井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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パターン・ランゲージの全体像をつくるときの(密かな)こだわり

パターン・ランゲージ制作の後半では、どのように全体像をつくるのか、これまであまり語ることがなかったので、ここで書いておきたいと思う。

全体像をつくるというのは、実は単なるボトムアップではなく、部分→全体、全体→部分を行ったり来たりしながら構造化していく。

そのときに、僕のなかにいくつかの方針(制約)があって、チューニングしながらつくるのである。

その方針(制約)の第一は、「3つ」でまとめるということ。全体を3つに分ける。個々のパターンも3パターンでひとまとまりとする、など。ラーニング・パターンも、プレゼンテーション・パターンも、コラボレーション・パターンもすべて「3」でまとめている。

方針の第二は、中心(No.0)をつくる、ということ。パターン・ランゲージにNo.0をつくっているのは、実は僕らぐらいのもので、これにはこだわりがある。このパターン・ランゲージの中心に位置するもの(センター)は、このランゲージのなかにあるべきだと考えている。外ではなく内に持ちたい。

方針の第三は、パターンの順序。僕らはパターンにあえてシーケンシャルな番号をつけている。その順に冊子に収録されることになる。なので、前から読んで違和感がなく、理解しやすいような順番性を考える。しかも、各まとまりのなかで重要なものが先に来るようにし、オプショナルなものは後にしている。

こういう観点から、パターン・ランゲージの体系をつくり込んでいく。もちろん、単純な線形的なプロセスでは進まず、全体での位置が変わるとパターンの内容やニュアンスが変わってくる。そうやって、部分と全体を行ったり来たりしながら、パターンの関係性を構造化していくのである。

あるとき納得した順番も、よくよく考えると、やっぱりしっくりこない、ということがよくある。その繰り返しなのだ。だから、パターンの順番の並び替えは、実は冊子完成の数日前まで行なっている。完成すると、まるで当たり前のような顔をして存在している全体像も、最後の最後まで、より最適な配置となるように編集されているのである。

これが、パターン・ランゲージの全体像をつくるという際の、これまで語られることがなかった密かなこだわりなのである。


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ラーニング・パターンの全体像


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プレゼンテーション・パターンの全体像


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コラボレーション・パターンの全体像
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生きのびるための「生きた言語」をつくる — 防災のパターン・ランゲージ

大きな地震や津波が起きる日本において、生きのびるための「生きた言語」をつくる。そのことに「未来への使命感」をひしひしと感じている。

生きのびるための「生きた言語」は、防災のパターン・ランゲージであり、新しい防災のためのメディアである。「サバイバル・パターン」(survival patterns)とでも言おうか。

サバイバル・パターンでは、地震や津波にどのように備えたらいいのか、地震が起きた瞬間に何をすべきか、発生から数日何をすべきか、を覚えやすく思い出しやすいかたちで言語化する。「生きた言語」としてコミュニティの共通言語になるようにつくる。

パターン・ランゲージは、外から大きな枠をはめるのではなく、今の自分のやり方をベースに拡張することを支援する。防災の支援でも、こうすべきという手引きをつくるよりも、そういう方が適用しやすいはずだ。みんな状況は多様だし、いっぺんにたくさん言われても、行動や習慣は一気には変えられないからだ。

しかも、パターン・ランゲージでは、その小さな知恵に名前をつけ、頭に残り、「ことば」として使うことができるようにする。コミュニケーションに乗れば、また意識においてもリマインドされる。生きのびるための「生きた言語」をつくる。

そして、パターン・ランゲージは、デザイン(問題発見・解決)を支援する。つまり、これをやりなさいと言われたことをするのではなく、自ら考えることを支援する。サバイバル・パターンがあれば、防災訓練も変わるはず。表面的な行為の練習ではなく、デザイン(問題発見・解決)の実践になることが予想される。

このように、拡張支援の小さな単位と、デザイン(問題発見・解決)の支援、生きた言語をつくる、という3点において、防災のパターン・ランゲージは、従来の「防災の手引き」とは違う効果をもつというのが僕の仮説だ。

仮説だから、やってみないとわからない。だから、研究としてやるしかない。僕がサバイバル・パターンを大学という立場から取り組むのは、そういう理由。

これからも地震が起き続ける日本とそこに住む人のために、僕らの専門性から貢献できることがあるとしたら、それだと思っている。

なので、このサバイバル・パターンづくりのヴィジョンに共感し参加してくれる人とは、いろんなかたちで連携してやっていければと考えている。
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パターン・ランゲージは、現状を肯定しながら少しずつ成長することを支援する

 パターン・ランゲージはマニュアルやハウツー本とどう違うのか、という質問をよく受けた。最近はあまり聞かれなくなってきたけれども、4、5年前はむしろこの質問しか来なかった。この質問には実はなかなかうまく答えられなかったのだけれども、最近、ようやく納得できる説明ができるようになってきた。

 僕らがパターン・ランゲージで目指しているのは、「これをこの手順でやるべし」というひとつの大きな枠にはめ込むことではなく、「いまの自分のやり方をベースとしながら少しずつ拡張・成長していくことの手助け」をすることだ。たくさんのパターンを含むパターン・ランゲージを前にしたときに、すべてのパターンを実践しなければならないという強迫観念を持たないようにしてほしいと思っている。

 パターンは、こうしなければならないというルールではなく、いまの自分らしいやり方を少しずつ拡張していくためのヒントだからだ。「大きな枠にはめ込んで自分を変える」のではなく、「自分を広げるために小さなヒントを取り入れていく」 ―― このニュアンスの違いを理解することが、パターン・ランゲージの意義を理解するためにには重要なのだ。だからこそ、抽象的な記述をするときによくあるような「少数の原則」や「大きなモデル」で提示するのではなく、「小さな単位の集合(ゆるやかにつながった体系)」でパターン・ランゲージはまとめられているのだ。現状を肯定しながら少しずつ成長・拡張することを支援するのにはこの方法しかない。

 これとも関係するが、その小さな単位にすべて「名前」がついていて、それらが共通言語になることが目指されているということが、パターン・ランゲージの大きな特徴である。つまり、各パターンは単にコツを記述・共有するためではなく、名前をつけて「ことば」として扱えるようにすることに本質がある。個々のパターン・ランゲージで目指している「いきいきとした全体」は、本来不可分なもの。それを要素分解して理解すると全体性は失われてしまう。なので、分解するのではなく、そのまま生け捕り、いろんな側面から読み解くための「ことば」をつくる。これがパターン・ランゲージをつくるということ。

 パターン・ランゲージは「ことば」であり、対象そのものではない。つまり、その「ことば」で記述したい対象=「いきいきとした全体」そのものではない。このことをごちゃまぜにして考えてしまうと、ことばで記述されたものをすべて組み合わせると「全体」をつくれると考えがちだが、それは間違いだ。

 クリストファー・アレグザンダーは、いきいきとした全体を言葉で説明することはできないから、それを「名づけ得ぬ質」(Quality Without A Name: QWAN)ととりあえず呼ぶことにした。パターンは「名づけ得ぬ質」そのものの「部分」ではない。パターンは、その質を指し示す記号に過ぎない。だから、パターン・ランゲージのパターンをいくら集めても、「いきいきとした全体」そのものにはならないのだ。パターンは、あくまでも「いきいきとした全体」にはどのような側面があるのか、という読み解き方/光の当て方にすぎない。パターン・ランゲージの意義は、「いきいきとした全体」を捉えるための手段がこれまでなく、それゆえコミュニケーションの俎上に載せることができなかった限界を克服し、それを可能にしたことだ。

 最近、僕らがパターンを書くときには、そのパターンが対象をうまく「記述」できているかだけでなく、そのパターンが「生成的」(generative)であるかを気にするようになった。今回のPLoP(パターン・ランゲージの国際学会)におけるRichard Gabriel や Jenny Quillienたちのアドバイスもその点だった。パターンが生成的(generative)であるというのは、ただの「記述」でしかないパターンが、その「いきいきとした全体」を生み出す/復元することができる力をもっているということだ。ただの記述では何も生じないが、生成力がある記述は、実際の生成につながりやすい。それでは、どうすればパターンが生成的(generative)になるのかと問われると、それはまだよくわかっていない、というのが現状だと思う。それを僕らも探究しているし、今後もつくりながら/教えながら、模索していくことになる。


 パターン・ランゲージの考え方って、全体を要素還元せずにそのまま理解しようとする「複雑系」や、「つくって理解する」という「構成的アプローチ」、社会をシステムとしてまるごと捉えようとするオートポイエーシスの「社会システム理論
」などと近いと思いませんか? そのような類似性・同型性が、僕や井庭研がそれらの分野からパターン・ランゲージの分野へと行き着いた背景にあるのです。
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パターン・ランゲージのランゲージ性 — どういう意味で「言語」なのか?

パターン・ランゲージは、なぜ「ランゲージ」(言語)と呼ばれるのかという質問をよく受ける。これにはいろんなレベルで答えることができる。

まず、パターンという単位が、言語における要素(単語)であり、それらが互いに文法的・意味的につながり得る体系があり、使用時にはそれにもとづく結合がなされること。個々のパターンは、それが指し示す対象を表す記号になっている。

パターン名は、そのパターンの内容を象徴するようなことばになっており、これを思考やコミュニケーションにおいて言葉として用いることができる。(僕らがよく開催しているパターン・ランゲージを用いた対話ワークショップを経験すると、この感覚はよくわかる。)

パターン・ランゲージを、ルーマンの「社会システム理論」的に捉えると、コミュニケーションの創発とその連鎖という「ありそうになさ」を生じやすくするメディアであり、社会システムと心的システムを構造的カップリングさせる「言語」であるといえる。(詳しくは、井庭 編著『社会システム理論: 不透明な社会を捉える知の技法』に書いたので、そちらをご覧ください。)

そして、パターン・ランゲージをつくる目的が、コミュニティの共通言語をつくることだというのもある。パターン・ランゲージは、共通言語として、コミュニティを支えたり、活性化させたりする。

これらを総合して、パターン・ランゲージはランゲージ(言語)なのだと考えることができる。
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「認識のメガネ」としてのパターン・ランゲージ — メガネをかける、メガネをつくる

パターン・ランゲージは、身のまわりの世界をある視点から見るための「認識のメガネ」だ。そのメガネをかけることで、これまで注目してこなかったことが浮かびあがって見えてくる。

例えば、コラボレーション・パターンを通して、自分たちのチームを眺めてみることで、自分たちが何をやっているのか、そして、何ができていないのかが見えてくる。しかも、よりよいチームにするために何をするとよいかのヒントも見えてくる。

しかも、パターン・ランゲージという「メガネ」は、誰かがつくったものを使うだけでなく、自分たちでつくることができる。自分たちで自分たちの新しい「認識のメガネ」をつくることができるのだ。今後、井庭研では、自分たちでパターン・ランゲージ(認識のメガネ)をつくるだけでなく、パターン・ランゲージをつくる人(認識のメガネ職人)を支援したいと思っている。


世界をある視点で見る「認識のメガネ」(パターン・ランゲージ)は、使っているうちに身体の一部になっていく。メガネを意識的に使う必要はなくなっていくのだ。

僕は博士研究では、思考とコミュニケーションの道具としてのモデリング・シミュレーションのシステム(PlatBox)をつくった。そのとき感じた限界は、そのシステムが、「そろばん」のように体化し必要でなくなる道具ではなかったことだった。そろばんは慣れてくれば、頭のなかではじくことができるようになり、最終的にモノ自体は必要なくなる。しかし、僕らのシステムはずっとそれを使い続ける必要があった。依存し続けなければならない道具だったのだ。しかも、世界の複雑さに対峙するための道具そのものの複雑さを減らすことができなかった点でも限界があった。その道具を使うことができるようになるまでの学習コストが高かったのだ。

その後取り組んだニクラス・ルーマンの社会システム理論も、社会をある視点から捉える「認識のメガネ」としてかなり有効だった。しかし、システム理論の「認識のメガネ」は、そのものの複雑度が大きいため、そのメガネでものを見ることができるようになるのに時間がかかる。しかも、システム理論の「認識のメガネ」はなかなか自分でつくれるようにはならない(僕は自分で「創造システム理論」という独自のメガネをつくったけれども)。そういう意味で、「認識のメガネ」と「認識のメガネづくり」の普及・民主化という観点からは、システム理論も展開可能性については限界を感じざるを得なかった。井庭研で、半年で特定の領域のパターン・ランゲージをつくることはできるようになっても、半年で特定の領域のシステム理論をつくることはできていない(そもそもほとんど試みていない)。

そう考えると、パターン・ランゲージは、モデリング・シミュレーションやシステム理論よりもつくりやすいメディア/道具なのだと思う。しかも、その作成にも使用にもテクノロジーを用いない(ことばというプリミティブなメディアを使っている)ため、敷居も低い。そして、何より「認識のメガネ」としての機能と効果を実感しやすいメディアであると思う。僕にとっては、上述のような反省から出発してパターン・ランゲージにたどり着いたので、これらの特徴はとても可能性を感じている理由となっている。

それ自体が複雑ではなく、前提知識・スキルが求められず、使っているうちに体化していく道具。思考とコミュニケーションと創造を支援する道具。それが僕にとってのパターン・ランゲージだ。


ことあるごとに語っているが、僕は社会の時代変化を3つのCで表して捉えている。

Consumption(消費社会)→ Communication(情報社会)→ Creation(創造社会)

現在私たちは情報社会から創造社会(Creative Society)に移行しつつある。この創造社会の実現に向けての方法・道具として、僕が取り組んでいるのが、パターン・ランゲージ。僕のなかで、これと同じ方向性を向いている研究・活動が、FabLabだと思っている。ものづくりの観点から、創造社会の実現に向かっているのだ。

メガネといっても、認識の「メガネ」ではなく、実際のモノの眼鏡をつくることができちゃうのが、FabLab。装置の民主化を進めることで、誰でもモノをつくることができるようになる。モノの世界はFabLabがやってくれるので任せることにして、僕がやりたいのは、認識のメガネづくりの民主化。パターン・ランゲージという「ことば」をつくり、認識を生み出し、思考とコミュニケーションと創造を支援する。体得し、消えてゆくメディアとしてのパターン・ランゲージ。


先月、井庭研パターン・ランゲージ3部作と位置づけた、ラーニング・パターンプレゼンテーション・パターンコラボレーション・パターンのうち、最後のコラボレーション・パターンが完成した。3部作すべてをあわせると108個のパターンがあり、僕はこれらが創造社会に生きる人にとっての基本スキルとなると考えている。5年越しでようやくミッションを達成した。しかも、僕が最初のパターン・ランゲージ(モデル・パターン)を書いてから10年が経った。10年則というのはやはりあるようで、10年やってきたからこそ見えてきたこともたくさんある。

これから井庭研のパターン・ランゲージ研究は新しいフェーズに入る。僕自身、とても楽しみにしている。そして、みなさん、今後の展開もお楽しみに!
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「いきいきと美しく生きる」ためのパターン・ランゲージ、ORFで公開・配布!

「いきいきと美しく生きる」ためのパターン・ランゲージ『ジェネレイティブ・ビューティー・パターン』Generative Beauty Patterns, 通称 ジェネパタ)が完成しました!

GBPcover.jpgGenerative Beauty Patternsは、自分らしく「いきいきと美しく生きる」ためのパターン・ランゲージです。"generative"(生成的)というのは、日々、自分で自分の「いきいきと美しく生きる」生き方をつくっていく、という意味です。

今回まとめた冊子には、48個のパターンが収録されています。各パターンには、「いきいきと美しく生きる」ことについて考えること・実現することを支援するヒントが書かれています。大切なのは、ここに書かれているのが「いきいきと美しく生きる」ための直接的で具体的な「答え」なのではなく、読む人ごとにその人らしさを踏まえながら、自分なりの「いきいきと美しく生きる」やり方を考え・実践する支援のメディアだということです。

このパターン・ランゲージを活用することにより、一人ひとりが「いきいきと美しく生きる」ために大切だけれど日頃忘れがちなことを思い出したり、自分にはなかった発想を得たりする機会となります。また、「いきいきと美しく生きる」ことについて、会話(コミュニケーション)にもつながるはずです。


Generative Beauty Patternsでは、48個の「いきいきと美しく生きる」パターンが、9つのグループに分けられています。グループ名には、そこにあるパターンを象徴するメタファーで、花、竹、土、虹、水、海、星、月、陽と呼んでいます。

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9つのグループは、
 美しさを育むための「花」「竹」「土」、
 いきいきとした気持ちやパワーを生み出す「虹」「水」「海」、
 より豊かで深みがある人生を実現するための「星」「月」「陽」、
というように、より大きな3つににまとまっています。


『Generative Beauty Patterns』の冊子は、カラー128ページで、井庭研のパターン・ランゲージとしては初めて写真でビジュアル表現をしているパターン・カタログです。

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この『Generative Beauty Patterns』の冊子を、2012年11月22日(木)・23日(金・祝)に、六本木の東京ミッドタウンで行われる 「SFC オープン・リサーチ・フォーラム」(ORF)展示ブースで配布します! 配布場所は、展示D25 「いきいきと美しくなるためのランゲージ - Generative Beauty Patterns」(Generative Beauty Project)です(先着3,000名)。ぜひお越しください!

SFC Open Research Forum 2012
SFC オープン・リサーチ・フォーラム2012(ORF2012)


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【開催日時】2012年11月22日(木)~23日(金・祝)
【開催時間】 10:00~19:30(ただし、23日のみホールは18:00閉場)
【開催場所】 東京ミッドタウン ホール&カンファレンス
       入場料無料/事前登録不要
【主催】 慶應義塾大学SFC研究所
【ホームページ】http://orf.sfc.keio.ac.jp/

展示D25 「いきいきと美しくなるためのランゲージ - Generative Beauty Patterns」(Generative Beauty Project)



なお、2012年11月16日(金)に、本プロジェクトの成果について、慶應義塾大学SFC研究所とカネボウ化粧品の共同でプレスリリースを行いました。

慶應義塾大学とカネボウ化粧品の共同プロジェクトにより “いきいきと美しく生きる”ためのパターン・ランゲージを制作

慶應義塾大学 SFC研究所 井庭崇研究室とカネボウ化粧品 価値創成研究所は、共同プロジェクトとして、女性が「いきいきと美しく生きる」ためのパターン・ランゲージ「Generative Beauty Patterns」を制作しました。これは、経験知を言語化・体系化したもので、あらゆる女性が「いきいきと美しく生きる」ことを促すための、まったく新しいタイプの支援ツールです。

プロジェクトチームは、11月22日・23日に六本木の東京ミッドタウンで開催される「慶應義塾大学 SFC オープン・リサーチ・フォーラム」でこのパターン・ランゲージを収録した冊子を配布するとともに、 今後、パターン・ランゲージを用いたコミュニティの活性化に取り 組みます。カネボウ化粧品は、本プロジェクトを通じ、より多くの 女性が美に対する発想を広げ、自分らしく「いきいきと美しく生き る」ことを支援していきます。

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プレスリリース内容については、以下のプレスリリース本文をご覧ください。

「慶應義塾大学とカネボウ化粧品の共同プロジェクトにより “いきいきと美しく生きる”ためのパターン・ランゲージを制作」(PDF)


なお、Generative Beauty Patternsの今後については、ホームページ http://www.generativebeauty.jp/ で随時お知らせしていく予定です。

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授業シラバス「パターンランゲージ」(2012年度秋学期@SFC)

今年のパターンランゲージの授業は、アレグザンダーの『パタン・ランゲージ:環境設計の手引』を教科書にして、しっかり読み込みながら、「生き生きした全体」をつくる要素(center)について考えます。


「パターンランゲージ」(創造技法科目-デザインと情報スキル)
2012年度 秋学期 月曜日3時限
担当教員 井庭 崇

【主題と目標/授業の手法など】

この授業では、「生き生きとした全体」を実現するための共通言語である「パターンランゲージ」について、その考え方と方法を学びます。パターンランゲージは、創造・実践の経験則 を「パターン」という単位にまとめ、それを体系化したものです。かつて、建築家のクリストファー・アレグザンダーは、生き生きとした町や建物に繰り返し現れる関係性をパターンとしてまとめました。その後この考え方は、ソフトウェア開発の分野に応用され、成功を収めました。SFCでも、創造的な学びのパターン・ランゲージとして、「ラーニング・パターン」(Learning Patterns)や、創造的なプレゼンテーションのパターン・ランゲージである「プレゼンテーション・パターン」(Presentation Patterns)が制作されてきました。この授業では、パターンランゲージの考え方を学びながら、新しい分野において、自らパターン・ライティングできるようになることを目指します。


【授業計画】

第1回 イントロダクション
この授業の内容と進め方と、パターンランゲージの背景にある考え方を説明します。

第2回 生き生きとした全体について語り合う
自分たちの身の回りにある「生き生きとしている」もの・ことは、どのような要素で成り立っているのかを語り合います。

第3回 建築におけるパターン・ランゲージ (1)
クリストファー・アレグザンダーの『パタン・ランゲージ:環境設計の手引き』を読み込み、生き生きとした町や建物がどのような要素(パターン)で成り立っているのかを考えます。

第4回 建築におけるパターン・ランゲージ (2)
クリストファー・アレグザンダーの『パタン・ランゲージ:環境設計の手引き』を読み込み、生き生きとした町や建物がどのような要素(パターン)で成り立っているのかを考えます。

第5回 建築におけるパターン・ランゲージ (3)
クリストファー・アレグザンダーの『パタン・ランゲージ:環境設計の手引き』を読み込み、生き生きとした町や建物がどのような要素(パターン)で成り立っているのかを考えます。

第6回 パターン・マイニング
「生き生きとした全体」を支えるパターンについて、自分たちの経験や観察・インタビューによって掘り起こします(マイニングします)。

第7回 パターン・ライティング (1)
掘り起こして把握したパターンを、状況・問題・解決のパターン形式で書いていきます。

第8回 The Nature of Order 鼎談
クリストファー・アレグザンダーの最新著作『The Nature of Order』について、中埜博さんと羽生田栄一さんをゲストにお招きして語り合います。中埜さんはアレグザンダーに師事した建築家で、パターン・ランゲージやセンタリングの考え方を実践している方です。羽生田さんはソフトウェア分野において、パターン・ランゲージなどの利用の推進をしている方です。

第9回 The Nature of Order 鼎談
クリストファー・アレグザンダーの最新著作『The Nature of Order』について、中埜博さんと羽生田栄一さんをゲストにお招きして語り合います。中埜さんはアレグザンダーに師事した建築家で、パターン・ランゲージやセンタリングの考え方を実践している方です。羽生田さんはソフトウェア分野において、パターン・ランゲージなどの利用の推進をしている方です。

第10回 パターン・ライティング (2)
掘り起こして把握したパターンを、状況・問題・解決のパターン形式で書いていきます。

第11回 魅力があり、想像力をかきたて、人を動かすことばをつくる
魅力があり、想像力をかきたて、人を動かすことばは、どのようにつくるのでしょうか。パターン・ランゲージがもつ「ことば」の側面(現実をみるためのコンセプトであり、共通言語であるということ)について、考えます。

第12回 ライターズ・ワークショップ (1)
書いたパターンをよりよいものにするための「ライターズ・ワークショップ」を行います。

第13回 ライターズ・ワークショップ (2)
書いたパターンをよりよいものにするための「ライターズ・ワークショップ」を行います。

第14回 プレゼンテーション+総括
この授業を通じて作成したパターン・ランゲージの発表を行います。


【教材・参考文献】

□ 教科書
  • 『パタン・ランゲージ:環境設計の手引』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1984)
  • 『【リアリティ・プラス】 パターン・ランゲージ』(仮)(井庭崇 編著, 慶應義塾大学出版会, 2012年秋出版予定)

□ 参考書

  • 『時を超えた建設の道』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1993)
  • 『パタン・ランゲージによる住宅の建設』(C.アレグザンダー, 鹿島出版会, 1991)
  • 『まちづくりの新しい理論』(クリストファー・アレグザンダー, 鹿島出版会, 1989)
  • 『Notes on the Synthesis of Form』(Christopher Alexander, Harvard University Press, 1964)
  • 『The Nature of Order, BOOK ONE: The Phenomenon of Life』 (Christopher Alexander, The Center for Environmental Structure, 2002)
  • 『The Nature of Order, BOOK TWO: The Process of Creating Life』 (Christopher Alexander, The Center for Environmental Structure, 2002)
  • 『クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』(工作舎, 1989)
  • 『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡浩一郎, 技術評論社, 2009)
  • 『表現の技術:グッとくる映像にはルールがある』(高崎 卓馬, 電通, 2012)
  • 『名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方』(鈴木 康之, 日経ビジネス文庫, 日本経済新聞出版社, 2008)
  • 『【リアリティ・プラス】社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011)


【提出課題・試験・成績評価の方法など】

成績は、授業中の演習、宿題、最終発表/レポートから総合的に評価します。


【履修者制限】

履修人数を制限する。受入学生数(予定):約 80 人
選抜方法と時期:初回に志望理由を書いてもらいます。
授業関連 | - | -

「起業と経営」パターン:A Pattern Language for Entrepreneurship & Management

今学期SFCで担当しているアントレプレナー寄付講座「起業と経営」(2012年度春学期,竹中平蔵・井庭崇 担当)で行われたゲスト講演をもとに、そこで語られた「問題発見・解決をしながら生きる」ことについてのパターン・ランゲージを作成した。

この授業で来ていただいたゲストスピーカーは、佐野陽光さん(クックパッド株式会社)、小林正忠さん(楽天株式会社)、山口絵理子さん(株式会社マザーハウス)、山崎大祐さん(株式会社マザーハウス)、宮治勇輔さん(株式会社みやじ豚、NPO法人農家のこせがれネットワーク)、青柳直樹さん(グリー株式会社)、駒崎弘樹さん(NPO法人フローレンス)、今村久美さん(NPO法人カタリバ)、佐藤輝英さん(株式会社ネットプライスドットコム)である。

全員、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス:総合政策学部・環境情報学部)で学び、卒業した若き起業家たちである。ゲストスピーカーの方々には、「問題発見・解決をしながら生きる」ための考え方・方法・秘訣について、経験談を交えて語っていただいた。

その講演内容を「パターン・ランゲージ」という形式でまとめたのが、今回制作したものである。パターン・ランゲージとは、「どのような状況において、どういう問題が生じやすく、それをどう解決するのか」という発想・秘訣を言語化し共有するための手法である。ひとつひとつの発想・秘訣は、Context (状況) 、 Problem (問題)、Solution(解決)という形式でまとめられる。それをパターンと呼び、各パターンには名前がつけられている。この名前が、発想・コツを考えたり語ったりする際の共通言語として用いることができる。各パターンは、次のような形式で書かれている。

パターン名 ←発想・コツを端的に表すための名前
…………。 ←このパターンを印象的に理解するための導入文
【Context】…………。←どういう状況で、次に示す問題が生じやすいのか
【Problem】…………。←上述の状況において、生じやすい問題は何か
【Solution】…………。←その問題をどのように解決するとよいのか


各パターンを読むときには、まず、パターン名と導入文を読んで、その内容を感覚的にイメージする。そのあと、それに続く詳細な記述を読んでいく。

「【Context】……の状況において、【Problem】……という問題が生じやすい。そこで、【Solution】……をするとよい。」

というふうに読んでいく。


「起業と経営」パターン:A Pattern Language for Entrepreneurship & Management は、36個のパターンで構成されている。パターンは、大きく分けて次の4つのカテゴリに分けられる。

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このパターンについてまとめた資料のPDFは、以下からダウンロードできる。

「起業と経営」パターン:A Pattern Language for Entrepreneurship & Management

本パターンは、ゲスト講演の内容をもとに、井庭崇(総合政策学部准教授)と授業SA/井庭研メンバーの濱田正大・松本彩によって抽出・執筆された。


「起業と経営」パターン:A Patter Language for Entrepreneurship & Management

1. 挑戦する人生
2. 未来からの視点
3. 若いうちのリスク

4. 問題意識の芽
5. 問題発見の眼鏡
6. 当事者意識のアンテナ

7. やる/やらない
8. 時間をつくる
9. 手段としての起業

10. ユーザー視点のスタート
11. 仕組みをつくる
12. プロセスにも哲学

13. 直感判断
14. 「Why」を詰める
15. 絶対的な価値観

16. 小さな成功から
17. 魅力的なストーリー
18. 認識を生む言葉

19. 自我作古
20. 自分の信じる道
21. 自分なりのスタイル

22. 自分への投資
23. ベースとしての学問
24. 走り続ける体力

25. 成功するまで
26. 原点確認
27. 批判を力に

28. 時代の風
29. 奥深いテーマ
30. チャレンジングな目標

31. 創造し続けられるチーム
32. 成長のための循環
33. 刺激的な環境

34. 与えず引き出す
35. 次世代の育成
36. 日本を活かす
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パターン・ランゲージ制作の拠点があるとしたら、どんなものだろうか?

ひとつ前のエントリー「クリエイティブ・メディア(創造的メディア, creative media)とは」で、パターン・ランゲージとパーソナル・ファブリケーションはともに、クリエイティブ・メディアだということを書いた。

そのように関連づけ、アナロジーで考えてみると、パーソナル・ファブリケーションにあって今のパターン・ランゲージにないのは、FabLabのような「場」だと気づく。パターン制作には高価な物理的装置は必要ないので、一見、場は重要でないように見えるが、それでも場について考えるのは重要かもしれない。

僕らがパターン・ランゲージをつくるとき、必ずひとつの場所に集まって作業するし、やりやすい環境や、必要な道具立て(ポストイット、サインペン、ホワイトボードなど)もある。だから、場が重要ではないとはいえない。しかし、これまで場の可能性については、ほとんど考えられてこなかった。

僕は、世界のあちこちで、また、いろんな分野・領域で、誰もが自分に必要なパターン・ランゲージ(より正確に言うならば、その上位概念のクリエイティブ・ランゲージ)を書けるようになることを目指している。そうであるならば、世界に点在する拠点とそのネットワークであるFabLabのように、僕らも場について、もっと真剣に考えるべきなのかもしれない。

街や組織のなかにパターン・ランゲージ制作の拠点があるというのは、どんな感じだろうか。FabLabから発想すると……あるパターンを書きたいと立ち寄り、熟練者からアドバイスをもらいながら書いて、来てる人たちでライターズ・ワークショップを行い、洗練させる。最後は冊子やオンライン化もできる。


いろいろな領域における創造・実践の知恵が行き交う空間。

それが言語化され、かたちになる場所。


考えただけでも、素敵な感じがする。

とはいえ、まずは僕はFabLabに遊びに行かねばらならない。

話はそれからだ。
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ルール/制度/やり方の再設計のメディアとしてのパターン・ランゲージ

僕が最近感じている、新しいパターン・ランゲージの意義は、(組織/コミュニティ/社会 における)「これまでの ルール/制度/やり方/こだわり を踏まえて再設計するための方法論」として使えるということ。


ある組織/コミュニティ/社会 において、既存のルール/制度/やり方/こだわり は、ふつうそれだけが継承されるが、その結果、後に(引き継いだ世代で)形骸化し、改変もできなくなることが多い。

世代を超えるときに形骸化しやすいのは、なぜそのような ルール/制度/やり方/こだわり になったのかという「設計意図」が、忘れ去られてしまうからである。

ルール/制度/やり方/こだわり は、本来コンティンジェントなものであり(別様でもあり得た)、そのなかのあるひとつの形(具体的なルール/制度/やり方/こだわり)になるのかは、なんらかの意思決定や経緯によって「選択」された結果である。

その選択に関わった人(意思決定をした人やその経緯を知っている人)が、その組織/コミュニティ/社会からいなくなってしまうと、ルール/制度/やり方/こだわり の設計意図がわからなくなる。こうやって、あとは、ただただそれらを継承するということになりがちになる。

そういう状況になると、その形骸化が問題だと考える人が出てきても、それを「捨てるか/残し続けるか」という二者択一になりがちで、実際には捨てることはできずに身動きがとれなくなる。そうして、形骸化した過去の ルール/制度/やり方/こだわり が残り続ける。

こういうことが、いま、日本でも広く起こっていることなのではないか。戦後、高度経済成長時代につくられてきたあらゆる ルール/制度/やり方/こだわり が形骸化し、おかしくなって、軋んでいるのに、それを変えるための適切な方法がない状態 のように思える。


このような現状において、組織/コミュニティ/社会 における ルール/制度/やり方/こだわり を、パターン・ランゲージとして書いていくと、これまでを踏まえた再設計ができるようになるのではないか。これが、最近僕が感じている、パターン・ランゲージの新しい意義。

つまり、ルール/制度/やり方/こだわり ごとに、それらが解決しようとしている「問題」を明文化し、そしてその問題が生じる「状況」や、問題の背後に働く力「フォース」を明らかにする(これらはパターン・ランゲージの主要要素)。

そうやって、パターン・ランゲージの形式で書いていくことによって、個々の ルール/制度/やり方/こだわり が何のためのものであるのか(設計意図)が明らかになり、それらについて議論したり、扱ったりするのが容易になる。

特に、パターン・ランゲージの強みである「記述単位の小ささ」(モジュール性)が重要で、再設計をする際に、これは捨てて、これを残し、この部分のここを変える、というような取捨選択が可能になる。また、個別の検証を並行してい行うことも可能になる。

日本社会、そしてあらゆる組織が、今後さらに、これまでの ルール/制度/やり方/こだわり を踏まえながらも、新しい ルール/制度/やり方/こだわり のデザイン(再設計)をするということに取り組まなければならなくなるだろう。それを、パターン・ランゲージという方法で支援したい。

それが、僕の考える(組織/コミュニティ/社会 における)「これまでの ルール/制度/やり方/こだわり を踏まえて再設計するための方法論」としてのパターン・ランゲージということ。


なお、これまでの話は、誰かが意図的に設計したもの(ルールや制度など)でなくても、自然発生的にそうなったもの(文化)も対象となり得る。つまり、結果としてうまくいっているから共有され、残ってきたものでも構わないということ。

そういった(組織/コミュニティ/社会)の「文化」についても、それがどのような機能を果たしているのか、ということを考えることで、パターン・ランゲージとして書くことができるはず。

建築家であり、アレグザンダーに師事した中埜博さんも、ルース・ベネディクトの『菊と刀』はパターン・ランゲージ的である、と言っている(パターン・ランゲージの形式やパターン名がついていないのでパターン・ランゲージではないが)。そして、パターン・ランゲージは、文化を記述するのに適している、とも。

このように、誰かが意図的に設計したものであっても、自生的に形成され残ってきたものであれ、パターン・ランゲージとして書き起すことができ、それらを並べて、今後どのように行くべきかを考える(再設計する)ことができるのではないか。


これらはすべて仮説だけれども、現在、動き始めているいくつかのプロジェクトで、このような発想の取り組みをし始めているので、そこでの実践を踏まえて、さらに考えていきたい。

このような発想は、現場との共同研究のための話し合いで生まれてきた。そして、あちこちで似たような感触を感じる。今後も、いろんな人と、話し、考え、つくっていきたい。
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