井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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慶應義塾大学SFC「創造社会論」2020シラバス

創造社会論2020
慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
担当教員:井庭崇
開講:2020年度秋学期(前半)
曜日時限:金曜4・5限※
※ 学期後半には、同じ曜日時限に「ワークショップデザイン」(井庭)が開講されます。併せてどうぞ。
実施形態:完全オンライン開講(Zoomウェビナー+ミーティング)

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【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

これからの社会は、どのような社会になるでしょうか? 本講義では、これからの社会を、一人ひとりが本来もっている創造性を十全に発揮する「創造社会」(Creative Society)になるという想定から出発します。創造社会では、誰もがさまざまな分野・領域で「つくる」ことをごく当たり前に行うようになります。そして何よりも、「つくる」ということが、生活・人生の豊かさや幸せを象徴するようになっていきます。

かつてインターネットの登場によって始まった「情報社会」では、生活が変わり、組織が変わり、社会が変わりました。同様に、「創造社会」の到来においても、生活・組織・社会のあり方が大きく変わることになるでしょう。そこで、その変化とはどのようなものなのか、そして、それらの変化は何をもたらすのかを考えることは、これからの未来に向かうための重要な準備となります。

今年は、特に、自然との関わりを深めた「ナチュラルな創造社会」について考えたいと思います。「自然(ナチュラル)」というとき、一方では、自然(森林や海山など)などの「外なる自然」(outer nature)の意味があり、他方では、素の自分らしさと自由度をもっていきいきと生きるという「内なる自然」(inner nature)の意味があります。これらは本来は別ものではなく、相互に関係する表裏一体のものです。しかし、この二つの「自然(ナチュラル)」が分離し、しかもそれぞれが「人工的」(自然に成り立ったものではない人為的・外的)なものに浸食されてしまっていることが、現代の諸問題の根源にあるように思われます。これら二つの意味の「自然(ナチュラル)」---「外なる自然」と「内なる自然」---がうまく重なり合うようことが可能な未来はいかにして実現できるのでしょうか?

そのような未来に向け、本講義では、自然や創造にまつわる実践・研究に取り組んでいる方々をゲストにお招きし、対話を重ね、「ナチュラルな創造社会」の未来像を描き深めていきます。それぞれの対談で知り学んだ考え方や取り組み方を、履修者一人ひとりがパターン・ランゲージの形式でまとめ、自分たちのこれからの実践につなげていくことができるようにすることが、最終的にこの授業で取り組むことです。

2020年度秋学期の各回のテーマは、次の通りです。

  • 未来をつくる意味の編集・デザイン
  • ナチュラル × ローカル × クリエイティブなまち・コミュニティをつくる
  • 働く喜び・生きがいを育む
  • 楽しさと面白さの体験をつくる
  • 自然のなかで自然に生きる
  • いとおしさのデザイン

これらのテーマについて掘り下げるため、安西洋之さん、市川文子さん、小泉寛明さん、山崎満広さん、前田隆行さん、若野達也さん、小島希世子さん、上田信行さん、塚越暁さん、三田愛さん、五井野太志さん、山田貴子さん、鞍田崇さん、渡邉康太郎さんという、とても魅力的なみなさんに、ゲストとしてご参加いただいきます。

また、過去にこの授業にゲスト登壇いただいた中川敬文さん、市川力さん、井上英之さん、瀬下翔太さん、鎌田安里紗さんにも「共鳴ゲスト」としてご参加いただき、さらに井庭研究室の学生や研究員にも「共鳴メンバー」として参加してもらいます。

今年は、全回オンライン(Zoom)で行います。ゲスト登壇者も含めて完全オンライン参加という利点を活かし、イタリア、神戸、京都、奈良、長野などから遠隔登壇していただきます。

この授業では、単に受け身で話を聞くというのではなく、想像力をフルに発揮して未来像を思い描くとともに、重要な考え方や実践のコツを自らつかみ取りにいく姿勢で参加することが期待されています。また、この授業では、Zoomのウェビナーとともに、Zoomミーティングのブレイクアウトルームで、履修者同士で話し合う時間も設ける予定ですので、そのようなときにも積極的に参加してください。

授業と並行して文献を読む宿題を毎週出すので、授業初回までに早めに、書籍 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための 企画のコツ32』を入手しておいてください。

なお、これまで5年間の授業(対談映像)は、すべてインターネット上で公開されており、 「SFC「創造社会論」対談映像 2014〜2018」 から辿ることができます。今学期の授業以外にも、興味がある回があれば、見てみてください。特に、共鳴ゲストのみなさんの回を見ておくのはおすすめです。今年の授業も映像を公開する予定です。

担当教員・井庭崇から学生のみんなへ:「時間が経てば「未来」はやってきます。でも、それは自分たちの望んでいる未来ではないかもしれません。いや、むしろ、何もしなければ、望む未来がやって来るなんてことはないでしょう。だから、僕たちは未来に向かって、理想・ヴィジョンと、それを実現する物事をつくり続けていかなければなりません。この授業は、よりよい未来に向けて自分にできることを精一杯(しかも創造的に、面白そうに)やっている大人たちがいることを、みんなにも知ってほしくて・感じてほしくて企画しました。「自分たちの未来を自分たちでつくる」という道へ、ようこそ!たくさん刺激を受けて、自分のエネルギーにしてもらえればと思います。」


【授業計画】

第1・2回(10/2):「未来をつくる意味の編集・デザイン」
安西洋之 × 市川文子 × 井庭崇
(× 瀬下翔太 × 木村紀彦 × 川邊悠紀)

安西洋之さんと市川文子さんをゲストにお招きし、「未来をつくる意味の編集・デザイン」について語り合います。

安西洋之さんは、欧州とアジアの企業間提携の提案、商品企画や販売戦略等に参画しているミラノ在住のビジネスプランナーで、『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する〈意味〉の戦略的デザイン』『デザインの次に来るもの:これからの商品は「意味」を考える』などの著作があります。また、『突破するデザイン:あふれるビジョンから最高のヒットをつくる』(ロベルト・ベルガンティ著)の監訳・解説も手がけています。

市川文子さん(SFC卒業生)は現在、株式会社リ・パブリックで、イノベーション・エコシステムについてグローバル研究・実践を行っています。また、あらゆる地域・分野を横断しながら新しい都市のあり方を探索する人たちのためのトランスローカルマガジン『MOMENT』に携わっているほか、『シリアル・イノベーター:「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀』(アビー・グリフィンほか)の監訳なども手がけています。

この回では、SFC井庭研卒業生の瀬下翔太さんにも共鳴メンバーとして参加いただきます。瀬下さんは、NPO法人bootopia代表理事で、島根県で高校生向けの下宿屋を運営しながら、雑誌『Rhetorica』の編集も手がけています。ほかにも、井庭研の大学院生の木村紀彦さんと川邊悠紀さんが共鳴メンバーとして参加予定です。

安西洋之さんから学生のみんなへ:「好きなことをせよ、と言われます。それはそれでいいですが、もっと大切なのは、嫌いなものを好きにすることではないでしょうか?好きな人と嫌いな料理を食べる、嫌いな人と好きな料理を食べる。どっちがいいですか?多分、好きな人と食べる嫌いな料理を食べた方が、未来が開けると思います。なんだ、こんなつまらないことで偏見を持っていたのか!という発見が多いでしょう。ぼく自身、嫌いなものがたくさん好きになりました。嫌いだったイタリアに来て、トリノのバロック建築が自分なりに解釈できてイタリアを好きになったとか。経営学視点からのデザインなんてつまらないと思っていたら、そういう本の監訳をして、その内容のエバンジェリストになってしまったとか。つまり、 ”今” を変えるヒントはたくさんありますが、一番手っ取り早いのは、自分の嫌いの理由を好きな人と一緒に見つけていくことかもしれません。」

市川文子さんから学生のみんなへ:「みなさん、こんにちは、市川文子です。元SFC生で、藤沢にはたくさんの思い出が詰まっています。卒業してすぐフィンランドに飛び立ち、10年近くグローバルカンパニーに勤めましたが、思うところがあってリ・パブリックという会社を起業。7年が経とうとしています。今回みなさんと考えたいこと。それは「トランスフォーメーション」です。みなさんきっと「将来何になりたい?」と聞かれた経験は一度や二度ではないでしょう。そう、あの大人が聞くめんどくさいヤツです。でも実はこの質問、世の8割の人が答えを持っていないそうです。ではこう聞いたらどうでしょう。「あなたは将来どういう人間へと成長したいのか?」――私は毎年数百人の学生や起業家、社会人と出逢いますが、実はこの質問こそがすべてのスタート地点なのだと気がつきました。一人の人間の成長こそが、自分はもちろん、地域や世界の変化の起点だと言ったらみなさんはどう思われるでしょう。そんな視点で未来を一緒に考えていけたら、と思います。」


第3・4回(10/9):「ナチュラル × ローカル × クリエイティブなまち・コミュニティをつくる」
小泉寛明 × 山崎満広 × 井庭崇
(× 中川敬文 × 山影実咲)

小泉寛明さんと山崎満広さんをゲストにお招きし、「ナチュラル × ローカル × クリエイティブなまち・コミュニティをつくる」ということについて語り合います。

小泉寛明さんは、神戸を中心に個性的なリノベーション物件を紹介・仲介する「神戸R不動産」の運営、EAT LOCAL KOBE FARMERS MARKET(朝市)やFARMSTAND(地産地消型グローサリーショップ)の運営、KITANOMAD(コワーキング)やケハレ(農業スクールと農泊)の運営をしながら、有志のメンバーで「神戸から顔の見える経済をつくる会」を結成し活動しています。小泉さんたちは、人口減少時代の始まりにおいて生じている問題・課題の局面を打開するのは「創造的な仕事」であり、今神戸でそういう取り組みが同時多発的に生まれていると言います。そこでは、都市と農業との近い関わり、あるものでつくる「スモールビジネス」、「顔の見える経済」「ローカルエコノミー」へのシフト、ポートランド、ヘルシンキ、ビルバオ、メルボルンなどの「ミッドサイズ・シティ」、ノウハウやお金が地域に残る仕組み、などこれからのまち・コミュニティを考える上でのヒントとなる考え・実践が展開されています。その考え・実践については、『ローカルエコノミーのつくり方:ミッドサイズの都市から変わる仕事と経済のしくみ』の本にまとめられています。

山崎満広さんは、アメリカ・オレゴン州のポートランド市開発局で国際事業開発オフィサーをされた後、設立したCreative City Labの代表理事として、持続可能な社会の実現を目指し、日本でいろいろな企業やまちのアドバイザーやコンサルティングをされています。『ポートランド:世界で一番住みたい街をつくる』『ポートランド・メイカーズ:クリエイティブコミュニティのつくり方』などの著作があり、井庭研究室では、「ナチュラル × ローカル × クリエイティブなまち・コミュニティ」のパターン・ランゲージの作成の共同研究でご一緒させていただきました。

この回には、地方の「人口減少の克服」「地域経済の活性化」に取り組んでいる中川敬文さんにも共鳴ゲストとして参加いただきます。中川さんは、キッザニアを始めとして、魅力的なホテルやレストランを多数、企画・設計・運営しているUDS株式会社の社長を早期退任後、宮崎県都農町のまちづくりを本格的、集中的に実施するため、東京から単身移住し、株式会社イツノマを設立し、取り組んでいます。井庭研と共同研究で『おもてなしデザイン・パターン』や『プロジェクト・デザイン・パターン』を作成・出版をしています。

ほかにも、井庭研で「ナチュラル × ローカル × クリエイティブなまち・コミュニティ」のパターン・ランゲージの作成プロジェクトの学生リーダーをしていた山影実咲さんにも共鳴メンバーとして参加してもらい、パターンを紹介してもらう予定です。

小泉寛明さんから学生のみんなへ:「大学を出てから20数年、引っ越しした回数は数えて30回になる引越魔です。興味本意で実験的なものもあれば、ライフチェンジで仕方なく引っ越ししたこと、良い物件をたまたま見つけて思わず引っ越ししてしまったこともあります。その間、社会は大きく変化しました。僕らが生きた過去の20年よりも、これから20年はより面白い変化があると思います。柔軟に生きることが大事な世の中、ぜひ好奇心を持っていろんなことを感じてもらえればと思います。」

山崎満広さんから学生のみんなへ:「SFCの皆さん初めまして。20歳で単身アメリカに渡り、24年間いろんな町に住んで転職6回、起業も1回していて、日本でも有数のユニークなキャリアを持っていると自負してる山崎です。今回はすごいメンバーが登場する贅沢なセッションに呼んでもらえたので、是非いろいろ面白い質問を投げかけてほしいです!」


第5・6回(10/16):「働く喜び・生きがいを育む」
前田隆行 × 若野達也 × 小島希世子 × 井庭崇
(× 金子智紀 × 岩田華林)

前田隆行さんと若野達也さん、小島(おじま)希世子さんをゲストにお招きし、「働く喜び・生きがいを育む」ということについて語り合います。

前田隆行さんは、高齢者が通うデイサービス「DAYS BLG!」で、認知症であっても、働くなかで自分の役割を見つけ、人の役に立っていると感じることができるという仕組みをつくられています。介護保険制度のもとサービスを利用しながら働くということができるように、行政や企業とも交渉を重ねた結果、実現したものです。これは、「ケアする/される」という構図ではなく、一人ひとりが「働く」ことを通じて達成感や、「人の役に立っている」という感覚、そして、居場所と仲間を得ることにつながる機会をつくっていると言えます。

若野達也さんは、奈良を拠点として一般社団法人SPSラボ若年認知症サポートセンター「きずなや」で、若年性認知症の人たちの相談や就労支援などのサポート、新しい仕事づくりに取り組んでいます。若年性認知症は40才前後からなり得るもので、 10年くらい前のデータで約4万人いると言われています。「高齢者」よりも若く、まだ元気に動ける年齢です。若野さんは、若年性認知症の方々が仕事を失い、居場所を失うという現状に対して、一緒に「地域の困りごとの解決」に貢献するという道を開きました。閉鎖されたままになっていた梅林の草刈りから始め、梅の木を始めとして苗を植えるという福祉農業連携プロジェクトなどを行っています。

小島希世子さん(SFC卒業生)は、藤沢で自ら農業をするとともに、体験農園・貸し農園「コトモファーム」を運営しています。そこまでであれば、地域に開かれた農家さんがやっていることかもしれませんが、小島さんの「農スクール」はその範囲を大きく超えた視野での取り組みです。小島さんの「農スクール」では、ホームレスやひきこもりの人たちが農作業を経て、自立していくということが起きています。人間関係や社会的なしがらみで精神的に疲れてしまった人たちが、土に触り、ゆるやかな協働作業、植物の生命力や成長の喜びを感じていくなかで、変わっていくのでしょう。これらのことは、『ホームレス農園:命をつなぐ「農」を作る! 若き女性起業家の挑戦』や『農で輝く!:ホームレスや引きこもりが人生を取り戻す奇跡の農園』の著作でも紹介されています。「都市主義の限界」を自然とのかかわりのなかで取り戻していく、という可能性を感じます。

この回には、井庭研の大学院生の金子智紀さんと岩田華林さんも、共鳴メンバーとして参加してもらいます。金子智紀さんとは、『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』や最近の「ともに生きることば:最期までその人らしく生きる支援のためのヒント」を交え、岩田華林さんとは「幸せに生きることば(仮)」(幸せに生きるためのパターン・ランゲージ)を交えて、語っていきたいと思います。

若野達也さんから学生のみんなへ:「思わぬ出来事がおき、孤立環境での生活や強い孤独感を感じ、生きることに悩みをもつ人たちがいる。その人たちの中で、誰かに助けて欲しいのではなく、自分の力で悩みを解決できる術を望む人たちがいる。しかし、その人たちの環境で、その術を1人で得ることは難しい。そのため多くの人は、さらに深い悩みを抱えてしまう。深い悩みになる前に、きずなやでは、悩みをもつ人たちと一緒に、この社会にない、その人たちの望む新しい居場所や仕組みを、本人が主体的につくるための応援をしています。」

小島希世子さんから学生のみんなへ:「人生長くて100年。この与えられた時間を、どこで、どのように、誰のために使うか。これから皆さんは自分の意志でこの与えられた時間をどう使うか決めていかれるかと思いますが、私は、自分も含め、1人でも多くの人が餓死しない未来を目指して、作物をつくったり、作物の作り方を教えたり、作る人(生産者)を増やすような取り組みをして生きています。皆さんの倍近く生きていますが、まだまだ道半ばです。こんなOG(2002年環境情報卒)もいるんだなーと何かしらの参考にしてもらえると嬉しいです。」


第7・8回(10/23):「楽しさと面白さの体験をつくる」
上田信行 × 塚越暁 × 井庭崇
(× 市川力 × 新田莉生 × 宗像このみ)

上田信行さんと塚越暁さんをゲストにお招きし、「楽しさと面白さの体験をつくる」ということについて語り合います。

上田信行さんは、同志社女子大学名誉教授で、人と人が織りなすコミュニケーションから豊かな学びの場をつくる「プレイフル・ラーニング」の実践・研究に取り組んでいます。また、奈良県吉野川のほとりに実験的アトリエとして「ネオミュージアム」をつくり、館長として、さまざまな実験的ワークショップを手がけられています。『プレイフル・ラーニング』『プレイフル・シンキング』などの著作があります。

塚越暁さんは、自然のなかで遊ぶことを大切にする「原っぱ大学」ガクチョーとして、子どもたちと一緒に楽しみながら、自然のなかで遊ぶ体験の組織づくりに取り組んでいます。また、一般社団法人みつかる+わかるにおいて、市川力さんや原尻淳一さんと僕の4人で、大人と子どもの関わりや「ジェネレーター」についてなどについて、一緒に探究しています。

この回では、物事を面白がりながら好奇心をもって探究して学んでいくということの実践・研究に取り組んでいる市川力さんにも共鳴ゲストとして参加いただきます。市川さんは、大人と子どもがともに探究者となってミッションをたくらみ実践していくなかで柔軟かつ豊かな認識力が育まれるという学び方の機会を提供するとともに、それを広める活動をされています。特に「感度=Feel ℃」が上がるフィールドワーク「Feel℃ Walk」の機会を実践・普及させています。『探究する力』『英語を子どもに教えるな』などの著書があり、『科学が教える、子育て成功への道』(キャシー・ハーシュ=パセック, ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ)の訳を手がけているほか、井庭編著の『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』でも対談しています。

またこの回には、井庭研の大学院生の新田莉生さんと、研究員の宗像このみさんが共鳴メンバーとして参加予定です。

上田信行さんから学生のみんなへ:「みなさん、始めまして、上田信行です。奈良県の吉野というところで、世界一小さなプライベートミュージアムを運営しています。ネオミュージアム(neomuseum)という名前をつけて、1990年に誕生しました。みなさんがまだ生まれていない、そんな昔に、展示物のないミュージアムを創ろうと思ったのです。活動が展示物(事)になるようなミュージアムをつくっちゃおうと。当時、そんなのミュージアムじゃないといろんな方々から言われました。で、いつもこう答えていました。ミュージアムではありません、「ネオミュージアム」ですと。もし、みなさんが何か新しいことを始めたいと思ったら、それに名前をつけて、勇気を持って挑戦してください。そうすると、あなたは世界を変えることができます。さあ、みなさん、Rock to Change the World!」

塚越暁さんから学生のみんなへ:「皆さん、こんにちは。原っぱ大学“ガクチョー”の塚越です。神奈川県逗子市、千葉県佐倉市、大阪府茨木市の3拠点で「大人と子どもが思い切り遊ぶ」場を作っています。遊ぶことに目的はいらない、理由もいらない、成果も求めない、学びもいらない。ただ、その瞬間にその人が感じるままに、興味の赴くままに過ごす。原っぱ大学はそんな場です。自分の中から湧き上がる言葉になる前の思いに身をゆだねる経験をたくさん積み重ねることが大人にとっても子どもにとってもとても大切なことです。「楽しさと面白さ」はそうやってぶわーーっと自分の内側から溢れてくるものだと信じています。この授業の時間そのものが僕らにとって、皆さん自身にとってそんな風に「楽しさと面白さ」があふれ出る時間になったらと思います。一緒に楽しみましょうー!」


第9・10回(10/30):「自然のなかで自然に生きる」
三田愛 × 五井野太志 × 山田貴子 × 井庭崇
(× 井上英之 × 長井雅史)

三田愛さん、五井野太志さん、山田貴子さんをゲストにお招きし、「自然のなかで自然に生きる」ということについて語り合います。

「自然のなかで」は自然環境という「外なる自然」(outer nature)のなかで生きるということを表し、「自然に」は「内なる自然」(inner nature)に従い、生命としての人間らしく・自分らしく生きていくということを表しています。その両面が重なり合う「自然のなかで自然に生きていく」(natural living)ということを考えていきたいと思います。

三田愛さんは、リクルート地域創造部じゃらんリサーチセンター研究員で、コクリ!プロジェクトを立ち上げ、コ・クリエーション(共創)によって地域・社会にシステム変容を起こしていくことを実践・研究しています。地域イノベーター・首長・経営者・官僚・農家・クリエイター・大学教授・社会起業家など多様な300名で構成されるコ・クリエーション(共創)コミュニティとなっています。現在は、人・社会におけるコ・クリエーションだけでなく、生態系全体が調和し、共生・共存・共創する「地球中心・生態系全体のコ・クリエーション」に向けて取り組んでいます。木や山など自然をこよなく愛し、葉山・東京の二拠点生活を経て、現在は千葉いすみに移住しています。

五井野太志さんは、長野県の軽井沢町塩沢村に移住し、ソフトウェア開発、マルチメディア、映像制作などを手がける一方で、「軽井沢ネイチャークラブ」を主宰し、里山キャンパスプログラムを企画・実施しています。そこでは、不耕作農地と山林を10年かけて里山に戻す活動や、塩沢村エコミュージアム、そして、田んぼ、畑、道、古民家、昆虫、木こりなどの文化をクラブ活動化しています。移住者向け賃貸アパートHauskaの事業を手がけ、古民家をリノベーションして、サテライトオフィス、コワールーム、マクロビ食堂にリニューアルしています。また、最近は、世界一のコーヒー焙煎士を育成するアトリエ、Nakajiをオープンしました。井庭研も、田植えに参加したことがあり、これからも関わっていければと思っています。

山田貴子さん(SFC卒業生)は、生まれた環境に関係なく、1人1人が自分の心のワクワクに正直に未来を選択でき、誰もが夢と自立を実現できる社会を目指し、フィリピンの貧困層の若者と一緒に事業を立ち上げ活動しています。大学院修士1年のときに、フィリピンの貧困層の若者が、日本人にオンラインで英語を教えるという「ワクワーク・イングリッシュ」を立ち上げました。それは、「援助する・される」という関係ではなく、プロフェッショナルに誇れる仕事を持って生きていくということを可能とする取り組みになっています。そのような活動をしている山田さんは、神奈川、軽井沢、フィリピン・セブ島の三拠点生活の経験があり、五井野太志さんの活動に参加している一人でもあります。

この回には、マインドフルネスとソーシャル・イノベーションを組み合わせたリーダーシップ開発に取り組んでいる井上英之さんにも共鳴ゲストとして登壇いただきます。井上さんは、社会起業家の育成・輩出に取り組み、『社会変革のためのシステム思考実践ガイド』、『社会起業家になりたいと思ったら読む本』、『ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室 ―― Transform Your Results』の序文等でその重要性・意義を日本に広く紹介し、ソーシャル・イノベーションの分野を育成してきました。井上さんも五井野太志さんの活動に参加している一人です。

ほかにも、SFC井庭研卒業生の長井雅史さんにも共鳴メンバーとして参加いただきます。コーチングを実践してきた長井さんは、井庭研でオープンダイアローグの対話を一緒に研究し、『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』をともに書きました。長井さんも現在、自然のなかでの暮らしをしています。

五井野太志さんから学生のみんなへ:「27歳の時に、豊かな暮らしを求め、神奈川県から長野県に移住しました。夢を見るのが好きで気がついたら 48 歳です。夢は叶えるものとはよく言いますが 10年に一つ夢を叶えると人生で何回か夢が叶います。私は夢を見ることから全てが始まると信じています。行動力を大切にしています。行動するたびに未来の自分と出会い、過去の自分にありがとうと感謝を伝えてきました。生きながらして、より早く生まれ変わる唯一の方法ではないでしょうか。勝とうが負けようが他人に頼らない生き方を志しています。何でもいいのですが、守らなければならない大切なものがあるなら、自分の足で進む覚悟が必要だと思うのです。」

山田貴子さんから学生のみんなへ:「みなさん、はじめまして!SFCの卒業生でもある、やまちゃんです。みなさんはいま、どんなことを感じて、どんなことを大切にして、毎日を生きていますか? 私は、神奈川県の小さな町、湯河原に生まれました。小さい頃からおばあちゃんっこで、おばあちゃんが90歳の時におばあちゃんのルーツをたどるドキュメンタリーを撮りました。小さい頃に好きだった食べ物を聞いたとき、「おかあさんがつくったカレー」と答えたおばあちゃん。ああ、そうか!おばあちゃんにも大切なお母さんがいたんだなぁ〜と、私の今の命にたどり着くまでの、大きな物語を感じました。私につながるこれまでのたくさんの奇跡のような物語、今、そしてこれからの未来。私はどんな未来を子どもたちに届けられるだろう?どんな世界をつくりたいんだろう?私はなにをしたいんだろう?そんなことを感じ、考えながら、自分の心の声に正直に、毎日を生きています。みなさんは今、なにを感じていますか?みなさんと授業でお会いできること、楽しみにしています!Be true to the voice in your heart ⭐︎」


第11・12回(11/6):「いとおしさのデザイン」
鞍田崇 × 渡邉康太郎 × 井庭崇
(× 鎌田安里紗 × 梅若美和⾳ × 鈴木崚平)

鞍田崇さんと渡邉康太郎さんをゲストにお招きし、「いとおしさのデザイン」ということについて語り合います。

鞍田崇さんは、無名の職人が手がけた生活道具に注目する柳宗悦の「民藝」の現代的意義を問うことを呼びかけています。鞍田さんは、民藝に「用の美」だけでなく、「いとおしさ」(インティマシー)という価値を見出しています。『民藝のインティマシー:「いとおしさ」をデザインする』や〈民藝〉のレッスン:つたなさの技法』などの著作において、民藝における「いとおしさ」の感性・感受性こそが、これからの「人間らしい」社会と暮らしのあり方を考えるための重要な手がかりとなると語っています。単に「自然に帰れ」という自然回帰ではなく、生きること・存在することへのまなざしのなかで「いとおしさ」を感じることができる人間性を取り戻す、そのような未来に向けて、現代の私たちは民藝から学び、捉え直すぶことができるというわけです。

渡邉康太郎さん(SFC卒業生)は、Takramのパートナー/ディレクターを務めるコンテクストデザイナーであり、J-WAVEのラジオ番組『TAKRAM RADIO』でナビゲータなどもされています。「一輪の花に言葉を添えて贈る」というコンセプトのISSEY MIYAKEの「FLORIOGRAPHY」、使い続けていくうちに中からメッセージが現れるラリトプールのギフト商品「Message Soap, in time」、一週間に一冊の本だけが置かれる書店「森岡書店」などを手がけてきました。著書の『コンテクストデザイン』は一般流通させず、トークイベントと連動して販売するなど、本の届け方にも工夫があります。「矛盾をはらむもの」「分類不可能なもの」に着目し、「幸せな誤読」を生むことに魅力を感じながら、触れた人にそれぞれの「ものがたり」が生まれるような「ものづくり」を、「コンテクストデザイン」として提唱・実践しています。

この回には、井庭研の大学院生の鎌田安里紗さん、梅若美和⾳さん、鈴木崚平さんにも共鳴メンバーとして登壇いただきます。鎌田さんは、エシカルファッションプランナーとして、ものがつくられる過程や使い終わったものの行く末にもまなざしを向け、ものとつきあっていくということを若い世代に伝え、実践を支援しています。梅若さんは能の家の出身として小さなときから能の世界で生きてきて、現在、「風姿花伝」の現代版パターン・ランゲージを作成中です。鈴木さんは音楽に潜む秩序・構造を研究中です。このような多彩な大学院生も交え、いとおしさのデザインということについて語り合っていければと思います。

鞍田崇さんから学生のみんなへ:「十七歳の春、僕は家出した。午前四時、暗く、まだ肌寒い街をあとにした。行くあてなんてない。ここにはいられないという衝動のまま。『ここ』というのは、家であり、学校であり、日常のいっさいがっさい。つまり、ゲンジツトウヒ。ただ、あの時飛び出していなかったら、いまの自分はない。こう、なんだろうモヤモヤした感じ、心の中のノイズみたいなもの――たとえば、これが本当にしたいことなのかという問いかけ。そうしたものたちにはじめて、 愚直にも正面から向かい合ったのが、この家出だった。それでスッキリしたわけじゃなく、その後の人生では、さらに上手のモヤモヤに潰れそうになったこともあるけれど、結果、いつも自分のノイズに耳をそばだててきた気がする。いまだってそうだ。家出こそしないものの、あたりまえのままにスルーできない何かが僕を駆り立てる。土地へ、自然へ、手仕事へ。ひとのノイズに応じるのは得意ではないけれど、それをないがしろにしない、まだ見ぬ誰かと出会うのを楽しみにしながら。」――これは、以前、明治大学のパンフに寄せた文章ですが、同じ気持ちが、この授業で出会うだろうみなさんに対してもあるなあと思って。楽しみにしています。


【履修選抜課題】
受入学生数(予定):200人程度を想定
※200人としていますが、希望者が多ければ、最大900人まで受け入れる可能性があります。

選抜方法:課題提出による選抜

「自己紹介 × 未来ヴィジョン」シート

担当教員とゲスト登壇者に向けて、自己紹介+自分の未来ヴィジョンを、1ページで魅力的に表現してまとめて提出してください。

自分のこれまでと今の興味・やっていること等を紹介するとともに、これからの自分の方向性ややりたいこと・夢・挑戦などのヴィジョンを魅力的に表現してください。必ずジャスト1ページに収め(多すぎず少なすぎず)、そのなかに「名前」と「ふりがな」を入れ、自分の人となりを表す「写真」も含めるようにしてください(写真はアップでも遠景でも構いませんし、紙面が許すならば複数入れても構いません)。

この「自己紹介 × 未来ヴィジョン」シートでは、文字だらけのいわゆる志望理由書やレポートのようなものを求めていません。紙面を文章で埋めるのではなく、パッと見て・読んで理解できるように、短めの文を配置したりして、わかりやすさを心がけてください。ビジュアル要素も入れて魅力的に表現してほしいと思います。また、アップできるファイル容量には制限があるということと、〆切直前はシステムが重くなるので、それらの点にも注意して早めの準備・提出をしてください。

担当教員とゲスト登壇者が見て「履修者にはこういう人がいるんだ!」と魅力的に感じられるような1枚にしてほしいと思います(実際にゲスト登壇者に事前にファイルを共有します)。

提出の際には、必ずPDFファイルで提出してください。

今年は教室の制約もないことから、基本的にはより多くの人を受け入れたいと思っていますが、上記の内容や形式の要件を満たしていない人(内容が薄すぎる、文章ばかりのものになっている、分量的に少なすぎるか多すぎる、PDFではないファイル形式での提出など)は、授業中・課題等でも同様の可能性があるため、定員人数にかかわらず履修不許可とするので、注意してください。


【提出課題・試験・成績評価の方法など】

成績評価は、出席、授業中の議論への参加、宿題、期末レポート等から総合的に評価します。


【履修上の注意】

  • 毎週、授業の直後1時間の間に、出席確認の提出物を出してもらいます。
  • 毎週、授業から自分が学んだことをまとめる宿題とともに、文献(教科書)を読んでまとめを提出する文献読解宿題も出ます。
  • 登壇者については、シラバス執筆時での予定・見通しのもと計画していますが、不確実な状況下ですので、止むを得ない事情で登壇できない方が出たり、変更が生じたりする場合もあります。その場合には授業中に、お知らせします。


    【教材・参考文献】
    教科書


    参考文献

    • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011年)
    • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年)
    • 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019)
    • 『創造性とは何か』 (川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010年)
    • 『ハイ・コンセプト:「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク, 三笠書房, 2006年)
    • 『「都市主義」の限界』(養老孟司, 中央公論新社, 2002)
    • 『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007年)
    • 『未来を創るこころ』(石川 忠雄, 慶應義塾大学出版会, 1998)

    • 『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する〈意味〉の戦略的デザイン』(安西 洋之, 晶文社, 2020)
    • 『デザインの次に来るもの:これからの商品は「意味」を考える』(安西洋之, 八重樫文, クロスメディア・パブリッシング, 2017)
    • 『突破するデザイン:あふれるビジョンから最高のヒットをつくる』(ロベルト・ベルガンティ 著, 八重樫 文, 安西 洋之 監訳・解説, 日経BP, 2017)
    • 『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』(安西洋之, クロスメディア・パブリッシング, 2014)
    • 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?』(安西洋之, 中林鉄太郎, 日経BP, 2011)
    • 『ヨーロッパの目 日本の目』(安西洋之, 日本評論社, 2008)
    • 『MOMENT 1 : -able City / エイブルシティ』(リ・パブリック, 2019)
    • 『MOMENT 2:都市の変わらなさに戸惑うとき私たちのすること』(リ・パブリック, 2020)
    • 『シリアル・イノベーター:「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀』(アビー・グリフィン, レイモンド・L・プライス, ブルース・A・ボジャック, 市川文子、田村大 監訳)

    • 『ローカルエコノミーのつくり方:ミッドサイズの都市から変わる仕事と経済のしくみ』(神戸から顔の見える経済をつくる会, 学芸出版社, 2019)
    • 『ポートランド:世界で一番住みたい街をつくる』(山崎 満広, 学芸出版社, 2016)
    • 『ポートランド・メイカーズ:クリエイティブコミュニティのつくり方』(山崎 満広 編著, 学芸出版社, 2017)
    • 『おもてなしデザイン・パターン:インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』(井庭崇, 中川敬文, 翔泳社, 2019)

    • 『ホームレス農園:命をつなぐ「農」を作る! 若き女性起業家の挑戦』(小島希世子, 河出書房新社, 2014)
    • 『農で輝く!:ホームレスや引きこもりが人生を取り戻す奇跡の農園』(小島希世子, 河出書房新社, 2019)
    • 『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』(井庭 崇, 岡田 誠 編著, 慶應義塾大学 井庭崇研究室, 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ, 丸善出版, 2015)

    • 『プレイフル・ラーニング』(上田信行, 中原淳, 三省堂, 2012)
    • 『プレイフルシンキング[決定版]:働く人と場を楽しくする思考法』(上田信行, 宣伝会議, 2020)
    • 『探究する力』(市川力, 知の探究社, 2009)
    • 『科学が教える、子育て成功への道』(キャシー・ハーシュ=パセック, ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ 著, 今井 むつみ, 市川力 訳, 扶桑社, 2017)
    • 『英語を子どもに教えるな』(市川力, 中央公論新社, 2004)

    • 『ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室 ―― Transform Your Results』(ジェレミー・ハンター, 稲墻 聡一郎 著, 井上英之(序文), プレジデント社, 2020)
    • 『社会変革のためのシステム思考実践ガイド:共に解決策を見出し、コレクティブ・インパクトを創造する』(デイヴィッド ・ピーター・ストロー著, 井上英之(日本語版まえがき), 英治出版, 2018)
    • 『社会起業家になりたいと思ったら読む本:未来に何ができるのか、いまなぜ必要なのか』(デービッド・ボーンステイン, スーザン・デイヴィス著, 井上英之(序文), ダイヤモンド社, 2012)
    • 『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』(井庭 崇, 長井 雅史, 丸善出版, 2018年)

    • 『民藝のインティマシー:「いとおしさ」をデザインする』(鞍田 崇, 明治大学出版会, 2015)
    • 『〈民藝〉のレッスン:つたなさの技法』(鞍田崇+フィルムアート社編集部 編, フィルムアート社, 2012)
    • 『コンテクストデザイン』(渡邉康太郎, Takram, 2019)
    • 『ストーリー・ウィーヴィング』(渡邉康太郎, ダイヤモンド社, 2011)
    • 『enjoy the little things: Fashion, Beauty, Private and more!』(鎌田 安里紗, 宝島社, 2015)
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    慶應義塾大学SFC「パターンランゲージ」2020シラバス

    「パターンランゲージ」
    慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
    担当教員:井庭 崇, 鎌田 安里紗
    開講:2020年度春学期(前半:5・6月)
    曜日時限:金曜4・5限(オンライン開講)

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    【主題と目標/授業の手法など】

    この授業では、一人ひとりがもつ創造性を支援するためのメディア「パターンランゲージ」について、その考え方と作成方法を体験的に学びます。パターンランゲージでは、創造・実践の経験則(コツ)を「パターン」という小さな単位にまとめ、言語化します。

    2020年度の授業では、「ナチュラルにクリエイティブに生きる」をテーマとしてパターンランゲージをつくる体験をします。ここでいう「ナチュラル」には、自然(環境)とのつながり・共生という意味と、自分らしい自然なあり方という意味の両方が含まれています。また「クリエイティブ」では、いわゆるデザイナーやアーティストといった専門的な職の人に限らず、どんな分野の仕事においても、また日々の暮らしにおいても発揮されるような一人ひとりの日常的な創造性を想定しています。

    このように、この授業では、「自然とつながり、自分らしい自然なあり方で、創造性を生かしながら生きる生き方」を探究しながら、それをパターンランゲージにしていきます。

    なお、2020年度の授業は全回、オンラインで行います(Zoomで行う予定)。また、パターンランゲージについて多面的に理解を深めてもらうために、授業と並行して文献を読む宿題を毎週出すので、授業初回までに早めに、書籍 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』を入手しておいてください。


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    【授業計画】

    第1回:パターンランゲージとは
    パターンランゲージとはどのようなもので、どう使うことができるのかを学びます。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第2回:パターン・マイニング
    パターンランゲージの作成プロセスを知り、その最初のフェーズである「パターン・マイニング」(パターンの掘り起こし)について学びます。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第3回:パターン・マイニング対談#1
    井庭・鎌田による「ナチュラルにクリエイティブに生きる」をテーマとした対談を聴き、そこからパターンランゲージにするコツ・内容を抽出します。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第4回:パターン・マイニング対談#2
    井庭・鎌田による「ナチュラルにクリエイティブに生きる」をテーマとした対談を聴き、そこからパターンランゲージにするコツ・内容を抽出します。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第5回:体系化とパターン・ネーミング
    対談から抽出した種を用いて、全体の体系を構築し、個々のパターンの位置づけを把握します。その上で、個々のパターンに名前をつけます。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第6回:CPSライティング
    個々のパターンのContext, Problem, Solution(CPS)をそれぞれ一文で書き下します。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第7回:パターンの形式と表現
    パターンの形式とその表現について学びます。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第8回:パターン・ライティング
    パターンの詳細の記述をどのように書き込んでいくのか、そして、それをどのようによりよくしていくのかについて学びます。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第9回:パターン・レビュー
    グループワークで書いてきてもらったパターンのドラフトをいくつか取り上げ、どのような点に気をつけて修正していくのかを学びます。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第10回:パターン・イラストレーティング
    パターン・イラストの描き方の方法とコツを学びます。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第11回:パターンランゲージの仕上げ
    グループワークで書いてきてもらったパターンのドラフトをいくつか取り上げ、どのような点に気をつけて修正していくのかを学びます。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)

    第12回:グループの担当パターンの仕上げ
    グループワークで担当パターンの仕上げをします。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)※通常授業日以外

    第13回:グループの担当パターンの仕上げ
    グループワークで担当パターンの仕上げをします。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)※通常授業日以外

    第14回:グループの担当パターンの仕上げ
    グループワークで担当パターンの仕上げをします。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)※通常授業日以外

    第15回:パターンランゲージが拓く未来 & 授業の振り返り
    パターンランゲージはどのような未来を可能とするのかについて考えます。また、この授業を振り返ります。(担当:井庭 崇、鎌田 安里紗)


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】
    成績は、授業への参加、グループワークでの貢献と成果、文献読解の宿題、最終レポートから総合的に評価します。


    【履修上の注意】

  • 授業は全回、オンラインで行いますので(Zoomで行う予定)、受講に適した通信環境で参加してください。

  • 授業と並行して、文献を読んでまとめを提出する個人宿題が毎週出ます。授業初回までに早めに、書籍 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 慶應義塾大学出版会)を入手しておいてください。

  • 授業外で少人数のグループワークをオンラインで行ってもらいます。途中で放棄することなく、最後までやり切ってください。


    【学生が準備するソフト・機材】
  • Zoom(https://zoom.us/ より無料でインストール可能)


    【履修選抜課題】
    受入学生数(予定):約 80 人
    選抜方法:課題提出による選抜

    次の(1)~(3)についてそれぞれ書いたエントリーレポートを提出してください。冒頭に学年、学籍番号、CNSアカウント名、名前を明記し、ファイルはPDF形式で提出してください。

    (1) 今年度のテーマである「ナチュラルにクリエイティブに生きる」ということを探究することは、あなたにとってどのような意味・意義があると考えますか。また、「ナチュラルにクリエイティブに生きる」ことの実践を支援する言葉(パターンランゲージ)があると、どのような人のためになると思いますか? あなたなりの考えをまとめてください。

    (2) 「ナチュラルにクリエイティブに生きる」ということについて、あなたなりのコツや大切にしていることを、箇条書きで書き出してください。

    (3) 「A. 創造的な暮らし」「B. 自然(環境)との関わり」「C. 心身ともに健康に生きる」の3つの小テーマのうち、どれに興味がありますか? 第一希望と第二希望を教えてください。「どれも興味がある」「どれでもよい」という人はそれでもよいので、その旨、教えてください。

    ◯エントリー〆切日時:2020年4月13日(月) 17:00
    ◯履修許可者発表日時:2020年4月15日(水) 17:00


    【教材・参考文献】

    教科書
  • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年)

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    参考文献
  • 『対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』(井庭 崇, 長井 雅史, 丸善出版, 2018年)
  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016年)
  • 『おもてなしデザイン・パターン:インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』(井庭 崇, 中川 敬文, 翔泳社, 2019年)
  • 『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』(井庭 崇, 岡田 誠 編著, 慶應義塾大学 井庭崇研究室, 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ, 丸善出版, 2015年)
  • 『園づくりのことば:保育をつなぐミドルリーダーの秘訣』(井庭 崇, 秋田 喜代美 編著, 野澤 祥子, 天野 美和子, 宮田 まり子, 丸善出版, 2019年)
  • 『ミラパタ(未来の自分をつくる場所:進路を考えるためのパターン・ランゲージ)ブックレット&カード セット』(クリエイティブシフト, 2017)
  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇+井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013年)
  • 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019年)
  • 『時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993年)
  • 『パタン・ランゲージ:環境設計の手引』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1984年)
  • 『Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン』(Mary Lynn Manns, Linda Rising, 丸善出版, 2014年)
  • 『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡浩一郎, 技術評論社, 2009年)
  • 『A Tale of Pattern Illustrating:パターンイラストの世界』(原澤 香織, 宮崎 夏実, 櫻庭 里嘉, 井庭 崇, CreativeShift, 2015)


    【担当教員】

    井庭 崇(いば たかし)
    1974年、神奈川生まれ。慶應義塾大学総合政策学部 教授。株式会社クリエイティブシフト代表取締役社長、一般社団法人みつかる+わかる 理事、および、パターン・ランゲージの学術的な発展を促す国際組織 The HillsideGroup 理事も兼務。2003年、慶應義塾大学政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。
    様々な創造実践領域の研究を通じて、創造とはどういうことかを明らかにするために、創造システム理論を構築・提唱している。また、創造社会(Creative Society)の実現に向けての社会論、および、創造実践の支援の方法としての「パターン・ランゲージ」の作成・研究に取り組んでいる。井庭研メンバーと作成したパターン・ランゲージは、多様な分野の60種類以上にのぼり、その数は、1600パターン以上となる。
    編著書・共著書に『複雑系入門』(NTT出版、1998年)、『社会システム理論』(慶應義塾大学出版会、2011 年)、『パターン・ランゲージ』(慶應義塾大学出版会、2013年)、『プレゼンテーション・ パターン』(慶應義塾大学出版会、2013年:2013年度グッドデザイン賞受賞)、『旅のことば』(丸善出版、2015年)、『プロジェクト・デザイン・パターン』(翔泳社、2016年)、『対話のことば』(丸善出版, 2018年)、『おもてなしデザイン・パターン』(翔泳社, 2019年)、『園づくりのことば』(丸善出版, 2019年)、『クリエイティブ・ラーニング』(慶應義塾大学出版会, 2019年)など。2012年にNHK Eテレ「スーパープレゼンテーション」で「アイデアの伝え方」の解説を担当。

    鎌田 安里紗(かまだ ありさ)
    1992年、徳島県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部非常勤講師。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程在籍。高校進学と同時に単身上京。在学中に雑誌『Ranzuki』でモデルデビュー。エシカルな取り組みに関心が高く、フェアトレード製品の制作やスタディ・ツアーの企画などを行っている。衣食住やものづくりについて探究する「暮らしのちいさな実験室Little Life Lab」を主宰。著書に『enjoy the little things』(宝島社)。環境省「森里川海プロジェクト」アンバサダー。
    これまでに中心的に作成したパターン・ランゲージは、「Ethical Lifestyle Patterns」、「Personal Culture Patterns」、制作に関わったのは「コラボレーション・パターン」、「Generative Beauty Patterns」、『旅のことば:認知症とともによりよく生きるた めのヒント』(イラストも担当)、『おもてなしデザイン・パターン: インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』、「Pattern Writing Patterns」など。


    ※ 学期後半には、同じ金曜4・5限に「創造システム理論」(井庭・若新)が開講されます。併せてどうぞ。
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    慶應義塾大学SFC大学院AP「ラディカル・スクール・デザイン」2019シラバス

    「ラディカル・スクール・デザイン」(Radical School Design)
    慶應義塾大学SFC大学院 政策・メディア研究科 ACADEMIC PROJECT
    担当教員:井庭崇, 神保謙, 鈴木寛, 田中浩也, 玉村雅敏, 脇田玲, 矢作尚久, 藤井進也, (仲谷正史)
    開講:2019年度秋学期 特定期間集中
    単位:プロジェクト科目 1単位

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    【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

    「教育者は他のどのような職業人よりも、遠い将来を見定めることにかかわっている」- かつて、実践的な教育哲学者ジョン・デューイは、このように述べた。SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)は創設時から、未来を見据えたラディカルな教育改革を創造実践してきた。正しくも「実験キャンパス」と位置づけられたこのキャンパスで生まれた新しい仕組みは、他の大学を始めとする教育機関に広がってきた。

    創立30周年を前に、私たちは再び、未来を見据えたラディカル(根源的かつ革新的)な学校・教育のあり方を構想し、先導的に進んでいくべきであると考える。このような問題意識のもと、本アカデミックプロジェクトでは、いわゆる教育研究ではなく、多様な視点でこれからの未来を想像し、それを見据えた大胆な発想の学校・教育のあり方・仕組みを模索・創造する。教員と学生のコラボレーションにより、これまでのSFCの延長でもなく、どこか海外にあるものの真似でもない、本当に新しいこれからの学校・教育のあり方を空想し、デザインし、実験し、表現することに取り組む。

    *   *   *

    今から30数年前、新しい学部をつくることを構想した石川 忠雄は、これからの教育について次のように考えていた。

    「過去に経験のあることが起こるのならば、過去の経験によって処理をすればよろしいのですが、過去に経験のないようなことが起こってきますと、過去の経験だけで問題を処理することはできません。したがって、当然そこではものを考えることによって、その問題を処理し、打開していくという方策をとらざるを得なくなります。……… 知識は非常に大切ですが、それだけでは間に合いません。どうしても豊かな発想で問題を発見し、分析し、推理し、判断して、実行をすることが必要になります。……… 人間が経験のない新しい現象に対応する時に使う最も重要な能力であります、『ものを考える力』を強くするという教育をどうしてもしなければならないと思います」(石川 忠雄, 『未来を創るこころ』, 1998)

    また、別のインタビューではSFCの意義について、次のように語っている。

    「藤沢みたいなところのもともとの考え方は、従来の考え方とは違うんだよね。古い学問やるんなら三田に来てやったらいい。だけど、あそこでは新しいメソドロジーで学問を展開しようという野心があったんだな。」(石川 忠雄, 相田研究会制作「SFCキャンパス革命」, 2000)

    総合政策学部初代学部長の加藤寛は、SFCのミッションを「知の再編成」とし、次のように述べている。

    「藤沢キャンパスでは …… 近代西欧が生み出した、『観照の知』、『分析の知』にあえて挑戦し、主体と客体が互いに変化する中で、問題を発見し、解決し、デザインする、『行動の知』を追求するのである。」(加藤 寛, 『慶應湘南藤沢キャンパスの挑戦』, 1992)

    2002年に書かれた「SFC21世紀グランドデザイン素案」においても、SFCの特徴として先端性と実験する精神が再確認されている。

    「SFCは、そこで実践されることが研究であれ教育であれ、つねに『先端性』にいさぎよく徹することこそ、SFCの使命であると確信しています。『実験する精神』で未知の領域に果敢に挑戦することにこそ、SFCの使命があると思います。またかつてのように、あらゆる意味で境界が明確であった二〇世紀的社会では、学問的なディシプリンに典型的にみられるように、分化と統合という方法が妥当有効であったのでしょう。しかし、今すでに展開されつつあるすべての境界が曖昧なネットワーク環境にあっては、新しい方法への模索が開始されなければならないはずです。ここでは先端性と表裏の関係として、融合という方法が価値あるものだと思います。」(小島 朋之, 熊坂 賢次, 徳田 英幸,『未来を創る大学』, 2004 所収)

    政策・メディア研究科の創設時(1994年)には、次のような目標も掲げられていたという。

    「新大学院構想委員会に期待された基本的な目標は、『今後の変化する社会において、「社会変革と自己変革を連動させることのできる競争力のある個人」を生み出す』ことは、いかにして可能なのか、そしてそれを保証する制度としての新大学院とは何かを追求することだった。」(孫福 弘, 小島 朋之, 熊坂 賢次 編著, 『未来を創る大学』, 2004 所収)

    そして、SFCについての本『未来を創る大学』では、次のような宣言が刻まれている。

    「SFCはこれからも、『未来を創る大学』として挑戦し続ける。」(孫福 弘, 小島 朋之, 熊坂 賢次 編著,『未来を創る大学』, 2004)

    *   *   *

    それでは、このような先端性と実験する精神にもとづく、これからの教育とはどのようなものになるのだろうか?

    本アカデミック・プロジェクトでは、これからの大学・学校・教育のあり方と仕組みについて、SFCを具体的ケースとして、大胆に構想し、実験しながら、実行可能な具体案としてつくり込むことに取り組む。


    【本年度の詳細 研究項目・スケジュール】

    学期中に何度か全体で集まる(いまのところ水曜日の夜を想定している)ほか、教員を含む小さなチームで活動をしていく。また、土曜日などに集中して発表・議論する場も設ける予定である。本アカデミック・プロジェクトは今学期からのスタートなので、ミーティングやプロジェクトのあり方・進め方・仕組みも、柔軟に創造的にアレンジしながら進めていきたい。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    チームでのプロジェクト活動のプロセスおよび成果、他のチームへのフィードバックや議論などにより総合的に判断する。


    【履修条件】

    与えられるものから学ぶのではなく、小さなチームで活動して成果を生み出していくなかで学んでいくスタイルをとる。各自の積極的な参加・貢献が求められるので、そのことを理解した上で履修してほしい。


    【履修上の注意】

  • 初回ミーティングの時間・場所については、SFC-SFS経由で連絡するので、この科目を登録しておくこと。


    【関連科目】
  • スチューデントビルドキャンパス(SBC)入門
  • スチューデントビルドキャンパス(SBC)実践
  • SFCスピリッツの創造
  • 創造社会論


    【教材・参考文献】

  • 『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』(井庭 崇 編著, 鈴木 寛, 岩瀬 直樹, 今井 むつみ, 市川 力, 慶應義塾大学出版会, 2019)
  • 『未来を創る大学:慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)挑戦の軌跡』(孫福 弘, 小島 朋之, 熊坂 賢次, 慶應義塾大学出版会, 2004)
  • 『未来を創るこころ』(石川 忠雄, 慶應義塾大学出版会, 1998)
  • 『慶應湘南藤沢キャンパスの挑戦:きみたちは未来からの留学生』(加藤 寛, 東洋経済新報社, 1992)
  • 『教育改革論』(加藤 寛, 丸善, 1996)
  • 「ディジタル・メディア時代における「知の原理」を探る: 知のStrategic Obscurantism」(井関 利明, 『メディアが変わる知が変わる:ネットワーク環境と知のコラボレーション』, 井上輝夫, 梅垣理郎 編, 有斐閣, 1998, p.3~40)
  • 『社会科学をひらく』(イマニュエル・ウォーラーステイン+グルベンキアン委員会, 藤原書店, 1996)
  • 『KEIO SFC REVIEW No.32-33合併号、特集:未来を創造せよ!- SFC新カリキュラムの全貌』(湘南藤沢学会, 2007)
  • 『x‐DESIGN:未来をプロトタイピングするために』(山中 俊治, 脇田 玲, 田中 浩也 編著, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 「SFC Culture Language:SFC らしさを表す言葉たち」(井庭崇研究室, 2015) https://culture.sfc.keio.ac.jp
  • 『教育の未来』(ジャン・ピアジェ, 法政大学出版局, 1982)
  • 『経験と教育』(ジョン・デューイ, 講談社, 2004)
  • 『民主主義と教育』(J・デューイ, 人間の科学新社, 2017)
  • 『探求の共同体:考えるための教室』(マシュー・リップマン, 玉川大学出版部, 2014)
  • 『川喜田二郎著作集 (第8巻) 移動大学の実験』(川喜田 二郎, 中央公論社, 1997)
  • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
  • 『パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜 博, 江渡 浩一郎, 中西 泰人, 竹中 平蔵, 羽生田 栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)
  • 『創造性とは何か』(川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
  • 『ハイ・コンセプト:「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク, 三笠書房, 2006)
  • 『独立国家のつくりかた』(坂口 恭平, 講談社現代新書, 講談社, 2012)
  • 『民主主義のつくり方』(宇野 重規, 筑摩書房, 2013)


    【連絡先】

    rsd [at] sfc.keio.ac.jp ( [at] を@に置き換えてください)
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    SFCの履修選抜問題と、「実践を伴う授業先取り選抜課題」という方法

    SFCでは、学年進行による科目履修制限がない。つまり、1年生から4年生まで好きなタイミングで取りたい科目を履修できる仕組みになっている。そんな仕組みは、他の大学・学部ではまずありえないし、自由度が高くて僕はよいと思っている。

    しかし、そのため、取りたい科目の希望者が多ければ、履修選抜に勝ち残らなければならない。僕の授業はどれも(しっかり取り組むことを学生の間でも知られていることもあり)熾烈な履修選抜の状態にはない。思うに、履修選抜で学生の不満がたまっているのは、楽単科目についてではないかと思う。もちろん、なかには楽ではないが魅力的で人気の授業もある。そういうのは昔からあり、まあ、一定人数(それでも100人とか200人とか)しか取れないのは、仕方ない。それは最近始まったことではなく、以前からあることである。

    抽選による選抜なんかは、よくない仕組みだと思うが、履修者500人の枠にたくさん来たら、現実的には、履修選抜課題を読むのも大変すぎて、現実的ではない。そんなこともあり、僕はそういう大人数すぎる科目はやめた方がいいと思っている。

    それとは別の話として、学生の間で不満があるのは、履修選抜で通った人にも実際には履修しない人がいるということである。選抜で落ちる科目があるかもしれないリスクがあるので、多めに選抜課題を出すのは、ある意味合理的な判断だ。そこを責めるのは酷である。しかし、その結果、取りたいのに履修選抜で落ちた人がいる一方で、選抜に通ったのに実際には履修しないという人が出てしまう。

    そういうことになれば、当然文句も言いたくなる。これは、僕は、履修選抜の仕方の問題だと思う。だいたい、慶応SFCの学生となれば、履修志望理由なんて、本心では思っていなくても、それなりに説得力のあるものを書いてくる。だから、履修選抜に、志望理由を書かせても、だいたいみんなよいという評価になる。そういうのは、よい履修選抜だとは言えないだろう。

    もっと工夫をした履修選抜にする方がいいんじゃないかと思う。このあと、書くが、実践を伴う授業先取り選抜課題である。これは、授業の内容を理解することにも役立つし、授業でやることを楽しめそうかのセルフチェックにもなる。そして、そういう履修選抜は、本当にやる気がないとやろうと思えないという意味で、こちらがわざわざ選抜しなくても、自然淘汰型で履修選抜提出者がそこそこに減る。そういう方法だ。

    僕の考えるソリューションは、「実践を伴う授業先取り選抜課題」というものだ。授業で行うことを、前出しで実践してもらい、それを履修選抜課題とするのだ。

    授業の履修について、最も残念なのは、「こういう授業だったなんてわかってなかった」というミスマッチングで、これは学生はやる気はないし、教える側もそういう相手に教えるということで、よいことはない。シラバスにそう明記してあっても、そういう学生は少しいる。

    この「実践を伴う授業先取り選抜課題」をやれば、そういう学生はいなくなるだろうと思う。なぜなら、授業でやることを先に少し経験してから履修することになるからだ。

    しかも、指定された実践をしなければならないので、とりあえず志望理由をうまく書いて出しちゃう、みたいなことはできなくなる。実践しなければならなくなるからだ。これは、僕は、クックパッドのアーキテクチャから学んだ。クックパッドでは、「つくれぽ」というのがある。あれは、レシピに対して、自分が実践した報告を、そのレシピにつけるというものである。実践しなければ書けないため、冷やかしや誹謗中傷みたいなことにはなりにくい。これは、ブログのコメント欄やtwitterなどとは大きく異なるところだ。そういう場では、言葉上では何でも言えてしまうので、偉そうに語ったり、ひどいことを書いたりすることも簡単にできてしまう。そうならないための方法が、自らの実践を伴うコメントしか許さないというアーキテクチャだと、「つくれぽ」を見て僕は気づいた。

    履修選抜も、さほど思ってもいないのにそれらしく書くということが、実践を伴う履修選抜課題であれば、しにくくなる。しかも、やってみて、面白ければ履修すればいいし、面白いと思えなければ、そもそも履修選抜課題を途中で放棄するか、出さなくなるだろう。

    そういう意味で、このやり方であれば、こちらがわざわざ選抜しなくても、履修希望者側が、自分で取りやめるので、自然淘汰のように、そもそもの履修希望者数が減る。そうなれば、定員に最初から収まるか近づくということが実現できる。やるべきことは、あまりにもちゃんとやっていないものを取り除くのと、相対的に質のよくないものを抜くということだけだ。

    現在の履修選抜は、教員が履修許可の人を選ぶ、という向きが強すぎると思う。もっと、学生が本当に自分で選ぶということをやれるような課題にした方がいい。ちょっと大変でも、授業そのものが同じように大変なので、それを知った上で、履修希望を出した方がいい。

    そんなわけで、僕は、「実践を伴う授業先取り選抜課題」となるような課題を設定している。

    今年春学期の僕の授業の選抜課題は以下のような感じだ。

    「創造社会論」では、授業で毎週出る宿題と同じようなものを体験してもらう課題にした。

    【履修選抜課題】「創造社会論」
    受入学生数(予定):約 100 人
    選抜方法:課題提出による選抜

    (1)次のページに、これまで4年間のこの授業の対談映像のリンクがあります。どれでもよいので、好きなテーマのどれか1回分(前半・後半)を見て、対談(ダイアローグ)型の授業というのはどういうものかを理解してください。その上で、自分がどの回を見たのかを明記して、それを見て考えたことや感想を書いてください(この授業では、これと同じように、その回の対談に参加して考えたことや感じたことを提出する宿題が、毎週出ます)。
    http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid500.html
    (2)この授業を通じて学ぶことはどのようなことだと考えている(予想している)か、そして、それを自分の今の活動や今後にどのように活かしたいと考えているかを書いてください。

    シラバス(http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid533.html)より


    「創造システム理論」は、次のように、授業で取り組む「ゆるい創造実践」とはどういうことかを体感してもらう履修選抜課題にした。

    【履修選抜課題】「創造システム理論」
    受入学生数(予定):約 100 人
    選抜方法:課題提出による選抜

    自分を表現する「自撮り動画」を撮影し、魅力的な自己紹介をしてください。動画は30秒以内とし、YouTubeに限定公開設定でアップし(各自アカウント取得が必要です)、そのURLを提出してください。
    ”魅力的”という表現の解釈は自由です。ただし、単に個人の容姿や声色を評価するものではありません。また、動画そのものの画質や編集・加工技術を評価するものではないので、 特別なカメラ機材などを仕様する必要もありません。スマホ撮影で十分です。
    30秒という時間の中にどのような言葉、表情、しぐさ、背景、物語を織り込むと”魅力的”に自分を表現することができるのか、ぜひ工夫を凝らしてみてください。
    これは履修選抜課題ですが、この課題を楽しむことができるということが一種の選抜(Natural Selection)になっていると言えるでしょう。ここから、あなたの「ゆるい創造実践」は始まっているのです。

    シラバス(http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid534.html)より


    最後に、「パターンランゲージ」の授業。この授業の履修選抜の課題では、今年度のグループワークのテーマ(複数あり選択できる)を掲げ、具体的にどういうグループワークをやるのかをイメージできるようにしました。その上で、テーマを事前に選んでもらうことで、こちらがグループを組むのを早めることにしました。従来は、初回に表明してもらい、時間をかけてグループを決めましたが、授業時間がカツカツで7週間に収まり切らない悩みがずっとあったので、テーマ選択を前出しして、時間確保も重ねて狙いました。

    【履修選抜課題】「パターンランゲージ」
    受入学生数(予定):約 100 人
    選抜方法:課題提出による選抜

    この授業では、選んだテーマのパターン・ランゲージをつくるグループワークを行います。授業時間外にグループにメンバーでしっかりと時間をとって取り組む必要があります。そのことを十分理解した上で、以下の履修選抜課題に取り組んでください。
    今年は、以下の9つのテーマでグループワークを行う予定です。

    グループワークで作成するパターン・ランゲージのテーマ一覧
    (1) グループワークをよりよくするリーダーシップ
    (2) SFCのFab環境の活かし方・学び方
    (3) SFCでうまく「研究」生活をおくる秘訣
    (4) 数足のわらじの履き方(複数のコミュニティ・活動をしっかりやり抜く)
    (5) 一人暮らしで料理をしつづけるコツ
    (6) 好きなことの突き詰め方
    (7) 研究会のよりよい選び方
    (8) 外国語の習得と活かし方
    (9) よりよいノートの取り方

    【課題1】上記の9つのなかから、グループワークで自分が取り組みたいと思うテーマを選び、その番号とテーマ名を明記した上で、それにまつわる自らの経験・秘訣について、書いてください。テーマを選ぶ際には、自分がそのテーマの実践に日頃から親しんでいるか、ある程度知っているということが重要になります。興味があるものが複数ある場合には、「第一希望」、「第二希望」などを、明記してください。なお、このエントリーの情報に基づいて、こちらでグループを決め、初回に発表します。

    【課題2】自分が取り組むテーマ以外で、経験があり、自分が大事だと思うやり方・コツについて語ることができるテーマを、上記の9つのなかから挙げてください(該当するものすべて)。 履修選抜レポートでは、自分が語ることができるテーマの番号とテーマ名を挙げ、どのようなことが語れそうか(経験や秘訣)、ごく簡単に書いてください。ここで挙げてもらった情報を踏まえ、そのパターンをつくっているグループからインタビューを受けてもらう可能性があります。

    以上、(1)と(2)を両方入れた履修選抜レポートを、PDFファイルで提出してください(WordやPagesでPDF保存・PDF出力で作成できます)。

    シラバス(http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid538.html)より
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    慶應義塾大学SFC「創造社会論」2018シラバス

    創造社会論2018
    慶應義塾大学SFC総合政策学部・環境情報学部(基盤科目-共通科目)
    担当教員:井庭崇
    開講:2018年度春学期(前半)
    曜日時限:金曜4・5限※
    ※ 学期後半には、同じ曜日時限に「創造システム理論」(井庭・若新)が開講される予定です。併せてどうぞ。


    【科目概要:主題と目標/授業の手法など】

    これからの社会は、どのような社会になるのだろうか? 本講義では、これからの社会を、人々が自分たちで自分たちのモノや仕組みを創造する「創造社会」(Creative Society)になるという想定から出発する。創造社会では、誰もがさまざまな分野・領域で「つくる」ことをごく当たり前に行うようになる。そして何よりも、「つくる」ということが、生活・人生の豊かさや幸せを象徴するようになると思われる。

    かつてインターネットの登場によって始まった「情報社会」では、生活が変わり、組織が変わり、社会が変わった。同様に、「創造社会」の到来でも、生活・組織・社会のあり方が大きく変わることになるだろう。そこで、その変化とはどのようなものなのか、そして、それらの変化は何をもたらすのかを考えることは、これからの未来に向かうための重要な準備となる。

    本講義では、創造社会へとつながる創造・実践に取り組んでいる方々をゲストにお招きし、対話を重ねることで、創造社会の未来像を描き深めていく。それぞれの対談で見い出された考え方や取り組み方は、履修者がパターン・ランゲージの形式でまとめ、自分たちの実践につなげる準備を行うこととする。

    なお、これまで4年間の授業は、すべてインターネット上で公開されており、 http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid500.html にその映像ページへのリンク集があるので、興味のある回があれば、見てみるとよいだろう。

    CreSoc2018.jpg

    【授業計画】
    第1・2回(4/13):「日本中を楽しみ尽くす」(加藤史子 × 井庭崇)

    「日本中を楽しみ尽くす、Amazing な人生に。」というキーフレーズで、インバウンドプラットフォーム事業を展開しているWAmazing代表取締役社長CEOの加藤史子さんをゲストにお招きし、これからの日本の楽しみ方について語り合います。加藤さんはリクルート時代に「じゃらんnet」を立ち上げ、「ホットペッパーグルメ」を立ち上げるなど、主にネットの新規事業開発を担当した後、「雪マジ!19」を立ち上げ、「Jマジ!」「ゴルマジ!」「お湯マジ!」「つりマジ!」…などの「マジ☆部」の展開を行なっています。新規事業の企画や立ち上げなどについても伺いたいと思います。(SFC卒業生)


    第3・4回(4/20):「これからの教育の哲学」(苫野一徳 × 井庭崇)

    教育の哲学について探究している苫野一徳さん(熊本大学教育学部准教授)をゲストにお招きし、デューイなどのプラグマティズムとこれからの教育の哲学について語り合います。なお、苫野さんは、この授業の後のゲストである本城慎之介さんや、昨年のゲストの岩瀬直樹さんらとともに、新しい学校をつくる実践もされています。理論と実践の両方に取り組むということの重要性についても語り合いたいと思います。


    第5・6回(4/27):「言葉を編む、世界をつくる」(山本貴光 × 井庭崇)

    心脳問題から文学まで幅広い分野について本を書かれている文筆家でありゲーム作家でもある山本貴光さんをゲストにお招きし、言葉を編むということや、それによって世界をつくるということについて語り合います。特に、西周の「百学連環」をいま読み解くという本を出されていることから、日本語での概念の命名についても一緒に考えていきたいと思います。(SFC卒業生)


    第7・8回(5/2):「下宿 = 地方から考える教育の未来」(瀬下翔太 × 井庭崇)

    瀬下翔太さん(津和野町地域おこし協力隊, NPO法人bootopia代表理事)をゲストにお招きし、これからの教育のかたちと、そのための「下宿」の可能性について語り合います。(SFC・井庭研 卒業生)
    (この日は水曜日ですが、SFCでは、金曜日科目の代替日ということで、金曜日の科目が開講されます。)


    第9・10回(5/11)「これからの生き方・働き方」(尾原和啓 × 井庭崇)

    マッキンゼー、リクルート、Google、楽天などを経て、現在インドネシア・バリ島に住みながら「リゾートワーカー」として、これからの生き方や働き方について新しい視点を投げかけているIT評論家の尾原和啓さんをゲストにお招きし、これからの生き方・働き方について語り合います。この回は、なんと、尾原さんが直接教室に来られるのではなく、分身のロボが教室に来て、海外からの遠隔対談をします。そんなちょっと近未来な対談の経験もお楽しみに。


    第11・12回(5/18):「新しい普通をつくる」(本城慎之介 × 井庭崇)

    楽天株式会社の創業メンバーで元・楽天副社長を務めたあと、全国最年少(当時・32歳)の公立中学校校長を経て、現在、新しい学校づくりに取り組んでいる本城慎之介さん(軽井沢風越学園設立準備財団理事長)をゲストにお招きし、これからの教育・学校のあり方と、新しい普通をつくるということについて、語り合います。(SFC卒業生:秋祭実行委員会初代委員長!)


    第13・14回(5/25):「音楽をめぐる創造性」(渡邊崇 × 井庭崇)

    「舟を編む」「帝一の國」「湯を沸かすほどの熱い愛」などの映画音楽やCM音楽を手がけ、日本アカデミー優秀音楽賞、国際エミー賞などを受賞している作曲家の渡邊崇さん(大阪音楽大学特任准教授)をゲストにお招きし、音楽制作と創造性について語り合います。

    【履修選抜課題】
    受入学生数(予定):約 100 人
    選抜方法:課題提出による選抜

    (1)次のページに、これまで4年間のこの授業の対談映像のリンクがあります。どれでもよいので、好きなテーマのどれか1回分(前半・後半)を見て、対談(ダイアローグ)型の授業というのはどういうものかを理解してください。その上で、自分がどの回を見たのかを明記して、それを見て考えたことや感想を書いてください(この授業では、これと同じように、その回の対談に参加して考えたことや感じたことを提出する宿題が、毎週出ます)。
    http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid500.html

    (2)この授業を通じて学ぶことはどのようなことだと考えている(予想している)か、そして、それを自分の今の活動や今後にどのように活かしたいと考えているかを書いてください。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績評価は、授業中の議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。

    【履修上の注意】

  • この科目は、春学期の前半(4・5月)に週2コマ開講する科目です。
  • この授業では、教員とゲストスピーカーによる対談を聴きながら、重要だと思うことを自らつかみ取ることが求められます。
  • 授業と並行して、文献(教科書)を読んでまとめを提出する個人宿題が毎週出ます。


    【教材・参考文献】
    教科書


    参考文献

    • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年)
    • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇+井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)
    • 『創造性とは何か』 (川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010年)
    • 『凡才の集団は孤高の天才に勝る:「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア』(キース・ソーヤー, ダイヤモンド社, 2009年)
    • 『ハイ・コンセプト:「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク, 三笠書房, 2006年)
    • 『エコロジーのコミュニケーション:現代社会はエコロジーの危機に対応できるか?』(ニクラス・ルーマン, 新泉社, 2007年)
    • 『社会システム理論〈上〉〈下〉』(ニクラス・ルーマン, 恒星社厚生閣, 1993/1995年)
    • 『社会の社会〈1〉〈2〉』(ニクラス・ルーマン, 法政大学出版局, 2009年)
    • 『離脱・発言・忠誠:企業・組織・国家における衰退への反応』(A.O.ハーシュマン, ミネルヴァ書房, 2005年)
    • 『アブダクション:仮説と発見の論理』(米盛裕二, 勁草書房, 2007年)
    • 『人間性と行為』(J.デューイ, 人間の科学社, 1995年)
    • 『感動をつくれますか?』 (久石 譲, 角川oneテーマ21, 角川書店, 2006年)
    • 『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです:村上春樹インタビュー集 1997-2011』 (村上春樹, 文春文庫,文藝春秋, 2011年)
    • 『未来を創るこころ』(石川 忠雄, 慶應義塾大学出版会, 1998年)
    • 『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』(井庭 崇, 福原 義久, NTT出版, 1998年)
    • 『はじめての哲学的思考』(苫野 一徳, ちくまプリマー新書, 筑摩書房, 2017)
    • 『子どもの頃から哲学者:世界一おもしろい、哲学を使った「絶望からの脱出」』(苫野一徳, 大和書房, 2016)
    • 『教育の力』(苫野 一徳, 講談社現代新書, 講談社, 2014)
    • 『「自由」はいかに可能か:社会構想のための哲学』(苫野 一徳, NHK出版, 2014)
    • 『勉強するのは何のため?:僕らの「答え」のつくり方』(苫野一徳, 日本評論社, 2013)
    • 『どのような教育が「よい」教育か』(苫野 一徳, 講談社選書メチエ, 講談社, 2011)
    • 『文学問題(F+f)+』(山本 貴光, 幻戯書房, 2017)
    • 『「百学連環」を読む』(山本 貴光, 三省堂, 2016)
    • 『世界が変わるプログラム入門』 (山本 貴光, ちくまプリマー新書, 筑摩書房, 2015)
    • 『サイエンス・ブック・トラベル: 世界を見晴らす100冊』(山本 貴光, 河出書房新社, 2015)
『文体の科学』(山本 貴光, 新潮社, 2014)
    • 『ゲームの教科書』(馬場 保仁, 山本 貴光, ちくまプリマー新書, 筑摩書房, 2008)
    • 『心脳問題―「脳の世紀」を生き抜く』(山本 貴光, 吉川 浩満, 朝日出版社, 2004)
    • 『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』(尾原 和啓, 幻冬舎, 2017)
    • 『ザ・プラットフォーム IT企業はなぜ世界を変えるのか?』(尾原 和啓, NHK出版新書, NHK出版, 2015)
    • 『ITビジネスの原理』(尾原 和啓, NHK出版, 2014)
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    SFC授業シラバス「ワークショップデザイン」(2017)

    今年の秋学期も、「ワークショップデザイン」を開講します。2014年から開講され、今回4年目となるこの授業は、座学的なレクチャーはほとんどなく、履修者たちの活動がベースで展開されるきわめて実践的な授業で、履修者からも好評のものです。

    授業は2コマ連続(3時間)で7週間で一気に駆け抜けます。履修者はグループを組み、オリジナルなワークショップをデザインし、他の履修者に対して実際に実施します。その体験を履修者全員で振り返りながら、ワークショップの設計と実施についての実践知を学んでいきます。

    学ぶ内容・素材が、学び手たちの活動から生まれるという意味で、まさに「創造的な学び」であり、オートポイエティックな仕組みの授業です。

    来年度は開講されず、次回開講は再来年もしくはその翌年になる予定なので、興味がある人は今年履修してください。

    WorkshopDesignPhoto.png


    ワークショップデザイン【学期後半】
    2017年度秋学期(学期後半)火曜日3・4時限
    担当:井庭 崇

    【主題と目標/授業の手法など】

    「対話による学び」や「つくることによる学び」の場をどのようにつくればよいのでしょうか? 本講義では、その場のひとつのかたちとして「ワークショップ」(workshop)の可能性を考えます。

    現在、いろいろな種類のワークショップが開かれていますが、それらのワークショップの背後にはどのような設計意図や工夫があるのでしょうか? また、自分たちがワークショップをつくるときには、何をどのように考えればよいのでしょうか? そして、ワークショップのファシリテーションにおいては、何に気をつければよいのでしょうか?

    これらのことを考え・学ぶために、授業と並行して、ワークショップを考案・設計するグループワークを行います。授業の後半では、他の履修者を対象に、自分たちの考案・設計したワークショップを実施します。これにより、「ワークショップデザイン」の感覚・スキルを実践的に高めたいと思います。最終的には、履修者ひとりひとりがつかんだワークショップ・デザインの秘訣を、パターン・ランゲージの形式でまとめ、自分たちの実践につなげる準備を行うことにします。

    【授業計画】

    第1回 イントロダクション
    授業の内容、進め方について理解します。

    第2回 ワークショプ体験と設計意図
    ワークショップを実際に体験し、その設計意図について考えます。

    第3回 ワークショップ・デザイン論 #1
    ワークショップのつくり方について学びます。

    第4回 ワークショップ・デザイン論 #2
    ワークショップをより効果的にするための考え方について学びます。

    第5回 ワークショップ実践 #1
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第6回 振り返り・ディスカッション #1
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第7回 ワークショップ実践 #2
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第8回 振り返り・ディスカッション #2
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第9回 ワークショップ実践 #3
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第10回 振り返り・ディスカッション #3
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第11回 ワークショップ実践 #4
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第12回 振り返り・ディスカッション #4
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    第13回 ワークショップ実践 #5
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第14回 振り返り・ディスカッション #5
    実施したワークショップについて振り返り、議論します。

    その他
    グループワーク, 宿題, レポート


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】
    成績評価は、グループワークへの貢献、授業中の演習・議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。

    【履修上の注意】
    授業時間外にグループワークの活動をすることが求められます。


    【教材・参考文献】
  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016年)
  • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『ザ・ネイチャー・オブ・オーダー:建築の美学と世界の本質 ― 生命の現象』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 2013)
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    SFC「パターンランゲージ」(2016年度春学期前半)シラバス

    SFCで2016年度春学期前半(4・5月)に、「パターンランゲージ」(月曜4・5限)を担当します。

    経験則(秘訣、コツ)を言語化する方法である「パターン・ランゲージ」の考え方とつくり方を学びます。

    授業では、履修者のみんなの興味・関心をもとに、グループワークのテーマを決めます。地域活性や教育、食、恋愛、イベント、コミュニケーションなど、いろいろなテーマのグループワークが行われます。

    新1年生も大歓迎! すべての学年が対象で、特に前提知識・スキルは入りません。

    実際、1年生の春にこの授業をとって、面白くて、1年生の秋から井庭研に入るという人が結構います。2年生でも同様。なので、できれば、早い段階で履修することをお勧めします。

    履修者選抜のエントリー〆切は、2016年4月8日(金) 15:00。詳しくは公式シラバスを参照してください。

    PL2015-1.jpg


    「パターンランゲージ」(井庭 崇)
    【学期前半】2016年度 春学期 月曜日4・5時限(2単位)


    【主題と目標/授業の手法など】

    この授業では、創造的な未来をつくるための言語「パターンランゲージ」について、その考え方と方法を学びます。パターンランゲージでは、創造・実践の経験則 を「パターン」という小さな単位にまとめ、それを体系化します。かつて、建築家のクリストファー・アレグザンダーは、いきいきとした町や建物に繰り返し現れる関係性をパターンとして定義し、253個のパターンを抽出・記述しました。その後この考え方は、ソフトウェア開発の分野に応用され、現在でも広く活用されています。SFCでは、創造的な学びのための「ラーニング・パターン」や、創造的プレゼンテーションのための「プレゼンテーション・パターン」、創造的コラボレーションのための「コラボレーション・パターン」などが制作されてきました。この授業では、パターンランゲージの考え方を学びながら、新しい分野において自らパターン・ランゲージをつくることができるようになることを目指します。


    【履修上の注意】

  • 1ヶ月間の短期集中のグループワークを行います。しっかりと取り組み、最後までやり切るようにしてください。
  • 授業と並行して、文献を読んでまとめを提出する個人宿題が毎週出ます。


    【授業計画】

    第1・2回 イントロダクション&パターン・ランゲージを用いた対話ワークショップ
    この授業の内容と進め方と、パターンランゲージの背景にある考え方を説明します。また、創造的コラボレーションのパターン・ランゲージである「コラボレーション・パターン」のカードを用いて、これまでのコラボレーションの経験について語り合う対話ワークショップを行います。

    第3・4回 パターンの掘り起こし方(Pattern Mining)
    パターン・ランゲージのつくり方について学び、自分たちの経験からパターンを抽出する方法を理解し、グループで実践します。

    第5・6回 パターンの書き方(Pattern Writing)
    経験から得られた結果をもとに、状況・問題・解決というパターン形式で書いていく方法を学び、実践します。

    第7・ 8回 パターンの磨き方(Pattern Improvement)
    グループで書いてきたパターンをさらによい内容・表現にするためのコツを伝授します。また、パターン名やパターン・イラスト制作の秘訣についても紹介します。

    第9・10回 ライターズ・ワークショップ(Writers’ Workshop)
    各グループのパターンをよりよいものにするために、他のグループのメンバーからコメントをもらいます。

    第11・12回 パターン・ランゲージ・ワークショップ
    パターン・ランゲージを用いた新しいタイプのワークショップを実践します。

    第13・14回 グループワーク成果発表と対話ワークショップ
    グループワークで作成したパターン・ランゲージを発表し、それを用いた対話ワークショップを行います。

    その他 必要に応じてグループワークの相談にのります。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績は、グループワークへの参加と成果、個人宿題、授業中の参加、最終レポートから総合的に評価します。


    【教材・参考文献】

    教科書
  • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013年)

    参考書
  • 『時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993年)
  • 『パタン・ランゲージ:環境設計の手引』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1984年)
  • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇+井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013年)
  • 『Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン』(Mary Lynn Manns, Linda Rising, 丸善出版, 2014年)
  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための 企画のコツ32』(井庭崇, 梶原文生, 翔泳社, 2016年)
  • 『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡浩一郎, 技術評論社, 2009年)
  • 『クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』(工作舎, 1989年)
  • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011年)


    【昨年度(2015年度)の授業風景】

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    初回のイントロダクション。

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    今学期取り上げるグループワークのテーマとメンバー決め。

    昨年は、こんなテーマのパターン・ランゲージでグループワークを行いました。

  • 幸福感のある食生活
  • 子どもの成長
  • 地域の魅力を発見する
  • 魅力的なまちにする
  • 芸術によって人の心を動かす
  • 快適なファンクションデザイン
  • ステキな広告デザイン
  • 心を動かすイベント企画・運営
  • いきいきとしたグループワーク
  • 会話を弾ませる
  • 恋を実らせる恋愛パターン
  • 成功の法則を君におくる恋愛パターン
  • より良い合コン

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    コラボレーション・パターン・カードを用いた対話。

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    インタビューの結果をまとめるクラスタリング。

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    それぞれのグループが、自分たちのテーマのパターンを編み上げていきます。

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    書いたパターンをグループ内でよりよくする話し合いをします。TA・SAからもアドバイスをもらいながら。

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    2015年度のグループワークの成果のパターン・ランゲージを収録した冊子。13プロジェクトで、この厚さの2冊に。

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    各パターンにパターン・イラストも描きます。グループごとに個性的なキャラやテイストで、その点も興味深いところです。

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    授業最終回は、今学期すべてのグループがつくったパターン・ランゲージを用いて、対話のワークショップを行います。自分たちのつくった「ことば」で他の人たちが対話する面白さを味わうことができます。

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    最終回の授業後、履修者全員で記念撮影。7週間のインテンシブ・グループワーク、おつかれさまでした!

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    2015年度は、最終回の夜に、履修者有志によるCoCookingパーティーを開催。大学近くの場を借りて、みんなで料理をして食べました。グループを超えての交流もまた楽しいものです。
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    SFC「創造社会論」(2016年度春学期前半)シラバス

    SFCで2016年度春学期前半(4・5月)に、「創造社会論」(水1・2)を担当します。

    毎回魅力的なゲストとがっつり対談するという一風変わった授業です。モノローグ的な講義ではなく、グループワークの授業でもない、ダイアローグなスタイル。毎回きっと、物の見方や世界観がゆさぶられると思います。

    新1年生から4年生まで、すべての学年が対象です。特に前提知識・スキルは入りません。今年取り上げるテーマと、お呼びするゲストは、今年限りです。

    履修者選抜のエントリー〆切は、2016年4月11日(月) 15:00。詳しくは公式シラバスを参照してください。

    ExploringCreativeSociety2016_460.jpg


    「創造社会論」(井庭 崇)
    【学期前半】2016年度 春学期 水曜日1・2時限(2単位)


    【主題と目標/授業の手法など】

    これからの社会は、どのような社会になるのだろうか? 本講義では、これからの社会を、人々が自分たちで自分たちのモノや仕組みを創造する「創造社会」(Creative Society)になるという想定から出発する。創造社会では、誰もがさまざまな分野・領域で「つくる」ことをごく当たり前に行うようになる。そして何よりも、「つくる」ということが、生活・人生の豊かさや幸せを象徴するようになると思われる。

    かつてインターネットの登場によって始まった「情報社会」では、生活が変わり、組織が変わり、社会が変わった。同様に、「創造社会」の到来でも、生活・組織・社会のあり方が大きく変わることになるだろう。そこで、その変化とはどのようなものなのか、そして、それらの変化は何をもたらすのかを考えることは、これからの未来に向かうための重要な準備となる。

    本講義では、創造社会へとつながる創造・実践に取り組んでいる方々をゲストにお招きし、対話を重ねることで、創造社会の未来像を描き深めていく。それぞれの対談で見い出された考え方や取り組み方は、履修者がパターン・ランゲージの形式でまとめ、自分たちの実践につなげる準備を行うこととする。


    【提出課題・試験・成績評価の方法など】

    成績評価は、授業中の議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。


    【履修上の注意】

  • この科目は、春学期の前半(4・5月)に週2コマ開講する科目です。
  • この授業では、知識伝達型の講義は行いません。教員とゲストスピーカーによる対談を聴きながら、重要だと思うことを自らつかみ取ることが求められます。


    【授業計画】

    第1・2回(4/13) オオニシタクヤさんとの対談「エネルギー・デザイン 」
    慶應義塾大学環境情報学部のオオニシタクヤさんをゲストにお招きし、対談を行います。

    第3・4回(4/20) 下河原 忠道さんとの対談「高齢化社会の生き方」
    株式会社シルバーウッドの下河原 忠道さんをゲストにお招きし、対談を行います。

    第5・6回(4/27) 山崎 大祐さんとの対談「ソーシャル・ビジネス」
    株式会社マザーハウスの山崎 大祐さんをゲストにお招きし、対談を行います。

    第7・8回(5/11) 鎌田 安里紗さん・伊作 太一さんとの鼎談「ナチュラル & クッキング」
    ファッションモデルの鎌田 安里紗さんと、株式会社コークッキングの伊作 太一さんをゲストにお招きし、鼎談を行います。また、パターン・ランゲージの考え方とその記述の秘訣についても紹介します。

    第9・10回(5/18) 鈴木 寛さんとの対談「教育改革」
    慶應義塾大学総合政策学部の鈴木 寛さんをゲストにお招きし、対談を行います。

    第11・12回(5/25)岩瀬 直樹さんとの対談「学びの場づくり」
    東京学芸大学教育学研究科の岩瀬 直樹さんをゲストにお招きし、対談を行います。

    第13・14回(6/1)須藤 シンジさん・宮川 祥子さんとの鼎談「超福祉とFab看護」
    NPO法人ピープルデザイン研究所の須藤 シンジさんと、慶應義塾大学看護医療学部の宮川 祥子さんをゲストにお招きし、鼎談を行います。

    その他:課題・レポート


    【教材・参考文献】

    教科書
  • 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための 企画のコツ32』(井庭崇, 梶原文生, 翔泳社, 2016年4月)

    参考文献
  • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
  • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
  • 『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』(井庭 崇, 岡田 誠 (編著), 慶應義塾大学 井庭崇研究室, 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ (著), 丸善出版, 2015)
  • 『時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993年)


    過去の授業の映像は、こちらで見ることができます。授業の雰囲気の参考に。(そして、これまでの対談も面白いので、ぜひ見てみてください)→「創造社会論 2014」, 「創造社会論 2015」
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    SFC授業シラバス「創造社会論」(2014年度春学期前半)

    2014年度からスタートする新カリキュラムで、新しく「創造社会論」(2014年度春学期前半, 水曜1・2限:井庭 崇)という新設科目を担当します。この授業では、各界で創造的な活動をされている方々をゲストとしてお呼びし、対話しながら創造・実践の秘訣をパターン・ランゲージにまとめていきます。

    この科目は「4学期制科目」です。週2コマ行い、春学期の前半(4・5月)の7週間で一気に集中的に学ぶことになります。

    なお、2014年度から履修者選抜が初回授業よりも前に行われるので、注意してください。


    ■主題と目標/授業の手法など
    これからの社会は、どのような社会になるのだろうか?本講義では、これからの社会を、人々が自分たちで自分たちのモノや仕組みを創造する「創造社会」(Creative Society)であるという想定から出発する。創造社会では、誰もが様々な分野・領域で「つくる」ことをごく当たり前に行うようになる。そして何よりも、「つくる」ということが、生活・人生の豊かさや幸せを象徴するようになると思われる。

    かつてインターネットの登場によって始まった「情報社会」では、生活が変わり、組織が変わり、社会が変わった。同様に、「創造社会」の到来でも、生活・組織・社会のあり方が大きく変わることになるだろう。そこで、その変化とはどのようなものなのか、そして、それらの変化は何をもたらすのかを考えることは、これからの未来に向かうための重要な準備となる。

    本講義では、創造社会へとつながる創造・実践に取り組んでいる方々をゲストにお招きし、対話を深めることで、創造社会の未来像を描いていく。今年度取り上げる「デザイン」「空間」「商い」「教育」「地域」「文化」「生き方」のそれぞれのテーマについて、創造・実践の秘訣をパターンの形式でまとめ、自分たちの実践につなげるための準備を行う。

    今年度の各回のテーマとゲストスピーカーは、以下の通りです。

    【デザイン】水野 大二郎さん(慶應義塾大学環境情報学部専任講師)
    【空間】中川 敬文さん(UDS株式会社 代表取締役社長)
    【商い】小阪 裕司さん(オラクルひと・しくみ研究所代表 / ワクワク系マーケティング実践会主宰)
    【教育】市川 力さん(東京コミュニティスクール 校長)
    【地域】飯盛 義徳さん(慶應義塾大学総合政策学部准教授 / 特定非営利活動法人鳳雛塾ファウンダー)
    【文化】ドミニク・チェンさん(株式会社ディヴィデュアル / コモンスフィア理事)
    【生き方】四角 大輔さん(Lake Edge Nomad Inc.代表)

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    ■授業計画
    第1回 デザインのかたち(1) [4/9]
    「創造社会」とはどのような社会なのだろうか? 人々が創造性を発揮するためには、どのような仕掛け・道具立てが必要だろうか? 今回は、ファッションデザインを始め、社会的包摂/市民参加型のデザインの研究・実践を行っている水野 大二郎さん(慶應義塾大学環境情報学部専任講師)をゲストにお招きして、これからの「デザインのかたち」について語り合います。

    2回 デザインのかたち(2) [4/9]
    ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

    第3回 創造的な空間をつくる(1) [4/16]
    創造を誘発する空間とはどのような空間だろうか? またそのような空間をつくるためには、どうすればよいのだろうか? 今回は、エデュテインメント・タウン「キッザニア東京」やクリエイターをターゲットにした複合型ホテル「CLASKA」などを手がけている株式会社UDS(都市デザインシステム)代表取締役社長の中川 敬文さんをゲストにお招きして、これからの「空間づくり」について語り合います。

    第4回 創造的な空間をつくる(2) [4/16]
    ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

    第5回 創造的な商いをつくる(1) [4/23]
    創造社会では、ビジネス/商売はどう変わるのだろうか?特に個々の店が創造性を発揮するようになるためには、どうすればよいのだろうか? 今回は、「感性」や「ワクワク」を重視しながら、数多くのお店を創造的に生まれ変わらせてきた小阪 裕司さん(オラクルひと・しくみ研究所代表 / ワクワク系マーケティング実践会主宰)をお招きして、「創造的な商い」および「商いの創造」について語り合います。

    第6回 創造的な商いをつくる(2) [4/23]
    ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

    第7回 創造的な教育をつくる(1) [5/7]
    創造性が重視される社会においては、教育はどのように変わるべきだろうか? そして、従来の知識伝達型の教育とは異なる、創造的な教育とはどのようなものだろうか? 今回は、小学生たちが創造的なプロジェクトを実践している東京コミュニティスクールの校長 市川 力さんをお招きして、「創造性を養う教育」について語り合います。

    第8回 創造的な教育をつくる(2) [5/7]
    ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

    第9回 創造的な地域をつくる(1) [5/14]
    地域が創造的になるためには、どうすればよいのか? 今回は、日本各地で地域を元気にしている飯盛 義徳さん(慶應義塾大学総合政策学部准教授 / 特定非営利活動法人鳳雛塾ファウンダー)をゲストにお招きして、「創造的な地域づくり」について語り合います。

    第10回 創造的な地域をつくる(2) [5/14]
    ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

    第11回 創造的な文化をつくる(1) [5/21]
    インターネットの登場によって、創造的な活動・展開はどのように変化したのだろうか? そして、これからの社会においては、創造に関する文化はどのようなものになるのだろうか? 今回は、日本におけるクリエイティブ・コモンズの立ち上げに参加し、フリーカルチャーについての研究・実践をしているドミニク・チェンさん(株式会社ディヴィデュアル / コモンスフィア理事)をお招きして、「創造的な文化」について語り合います。

    第12回 創造的な文化をつくる(2) [5/21]
    ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

    第13回 創造的な生き方(1) [5/28]
    創造的に生きるとはどういうことか? 誰もが創造性を発揮する社会とはどのような社会なのか?今回は、音楽プロデューサーとして数々のヒット作を生み出しながら、ある時その生活をやめ、ニュージーランドと東京を行き来する「自分なりの生き方」を始めた四角 大輔さん(Lake Edge Nomad Inc.代表)をゲストにお招きして、「自分で自分の生き方をつくる」ことについて語り合います。

    第14回 創造的な生き方(2) [5/28]
    ゲストとの対話を通じて、創造社会に向かうための創造・実践の秘訣を掘り起こし、それをパターン形式でまとめていきます。

    その他
    課題・レポート


    ■提出課題・試験・成績評価の方法など
    成績評価は、授業中の議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。

    ■履修上の注意
  • この科目は、春学期の前半(4・5月)に週2コマ開講する科目です。
  • この授業では、知識伝達型の講義は行いません。教員とゲストスピーカーによる対談を聴きながら、重要だと思うことを自らつかみ取ることが求められます。

    ■履修者制限
    履修人数を制限する。
    受入学生数(予定):約 90 人
    選抜方法:課題提出による選抜
    課題内容:以下の質問に答え、志望理由について書いて提出してください。 なぜこの授業に参加したいと考えるのか? また、自分のこれからとどのように関係すると考えているのか?
    エントリー〆切日時:2014年4月5日(土)15:00
    履修許可者発表日時:2014年4月7日(月)15:00


    ■教材・参考文献
    教材・参考文献は以下の通りです。

    • 『創造性とは何か』(川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
    • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
    • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
    • 『ハイ・コンセプト:「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク, 三笠書房, 2006)
    • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)
    • 『パタン・ランゲージによる住宅の生産』(クリストファー・アレグザンダー他, 鹿島出版会, 2013)
    • 『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡 浩一郎, 技術評論社, 2009)
    • 『x‐DESIGN:未来をプロトタイピングするために』(山中 俊治, 脇田 玲, 田中 浩也 編著, 慶應義塾大学出版会 2013)
    • 『FabLife:デジタルファブリケーションから生まれる「つくりかたの未来」』(田中浩也, オライリージャパン , 2012)
    • 『FABに何が可能か:「つくりながら生きる」21世紀の野生の思考』(田中浩也, 門田和雄 編著, フィルムアート社, 2013)
    • 『探究する力』(市川 力, 知の探究社, 2009)
    • 『「お店」は変えずに「悦び」を変えろ!』(小阪裕司, フォレスト出版, 2013)
    • 『「心の時代」にモノを売る方法:変わりゆく消費者の欲求とビジネスの未来』(小阪裕司, 角川oneテーマ21, 角川書店, 2012)
    • 『価値創造の思考法』(小阪裕司, 東洋経済新報社, 2012)
    • 『「ありがとう」と言われる商い』(小阪裕司, 商業界, 2010)
    • 『社会イノベータ (ケース・ブックIV)』(飯盛 義徳, 慶應義塾大学出版会, 2009)
    • 『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック:クリエイティブ・コモンズによる創造の循環』(ドミニク・チェン, フィルムアート社, 2012)
    • 『インターネットを生命化する プロクロニズムの思想と実践』(ドミニク・チェン, 青土社, 2013)
    • 『自由であり続けるために:20代で捨てるべき50のこと』(四角大輔, サンクチュアリ出版, 2012)
    • 『やらなくてもいい、できなくてもいい。』(四角大輔, サンマーク出版, 2010)
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    SFC授業シラバス「ワークショップデザイン」(2014年度春学期前半)

    2014年度からスタートする新カリキュラムで、新しく「ワークショップデザイン」(2014年度春学期前半, 月曜2・3限:井庭 崇)という新設科目を担当します。この授業では、ワークショップをどのようにデザインすればよいかを考え、実際に他の履修者を対象にワークショップを仕掛けます。

    この科目は「4学期制科目」です。週2コマ行い、春学期の前半(4・5月)の7週間で一気に集中的に学ぶことになります。

    なお、2014年度から履修者選抜が初回授業よりも前に行われるので、注意してください。


    ■主題と目標/授業の手法など

    「対話による学び」や「つくることによる学び」の場をどのようにつくればよいのでしょうか? 本講義では、その場のひとつのかたちとして「ワークショップ」(workshop)の可能性を考えます。

    現在、いろいろな種類のワークショップが開かれていますが、それらのワークショップの背後にはどのような設計意図や工夫があるのでしょうか? また、自分たちがワークショップをつくるときには、何をどのように考えればよいのでしょうか? そして、ワークショップのファシリテーションにおいては、何に気をつければよいのでしょうか?

    これらのことを考え・学ぶために、授業と並行して、ワークショップを考案・設計するグループワークを行います。授業の後半では、他の履修者を対象に、自分たちの考案・設計したワークショップを実施します。これにより、「ワークショップデザイン」の感覚・スキルを実践的に高めたいと思います。

    WorkshopDesign.jpg

    ■授業計画
    第1回 イントロダクション (4/7)
    授業の内容、進め方について説明します。

    第2回 ワークショプと設計意図 (4/7)
    ワークショップを実際に体験し、その設計意図について考えます。

    第3回 ゲスト・ファシリテーターによるワークショップ実践 (4/14)
    社会問題の解決に関心のある学生に向けた教育プログラム「Changemakers Learning Camp」や、異色の「恋のパターン・ランゲージ ワークショップ」など国内外でワークショップを実践している下向 依梨さんにお越しいただき、ワークショップを開催していただきます。

    第4回 ゲスト・ファシリテーターによるワークショップ解説 (4/14)
    ワークショップの設計とその意図について、ゲストの下向 依梨さんにお話しいただきます。

    第5回 ワークショップの設計 (4/21)
    ワークショップの内容や進め方をどのように考えればよいのか、また、より効果を高めたり楽しめたりするための工夫について考えます。

    第6回 振り返りと評価の設計 (4/21)
    ワークショップでの学びを確実なものにするための「振り返り」(reflection)と「評価」について考えます。

    第7回 プロトタイプ・ワークショップの実践(1) (4/28)
    グループで考えてきたワークショップを試しに実施してみます。

    第8回 プロトタイプ・ワークショップの実践(2) (4/28)
    実施したワークショップの反応や感触から、自分たちのワークショップの内容・構成を再検討します。

    第9回 ワークショップ・ファシリテーション実践(1) (5/12)
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第10回 ワークショップ・ファシリテーション実践(2) (5/12)
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第11回 ワークショップ・ファシリテーション実践(3) (5/19)
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第12回 ワークショップ・ファシリテーション実践(4) (5/19)
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第13回 ワークショップ・ファシリテーション実践(5) (5/26)
    グループで考案・設計したワークショップを、他の履修者を対象に実施します。

    第14回 振り返りと総括 (5/26)
    この授業での活動と学びを振り返り、総括を行います。

    その他
    グループワーク, 課題・レポート


    ■提出課題・試験・成績評価の方法など
    成績評価は、授業中の演習・議論への参加、宿題、期末レポートから総合的に評価します。

    ■履修上の注意
    授業時間外にグループワークの活動をすることが求められます。

    ■履修者制限
    履修人数を制限する。
    受入学生数(予定):約 90 人
    選抜方法:課題提出による選抜(SFC-SFS)
    課題内容:以下の質問に答え、志望理由について書いて提出してください。 なぜこの授業に参加したいと考えるのか? また、自分のこれからとどのように関係すると考えているのか?
    エントリー〆切日時:2014年4月3日(木)15:00
    履修許可者発表日時:2014年4月4日(金)15:00


    ■教材・参考文献
    教材・参考文献は以下の通りです。この他の文献については、適宜、授業中に指示します。

    • 『創造性とは何か』(川喜田二郎, 詳伝社新書, 詳伝社, 2010)
    • 『発想する会社!:世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』(トム・ケリー, ジョナサン・リットマン, 早川書房, 2002)
    • 『ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ』(デヴィッド・ボーム, 英治出版, 2007)
    • 『知がめぐり、人がつながる場のデザイン:働く大人が学び続ける”ラーニングバー”というしくみ』(中原 淳, 英治出版, 2011)
    • 『「未来の学び」をデザインする:空間・活動・共同体』(美馬 のゆり, 山内 祐平, 東京大学出版会, 2005)
    • 『MAKE SPACE メイク・スペース:スタンフォード大学dスクールが実践する創造性を最大化する「場」のつくり方』(スコット・ドーリー, スコット・ウィットフト, 阪急コミュニケーションズ, 2012)
    • 『シナリオ・プランニング:戦略的思考と意思決定』(キース・ヴァン・デル・ハイデン, ダイヤモンド社, 1998)
    • 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)
    • 『パターン・ランゲージ:創造的な未来をつくるための言語』(井庭 崇 編著, 中埜博, 江渡浩一郎, 中西泰人, 竹中平蔵, 羽生田栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013)
    • 『プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント』(井庭崇, 井庭研究室, 慶應義塾大学出版会, 2013)
    • 『人を賢くする道具:ソフト・テクノロジーの心理学』(D.A.ノーマン, 新曜社, 1996)
    • 『アブダクション:仮説と発見の論理』(米盛裕二, 勁草書房, 2007)
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