井庭崇のConcept Walk

新しい視点・新しい方法をつくる思索の旅

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「学びながら書く」(第二言語によるライティング・パターン)

「第二言語によるライティング・パターン」(Second Language Writing Patterns: A Pattern Language for Writing in a Second Language)プロトタイプ Ver. 0.1のなかのパターンのひとつ。


「学びながら書く」

文章を書いているときこそが、表現のストックを溜めるチャンスである。


Context: 自分が深く慣れ親しんでいるわけではない第二言語(外国語)で、文章を書いている。

Problem: いま書こうとしていることを、どのように表現すればよいのかわからず、なかなか筆が進まない。それは、第二言語でどのような言葉で表現するのが適切なのかや、どのような言い回しがよく用いられているのかについての知識が欠けていることに原因がある。

Solution: 自分で文章を書いているときにこそ、その言語で書かれていて、かつ、自分が書く内容・分野に近い本/Webページに目を通して、適切な単語やよく使われている言い回しを学ぶ。そのとき、著者独特の言い回しを中和するため、著者が異なる複数の文献に目を通すようにするとよい。「学んでから」書くのではなく、「学びながら」書くという点が重要なので、最初から最後までいつも表現のストックを溜めながら書き進めるようにする。現段階で表現ストックが少ないことを悔やむのではなく、「目的がはっきりしている分、効率的に学ぶことができる」と前向きに考えよう。

Consequence: 読めば読むほど、その分野・内容での言葉の使い方をつかむことができ、その言語における自然な文章に近づいていくだろう。ただし、表現を学ぶことを楽しみすぎて、書く手がながく止まることがないように注意しよう。また、ひとつの文献から長めのフレーズをそのままコピーしてしまうと「盗用」になってしまうので、注意が必要である。その意味でも、複数の文献から学ぶということが大切である。
ライティング・パターン | - | -

第二言語によるライティング・パターン

最近、学生と英語でパターン・ランゲージや論文を書いているときに、英語でのライティングについてアドバイスしたり、自分で重要性を再認識したりしたコツを、パターン・ランゲージの形式でまとめてみた。


第二言語によるライティング・パターン
Second Language Writing Patterns: A Pattern Language for Writing in a Second Language

プロトタイプ Ver.0.1(井庭 崇, 2012年5月17日)


これは、第二言語(母語ではない言語、外国語)での文章執筆のコツを、パターン・ランゲージの形式でまとめたものである。それぞれのコツは、どのような状況(Context)、どのような問題(Problem)が生じやすく、うまくできている人はどうやっているのか(Solution)、そして、その結果どうなるのか(Consequence)という項目で、ひとつのパターンとしてまとめられている。

これらのパターンは、文章を書くためのパターンとして書かれているが、別の面から見ると、第二言語習得のためのパターンでもある。その意味で、以下に示すのは、「第二言語によるライティングを通したクリエイティブ・ラーニング」のパターン・ランゲージだということもできるだろう。

今回は、次の4つのパターンのプロトタイプ Ver.0.1を書いたので紹介したい。

「学びながら書く」

「その言語でのニュアンス」

「その言語で考え直す」

「構造とつながり」
ライティング・パターン | - | -

KJ法のコツ(パターン・マイニングのための収束思考)

井庭研では、パターン・ランゲージをつくる際に、自分たちのこだわりをブレインストーミングによってたくさん出したあと、KJ法によってまとめていく。そのときのコツがあるので、以下に書き出してみたい。

KJ法では、まず、大きなテーブルの上に、模造紙敷き詰める。複数枚の模造紙をテープでつなげて広い平面をつくる。この紙面の広さが、思考の可能性の広さだと考えた方がよい。なので、なるべく広くとりたい。

そして、その上に、アイデア(パターン・マイニングの場合には、取り組んでいるテーマに対するこだわり・コツ)を付箋に書いたものをランダムに貼っていく。この付箋は、その前の段階のブレインストーミングで書かれたものである。

模造紙の上に、貼ってみて、適度に空白のスペースがある方がよい。(ただし、実際問題として、かなり多くの付箋がある場合には、空白がつくりにくい場合もある。次のコラボレーション・パターン プロジェクトでの写真のように。)

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僕らはKJ法は、いつも、立って行っている。座ってしまうと、遠くの付箋が見えない上に、気持ちが落ち着いてしまって、取り組みの姿勢がスタティックになってしまう。立っていれば、テーブルの違う位置に移動して、違う角度から見たりすることもしやすい。

あとは、話し合いや思考を促すような、音楽をかける。音楽に思考を占領されないように、ノリがよくてあまりみんなが知らない曲の方がよい。


KJ法では、付箋に書かれた意味を考え、その意味が近い付箋同士を近づけて再配置する。ぺたぺたと付箋を張り替えるのである。

複数人でKJ法をやる場合には、他の人に、どの付箋とどの付箋がどういう意味で近いと思うのか、を表明し、話し合う。このことで、付箋の意味の再確認ができ、かつ、全員が付箋間の距離についてのイメージが、少しずつわかってくるようになる。

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パターン・マイニングのKJ法では、ひとつの付箋にはひとつのこだわりが書かれているので、付箋間の距離はこだわり間の距離ということになる。だから、付箋と付箋を近づけるというのは、こだわりとこだわりが近いということを確認するということ。

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KJ法をやるときに、一番気をつけなければならないのは、既存の枠組みに当てはめて配置するのではだめだということ。つい、「○○系」とか「○○的」と言って近づけたくなるのだけど、この言葉が出たら危険。当てはめる枠組みを想定して、そこれに所属させようとしている証拠。

KJ法の最初の段階(最初と言ってもここが一番ながい)では、まとまりは見ず、あくまでも二つの付箋の近さという観点で考える。すでに近づけたAとBにCを近づけるときには、Cと「AとBのまとまり」との距離を考えるのではなく、「CとA」の距離と「CとB」の距離を考える。

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この「二者間の距離を積み上げていく」意識はとても重要。これを強く意識してやらないと、あっという間に、形成しつつあるまとまりに、他の付箋を吸着する作業になってしまう。これでは、真に「付箋(こだわり)間の距離」を考えることにはならず、KJ法としては失敗となる。

そして、KJ法では、一度近づいたものもまた離れたり、一度まとまったものもまたばらけたりすることが頻繁に起こる、ということを十分理解することも大切。そうしないと一度考えたことにずっと囚われることになってしまう。すべてが一時的で流動的でありながら、徐々に組織化がなされていく。

なので、中盤でまとまりが認識できるようになってきたとき、早くペンや鉛筆で囲ってしまいたくなる衝動にかられるのだが、そこはぐっと堪えたいところ。まとまりを丸で囲ってしまうと、心理的に安心してしまって、もうそこは不動のものとなってしまう。この安心感も、KJ法の敵である。

まだ場所が定まっていない付箋を、一度場外に出してもよいか、という質問も受ける(場が複雑で読み取りにくいという理由)。僕の答えはNO。すべての付箋は、その空間上に置くべき。変なところに置いてあるのであれば、それが違和感や気持ち(居心地)の悪さを生み、早く動かそうという気持ちを生む。

この「混沌」とした状態からはじめ、「混沌」としたものと徹底的につきあうというのが大切だと思っている。それが川喜田二郎さんの言う「その混沌のなかから、“何とかしなければならない”という意思が生まれてくる」ということだと思っている。

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もうひとつ、付箋を場外に出してはいけない理由は、まだ誰とも近づいていない付箋同士が近づく可能性もあるからだ。場外に出してしまうと、場外に出したものをなかのまとまりに吸着させていく、という作業になりやすい。これは、先ほど書いたようにまずい。

KJ法を進めていくと、すべての付箋はそれが置かれている位置との関係が、ほのかに記憶に残っているもの。トランプの「神経衰弱」やカルタの場合と同様。だから、「あ、似たようなのが、あっちにあった!」というようなことになる。なので、他の人に黙って、勝手に付箋の場所を変えてはならない。

井庭研でやっているなかで、定番となったのは、いろんな色の付箋を使うということ。そうすると、大量の付箋のなかから探すときに、「黄色の付箋だった」というように、色をキーにして探しやすくなる。実際、みんな、言われなくても、自然と色を覚えている。

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あとは、実際に探すときのキーになっているのは、字の特徴や書かれた雰囲気。「○○の書いた汚い字のやつ」とか「大きく○○と強調されている付箋」というように、そういう情報も、ほのかな記憶として、KJ法の作業を後押ししてくれる。

パターン・マイニングの中盤以降は、まとまりを囲っていく。そうすることで、落ち着かせる。その段階にいくまでは、妥協せず、とことん話し合いながら、配置換えを繰り返す。ここを急いではいけない。井庭研のコラボレーション・パターン プロジェクトでは、ここまでに11時間かけた。

次回は、この囲ったまとまりを、その台紙になってる模造紙ごと切って、まとまりの浮遊物をつくり、今度は、それらのまとまり間の距離について考えていく。普通なら、そういう関係性も付箋を貼り直してやるのだけれども、数百枚の付箋があると、実際問題としてかなり難しい。そこで、そうすることに。

パターン・マイニングのKJ法の目的は、一つには、ローカルな距離の考察からボトムアップで全体を組織化していくということがあるが、もう一つ重要な目的がある。それは、パターンの粒度をあわせるということ。このKJ法が終わると、小さなまとまりを1つの「パターンの種」として捉える。

こだわりを出していったブレインストーミングでは、具体的なものもあれば抽象的なものもあり、細かい話もあれば大きな話もある。それをそのままパターンにすると、バラバラなレベルのものができてしまう。なので、KJ法で、それらの粒度や抽象度をあわせる、ということを行っている。

なので、パターン・マイニングのKJ法では、徐々に全体像をつくりながらも、部分の粒度や抽象度を合わせていく、という二兎を追っていることになる。ここがまた時間のかかるところであり、後半戦が大変な理由でもある。

以上が、パターン・マイニングにおけるKJ法で重要なことである。
「創造性」の探究 | - | -

コラボレーション・パターン プロジェクト活動映像#1

現在、井庭研では、創造的なコラボレーションのパターン・ランゲージ「コラボレーション・パターン」(Collaboration Patterns)を制作しています(→ 井庭研B1シラバス)。

そのパターン・ランゲージ制作の活動風景を、映像としてまとめて、公開していきます。

第一弾は、パターン・マイニングのためのブレイン・ストーミングの回。
コラボレーションにおける重要なこだわりについて、とにかくたくさん挙げていきます。テーブルの上が徐々に埋まっていく感じを、映像で追体験してみてください。


Vimeo "Brain Storming for Making a New Pattern Language for Creative Collaborations (Collaboration Patterns Project #1)"
Recorded by Collaboration Patterns Project, Edited by Takashi Iba.
http://vimeo.com/41613781

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これまで、井庭研でのパターン・ランゲージ制作は、事後的に講演・ブログ等で紹介してきましたが、今回は、制作途中の段階からどんどん紹介していきます。

また、これまでは、写真で活動の紹介をしていましたが、今回は動画です。とてもよく雰囲気がでていると思うので、ぜひ、ご覧ください。
コラボレーション・パターン | - | -

井庭研 英語ブログ「Creative Systems Lab.」スタート!

この春から、井庭研の英語ブログ「Creative Systems Lab.」がスタートしました!

今学期のメインライターは、下向 依梨、伊作 太一、中村 菫、松塚 耕、そして僕。

井庭研の活動や研究内容、そして、「社会システム理論」と「シミュレーションデザイン」の授業等について、写真付きで紹介していきます。

ぜひご覧ください!

Creative Systems Lab.
http://creativesystemslab.blogspot.jp/

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井庭研だより | - | -

【予告】講演「時間発展のネットワーク分析:Wikipedia, Music & Chaos」

2012年5月18日(金)に、電子情報通信学会 第3回情報ネットワーク科学研究会で招待講演を行います。


「時間発展のネットワーク分析:Wikipedia, Music & Chaos」
井庭 崇(慶應義塾大学 総合政策学部 准教授)

Wikipediaのコラボレーションのネットワーク分析や、音楽の分析、カオスの状態遷移ネットワークの研究などを事例に、時間発展の特徴を捉えるネットワーク分析のアプローチについてお話しします。



電子情報通信学会 第3回情報ネットワーク科学研究会
2012年5月18日(金) 13:30 ~ 17:30
開催場所: 首都大学東京(秋葉原キャンパス(ダイビル))
電子情報通信学会 第3回情報ネットワーク科学研究会
詳細は、 http://www.ieice.org/~netsci/?p=889 を参照してください。
このブログについて/近況 | - | -

【予告】HCD講演「パターン・ランゲージによる経験のマイニングと共有」

2012年5月19日(土)に、HCD(Human-Centered Design:人間中心設計)のHCD-Netフォーラムで招待講演を行います。この講演のなかで、ラーニング・パターンとプレゼンテーション・パターンを用いた対話ワークショップも行います。


「パターン・ランゲージによる経験のマイニングと共有」
井庭 崇(慶應義塾大学 総合政策学部 准教授)

各人がもつ暗黙的な実践知を、いかにして共有することができるのか? この問いに実践的に答えようとしているのが、「パターン・ランゲージ」による知識記述の研究です。パターン・ランゲージでは、どのような状況(Context)のときに、どのような問題(Problem)が生じやすく、それをどのように解決すればよいのか(Solution)の「パターン」が記述されます。ここで記述されるのは、単なるノウハウではなく、物事を見る視点と発想です。

ここで目指されているのは、暗黙的で実践知を完全に「ことば」で記述し尽くすことではありません。そんなことは到底不可能です。このことは、物や振る舞いを表す「ことば」が、物や振る舞い「そのもの」ではないのと同様です。パターン・ランゲージも実践知そのものではなく、それを指し示すためのインデックスにすぎません。それでも、パターン・ランゲージとして実践知を指し示す「ことば」をつくり共有することで、不可視の実践知をイメージしやすくし、他者と共有する道がひらけるのです。

パターン・ランゲージは、これまで「ユーザー参加型のデザイン」や「熟達者の視点・発想を学ぶ」ためのメディアとして用いられてきましたが、本講演では「多様な経験を掘り起こし、コミュニケーションの俎上に載せる」ためのメディアとして捉え直します。そして、そのメディアを活かした取り組みや、パターン・ランゲージの制作プロセスにも言及します。

本講演では実際に、「ラーニング・パターン」(創造的な学びのパターン・ランゲージ)と「プレゼンテーション・パターン」(創造的なプレゼンテーションのパターン・ランゲージ)を用いた対話ワークショップを体験していただきます(事前準備等は必要ありません。当日ペンなど筆記用具をお持ちください)。 お楽しみに!

●「ラーニング・パターン」 http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/
●「プレゼンテーション・パターン」 http://presentpatterns.sfc.keio.ac.jp/



2012年度 HCD-Netフォーラム「HCD・UXの学びと人材」
■日 時:2012年5月19日(土)13時~17時30分
■場 所:東海大学 高輪校舎
■主 催:NPO法人 人間中心設計推進機構
詳細は、http://www.hcdnet.org/
を参照してください。
イベント・出版の告知と報告 | - | -

アントレプレナー寄附講座「起業と経営」(竹中平蔵・井庭崇)開講!

2012年度春学期に慶應義塾大学SFCにて、アントレプレナー寄附講座「起業と経営」(金曜5限:竹中平蔵・井庭崇 担当)を開講します。

この講座では、「問題解決をしながら生きる」ということについて、考えていきたいと思います。

今の時代、そしてこれからの未来に向って、いかに問題を解決し、いかに生きていくのか。

そのようなことを日々考え、試行錯誤しながら、自ら新しい道を切り拓いている方々をゲストスピーカーとしてお呼びします。

・佐野 陽光さん(株式会社クックパッド)
・小林 正忠さん(楽天株式会社)
・山口 絵理子さん+山崎 大祐さん(株式会社マザーハウス)
・宮治 勇輔さん(株式会社みやじ豚、NPO法人農家のこせがれネットワーク)
・青柳 直樹さん(グリー株式会社)
・駒崎 弘樹さん(NPO法人フローレンス)
・今村 久美さん(NPO法人カタリバ)
・佐藤 輝英さん(株式会社ネットプライス)

いわゆる「ITベンチャー」から、いわゆる「社会起業家」まで、領域・テーマはさまざまですが、どの方も、世の中の問題を解決するために会社やNPOを立ち上げ、新しい道を切り拓いているSFCの卒業生たちです。これまで何を考え、どのように実践してきたのかについて、いろいろお話を伺いたいと思います。

この魅力的なゲストスピーカー講演に加え、竹中平蔵・井庭崇のレクチャーや対談、ワークショップも予定されています。


本講座が、学生のみなさんの今後の生き方を考えるきっかけ・刺激となることを願います。

2012年度春学期 金曜5限、アントレプレナー寄附講座「起業と経営」、ぜひ来てください。初回授業は、4月6日(金)@ τ12教室(大学院棟)です。


【本講座の履修について:SFC生向け】

本講座は、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所(G-SEC)が設置し、SFC(湘南藤沢キャンパス)で開講されるものです。

総合政策学部・環境情報学部の学生は、履修申告の際に、「他学部等設置科目」として登録することで、この授業の2単位が「進級/卒業に必要な単位」としてカウントされるようになります。設置学部で「グローバルセキュリティ研究所」を選び、「[B欄:21] 他学部等設置科目」として履修申告してください。

なお、時間割では、p.13の「グローバルセキュリティ研究所(設置科目)」の欄に記載があります。シラバスは、SFC-SFS上ではなく、keio.jpサイトに掲載されます。授業内容と進め方については、初回の授業でもお話しします。
授業関連 | - | -

井庭研卒業合宿2011(スキー/卒業式/人生プレゼン/サファリパーク)

先日、井庭研の卒業合宿に行ってきた。

井庭研の卒業合宿というのは、卒業する4年生を送り出す「追いコン」合宿のことで、井庭研恒例の行事。毎年春休みに、お世話になった4年生にプレゼントするつもりで、在校生と僕で(密かに)準備をする。

井庭研では普段から相当な時間を研究につぎ込んでいる分、こういう遊びの時間も大切にしていて、存分に楽しみたい。そう思っている。そうしないとバランスがとれないものね。

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今年の卒業合宿の1日目は、Yetiでスキー&スノボ。Yetiはゲレンデの数は少ないけれども、半日くらい楽しむのにはちょうどよい規模だった。

僕はショートスキー。ショートスキーというのは、かなり短いスキー板のことで、ストック無しで滑る。足の取り回しが楽だし、両手が自由になるのでいろいろなことができる。今回は、滑りながら、みんなが滑っている映像を撮影したり、一眼レフで写真を撮りまくったりした。

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こういうときって、結構性格がでるもので、お昼も食べずにずっと滑っている人もいれば、早々に休憩に入って、お昼やおやつを食べてくつろぐ人もいる(僕は前者のタイプ)。こういう遊び企画は、そういうのがわかるから面白いよね。

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そして、合宿の1日目の夜は、「井庭研卒業式」と「人生プレゼン」。

井庭研卒業式では、まず、井庭研卒業証書の授与。これは、在校生たちが、卒業する4年生ひとりひとりに個別に文面を考え、きちんとした賞状の紙に印刷してつくる。この文面が結構面白くて、素敵。それを僕が読み上げ、井庭研を卒業する卒業証書の授与する。そして、4年生へのプレゼントも、それぞれの人に合わせて考えて用意する。これがまた、いい。

僕は、この数年間かなりの時間をともに過ごし、活動してきたメンバーへの思いを込めて、「思い出ビデオ」映像を制作して上映する。そんな感じで、笑いあり、(ちょこっと)涙ありの卒業式となる。

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「人生プレゼン」は、卒業する4年生が、各自のこれまでの人生を振り返り、今後を語るというものだ。みんな写真をたくさん載せた、魅力的なスライドをつくってくる。それを、研究室から持って来たプロジェクターでスクリーンに映して、人生についてのプレゼンをする。

子どものときからどんなことをしてきたのかや、研究室で見る姿とはまた異なる一面を見ることができ、その人の理解が深まる。そして、今後、どのような人生を歩んでいきたいかなど、なかなか普段は聞くことができない深い話も出てくる。いつものとおり、質疑応答やコメントの時間もしっかりある。真面目な内容だけでなく、みんないろんな手を使って笑わせてくるので、楽しくて、あっという間に時間が流れていく。

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合宿2日目は、富士サファリパークへ行った。みんなで動物をみながら、「うぉー、ライオンだ!」とか「あれ、かわいい!」とかいいながら、車でワイワイ。大人になっても楽しいものだね。

こんなふうにして、卒業する4年生との最後の時間を過ごした。

今年井庭研を卒業した4年生は3人。

それぞれの道を、しっかりと歩いていってほしい。

卒業おめでとう。
井庭研だより | - | -

4月2日から NHK「スーパープレゼンテーション」放送開始!

僕も毎週出演する、NHK Eテレの新番組「スーパープレゼンテーション」が、いよいよ4月2日(月)から始まります。

NHK Eテレ 毎週月曜日 23:00〜23:25
「スーパープレゼンテーション」
4月2日(月)より 放送開始
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/


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この番組では、TEDカンファレンスから、毎週おすすめのプレゼンテーション(talk)を、解説つきで紹介していきます。「語学教養番組」というジャンルの番組で、知的なコンテンツに触れながら、英語と教養の両方に磨きをかけることができそうです。

メイン・ナビゲータ―は、伊藤 穰一さん(MITメディアラボ所長, Joi Ito's Web)。英語ナビゲータ―は、 Kylee さん(アメリカ在住の女子高生シンガー, Kylee OFFICIAL WEB)。

僕はKyleeと会話しながら、TEDトークの「アイデアの伝え方、魅力的な見せ方」について、「プレゼンテーション・パターン」を使って解説します。


この番組に先立って、3月30日(金)に特番の「スーパープレゼンテーションSP」が放送されました。TEDとは何かやその舞台裏など、とても興味深い内容になっています。見逃したという方は、4月1日(日)午後4時から再放送があるので、ぜひご覧ください。詳しくは、番組ホームページで。

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