10:30~10:40)
 ・開会の辞(井庭 崇)

■ キーノート(10:40~11:30)
 ・「リアリティの把握と参加:デカルト的パラダイムを超えて」(井庭 崇)

  ー小休憩 ー

■ プロジェクト発表(11:40~12:40)
 ・「カテゴリからみたWikipediaの編集者の記事選択」(馬塲 孝通, 村松 大輝)
 ・「Characteristics behind Productive Collaboration in Wikipedia: Concerning Japanese, English, and Vietnamese Articles」(Natsumi Yostumoto, Bui Hong Ha, Ko Matsuzuka)
 ・「パターン・ランゲージを学ぶためのカードゲームの提案」(坂本 麻美, 藤井 俊輔, 河野 裕介)

  ー 昼休み ー

■ リフレッシュセッション(13:40~14:10)
 ・学習パターンカードゲーム

   ー小休憩ー

■ 修論発表(14:15~15:45)
 ・「成長するネットコミュニティにおける参加パターンの分析:料理レシピサイトを事例に」(加藤 剛)
 ・「書籍販売における定常的パターンの形成原理」(北山 雄樹)
 ・「育児にひそむ問題発見・問題解決:語りのメディアとしてのパターン・ランゲージ」(中條 紀子)

  ー小休憩ー

■ 修士発表(15:55~16:20)
 ・「集合知パターン試論:戦略策定におけるweb上の集合知活用に向けて」(清水 たくみ)

■卒論発表(16:20~16:45)
 ・「Evolving Collaboration Networks in Japanese Wikipedia」(Natsumi Yotsumoto)

■ 閉会式(16:45~17:00)
 ・閉会の辞(井庭 崇)

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【会場案内】

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC) 大学院棟 τ11

キャンパスまでのアクセス → http://www.sfc.keio.ac.jp/maps.html
キャンパスマップ → http://www.sfc.keio.ac.jp/about_sfc/campus_map.html
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井庭研 研究発表カンファレンス(2010年度秋学期)

1月29日(土)に、今年度の井庭研 研究発表カンファレンスを開催します。

後輩にコメント/アドバイスをいただけるOB・OGのみなさん、井庭研に興味がある在校生のみなさん、井庭研の研究に興味がある学外のみなさん、ぜひお越し下さい。

井庭研 研究発表カンファレンス(2010年度秋学期)
2011年1月29日(土) 10時〜17時(予定)
慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス) 【アクセス】
大学院棟 τ11(タウ11) 【キャンパスマップ】

当日の飛び入りも歓迎ですが、(資料印刷の)人数把握のため、事前にご連絡をいただければ幸いです。→ iba [atmark] sfc.keio.ac.jp


発表タイトル(仮)の一覧 (発表の順番は後日追って告知します)


【キーノート】

●「リアリティの把握と参加:デカルト的パラダイムを超えて」(井庭)


【修論発表】

●「成長するネットコミュニティにおける参加パターンの分析:料理レシピサイトを事例に」(加藤)

●「書籍販売における定常的パターンの形成原理」(北山)

●「育児にひそむ問題発見・問題解決:語りのメディアとしてのパターン・ランゲージ」(中條)


【卒論発表】

●「Evolving Collaboration Networks in Japanese Wikipedia」(Yotsumoto)


【修士発表】

●「集合知パターン試論:戦略策定におけるweb上の集合知活用に向けて」(清水)


【プロジェクト発表】

●「パターン・ランゲージを学ぶためのカードゲームの提案」(坂本, 藤井, 河野)

●「Characteristics behind Productive Collaboration in Wikipedia: Concerning Japanese, English, and Vietnamese Articles」(Yostumoto, Bui, Matsuzuka)

●「カテゴリからみたWikipediaの編集者の記事選択」(馬塲, 村松)
井庭研だより | - | -

イベント告知「建築の計算(不)可能性」(松川昌平 × 井庭崇)

来週の1月13日(木)2限の「複雑系の数理」の授業では、松川昌平さんを遠隔ゲストにお迎えして、対談を行います。

松川 昌平 × 井庭 崇 「建築の計算(不)可能性」
日時:2011年1月13日(木)2限(11:10~12:40)
会場:慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC) ε 11教室

松川 昌平さんは、複雑系の考え方を取り入れながら、コンピュテーショナル・デザイン(アルゴリズミック・デザイン)の最先端で、独自のアプローチを探究している建築家です。松川さんのアプローチは、単にアルゴリズムを用いて「形」を生成するというのではなく、機能も含めた構造の可能性を探索するためにコンピュータを用いている点に特徴があります。複雑系の考え方が、どのように新しい建築設計の方法に結びつくのか? コンピュテーションは、物理的空間の設計をどう変えるのか? その可能性と不可能性について、『複雑系入門』著者の井庭 崇と語り合います。

松川 昌平
建築家。1974年生まれ。1998年、東京理科大学工学部建築学科卒業。1999年、000studio/ゼロスタジオ設立。2010年現在文化庁派遣芸術家在外研修員および客員研究員としてハーヴァード大学GSD在籍。アルゴリズミック・デザインの研究、実践を行なう。共訳書=コスタス・テルジディス『アルゴリズミック・アーキテクチュア』
(彰国社、2010)。

※ 松川さんは現在米国在住のため、インターネット経由の遠隔参加となります。

この対談イベントは、授業の一環として行われますが、履修者以外の聴講も歓迎しますので、興味がある方はぜひお越し下さい。なお、この対談は、映像配信の予定はありません。

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『思想地図β』が出版されました。ぜひ多くの人に読んでほしい。

東浩紀さんたちの『思想地図β vol.1』が出版され、著者献本が届きました。ありがとうございます!

単に編集に責任をもつというだけでなく、自ら出版社も立ち上げ、本が完成して出版されるところまできたというのは、本当にすごい。相当に強い意志を感じるし、その創刊号に参加させてもらえたことを光栄に思う。

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僕が出たのは特集のひとつ、パターン座談会。

特集第二部 パターン・サイエンス
「パターンの可能性――人文知とサイエンスの交差点」
 井庭崇+江渡浩一郎+増田直紀+東浩紀+李明喜


この座談会は、まず人選がユニーク。「学習パターン」など、新しい領域で実際にパターン・ランゲージを作成してきた井庭。著書『パターン、Wiki、XP』のなかで、ソフトウェア分野におけるアレグザンダー思想の影響について論じた江渡さん。複雑ネットワークの研究者である増田さん。pingpongプロジェクトのデザイナー李さん。そして、司会として東さん。普通じゃないでしょう?(笑)

特集の扉にも書かれているように、この対談は「『パタン・ランゲージ』のクリストファー・アレグザンダーの現代的評価を巡り真っ向からぶつかりあい、各々のパターンへの取り組みの違いが鮮明になるなど、大変スリリングなものとなった」。実際、まさにこのような衝突によって、それぞれがどこにこだわっているのかが明示的に語られた貴重な対談である。

僕も、勢い余って「ネットワーク科学からパターン・ランゲージ2.0をつくるのではなく、アレグザンダーのコンセプトからネットワーク科学2.0が導かれる必要がある」などと吼えている!(笑)

なにはともあれ、パターン・ランゲージやクリストファー・アレグザンダーに興味がある人にも、ネットワーク科学の新しい方向性に興味がある人にも、人文と科学の間を考えたい人にも、ぜひ読んでほしい。

そして、パターン・ランゲージにおける「パターン」と、サイエンスにおける「パターン」の指し示すもの/意味のミッシング・リンクは何かを考えてほしい。この対談は、まさにその出発点になるのだと思う。


もちろん、この本、僕らが出た座談会以外のところも読みどころ満載。どれだけすごいかは目次(http://contectures.jp/shisouchizu-beta/)を見て確認していただきたい。


編集長であり発行人である東浩紀は、巻頭言でこう語る。

「ぼくは本誌を、いままで思想や批評に、そして言論一般に関心を抱かなかった人々にこそ、手にとってほしいと願っている。」

ぜひ多くの人に読んでほしい、と僕も願う。


『思想地図β vol.1』(合同会社コンテクチュアズ, 2010年12月出版)
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竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(まとめ)

特別対談 “政策のパターンランゲージに向けて”(竹中 平蔵 × 井庭 崇)の連載のまとめ。

竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(1)
対談の概要とプロセス

竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(2)
今回制作した「政策言語」プロトタイプの内容

竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(3)
政治的コミュニケーションのイノベーション

竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(4)
政策言語が行なおうとしているのは “道具による革命”である

竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(5)
政策言語によって教育がどう変わるか


SFC「パターンランゲージ」特別対談 “政策のパターンランゲージに向けて”
対談:竹中 平蔵 × 井庭 崇
日時:2010年11月27日(土)3・4限(13:00〜16:15)
会場:慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC) 大学院棟 τ(タウ)12教室

※ 当日の資料/映像は、SFC Global Campus の「パターンランゲージ」授業ページで一般公開されています(無料)。
パターン・ランゲージ | - | -

竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(5)

2010年11月27日に行なった特別対談 “政策のパターンランゲージに向けて”の最後に触れた「政策言語によって教育がどう変わるか」という話を補足したい。


政策言語教育

「政策言語」という名称は、実は5年ほど前にすでに考えついていた。それは、慶應義塾大学SFCの現行カリキュラム(2007年から実施)の改定作業を行なっている最中のことであった。学部設立の経緯を踏まえ、さらにこれからのことを考えてみた結果、「政策言語」というものが総合政策学部の教育の重要な要素になるだろう、と考えるようになった。

総合政策学部と環境情報学部では、1990年の設立当初から、「自然言語」と「人工言語」について、独自の“言語教育”を行なっていた。理論を教えた後に実践・応用するという従来のスタイルではなく、ワークショプなどでの実践を通じて感覚的に体得させるインテンシブな“言語教育”が売りであった。

その後十年ほど経ってから、環境情報学部では「デザイン言語」という第三の “言語教育” を開始した。デザイン言語でも、それまでの自然言語・人工言語と同様に、ワークショップでの実践とインテンシブな“言語教育”を行なったのだ。さまざまな領域からトップデザイナーたちを講師に迎え、非常に魅力的な科目が揃っていた。そして、その教育を受け、素晴らしい学生たちが育ち始めていた(デザイン言語については、「『デザイン言語』という実験:慶応藤沢キャンパスの新たなフェーズ」(後藤武) および 「デザイン言語とは何であろうか?」(脇田玲) にその趣旨の説明がある)。

そのとき僕が考えたのは、総合政策学部でもこのようなワークショップでの実践を通じたインテンシブな教育ができないだろうか、ということだった。デザイン言語に倣って、「それは、総合政策学部なのだから『政策言語』 と呼ぶべきものだろう」と考えた。政策の“言語教育”というわけである。当時の学部長であった、故・小島朋之先生にお話したところ、「ほう、いいですね。どんどんやっちゃってください。」と、いつものにこやかな笑顔で背中を押していただいた(小島先生はいつもそうであった)。

ところが実際に案を詰めていくと、デザイン言語のときのようにはうまく実現できそうにないことがわかってきた。まず、政策を実際につくっているプロを講師として迎えることが難しい。これは、日本においては誰が政策デザインのプロなのかがよくわからないという問題でもある。そして、デザインの分野に比べて、その政策をつくることに関する根本原理・定石などがほとんど研究されていないという問題もあった。つまり、ルールやパターンとして、言語化がまったくされていないのである。こうして、カリキュラム改定にはとうてい盛り込むことができない、と判断せざるを得なかった。

それでも、その熱い思いは、現行カリキュラムにも一部実装されてはいる。創造実践科目群にある政策デザインワークショップ、外交政策ワークショップ、未来構想ワークショップなどである。これらのワークショップによって、「ワークショップの実践による学び」の部分は実現できたといえる。

しかし、もう一つの大切なポイントである「政策の言語」教育については実現できなかった。それが僕には「宿題」として残ってしまったといえる。早いもので、それからすでに5年が過ぎた。(時が経つのは本当に早い!)

そんな経緯もあり、今回、「政策言語」をつくるという第一歩が踏み出せたのは、本当によかったと感じてる。これは、まだほんの始まりに過ぎないが、ここから同僚の教員や学生たちと政策言語をつくっていくきっかけとなればと思う。

今回おつきあいいただいた竹中先生だけでなく、SFCには社会的実践があちこちのプロジェクトでなされている。それらの実践知を記述していけば、様々なレベル/ドメインの政策言語がつくれるはずである。そして、学外の賛同者や協力者とともに洗練し、導入実験し、整備していく。研究と教育と実践が一体となっているSFCらしいアプローチだと僕は思うが、どうだろうか?


「竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング」連載 完
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