井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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まとまった時間と寄り道

在外研究でボストンに行っている土屋さんが、ブログで次のようなことを書いていた。

「先週はかなり研究をした。東京にいるときは一つのことに3時間まとまって使えれば良いほうだったが、こちらでは用事がないので、集中すると一日中ずっとできる。」

じっくり時間をとれるなんて、なんともうらやましい話である。

でも、実は僕も最近ようやく、まとまった時間がとれるようになってうれしく思っていたところだ。もちろん、土屋さんのように丸一日というわけにはいかない。「3時間まとまって使えれば良いほう」という「3時間」がようやくとれるようになったのだ。

僕ら大学教員は、研究、教育、学事など、複合的に仕事をしている。また、仕事以外でも人との関わりのなかで、自分の都合を優先できず、時間が減ったり、コマ切れになることもある。結果として、研究に割ける時間が削られていく。特に仲間がいない個人研究の場合は、重要であっても後回しにせざるを得なくなることが多い。短期的には仕方のないことかもしれないが、これが長く続くと研究者として致命的になる。特に30代で自分の道を切り開かねば、先はない。頭ではわかっているが、なかなか生活が変わらない。このまま、いったい僕はどうなってしまうのだろうか? そういう状況が、ここ2、3年ほど続いていた。

そんななか、この春からある程度まとまった時間をとれるようになった。3時間あると一仕事できるので、非常にありがたく思う。一人で過ごす時間も増えたし、場の流れで「飲み」に行く、というような自由も久々に味わえている。真剣に研究に取り組む時間がとれているからこそ、ちょっとした寄り道を味わうことが可能なのだ。このような状況がいつまで続くかはわからないが、いまのうちにどんどん研究を進めていきたいと思う。
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